仮面ライダービルド dungeon world 異世界帰りの白兎 作:山吹色ノ大妖精
「成程なぁ。ライダーシステム、パンドラボックス、新世界の創造・・・異世界は存在していると思っていたとは言え、頭が痛くなるわ・・・」
全てを話し終えると、ロキ様は頭を痛そうに仰いだ。神々にとって未知は大好物、しかし幾ら神とは言えコレ程の規模だと頭が痛くなるのだろう。
「オマケにベルはゼウスとヘラの系譜や・・・コレらの情報が適当に漏れたら、ベルはあっという間に何処かのファミリアに引き抜かれかねん・・・」
かなり頭を悩ませているロキ様を見て、申し訳ない気持ちがわいてきた。
「・・・よし、予定通りするべきやな。その前にベル、自分に言わなければならないことがある」
「な、何ですか?」
何やら只ならぬ声色で話しかけてくるロキ様に、慄きながら聞いてみる。するとロキ様はこちらに振り向き、指をビシッと指しながらこう言った。
「自分のヘスティア・ファミリアはうちの傘下になるんや」
「・・・え、えぇ!?いいんですか!?神様とロキ様は仲が悪いんじゃ・・・」
「そこはこの際構わへん。あのエボルトのこともある。それに自分のライダーシステムとかがバレたら、相手の物量で押されて奪われるで?」
「それはわかっていました。僕が仮面ライダービルドであることはいずれバレる筈でしたから、神様がいいのであれば、僕は構いません」
僕はそれで言い終わるとロキ様は神様に向かって真剣な顔で言いました。
「らしいで?ドチビ、後は自分だけや」
「うっ、うぅ・・・。わかった。ベル君がそこまで言うなら、ボクもそれに従うよ」
「ヨシ、それじゃあさっきの部屋に戻るで」
話が終わったことで、僕達はさっきの部屋に戻った。そこには何処か気まずい雰囲気が漂っていた。エボルトは堂々としていたが
「フィン、何があった?」
「エボルトが暇つぶしと言って異世界っていう規格外な話をしていたんだ」
「・・・マジかあ」
「頭が痛い話だが、この場の全員には箝口令を敷いた」
「んん・・・わかった。それでこれからについて何だけどな──」
ロキ様はヘスティア・ファミリアがロキ・ファミリアの傘下に入ると言う話をした。
「僕からは異論は無いよ」
「私もだ」
こうして交渉は成立してそれで一通り話が終わった。この後、ロキ様は『ベルを紹介したいから、皆んなを食堂で集めてくれ』となり、食堂で沢山の人を前に自己紹介をした。
「ヘスティア・ファミリアのベル・クラネルです」
「今日からヘスティア・ファミリアはうちの傘下になった。仲良くしいや!」
この後は宴会に発展した。色んな人から質問されたり、女性の方から『お姉ちゃんって呼んで?』と言われたりした。他にも、美味しい物を食べたり、異世界で知った漫画の話を語ったら受けが良く、色んな話を語りまくった。そうしている内に夜になっていった。
アイズ・ヴァレンシュタインにとって、その少年は興味の対象である。駆け出しのレベル1でありながらミノタウロスを倒した。その際に纏っていたあの赤と青の鎧にそれほどの力があるのかと、怪物祭で現れた花のモンスターですら単独で打ち倒した。
(知りたい。君のその力を知りたい)
思いだったが吉日、そう言う様に彼女はベルの元へ向かった。そしてそれを見る少女がいた。
「アイズさん?」
少女の名はレフィーヤ・ウィリディス。アイズ・ヴァレンシュタインを憧憬として、彼女の背を追うエルフである。アイズの向かう先にレフィーヤは気になった結果、彼女を尾行することにした。
コンコン、と扉がノックされた。こんな時間に誰だろう。ロキ様?
「どうぞ」
「失礼します・・・」
「ヴァレンシュタインさん!?」
許可を出すと、入ってきたのはアイズ・ヴァレンシュタインさんだった。
「何故ここに?」
「あの力について聞かせてほしいの」
「ライダーシステムのことですか」
「えっと・・・うん」
おそらく彼女はライダーシステムの力を欲しているのだろう、けどアレは簡単に人が使っていい物では無い。もしそれを使うからには聞かなければならないことがある。
「ヴァレンシュタインさん、何故そこまで力が欲しいのですか?」
「・・・私の両親は、モンスターに殺されたの。だから私は、私の様な人を出さない為に剣を取ったの。これじゃダメ?」
「50点、と言ったところかな・・・」
「え?」
彼女の言っている事は事実なのだろう。話している時の目は憎悪に満ちていた。本当は不合格とした方が正解の筈だと思う。
「作ってあげる・・・っと言いたい所だけど、これから仮面ライダーになる貴女には、絶対に不必要な物がある」
「不必要・・・?」
だから力を望む彼女のために言っておくべきだろう。
「それは『憎しみ』。仮面ライダーは英雄だ。本当の英雄は、最後まで憎悪のままに戦わない」
「!」
「心当たりあるみたいだね。それじゃあ、早速取り掛かろう。と言いたい所だけど、もう遅いですし、明日にしましょう」
時計を見ると針は10時に止まっている。
「うん、わかった。おやすみ、ベル」
「おやすみなさい、ヴァレンシュタインさん」
「私のことは、アイズで良いよ?」
「・・・分かりました。アイズさん」
「ふふっ・・・」
こうして、波乱万丈な一日はすぎたのであった。
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