仮面ライダービルド dungeon world 異世界帰りの白兎 作:山吹色ノ大妖精
神様と晩御飯を食べた翌朝、早起きした僕は今日もダンジョンでお金稼ぎをするべく出かけた。教会に続く路地裏からメインストリートに出て、ダンジョンの方向に向かっていると視線を感じた。周りを見回しても誰も居らず、此方に奇怪な視線を向けているだけで気のせいかと思うと
「あの・・・」
「はい?」
後ろから声がしたので振り返ってみると、鈍色の髪をした女の子がいた。手には魔石がある。しかし、僕は昨日ギルドで換金を済ませている為、持っているはずがない。
「それ僕のじゃないですよ?」
「え?貴方の袋から落ちたものでしたが・・・」
「・・・」
怪しい。何故この人は嘘をつくんだろうと疑問に思った。異世界に飛ばされる前の鈍い僕なら何も疑問に思わず、魔石を受け取って感謝を述べるとこだったが、生憎向こうの経験で人を疑うことを覚えた僕はこの人を警戒するに値する物だと判断した。取り敢えず目的を聞こうとしよう。
「はーい!そこ、どうしたの?」
「あ、アリーゼさん!」
「あれ?シルじゃん、どうしたの?」
そこではっきりとした声が聞こえてそちらに振り返ると、赤い髪の女性がこちらに近づいてきた。目の前の女の子は赤い人のことを知っているようで『アリーゼさん』と呼んだ。対するアリーゼさんとやらこの人を『シルさん』と呼んだ。アリーゼさんは僕に一瞥すると何かを理解したように僕の手首を掴んだ。
「へ?」
「君、可愛い顔していて女の子にセクハラするなんてダメじゃない!」
「え、えぇ!?」
アリーゼさんが意味のわからないことを言い出したせいで周りの視線が冷たくなった気がした。そこでシルさんとやら介入する。
「ちょっと、アリーゼさん!別にこの子からは何もされていませんよ!」
「あれ?そうなの?」
そうしてシルさんはアリーゼさんに僕が魔石を落としたのを拾ったと言う事情を話してアリーゼさんは納得した顔してこちらに向き直ると頭を下げて言った。
「ごめんねー!勝手に勘違いしちゃって!」
「・・・まぁ、かなりビックリしましたよ」
この人が介入したこともあって、シルさんの嘘事情が真実っぽくなってしまった。そう思っているとこの人は笑いながら
「シルが魔石を落としたっていうのは嘘ってわかっているから大丈夫よ!この子の目的は客引きだから、そんなに警戒しなくても大丈夫だよ!」
「え?そうなんですか?」
そう言いながらシルさんの方に向くと、笑いながら頷いていた。朝一番でセクハラ疑惑をかけられたので、やけに疲れた。そのせいかふとお腹が鳴ってしまう。結構大きかったからか、二人にも聞こえてしまって笑ってしまう。は、恥ずかしい・・・
「ご、ごめんなさい!お詫びにこれを貰ってくれませんか?」
そう言いながら、シルさんは懐から弁当箱を取り出す。い、良いのかな?
「良いんですか?」
「はい、その代わりに今晩、お店に来てくれませんか?」
「それなら・・・良いですけど」
「それなら、私も一緒に良い?私もお詫びとしてはなんだけど、奢るよ?」
「か、構わないデス」
警戒を解いたせいか、二人の顔を見ると何故か恥ずかしくなってしまう・・・っていうか、周りに殺気が!?早くトンズラしよう。
「あの、お店の名前は?」
「【豊穣の女主人】です。そういえばお名前を聞きたいのですが」
「ベル・クラネルです。また会いましょう、シルさん、アリーゼさん!」
そう言いながらここから逃げるようにダンジョン方面へ走る。今日は沢山稼いで沢山食べよう!
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