仮面ライダービルド dungeon world 異世界帰りの白兎 作:山吹色ノ大妖精
「【ロキ・ファミリア】じゃない・・・どうしたの?」
「いえ・・・大したことではないので、気にしなくて良いです」
「そう・・・」
「みんな、ダンジョン遠征ご苦労さん!今夜は宴や!思う存分、呑めぇ!」
『おおぉぉ!!』
向こうで宴会をしている派閥は【ロキ・ファミリア】。アイズ・ヴァレンシュタインさんが所属している派閥である。昨日は変身して戦った姿を見られたまでは良かったが、彼女に気づかず変身解除して素顔を見られてしまったのがかなりの痛手だ。出来ることなら見つかりたくない。けど迂闊に動けば【アストレア・ファミリア】の皆さんに何かあると疑われてしまう。取り敢えず気配を小さくなりながら飯を食べることにする。
「【ロキ・ファミリア】はうちのお得意様なんですが・・・ベルさん?どうしたんですか?」
「僕の所属が【ヘスティア・ファミリア】なので見つかったら何か言われそうなので小さくなってるんです」
「あら、貴方、ヘスティアの眷属だったの?」
「えぇ、そうですけど」
どうやら神様とアストレア様とはお知り合いのようだ。
「ヘスティアにようやく眷属ができたのね、だらし無い面もあるけど、ヘスティアのことをよろしくね」
「はい。任せてくだs・・・」
「おい!アイズ!そろそろ話そうぜ!」
「あの話・・・?」
「あれだって、帰る途中で何匹か逃したミノタウロス!最後の一匹、お前が5階層で始末しただろ!?そんで、ほれ、あん時いたウサギ野郎の!」
「あっ」
狼人の言ってることって恐らく僕のことだろう。しかし、どうやらあの人はミノタウロスをアイズ・ヴァレンシュタインさんが倒したと思っているらしい。こちらとしては良い勘違いしていて、何処かほっとしている。狼人の人は今も色々言っていて、それを他の人が嗜めている。しかし、アイズさんの一言でソレは止まった。
「私はミノタウロスを倒していませんよ?」
「は?」
「あっ・・・」
「装備からしてどっからどう見ても駆け出しのガキがミノタウロスを倒せるわけがねえ!」
「待てや、ベート、アイズたんは嘘を言っておらへん」
「何だと!?」
「アイズたん、詳しい話を聞かせてくれんか?」
「う、うん・・・」
不味い!取り敢えず見つかる前にここから逃げないと!
「シルさん、お金は置いときます。お釣りは要りません」
「えっ、ちょっと、ベルさん!?」
「さよなら!」
脱兎の如くこの場から逃げ出そうとすると、ガシッと肩を掴まれて固定された。後ろを振り返ると極東の人がニッコリとしている。最悪な事に少し目立ってしまい、アイズさんにも目が合ってしまった。
「あっ」
「ん?どうしたん?」
「あの子です。ミノタウロスを倒したのは」
「ふーん・・・少年、詳しく聞かせてくれんか?」
ロキ様がニヤニヤしながら近づいてくる。僕は抵抗とばかりに後ろの極東の人を睨むも、その人はニコニコしたままである。手も未だにがっしりと掴まれて逃げ出せそうにも無い。取り敢えず問答に答えるべく、必死に頭を回転させる。先ず頭に浮かんだのは・・・
「・・・他のファミリアに干渉するのは規則違反では?」
「それもそうやな、けど、今はお話しているだけやで?」
「それでもこんな木端の冒険者にロキ・ファミリアの主神様が話しかけることは無いかと思います」
「そんなことは無いで?ウチが話しかけるくらいには見所があるで」
「・・・・・・」
「今度は無言を決め込むか?それならこっちにも手段は、あダァ!?」
「へ?」
相手は神で敵いもしない心理戦は緑髪のエルフさんがロキ様の頭を叩くことで終わった。その人は呆れた顔をしながらロキ様を見ている。
「やめろロキ、店主が見ている」
「あぁ・・・それもそうやな、それじゃあ少年、名前とファミリアだけでも教えてくれんか?」
「・・・ベル・クラネル、所属は【ヘスティア・ファミリア】です」
「何ぃ!?、ドチビの眷属やったんか!?通りで気になるんや。あっ、そうだベル、うちのファミリアに来んか?面倒見るで?」
名前と所属を言ったら、今度は勧誘された。何だこの神は!?けど勧誘については断ろう。
「申し訳ありませんが、【ロキ・ファミリア】には一回来たんですが、見た目だけで門前払いを受けました」
「何やて?」
「流石に都合が良すぎます。それにヘスティア様には拾ってもらった恩がありますから、それと後ろの方には離して欲しいんですが」
「耀夜、離してあげなさい」
ようやく離してもらえたので、ここから逃げよう。
「そろそろ帰りたいので・・・失礼します」
僕はそう言いながら【豊穣の女主人】から出て帰路についた。今度から【ロキ・ファミリア】については気をつけよう・・・