仮面ライダービルド dungeon world 異世界帰りの白兎   作:山吹色ノ大妖精

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食人花

 屋根の上を走って現場に着くとそこには地面から蛇の様なモンスターがいる。他にもさっき会ったロキ・ファミリアの三人が戦っている。二人のアマゾネスの攻撃を見る限りだと打撃は効いていないようだ。そこにもう一人のエルフの少女が魔法の撃つために詠唱を始めようとした。その瞬間、モンスターがエルフの少女に向き彼女に標的を変えた。それを瞬時に理解した僕は左脚のクイックラッシュレッグを使用して彼女を庇った。地面から生えた緑色の触手が僕を襲うが、ビルドの装甲がそれを防いだ。

 

「くぅ・・・大丈夫ですか?」

「へ?・・・あっ、だ、大丈夫・・・です?」

「そこで待っていてください」

「えっ、ちょ、ちょっと、待ってください!」

 

 僕は彼女の声を無視しながら、緑色のモンスターに向かって歩いていく。するとそのモンスターは形状を変えた。いや、本当の姿を現した。

 

「花のモンスターだったのか・・・」

「ティオナ!ティオネ!レフィーヤ!そして君は・・・」

「アイズ・ヴァレンシュタイン・・・」

「アイズ!この人知ってるの!?」

「話は後、今はコイツを処理することが先決です」

「そうね、この子の言う通り、コイツを倒すわよ」

 

 こうしてロキ・ファミリアと共闘することになった。

 

「相手は花のモンスター、植物なら炎と斬撃が有効、それならコレ」

「ん?何する気?」

 

 自分で作ったビルドフォンの拡張アプリであるアイテムボックスから赤色と水色のフルボトルを取り出す。ラビットとタンクを再び抜き取り、新しく用意した二本のボトルを振ってスロットに挿入した。

 

『フェニックス!』『ヘリコプター!』

「ビルドアップ」

 

 僕はその掛け声と共にこの世界で初であるトライアルフォームに変身した。

 

「おお!凄い!カッコいい!」

「先行するので、フォローをお願いします!」

「ちょっと、何勝手に仕切っているのよ。私に命令していいのは団長だけなんだから・・・って、おい!」

 

 背中のバトローターブレードを外して接近。その接近中に、触手が襲ってくるが、右腕のフレイムリヴァイバーで牽制のつもりで炎を放つ。強力な炎に焼かれた触手は黒焦げになってしまった。今度はバトローターブレードを右手に持ち変えてそれに炎を纏わせる。続いて触手がくるが、それを切り伏せて本体に接触、花弁に向かって刃を振るう。それでちょうど魔石を破壊できたのか、花は灰となった。

 

「一人で倒しちゃった・・・」

「何なのよアレ・・・アイズ?どうしたの」

「君、ベルだよね?」

「ベル?何処かで聞いたことがあるような・・・」

「この前の豊穣の女主人の時の少年か?」

「ロキ・・・うん」

「あの時の!?アレはレベル2相当の力だと思ってたけど、想像を上回ったわ・・・」

 

 どうやら彼女らに正体がバレてしまったようなので、大人しくボトルを抜き取って変身を解除した時、振動を感じた。そう思った瞬間、地面から同様の花のモンスターが三体現れた。

 

「また!?」

「ロキ!下がっていて!」

「分かっとる。気ぃ付けや」

 

 もう一度変身するべく、フルボトルを振ろうとしたが、再び触手が僕を襲い、変身していない僕はあえなく近くの屋台に吹っ飛ばされた。そこで声が聞こえた。

 

「ひっ!」

「ぐぅ・・・は?お、女の子・・・!?」

「少年!無事か!?」

「僕は兎も角・・・この子を!」

 

 そうしている内に、ロキ・ファミリアの三人はモンスター達と戦っている。しかしそのうち二人は拳、打撃が効きにくいので相性が悪い。状況を変えるには・・・

 

「僕が行かないと・・・」

「何で・・・」

「え?」

「何であなたが行くんですか!」

 

 そこに僕を大きな声で怒鳴ってくるエルフの子がいた。その顔には困惑の色が見える。

 

「どうして私を庇ったんですか!?どうしてあなたは戦うんですか!?あなたは一体何なんですか!」

「レフィーヤ・・・」

 

 慟哭にも似たその声に僕は彼女は自身の無力感を呪っていることを理解した。それは、僕があっちの世界で、子供だからと戦えずにいたあの時の感情と同じだった。ならば、かける言葉は見つかった。

 

「今の僕は・・・仮面ライダーだからだ」

「え?」

「過去の僕は、憧れる人達と一緒に戦えなくて、守られているだけの存在だった。今の貴女と同じ様に」

「・・・・・・」

「一緒に行きましょう。今の貴女なら、この状況を変えられる。助けることが出来る!」

「ッ!!」

「悪魔と相乗りする覚悟はありますか?えっと・・・」

 

 名前を聞いてなかったので、言葉を詰まらせてしまった僕を見た彼女は微笑み、自分の名前を名乗った。

 

「レフィーヤです。ウィーシェの森の誇り高きエルフ、レフィーヤ・ウィリディスです!」

「わかりました!行きましょう、レフィーヤさん!」

「はい!」

「ククッ・・・若いって、ええなぁ・・・」

 

 ロキ様の声を最後に、僕は即座に変身する。

 

『ラビット!』『タンク!」『ベストマッチ!』『Are you ready?』

「変身ッ!!」

『鋼のムーンサルト!ラビット!タンク!イエーイ!』

「ウッヒョーカックイイー!」

「ロキ様はその子と一緒に離れてください!」

「分かったで!頑張りーや!」

 

 ロキ様が女の子と一緒に離れていくところを見た僕達は早速行動に移った。

 

「詠唱します。守ってください!」

「はい!」

「【ウィーシェの名のもとに願う。森の先人よ、誇り高き同胞よ。我が声に応じ草原へと来れ】」

「レフィーヤ!?・・・みんな!レフィーヤを守るわよ!」

「うん」

「おう!」

 

 レフィーヤさんに気づいたモンスターが彼女を触手で襲おうとするが、僕がドリルクラッシャーで迎撃する。それを見た他の三人もレフィーヤさんを守るべく行動を移す。

 

「【繋ぐ絆、楽宴の契り。円環を廻し舞い踊れ。至れ、妖精の輪。どうか──力を貸してほしい】」

 

 彼女の魔力に反応しているのか、強くなっていく魔力に触手の勢いが増す。それらを僕達が防いでいく。

 

「【エルフ・リング】」

 

 その魔法の名前とともに、彼女の周りは一つのリングに囲われる。そして彼女は詠唱を続けていく。

 

「【終末の前触れよ、白き雪よ。黄昏を前に(うず)を巻け。閉ざされる光、凍てつく大地。吹雪け三度の厳冬──我が名はアールヴ!】」

「来るわよ!退避!」

「【ウィン・フィンブルヴェトル】!」

 

 彼女の魔法が発動した瞬間、三体のモンスターは巨大な氷像になった。今の奴らは何も出来ない。

 

「トドメだ!」

『Ready go!』『ボルティックス・フィニッシュ!』

「ハアアアアッ!!」

 

 氷像に向かってライダーキックを当てたことで、氷像は粉々になって、周りは氷の粒子で幻想的な風景が出来上がった。そこで体力の限界が来たのか、僕の目の前は真っ暗になった。




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