鬼滅の刃 蝶と日と   作:毛利カトリーヌ

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遊郭に潜入した炭治郎たち。

そんな中、遊女として潜入した胡蝶カナエ・しのぶ姉妹はその美貌から遊郭ではたちまち、評判になっておりました。

今回は番外編で、カナエの遊郭での接待の様子について描写します!



番外編 胡蝶カナエの接待

時を僅かに巻き戻す。

 

京極屋に潜入した花柱・胡蝶カナエはたちまち、そこで評判になっていた。

 

「まあ、綺麗ですね! きっとうちの蕨姫花魁と張っちゃうくらいですよ」

 

「絶対に仕込んで遊郭一の花魁にするわよ!」

 

女中たちが口々にそう言うのをカナエはフワフワした声で謙遜する。

 

「いえいえ。私なんてそんな……。蕨姫さんってそんなに綺麗な方なのですか?」

 

「ええ。それはとても綺麗だわ。うちは遊郭でも大層繫盛しているけど、それは蕨姫花魁あってのことなのよ」

 

「へえ、そうなんですね。是非、お会いしてみたいですね」

 

カナエは興味津々に言うが、女中からこう釘を刺された。

 

「しかし蕨姫花魁には気を付けたほうがいいわ」

 

「えっ、なんでですか?」

 

「かなり気性が荒く、気に入らないことがあると折檻される、という噂よ」

 

「それは妬みとかで誰かが根も葉もない噂を流しているとかではなくて?」

 

人の好いカナエはそう尋ねる。

 

「いや、それが彼女と接した者は大体、足抜けしてしまうらしいから、気を付けることね」

 

「は~い!」

 

女中たちから、遊女としての手解きを受け、カナエもカナエで吞み込みが早く、数日で遊女として使われることとなった。

 

十分に化粧を施されたカナエの姿は、まさに荘厳そのものだった。端正な目鼻立ちが化粧でより際立ち、簪で絹糸のように綺麗な黒髪を後ろで纏めた姿。

何より、接待用の鮮やかな着物姿が非常に映え、カナエの完璧すぎる容姿を何倍にも際立たせている。

 

まるで花魁そのものの姿に、男たちは誰もが振り向き、息を呑んだ。

 

「こ、これは……。新しい花魁か?」

 

「今まで出会ったどの花魁よりも美人だ……」

 

「あらあら。私はまだ新米ですから……。でもそう言ってくれてありがとうございます」

 

カナエもカナエで精一杯、笑みを浮かべて殊勝に答えた。そして、男性たちと共にお酒を飲む。

 

カナエの盃には男たちによって、我も我もとばかりに次々とお酒注がれ、カナエは喉をゴクンと鳴らしながら一気に飲み干した。

 

カナエの飲みっぷりに一同からは拍手が沸き起こった。

 

「お酒強いんだね! 姐ちゃん!」

 

「俺の酒にも付き合ってくれ!」

 

「はいはい」

 

カナエは顔色を一切変えることなく、男たちのお酒に付き合っていった。お酒を酌み交わしながら、男たちに他愛もない話を振り、彼らの話をじっくりと聞く。

 

カナエは聞き上手で、相手のどんな話も受け入れる包容力がある。ニコニコと笑顔を浮かべながら慎ましく頷きながら聞く様子に、どんな相手もたちまち心を開いてしまうのだ。

 

彼らの心をすっかり掴んだカナエは、いよいよ核心な話題に入る。

 

「そういえば少し前に雛鶴という花魁がいなくなったと聞いたんだけど彼女、どうしたのかしら?」

 

「いや、それが俺もわからねえんだよ。なんか突然、足抜けしたんだよな?」

 

「ああ。だけどここでは足抜けなんてしょっちゅうだから、そんなに気にすることはないだろうよ。それより新しい花魁さん、俺の頭を撫でてくれ~!」

 

「バカ! 俺が先だ!」

 

「はいはい」

 

カナエは笑みを浮かべたまま、彼らを抱きしめてそれらの頭をゆっくりと撫でていくのであった。カナエは既に何倍も盃を空けているにも拘らず顔色一つ変えていないのに対し、男たちはすっかりと顔を赤らめている。

 

それからもカナエの下にはひっきりなしに男たちが集い、カナエも相手にしていき、夜はあっという間に明けていった。

 

この夜の接待で、胡蝶カナエ改め胡蝶花魁はたちまち、京極屋で期待の遊女となったのだった。




次回は妹のしのぶの接待です!

お楽しみに!
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