ポケモン保護区域。
ホウエン地方某所に存在し、傷ついたポケモンなどを保護して野生に返す為の場所である。
「んー、広い」
本来人が立ち入る事は不可能な場所に特別に入れてもらった。
エリアは主に四つで、草原エリア、森エリア、山エリア、水辺エリアと分かれていて、多種多様なポケモンがホウエン中から保護されここで暮らしている。
「よし、いけっ」
本来人がいない場所に人がいるのはあまり良くないので俺は入口付近から動くつもりはない。
代わりに手持ちをのんびり遊ばせようと思う次第である。
「好きに遊んできな」
「ふぉぉぉぉぉう」
ミロカロスがボーマンダに巻きついて飛んでいった。俺のポケモンの手持ちにも序列が出来ているという事か……相性も最悪だし。
「強く生きろよ……」
恐らく水辺エリアまでの足にされたボーマンダはこれからも頑張ってほしい。この序列は一生覆る事はないと思う。
「な?」
「…………」
シュッ、と無言で繰り出される後ろ足。
それを間一髪で躱す俺。
「やっぱ可愛くねえ! 早く遊んでこい!」
「…………!」
「……よし、寝るか」
遊び疲れて3匹が戻ってくるまでまだまだ時間はあるだろう。
せっかくの天気で、こんなに寝転んだら気持ちよさそうな草原なんだ。これは寝るしかないだろう。
人もいなければ、どうせ近寄ってくるポケモンもいない。なら、ゆっくり出来るだろう。
まどろみの中で、鼻がムズムズした。
くしゃみが出そうだ。
口に手を当てようとして、手が動かない事に気がついた。
「……ふえっくし! ……あえ?」
目を開けると、目の前がピンクだった。
「どういうこと?」
状況を整理しよう。
目が覚めたら視界がピンクだった。
全くもって意味がわからない。そして体が動かない。
「なにこれ?」
「なーお」
視界を覆っていたピンクが動いて、俺の目には物凄い数のエネコが俺の周りで寝ているというわけのわからない光景が映っていた。
「なんで?」
右見ても左見てもエネコ。
ポケモン保護区域のポケモンは人に傷つけられた場合も多く警戒心が高いって聞いてたんだけど。
「んな〜?」
警戒心とかカケラもなさそうな雰囲気なのだが。殆どのエネコが寝てるし、起きてるのはこの顔に乗ってたふてぶてしいこのエネコくらいなものである。
「あの、どいてくれません?」
身体が1ミリも動かせないんですが。
「な〜」
ダメらしい。首を振られた。
くっそ、モフモフに包まれすぎて何も出来ん。
もう一回寝よ。
「な〜お」
ほらエネコもおやすみって言ってるし。
「んあ……?」
なんかひんやりしてる。
「ふぉぉぉぉぉう!」
「あ、おはよう。ミロカロス」
「ふぉぉぉぉう!!」
「あの、ところで。なんで俺巻き付かれてるの?」
エネコの次はミロカロスか。
「ふぉぉぉぉぉう!」
「うん、ひんやりして気持ちいいけど、そろそろ解放して欲しいかな?」
「……ふぉぉぉう」
しぶしぶといった雰囲気を出しながら離してくれた。
近くに、エネコが山になっている。
山になっててもエネコ達は全く気にならないようで、のんびり寝ている。
「……コイツら、野生に帰してもいいんじゃなかろうか」
むしろ警戒心のカケラもないコイツらに少し警戒する事を教えた方がいいんじゃなかろうか。
「……うん、帰ろうか」
ミロカロスもいるし、ボーマンダもギャロップも戻ってきた。
「んー! よく寝た」
夜は寝れないかもしれない。
そんなわけでリクエストよりエネコに埋もれる主人公を書きました。
エネコに包まれた主人公を見たミロカロスが嫉妬して巻きつくシーンが思い浮かんだので書きました。書き出すまでに随分とかかりました。
次も気長にお待ちください。
リクエストも受付中だったりします。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=280789&uid=175894
ブイズ人気投票します。一位のポケモンが主人公の手持ちになるらしいです。
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