ダイビングという技を使うとトレーナーも一緒に海中に潜れるらしいという噂を聞いた。
おあつらえ向きのポケモンが俺の手持ちにはいるじゃないかと言う事で、覚えさせて使ってみた。
「どうなってんだこれ」
「ふぉぉぉう」
ポケモンの背に捕まってダイビングという技を使って潜ったら水中で息が出来る不思議な現象が起きた。
よくわからないけどそう言う事なんだろうと思う。
「すっごい」
海の上から見る海中と海の中からみる海中は完全に別物だ。見た事ないポケモンや、ドククラゲやラブカスなんかの知ってるポケモン、ホエルオーなどの巨大なポケモン。
澄んだ青の世界で数多のポケモンが思い思い泳いでいる。
「ふぉぉぉぉぉう」
「ん? 海底か」
海底まで辿り着き、砂を少し巻き上げながら進む。
「パールルに……あっ、ジーランスだ!?」
博物館で見た事あるポケモンまで見かけるとは思わなかった。
生きた化石とまで言われるジーランスをこの目で見る事が出来るとは思わなかった。
「……いやぁ、取り入れてみるもんだな」
そもそも半信半疑だったけれど、実際に潜れて、貴重なポケモンまで見てしまったとあればその有用性を認めざるを得ない。
「ふぉぉぉう!」
「どうしたミロカロ……スっ」
海底の砂が舞い上がる。
視界が砂に覆われて、周りの状況がわからなくなり、ミロカロスが全力でその場から離れたので剥がされないようにしっかりと掴まる。
後ろを振り返って、驚愕。
「……逃げろッ!!!」
海上へ、方向転換。
アレは、人が相対してはいけないポケモンだ。脇目も振らず全速力で海の上へ。
「まずいまずいまずい!」
逃げて逃げて海上へ。
「戻れミロカロス! ボーマンダ!」
やけに長く感じた海上までの時間。
海上に上がった瞬間ミロカロスを戻して、ボーマンダを出して飛び乗る。
「急いで!」
説明している時間はない。
俺の意図を察してくれたボーマンダは陸地へ向けて全速力で飛び出して。
ゴッッッ!!!
「……そんなんありかよ」
海に穴が空いて。
少し前まで俺がいた場所を通過していった水のレーザーが消えた頃。
「……バケモンじゃねえか」
ビンビン感じていたプレッシャーが消え失せて、ボーマンダの背の上で長い息を吐く。
「あれが海の王か」
気まぐれに向けられた敵意。
見知らぬ存在への興味。
「……カイオーガ。海そのものだな」
人がどうこう出来る存在じゃないな。
この広い海で偶々潜った場所に偶々カイオーガが近くに来ていた。
……そんな偶然有りなのか。
「あれが、伝説のポケモンかぁ……」
ミロカロスがいち早く気付いてくれなかったら俺は今頃海の藻屑になっていただろうと思うとゾッとすると共に、とても高揚してきている。
「伝説のポケモンに逢っちまった……!」
また逢えるといいな。
「また、潜ってみようかな」
色んな場所で、色んな地方で、ミロカロスと一緒に潜っても楽しそうだなと思うそんな日だった。
何やら、お気に入り登録者が5000を超えて戦々恐々としています。ありがとうございます。
不定期かつ短くて思いつきなこの短編集がここまでの人々に読んでいただけるとは思ってませんでした。
ブイズ人気投票します。一位のポケモンが主人公の手持ちになるらしいです。
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