ダイの大冒険でよろず屋を営んでいます   作:トッシー

44 / 47
漸くラーハルトもとい竜騎衆戦終了です(^_^;)


本日の目玉商品『上やくそう』

「ハーケンディストールッ!!!!!」

 

ラーハルトの最大の秘技が戦場を蹂躙する。

台風の如き猛威がパーティーを吹き飛ばす。

上空に飛んでいたタケルとはぐりんは難を逃れたが、他のメンバーは無防備にラーハルトの奥義を受けることになった。

ダイは竜闘気を全開にしてその場に踏みとどまる。

しかしポップとレオナは、

 

「うおおおおおああああああっ!!?」

「きゃあああああああっ!!?」

 

ラーハルトの絶技が引き起こした暴風に引き離され吹き飛ぶ。

 

「レオナ!ポップ!!」

 

ダイは急いで二人のもとに向かう。

しかしどちらに?

 

「ポップは俺が!ダイは姫を!」

 

タケルがそう叫びながら飛翔呪文でポップの方へ飛ぶ。

 

「分かった!」

 

タケルの声にダイは弾かれたように飛び出した。

小さな身体からは考えられないような力強い跳躍によって一足飛びにレオナの側まで辿り着く。

ダイはレオナの身体を庇うように自身の身体を盾とする。

ブシュリ、ブシュリとダイの身体から鮮血が舞う。

 

なんて凄まじい技なんだ…っ!!

 

鉄壁の竜闘気の防御を抜き自身の身体にダメージを与える。

クロコダインの獣王痛恨撃でさえ耐えたというのに…っ!

 

ダイはその痛みに耐えながら陸戦騎の猛威から抜け出すべく身を翻し、地面に降り立った。

同時にポップを回収したタケルがルーラによってダイの側に現れる。

 

「ほう、流石にこれまでの戦いを潜り抜けてきただけはあるな」

 

雑魚と侮ることはない。

慢心を捨てて相対したが、まさかここまでのダメージを受けるとは…。

ラーハルトは自身の纏っていた鎧を一瞥する。

斑蜘蛛の糸によって絡め取られた鎧は、糸を除かない限り装備はできまい。

 

敬愛する主の息子、そしてその仲間達の強い闘志が伝わってくる。

ニンゲンが竜の騎士のチカラを利用して切り抜けてきたのだと思っていたが…。

しかし認めることなど出来無い。

ニンゲン如きにそれ程のチカラが有るなどと…。

目の前の敵と成り得るのはタケルと不本意だがダイのみ。

ポップとレオナは負傷によって意識を失っている。

ダイとタケルは戦意を更に高めて二人を庇うように前に出てきている。

ラーハルトは脳裏に忌まわしき記憶が過る。

 

-大勢の人間に殺される魔族の女性と人間の男性、

 

ニンゲンとはそんな“種族”のはずだ。

断じて身を挺して他人を護る輩ではない。

ラーハルトは槍を構えながら再び口を開いた。

 

「……ディーノ様、今一度お考え直し下さい。どうか俺と共に…」

 

「な、何度も言わせるなっ!嫌だって言ってるだろうっ!」

 

「ディーノ様、こやつらは竜の騎士のチカラを利用しているだけに過ぎません。マンに一つ、例え魔王軍を滅ぼすことが出来たとしても、その後で奴らは貴方を迫害するでしょう…っ、そうなった時、貴方の心は耐えられますかっ!?」

 

「……うっ」

 

-近づくな化物!!

 

-こ、こわい…、お兄ちゃんたち怖いっ!!!

 

ベンガーナの街での出来事が思い出さる。

人々の自身を見る視線がまるで鋭い刃物のように身体中に突き刺さる感覚。

痛みはないが、酷く冷たかったことを覚えている。

 

ダイはラーハルトを見た。

敵対する魔王軍の戦士だ。

しかし自分を見るその眼は穏やかであり、ベンガーナの人々とは違う温かみを感じる。その視線の先には未だ見ぬ父親の影が見え隠れした。

 

「ふ、ふざけんな!」

 

そんなダイの迷いを振り払ったのはポップの声だった。

振り返るとタケルのベホイミによって復活したポップが迷いのない眼でラーハルトを睨みつけていた。

同時進行でレオナの治療も進んでいるようでダイは安堵する。

 

「少なくても俺たちは死んでもそんなコトするもんかよっ!ダイは俺達の大事な仲間だぜっ!利用だとっ!?迫害だと!?そんな事させっかよっ!!!」

 

「ポップ…」

 

ポップの熱い言葉に目頭が熱くなる。

 

「そのとおりよ…、他の誰がどう思おうと私達は最後までダイ君の味方よ」

 

仲間達の意思は一つだった。

 

「そのとおりだ!俺達は絶対に負けないっ!ラーハルト、何度言われようと俺は人間の味方だ!勇者ダイだっ!」

 

ダイはドラゴンスレイヤーを逆手に構えた。

同時にダイの意思に呼応するように額の紋章が光を放つ。

 

敵とはいえ自身を気遣い説得を続けたラーハルト。

そして人間達の自分を見る眼と態度。

 

それらはダイの心に影を落とした。

しかし仲間達の存在が影を吹き払ったのだ。

もう迷いはなかった。

 

「……、しまっ!?」

 

ラーハルトが気づいた時には遅かった。

眼を焼くような閃光が紋章から放たれる。

それは正しく竜の騎士の固有技“紋章閃”だった。

額から放たれた光線は凄まじい速さでラーハルトに直進する。

ラーハルトが反応出来たのは超一流の戦士故か、歴戦の戦闘経験からか。

肩を焼かれながらも、どうにか光線を回避する。

紋章閃はラーハルトの真横を通り過ぎ、遥か後方の岩山を貫いて見えなくなった。

なんという威力っ、

 

「今だっ!タケル!ポップッ!!」

 

ダイの声に弾かれるように二人は動いた。

 

「「ヒャダルコッ!!!」」

 

ラーハルトの移動した足元に二人の放った氷系呪文が縛鎖のようにその足を拘束する。

 

「アバンストラッシュッ!!!」

 

そこに間髪入れずに奥義が炸裂した。

閃光の如き斬撃がラーハルトの視界を埋め尽くした。

 

 

 

 

 

 

そして、

 

「何故ですか…」

 

ラーハルトの頭は理解できないナニかに埋め尽くされていた。

自身の身体を見る。

ダメージは有る。しかし自分は五体満足で生きていた。

鎧の魔槍を失った今、竜闘気を収束した一撃に耐えられる道理はなかった。

ラーハルトの身体にはアバンストラッシュによって穿たれた傷はなく、そのダメージを肩代わりしたかのようにその後ろが更地と化していた。

アバン流における“空”の技の特性だろう。

 

ダイは悲しそうな、それでいて寂しそうな表情でラーハルトを見ていた。

 

「ディーノ、さま…」

 

「分かるんだ…、あんたの言ってること、きっと間違いじゃないんだって…」

 

ラーハルトの言い分、そして自分の身を案じる父親とその部下。

ラーハルトは最後までダイだけには殺意を向けはしなかった。

ダイは気づいていたのだ。

ハーケンディストールの威力に…。

ダイがレオナ達庇った瞬間、ラーハルトは絶妙の力加減によって技の威力を分散させていたことに。

最後までダイを気遣いながら戦っていた事に。

もしもラーハルトを斃してしまえば絶対に後悔する事に。

 

「それでも俺は人間を…、いや仲間を信じるよ」

 

ダイは額の紋章の輝きを消して笑顔でそう言った。

その言葉にラーハルトは唖然として、

 

「……ソアラ様」

 

それは紋章の輝きではない。太陽の輝きを感じてしまう。

 

「……え?」

 

「……申し訳ありません、バラン様…」

 

ラーハルトの手から槍が滑り落ちた。

陸戦騎の闘志を挫いたのは竜の力か、それとも他の何かなのか。

ラーハルトは身体の力を抜くとその意識を手放した。

 

 

 

凄まじ過ぎる強敵だった…。

知ってたつもりだったのにラーハルト、とんでもない強さだった。

原作のヒュンケル、よく一人でラーハルトに勝てたな…。

タケルは背筋を流れる冷や汗に身体を震わせながらも、ラーハルトに駆け寄るダイの後ろ姿を見つめていた。

まさか“アバンストラッシュ”を外すなんて…。

結局ラーハルトを降したのは、竜の力じゃなくて“ダイ”のチカラだった。

本当に大した奴らだよ…。

タケルは“道具袋”から“上やくそう”を取り出しながらダイの後を追って駆け出した。

 

「あ、レベルアップしてる」

 

ラーハルトもとい竜騎衆との戦いの戦果である“つよさ”を確認しながらも次に襲い来るであろう脅威にタケルの憂鬱な心は晴れなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く?

 

 

 

 

 

 

レベル31

 

さいだいHP:177

さいだいMP:645

 

ちから:72

すばやさ:181

たいりょく:88

かしこさ:311

うんのよさ:256

 

攻撃力:210

防御力:341

 

どうぐ

E:メタルキングの槍

E:メタルキングよろい

E:メタルキングヘルム

E:スーパーリング

E:星降る腕輪

 

どうぐ(チート道具袋ではない手持ちの)

 

エルフの飲み薬

エルフの飲み薬

世界樹のしずく

世界樹のしずく

賢者の石

メタルキングの剣

メタルウィング

 

メタルキングよろい +120(炎や吹雪を防ぐ)

メタルキングヘルム +60(マヌーサ、メダパニ、ザキ系などの呪文を防ぐ)

メタルキングの盾  +70(あらゆるダメージを軽減)

 

 

 

呪文・特技

 

錬金釜 採取 大声 口笛 

寝る 忍び足 穴掘り 大防御

連続魔法 雄叫び 思い出す もっと思い出す

 

 

ホイミ ベホイミ ベホマ

キアリー キアリク シャナク

メラ メラミ メラゾーマ

ギラ ベギラマ 

イオ イオラ

ヒャド ヒャダルコ ヒャダイン マヒャド

バギ バギマ バギクロス

ドラゴラム

ニフラム マホカトール

バイキルト バイシオン 

スカラ スクルト 

ピオラ ピオリム 

ルカニ ルカナン

ラリホー ラリホーマ

バーハ フバーハ

ラナリオン

トラマナ レミーラ 

インパス アバカム 

ルーラ トベルーラ リリルーラ

レムオル 




原作ヒュンケル、どうして勝てたんでしょうw
実はもうHP1以下にならないバグが発生していた可能性が…っ!?

失礼しました(・。・;

ラーハルトを降したのはダイの心ということにしておいて下さい。
描写が難しいですね…。

ヒュンケルの出番がどんどん無くなっていく…。
長兄ヒュンケル、結構好きなんですが…。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。