ダイの大冒険でよろず屋を営んでいます   作:トッシー

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ネイルの村です。


本日の目玉商品『毒消し草』

現在オレは一人魔の森を練り歩いていた。

原作キャラの一人、マァムに会ってみたい。

まぁチョットした願望みたいなものだ。

目指すはネイルの村だ。

それにしても魔の森のド真ん中に村を作るなんて何を考えてんだろう?

 

もう魔王軍が復活したのは周知の事実となっている。

魔物の凶暴化もますます拍車が掛かり手が付けられないまでになっていた。

しかし魔導書によって戦闘力を飛躍的に高めたオレに怖いものなど無い!魔物でも大魔王でも掛かってきやがれ!

すいません。ウソです。

現在オレは以前と同じように聖水を巻きながら忍び足で移動中です。

確かに魔導書に載っていた呪文は全て契約できた。

しかし実際に魔の森の魔物と進んで戦うほど俺はバカじゃない。

この森の魔物は今まで旅をしてきた地域の魔物よりも強いのだ。

何故なら獣王の支配する森だからだ。

そこに住む百獣魔団は半端じゃない。

ライオンヘッドを見た時、俺はチビリそうになったくらいだ。

あれは怖すぎる。

俺の知識にあるライオンよりも一回りでかかった。

しかも羽とか生えてたし。

 

ライオンヘッドに気付かれない様に逃げ出した俺は気を取り直してネイルの村を目指す。それでも偶に魔物に見つかって襲われたりもするが…。

 

「ベギラマ!」

 

「ギャアアアア!!」

 

習得したての呪文で焼き払う。

俺の放った閃熱呪文(ベギラマ)はリカントと人面樹を薙ぎ払った。

うん、流石はベギラマ。かなりの威力だ。

この世界はギラ系が強い。

なにせイオナズンよりもベギラゴンの方が強いっぽいのだ。

メラゾーマやイオナズンよりもベギラゴンですよ。

ハドラーもベギラゴン習得した時、メチャクチャ喜んでいたしな。

俺にもギラ系の素養があって良かった。

 

「おっとレベルアップか」

 

頭の中でファンファーレが響く。

何度も聞いているのでもう慣れた。

多分この音楽、俺しか聞くことはないんだろうなぁ。

この世界の人々は、魔物と戦闘以前に普通に修行でレベルアップするみたいだし。

レベルアップって結構凄いと思う。

元の世界に戻ったら間違いなく運動神経チートだよな。

普通に長剣を振り回せる腕力は付いた。

重い荷物を担いだまま走りまわる体力もある。

 

「でもなぁ」

 

それでもこの世界だと本職の戦士には全く敵わない。

まぁ俺は魔法で戦う後衛系ですから。

守ってくれる前衛いないけど…。

 

「さてと、そろそろ到着してもいい筈だけどな」

 

俺は地図を見ながら辺りを見渡した。

前方に明かりと煙が見えた。

どうやらネイルの村の様だ。

俺は歩く足を早めた。

 

 

 

 

素朴で平穏。

それがこの村の第一印象だった。

入り口から村全体が見渡せるほど小さな村。

家も数える程しか建っていない。

中心の広場を囲むように建てられた民家。

見たところ宿屋は無いみたいだ。

商売を行うにしても、あまり高価なものを買う余裕はないだろう。

マァムになら安く売ってやっても良いが…。

何せアバンの使徒の強化は平和に繋がるからな。

それにマァムは可愛いしな。

 

「それにしても良い村だなぁ」

 

この村を歩いていると、世話になった村を思い出す。

見ず知らずの俺を受け入れてくれたあの村を。

皆元気にしているかな?

1年ほど前に旅立ってから一度も戻っていない。

暇を見て帰ってみるのも良いかもしれない。

 

「きゃっ!」

 

その時だった。

俺は何かにぶつかった。

考え事をしていたのが良くなかった。

女の子だった。十歳前後の可愛らしい女の子。

俺にぶつかった拍子で尻餅を付いている。

 

「大丈夫か?ごめん、考え事をしていたんだ」

 

俺はそう言いながら女の子の手を取って起こして上げた。

 

「こっちこそゴメンナサイ。えっとお兄ちゃんは?」

 

「あぁ、俺は旅の商人で先刻この―」

「―お兄ちゃん商人さんなの!?」

 

「あ、あぁ」

 

「だったら毒消し草ありますか!?」

 

「勿論あるよ。だれか毒に侵されたのかい?」

 

「お、お母さんが、バブルスライムに噛まれて…」

 

俺が事情を聞くと女の子は目に涙を浮かべて肩を震わせた。

成る程、お母さんの為か…。

こんな女の子からお金を取るほど俺は強欲じゃない。

それに毒消し草は魔の森で採取してある為、多く持っている。

それに毒消し草を使う必要はない。

 

「あの、毒消し草……これで足りますか?」

 

女の子はお金を差し出した。

1G硬貨が5枚。

毒消し草の値段は10G。

女の子は不安そうに俺の顔を見上げている。

俺はそっとお金を持った手を引かせた。

 

「大丈夫、お母さんの所に案内してくれるか?」

 

「…う、うん!」

 

俺の言葉に女の子の表情がパアッと明るくなった。

 

 

女の子の家に案内された俺は、彼女の母の前に立つ。

ベッドに横たわっている母の顔色は悪く、息を苦しそうだ。

俺は女の子に「大丈夫だよ」と声をかけると母親に手をかざした。

 

キアリー(解毒呪文)

 

覚えておいて良かった解毒呪文。

魔法の光に包まれた母親は見る見るうちに顔色が良くなる。

 

「お母さん!」

 

光が収まった時、母親は安らかな寝息を立てていた。

 

「これでもう大丈夫だ」

 

「ありがとうお兄ちゃん!」

 

お兄ちゃんか。

悪くないなその呼び方。

 

「……私は」

 

「お、気がついた」

 

「お母さん、大丈夫?」

 

「ミーナ……心配掛けてごめんなさい」

 

女の子は嬉しそうに母親に抱きついた。

 

 

 

 

それから暫くして。

 

「本当に何とお礼をっていいか」

 

「本当にありがとう!」

 

「いえ、こんなに美味しい料理を御馳走になれたんです。むしろコチラが感謝したいぐらいですよ」

 

「まぁ!おかわりは沢山ありますからいっぱい食べてくださいね」

 

俺は母親を助けたお礼にと晩御飯をご馳走になっていた。

女の子の名前はミーナ。

なんと彼女は、たった一人で魔の森に毒消し草を取りに行くつもりだったのだ。

魔王復活のため凶暴化した魔物の影響で。村に来なくなった行商人。

その所為で村の蓄えも充分とは言えなかった。

以前買っておいた毒消し草も数日前に無くなっていたのである。

街まで行こうにも森は大変危険である。

それでも母の為にミーナは一人でも森に向かおうと考えたのであった。

ミーナの母、おばさんは「危険なことはしないで」と説教をして、改めてオレにお礼を言って頭を下げた。

 

「邪魔するぞ」

 

「あ、村長様」

 

家に入ってきたのは優しそうな老人だった。

老人、村長はおばさんを見ると、不思議そうに首をかしげた。

 

「ふむ……見舞いに来たのじゃが…、お前さん、もう大丈夫なのか?」

 

「はい、この方の解毒呪文のおかげで」

 

「そうか、村長として礼を言うぞ」

 

「いえ…」

 

「という事はマァムとは入れ違いになったのか」

 

「どういうこと?」

 

「ふむ、マァムのやつがミーナが森に向かったと勘違いしての」

 

「マァムおねえちゃんが!?」

 

「……なぁに、あの娘なら心配はないじゃろう」

 

「えっと……心配ないって?

 女の子なんですよね?オレも魔の森を通って来たんですけど

 あの森は凶暴な魔物がいてかなり危険なんだけど…」

 

原作知識はあるけど一般人なら当然の疑問を突っ込んでおきましょう。

するとミーナが自信満々に言った。

 

「大丈夫だよ、お兄ちゃん」

 

「どういうことだい?」

 

「マァムおねえちゃんは凄く強いんだから!」

 

「そうじゃな。何せ『アバンの使徒』じゃからのう」

 

「凄いな!じゃあアバンの使徒に会えるのかな」

 

「それだけじゃないぞ。

 

マァムの母レイラは嘗て勇者アバンと共に戦った仲間じゃ」

 

「へぇ、英雄の村って事か」

 

オレが感心したふうに言うと、村長はフムと考えこむようにヒゲを撫でた。

 

「ふむ、お前さん、魔の森を抜けて来たんじゃったな」

 

「はい、結構ヤバかったですけど…」

 

「物は相談なんじゃがお前さん、マァムを探してきてくれんか?」

 

「えっと…」

 

「知っての通り、マァムはミーナを探しに行った

ミーナがここに居る事をマァムは知らん

このままだと何時までもミーナを探して森を歩き続けるかも知れん」

 

村長の言うことも一理ある。

でも正直言って遠慮したい。

それにもう日も沈んでおり外は薄暗い。

この状態で魔の森を歩くのはマジで怖い。

俺は戦士じゃないしがない商人だ。

けど…。

 

「お兄ちゃん…」

 

この顔には勝てん。

ミーナちゃんは縋るような上目づかいで俺を見ている。

 

「村長さん」

 

「なんじゃ?」

 

「この村の人達が毒消し草を採取する場所、教えてもらっても?

マァムさんはミーナちゃんを探してそこに向かうと思うんです」

 

「そうじゃな。毒消し草の群生地はここからそう遠くはない。

 

村を出てロモスの方角に行くと、川が流れておる。

 

 その川にそって南に下れば直ぐじゃよ」

 

「お兄ちゃん、マァムお姉ちゃんを呼んできてくれるの?」

 

「ああ、すぐに戻るよ」

 

「すまんのぅ」

 

俺は心の中で膝をつき溜息を付いた。

また魔の森を一人で歩くのか…。

しかしその不安以上にマァムに会えるのは楽しみだ。

こうなったら腹をくくるしか無い。

平和なドラクエ世界を取り戻すにはアバンの使徒に頑張ってもらうしか無い。

でないと商売上がったりだ。

俺は荷物を背負うと、ネイルの村の入口を目指して歩き出した。

 

「後で村長に毒消し草、買ってもらおう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

タケル

性別:おとこ

職業:錬金術師

レベル:11

 

さいだいHP:71

さいだいMP:536

 

ちから:29

すばやさ:36

たいりょく:37

かしこさ:256

うんのよさ:256

 

攻撃力:107

防御力:75

 

どうぐ

E:ガンブレード

E:ビロードマント

E:力の盾・改

E:幸せの帽子

E:スーパーリング

E:魔法の弾×10

 

呪文・特技

 

錬金釜 採取 大声 口笛 

寝る 忍び足 穴掘り 

 

ホイミ ベホイミ 

キアリー キアリク シャナク

メラ メラミ メラゾーマ

ギラ ベギラマ 

ヒャド ヒャダルコ

バギ バギマ

フバーハ

ラナリオン

トラマナ レミーラ

 

 


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