杖の勇者のお導き   作:しゅん65

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第1話 勇者召喚

「う,ううぅうん・・・・・・・・・」

 

う~,頭が痛い。何だか割れるみたい。

 

・・・・・・・・・・ところでここ,どこだろう?

さっきまで私がいた場所じゃないことだけは確かなんだけど・・・・・・・・・

っていうか、確かにさっき私は死んだはずじゃあ・・・・・・・

 

「おお・・・・成功したぞ。」「ああ・・・・・・・」

 

え?周りに誰かいるの?っていうか誰?

 

「いや、おかしい。多くないか?」「ああ、なぜ7人も・・・・・・・」「一体3人もどっから来たんだ?」

 

何だか騒がしくなりましたね。っていうか、呼び出したのあなたたちでは?

 

「おおっ,勇者様方ッ!どうかこの世界をお救いください!!!」

「「「「はい?」」」」「「「えっ?」」」

 

えっ,後ろから声?ってか、まだ周りに誰かいるの?

と私が周囲を見渡してみると,いろいろ分かったことがある。

 

 

 

まず,私が今いる場所は教会のような建物,いやもっと言ったらその地下のような場所である、・・・・・と思う。

で,私の目の前にいるのはローブを身にまとった男たちが数名。

一方、後ろにいるのは同じような格好をした男性達が4人、そして女子が私を含めて3人。

 

「ん・・・・・・?」

 

この杖・・・・・・・・・・

ふと自分が杖を持っていることに気が付いた。何だか古めかしい、RPG系のゲームにいかにも出てきそうな感じだ。

っていうか、いつの間に?私こんなもん持ってるはずがないんだけど。

 

「それはどういう意味ですか?」

 

4人の男性の中の一人が質問する。

 

「色々と込み入った事情がありますゆえ,ご理解いただける言い方ですと,勇者様たちを古の儀式で償還させていただきました。」

「召喚・・・・・・・」

「色々と事情がありますが、古の儀式によりあなたがた伝説の四聖勇者を召喚させて頂きました。」

言われてみれば,私たちの足元には何やら魔法陣が光り輝いています。

 

 

 

「この世界は今、存亡の危機に立たされているのです。勇者様方、どうかお力をお貸しください。」

そう言い、ローブの男たちが深々と頭を下げてきた。

 

これを無碍にするのは,さすがに良くないですよね・・・・・・・・・・

 

「断る。」

「そうですね。」

「元の世界に帰してくれるのか?話はそれからだ。」

 

「ええっ!!!な、なんで断ろうとするんですかぁ?」

突然の大声に全員がこちらを振り向く。

 

そりゃあそうでしょう!

頭を下げている人たちを目の前にそんな風に断るだなんて、あなたたちはそれでも男なんですか?

 

「あぁ、この子の言う通りだ。目の前で助けを求める人がいるっていうのに断るだなんて、お前らホントに男かぁ?タマちゃんとついてんのか?」

「ちょ、そんな下品なこと言わないでくださいっ!」

「ぁあ?!お前そんなこと気にしてんのかぁ?」

金髪頭のヤンキーみたいな彼女がバシバシ私の頭を笑いながら叩いてきます。

 

確かに私もさっき似たようなこと思いましたけど?表現とかそういうのかあるでしょうが!

 

 

 

「だってそうだろ。おい、強制的に呼びつけたことに対する罪悪感はお前等にはないのか?」

剣を持った、クールな顔立ちの方が剣の先をローブの男たちに向ける

 

「仮に、世界が平和になったらポイっと元の世界に戻されてはタダ働きですしね。」

弓を持った、さわやかそうな方も同意してローブの男たちを睨みつけている。

 

「こっちの意思をどれだけ汲み取ってくれるんだ?話によっちゃ俺たちが世界の敵に回るかもしれないぜ。」

槍を持った、これまた女にやたらモテそうな方がこちらも槍を男たちに向けて言っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・

・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ナニコレ?

何なのこの人たち?

あきれて声も出ないんですけど?!

 

7人のうち、3人がこんな調子じゃこの先どうなるんでしょうか・・・・・・・・

 

「・・・・・・・・・・俺は別にいいぞ。話を聞いてやるだけでもいいじゃないか。」

「「「「えっ」」」」「おっ」

 

声の方を振り返ると、腕に盾を取り付けている、目つきの比較的鋭いほうが、腕組をしている。

・・・・・・・・・・腕にそんなもんつけてよく腕組ができますね、この人・・・・・・。

 

「どういう意味だ?」

「そのままだ。話だけなら聞いてやる。その上で、俺に何かできそうならば答えてやる。」

「あ、ありがとうございます!!!!」

 

あ,なんだかんだ言いながらこの人は優しそ

 

「ただし、そっちが俺たちを利用したりはめようとしたら・・・・・・・・」

 

 

 

 

ギラリと睨みつけて、

「それなりの報いは受けてもらう。その時は容赦しないからな。」

「はっ、はい。」

 

・・・・・・・・・・そうじゃなかった。

いや、他の3人よりはマシなのかな?

 

よくよく表情を見てみると、確かに目つきは悪そうに感じるけど、悪い人って感じまでじゃないですね。

 

 

 

「あなた達、さっきから何、変なこと言ってるのかしら?」

黒く滑らかな長い髪の高貴そうな女性があきれたような声で囁いた。

うわぁ、キレイ・・・・・・・・・・・・

 

「ん?どうしたの?」

「あら、あなた達、まるでここが現実に起こったかのように考えているみたいだけど、これが単なる夢って考えないのかしら?」

 

 

 

え?

この人、今この状況を夢だと思ってるの?

 

「はぁ?!てめぇふざけんなよ。これが夢だった言いてぇのか?そっちこそ変なこと言ってんじゃあねぇよ!」

「ふふふ、声荒げちゃって。落ち着きがないのね。それともおとなしくするだけの脳もないのかしら?」

「はぁん?!」

 

 

 

 

 

「や、やめましょうよ二人とも!」

このままじゃどうにもならなさそうなので、とにかく間に入って喧嘩を鎮める。

 

え?なんで私が鎮めるのか、だって?

肝心の男子たちがこの状況をただ見ているだけだから、ですよ!!!

 

 

 

 

「と、ともかく!!!」

 

しょうがないので、私が最終的に仲裁役になることになりました。

 

「とりあえずまずはココが何処なのか、私たちはなぜここに呼び出されたのか、これからどうすればいいのか。兎にも角にも話を聞いてみないことに変わりありませんよ!」

 

「はい、まずは我が国、メルロマルクの女王と謁見して頂きたい。報奨の相談などはその場でお願いします」

 

ローブを着た男の代表が重苦しい扉を開けさせて道を示してきました。

これはもう道は一つしかありませんね。

 

「……しょうがないな」

 

「ですね」

 

「ま、どいつを相手にしても話はかわらねえけどな」

 

さっきまで文句たらたらだったこの人たちも何とか納得してくれたようですね。

 

「よっしゃあ!じゃ行こうぜ。」

 

「ふん、どうせ夢なんでしょうけど。」

 

こうして彼女たちも動き始めました。それにしてもまだ疑っているのでしょうか。

 

こうして私たちはこの薄暗い部屋から出ていくことになりました。

 




この世界の尚文は最初からワイルド尚文です。

尚文の強姦冤罪事件はどうする?

  • 発生する方向で
  • せっかくなら別の事件で

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