で、その後私たちは教会から出て街を歩いていた。
道は石造り?のようなもので舗装されていて、まるで中世ヨーロッパのような街並み(見たことないですけど)は、私が異世界に来たということをまじまじと実感させてくれます。
「ところでさ、まずはやっぱり武器や防具を整えるところからじゃないですか?ほら、私なんかすごく軽装ですし。」
「確かにそうですね・・・・・・・・ん?でも、麻衣さんは所謂アークウィザード、魔法使いなのですよね?そういうの必要なんですか?」
「えっ?!」
「えぇ!!やはり私たちアークウィザードは己の魔法一貫で戦うものじゃないですか?!」
「まぁまぁ、そういうのは人それぞれなんじゃないんすかぁ?よし!じゃあ早速武器屋に行こうぜ!俺、いい武器屋知ってるんすよ!」
と、カイトに連れ添られてやって来た、大きな剣の看板が印象的ないかにも~なお店に入ると、店内は壁一面に武器という武器が飾って展示していて、カウンターにはハゲ頭の店主みたいな人がいました。
「いらっしゃい。おっ、そこにいるのはこの前来てくれた坊主達だな。で、そこにいるのが・・・・・・・」
「はじめまして。私が杖の勇者の積田麻衣です。」
「麻衣さん、ここの武器屋結構いい品ぞろえですから、贔屓しといたほうがいいですよ。」
「嬉しいこといってくれるねぇ、そこの嬢ちゃん。」
「で?勇者の嬢ちゃんはどんなのが欲しいんだい?」
「はい!あ・・・・・・あ、あの~」
「ん?」
「まずは服を買ってからでいいですか?」
「というと?」
「この服、結構この世界からしたら変に見えますよね?」
「あ~そうだな。確かに嬢ちゃんの服装は変わってるな。さっき来た盾のあんちゃんとかもそうだったしな。それだったら知り合いの服屋を紹介してやるからそこへ行きな。」
「ほぉ、盾の勇者様も来てたんすねぇ。」
「あぁ。連れの姐ちゃんは準備万全だったからあんちゃんの防具を買っていってたな。」
「・・・・・・それってくさりかたびら、っすか?」
「あぁ、そうだが。」
「・・・・・・まぁ初心者にはくさりかたびらがベターっすよねぇ・・・・・・あ、女性専用のくさりかたびらとかないっすかぁ?」
「聞いたことがねぇなぁ・・・・・・・」
「とはいえ、ウチで防具を買ってくれるのなら中着もオマケしておくぜ。なんにせよ良いものを装備しなきゃ舐められるぜ。」
「えぇそうですねその通りです!!」
「どれみふぁさん?どうしました?」
「前から思ってたけど、んだぁその変な名前は?」
「我の名に何か文句でも?それよりも先ほどからずっと気になっていましたが、その杖、なんか弱そうじゃないですか?」
「「え?」」
「おいおい、嬢ちゃん、そりゃあないぜ。確かに素っ気ない飾りげもないような感じだけどよ、曲がりなりにも勇者様の武器なんだろ?見たままじゃ分からねぇなにかすげぇ力があるんじゃないのか?さっきの盾のあんちゃんの盾だってそうだったしよ。それはそうとして・・・・・・なぁ嬢ちゃん、その杖、少し見せてくれないか?」
「それはいいですけど・・・・・・この杖手から離れないんですよ。」
そう、何故かこの杖は左手の手のひらにべったりくっついて離れないのだ。昨日の夜だっておかげで杖を抱いたままで眠る羽目になったんですから。
「麻衣ちゃんの方が店主に近づけば見せられるっすよぉ。」
「・・・・・・あ、それもそうですね!」
「・・・・・・嬢ちゃんたちの関係ってどうなっているんだ?」
「なるほどな、これも一見すれば普通の杖だが、この水晶部分がな・・・・・・なにやら強力な力を感じる。」
「なんだか分かりますか?」
「嬢ちゃん無茶なことを言うねぇ。盾のアンちゃんにも見せてもらったけどうまく鑑定できなかったからな。呪いの類なら一発で分かるんだが。」
「そうですか・・・・・・まぁ大丈夫ですよ、悪いものじゃないならそれはそれでいいですよ!」
「ははっ、嬢ちゃんは寛容だなぁ。」
「それに、なんせこの杖は成長するんですから!」
「成長?」
「何言ってんだ勇者の嬢ちゃん。」
「見ていてください。こうやって・・・・・」
と、私は近くに置いてあった杖に触れると、
ウェポンコピーが発動しました。
木製の杖の条件が解放されました。
「よしっ!」
思ってた通りになった。武器をコピーする力がなかったらどうしようかと思っていなかったわけではないですが、当たっていてよかったです。
「そして、こうすれば・・・・・・」
と私はその『木製の杖』を再現してみることにしました。
「な、なんじゃそりゃ?!」
「す、凄いです!麻衣さんの杖が一瞬で別の杖になっちゃいました!」
「おいおい、そりゃあどういうことだぁ?」
「はい、実はですね、どうやら勇者の武器には『ウェポンコピー』という機能があるみたいでして、このように触った武器を使うことが出来るのです!その反面、杖以外の武器は使うことができませんけどね。」
「ほぅ、そんな力が・・・・・そういや盾のあんちゃんが剣を持とうとしていたけど弾かれちまってたっけな。・・・・・・・・・・ん?ちょっと待てよ。なぁ杖の嬢ちゃん、その事は他の勇者様も知っているのか?」
「あ、はい、なんせこの力は私が教えたみたいなものでして。」
「そうか、どおりで『これからの参考としてこの店の盾を触らせてほしい』なんて言ってきた訳だ。」
店主さんは苦虫を噛み潰したような顔をして、
「そういや剣のあんちゃんも槍のあんちゃんも弓のあんちゃんも武器を触るだけ触ってったな。」
「他にも杖はありますか?触らせてください!」
「店主である俺に向って堂々と盗みを働きますって言っているようなものだぞ、それ。」
「別になくなっているわけじゃないからいいんじゃないっすかぁ?」
「そういう問題じゃないだろ!」
「それに麻衣ちゃんはちゃんと報告したっすよぉ?」
「まあ・・・・・・そりゃ他の勇者は黙ってやっていったって訳だが・・・・・・はぁ、しょうがねえな。とはいえ、ウチにある杖と言ったらそこにあるので全部だ。」
「それで?話は戻るけど、嬢ちゃんはどうするんだい?」
「そ、そうですね・・・・・・や、やっぱりちょっとぐらいは身を守れるようにしたいので・・・・・・」
「おぅよ!それで予算はどれくらいだ?」
「どうしますか?」
「まぁ、銀貨600枚ぐらいあるんだから2,300枚ぐらいの範囲で買うのがいいんじゃね?」
「はい、じゃあそれで!」
「みごとに尻に敷かれてるな嬢ちゃん・・・・・・」
そう言いながらも店主さんは
「まだ経験の少ない嬢ちゃんなら・・・・・・この皮の胸当てなんてどうだ?くさりかたびらでもいいぞ。」
とおすすめしてくれました。
そうして・・・・・・
「みんな、ど、どうかな?」
「いいんじゃないっすか?」
「おぅ、似合っているぜ嬢ちゃん。」
「素晴らしいです!」
そんな感じで結局私は皮の胸当てとおまけのを買うことになりました。
くさりかたびらはなんかスタイルというかボディラインがあらわになってちょっと女性が着るのにはエロいから・・・・・・