ある日目覚めて   作:おは

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暗殺者

え、嘘でしょ何で誰もいないのにどうしてジャベリンが飛んでくるの、もし暗殺者なら。いえ確実に暗殺者ね。問題は、どうすれば生き残られかそれだけよ

 

そう考えているうちにカツカツと大理石の床に足音を響き、ジレーヌに考える時間が少なくなって行くのを教えている。

 

ああ。もう、ほとんどこっちにに来ている。ここにいるだけじゃ殺される。そうよ魔法に詠唱時間があるからもしかしたら急いで逃げたら逃げ切れるかも

 

そう思うとジレーヌは机の影から飛び出すと開いているドアに向かって走り出した。幸いにもジレーヌが机の陰から抜け出したときに魔法は飛んでこなかった。

 

・・・あと少しで逃げ切れるわ、そしたらもう安心できる。

 

と思った瞬間、ジレーヌは右のわき腹に強い痛みを感じながら倒れた。

 

「魔法が飛んでこないと思っていた顔だな」

 

なんで?私のわき腹に氷が刺さっているの・・・痛い・・いたい ・イタイィィィィィ

いつの間にかジレーヌは大声で叫んでいた。

 

「やっぱり、小さな女の子の悲鳴はいいな。心があったまるよ。もう一回鳴いてくれ」

 

「いや、何で私がこん・・・」

 

とジレーヌが言い終わる前に暗殺者は手だけが浮いている姿で

ジレーヌのわき腹に刺さった氷の矢をぐりぐりといじった。その瞬間ジレーヌは大きく目を見開いて

 

「いやっ、たすけて・・・イヤアァァァ!!ウグゥゥゥゥ」

 

と叫びながらジレーヌは体を痙攣させながら血で赤く染まった氷の矢を必死に引き抜こうとしていた。痛みに耐えようとジレーヌは血にぬれた手を伸ばし、見えない何かを強く握った。

 

「このクソガキが何してくれてんだ!」

 

と男はジレーヌの手を離すとわき腹の傷口を蹴り飛ばした。

 

そのあまりの痛みのせいで頭の吹き飛ぶような衝撃を受けたジレーヌはそのまま気絶した。

 

あのときみたいに頭がいたい、まさかまた誰かの体に乗り移ったじゃ?

 

と思ったジレーヌが頭を上げるとそこには、これまで見たことがないほどの醜い男が杖を持って笑っていた。

 

「嘘!、どうして!、やだー!」

 

青い顔をしたジレーヌが首を振るのを見ながら男は興奮した声で

 

「なんだい、そんなに首を振ったって俺はいなくならないぞ、何せお前のせいでマントが汚れちまったからなぁ。

へぇへぇへぇ」

 

恐怖と絶望のせいで、にごった目から涙を流しているジレーヌの姿を見ながら。男は笑いながら杖を手にわらいながら言い始めた。

 

「いいねぇ。その顔だよ。その顔が見たいからこの仕事をやっているんだからな、さて次は何所に突き刺してやろうかな」

 

いやだ、おなかをかき回されて吐きそうになるのも、わき腹だけじゃなくて延髄まで響く狂いそうな痛みも全部いやだ。あれよりひどいのを感じるならいっそ

 

「・・・もういたいのはいやです・・殺してもいいですから、わたしのことを嬲るのを・・・やめてください。お願いします」

 

泣きながらジレーヌは男に頼んだ。

 

「ジレーヌちゃん。もちろん頼まれるまでもなく殺すさ。でも今じゃない。殺すのはもうちょっと遊んでからさ」

 

男はその言葉をを見てケタケタ笑い出して言うとジレーヌの開いた傷口を炎で焼いた。

 

「こっ・・・殺し・・て・・良いって・・言ったのに・・なんでェェェェ」

 

と言いながらジレーヌは自分の血で濡れた床を転げまわった。

 

「なんでェェェ。じゃねぇよ。俺が楽しいから決まっているだろ!」

 

と男が言ったとき、ジレーヌにとって意外な人物が現れた。

 

「私のジレーヌに何を!しているの」

 

とクリスティーヌがそういうと男に向けてスイカほどの大きさの炎の塊を投げつけた。

 

・・・あれ、なんで・・・お母様が・・来ているの?

 

「クッソ!少し遊びすぎたか!」

 

せっかくの楽しみを邪魔されたせいで声を荒げながらと言うと男は炎の塊をブリッジをしてよけた。

 

 

あのまま、当たっちゃって焼け死んでればよかったのに、どうして当たらないかったの

 

「さて次はこっちの番だ」

 

そういうと男は部屋一面を覆いつくした氷の矢をジレーヌとクリスティーヌにむけて投げつけた

 

・・ああ・嘘でしょう、一つでも避けられなかったのに。数えられないくらい増えるなんて

とジレーヌが絶望しているなか。

 

当のクリスティーヌはただ笑って杖を一振りした。するとジレーヌとクリスティーヌに向かっていた、無数の氷の矢が霧となって消えていた。

 

すごい、あんなにあったのに簡単に無くしちゃうなんて、お母様ってとてつもなく強力なメイジなんじゃ

 

とジレーヌが思っている最中も男とクリスティーヌ。お互いの魔法を相手が相殺するという、一進一退の状況を繰り広げていた。

 

 

 

「私のジレーヌにやった事をあんたに100倍にして返してやる!」

 

息を切らしながらクリスティーヌが言うと、それを聞いた男は拍手をして

 

「おまえさん、スクエアの中でもかなり実戦慣れしたメイジだな。俺も本気で相手をしよう。『偏在』」

 

と言うと暗殺者の姿が六体の偏在が現れて、それぞれがクリスティーヌにさまざまな魔法をぶつけ始めた。

 

いくらクリスティーヌが強力なメイジと言えども7人に増えた暗殺者のの攻撃に後手をとることが増え、そして暗殺者の魔法が右肩を切り裂き、右肩から血が流れ始めた。

 

「ふあぁ、さすがに6体は無理か、もう少し面白くなるとおもったが、あと少しで俺の勝ちだ」

 

そう暗殺者が言ったとき、ブリッタともう一人意外な人物が入ってきた。

 

なんで、オリヴァーがここに来てくるのよ、あんたがこの暗殺者に私に襲わせたんじゃないの!

 

「遅いのよ、アンタ!アンタが早く来れば私のジレーヌがこんな目に会わなかったわ。この代償はきっちり、あんたの体で払ってもらうわ」

 

とブリッタの姿を見たクリスティーヌがすぐさまそういった。

 

「王妃様、この侍女が遅れた理由としては、俺が関係しているのです。処罰をするなら俺が処罰を受けるぞ」

 

とオリヴァー頭を少し下げなら言った。

 

「おいおいおい、俺のことを忘れちゃ困るぞ」

 

と暗殺者が言うと3人に向って魔法を繰り出した

 

「あの男がダミーだと言うことは分かっていたがこんな早くやるとな」

 

と言いながらオリヴァーは錬金で作り出した。鋼鉄のゴーレムを20で暗殺者の攻撃を受け止めながら、ゴーレムの一体がジレーヌの事を抱えて安全な場所に連れ出した。

 

「あの男、姫様になんて事をしでかしてくれたの」

 

ブリッタはウィンドカッターで暗殺者の魔法を切り裂いていった。

 

しばらくすると今度は逆に暗殺者がブリッタたちの攻撃を押され始め、ついに影のように分散していた暗殺者の偏在の一つががクリスティーヌの炎に包まれて、消えていった。

 

 

「うぅぅぅ、クッッッソっがさっさと死んじまえばいいものを!」

 

それを見た暗殺者は顔を真っ赤に染めてと怒鳴りながら、攻撃を繰り出した。

 

しかし、冷静さに欠ける攻撃と偏在が一体減ったことによる攻撃数の少なさによってもう一体の偏在がゴーレムの剣に切り裂かれることになった。

 

状況が不利になったことを悟った。暗殺者が逃げるために部屋の窓から向かおうと、その瞬間オリヴァーが作り出した土の壁が窓をふさいだ

 

「逃げようとしても無駄だ、おとなしく降服しろ」

 

とオリヴァーが降服を促すと

 

「王女の事を傷つけたんだ降服したところでろくな待遇はないだろう」

 

と降服を拒否すると、暗殺者は大きく息を吸って攻撃を再開した。

 

 

暗殺者は冷静差を取り戻したのか攻撃はさっきまでの大振りな攻撃と打って変わって、威力は低いが相手を正確に狙って、魔力を削る戦法に切り替えた。

 

その結果、暗殺者と真っ向勝負をしていたクリスティーヌが

 

「ここまですか、私は警備兵を呼んできますので。かならずや私のジレーヌにあんな事をした。あの男を逃がさないでください」

 

といって会議場から撤退させることに成功した。

 

 

これによってブリッタとオリヴァーのみで戦うことになって数の面では5人の偏在を暗殺者側がが対する暗殺者も魔力の供給に限界を迎えて迎えていた。

 

そして

 

「貴様ぁ、わが国の至宝になんということをしてくれたんだ」

 

と杖を持ち上げてさけぶ甲冑をまとう指揮官の後ろに30人の兵士が集合して会議場に入ってきた。

 

「あーあ、こんな人数はさすがに相手はできないな。降服する」

 

と暗殺者は杖を落とした。

 

 

そのころ、危険な場所から逃れたジレーヌをクリスティーナが見つけて話しかけていた。

 

「怪我はどう?すこしは痛みは引いたかしら」

 

あの緑色のすごい苦い薬をあの気持ち悪さと痛みが引いたけどあれ言ったどんな風に作ったの・・・あれよく見るとお母様だって肩から血が出ているし顔色が悪いじゃないの

 

「わたしは、この薬を飲んだら痛みが引いてきたので大丈夫です。お母様こそ肩から血が出ていますが大丈夫ですか?」

 

とジレーヌが聞くとクリスティーナはジレーヌを安心させるためなのか微笑むと

 

「安心して私のジレーヌこれぐらいの傷は大丈夫よ」

 

とクリスティーヌは答えた

 

そのままぎこちない空気が漂ってきた時。ジレーヌが飲んだ緑色の薬を持ってきた。顔がしわが幾重にも重なった老婆がやってきた。

 

「王妃様、大丈夫ではありませんよすぐ治療しないと傷が残りますよ」

 

と言うと老婆は節くれだった白木の杖を傷口に当てて呪文を唱えると傷口が青い青に光りながら塞がっていった。

 

わたしの傷はどうだろう痛みは治まったけど傷口は変な色のままだし。肉が焼けたにおいがいまだに鼻に付くし、これもう当分肉は食べられないなぁ。なんか今日はいろいろありすぎてとっても疲れちゃた。

 

と思うとジレーヌの泥のように眠りについた。

 

ジレーヌが目覚めるとまた何所だか知らない真っ暗の場所にいた。

 

なんで、またここにいるのよ。また『前の自分』にあって責められるのはいやよ。あのときは探していたら見つかったんだから、動かないようにすれば安心よね

 

と思いながら座り込んでいると明かりがついた音とともに暗殺者が光の下に立っていた。

 

嘘なんで・・・あんたがいるのよ。まさか逃げてきたの?・・・ううんこれは夢よ前だって夢だったじゃない

 

「そうかな、ジレーヌちゃん、もう一回これをおなかにさしてあげれば。答えはすぐ見つかるよ」

 

と暗殺者が氷の矢をジレーヌに見せたときあまりの恐怖にその場で動けなくなった。

 

「さぁージレーヌちゃん、また叫んでね」

 

と暗殺者が氷の矢を振り落としジレーヌが叫んだ瞬間、ジレーヌは目覚めてベットから起き上がった。

 

 

「姫様、大丈夫ですか、お体が震えていますが」

 

とその様子を見たブリッタが髪がぼさぼさな疲れた姿でたずねた。

 

「大丈夫よ」

 

とジレーヌは気丈に答えた。

 

体の震えは収まらないけど、ブリッタの様子を見るに変な夢を見たぐらいで、余計な心配はかけられないわ。ところでなんでシーツが冷たいんだろう・・・まさか

 

「あーうそでしょ」

 

 

ブリッタはそれを聞くと慌てながら

 

「か、体が痛むのですか?見せてください」

 

とジレーヌの布団を手にかけた。

 

「見なくていいわ、ブリッタ」

 

とジレーヌはブリッタの反応を見て慌てていったが遅かった。

 

「あー、もらしてますね。姫様が大変な目にあったのを私は知っていますからまだ彼女が帰っていませんから。」

 

とブリッタは濡れたシーツを見ながら言った。

 

そうそれなら・・・まって彼女が帰っていないまさか

 

「アー、嘘でしょこの年になって朝起きたら漏らしてるの信じられない」

 

とアイナが勝ち誇りながらいった。

 

「しかたないじゃない、怖い夢をみたんだから」

 

「あっそ。日ごろの行いが悪いあんたと違って、わたしは日ごろの行いがいいからそんな夢見ないわ」

 

と繰り広げられるジレーヌとアイナの喧嘩を見ながらブリッタは

 

さっきまであんなに震えていた姫様の震えが収まってる。あのアイナって子。姫様に悪い影響を与えると思ったけど、そうでもないみたいね。でもこれで姫様をからかうのが二人になちゃうわね。ほんとどうしましょう。

 

と思っていた。

 

そんなブリッタと喧嘩を続けているジレーヌとアイナに秋の訪れを告げる風が吹き付けた。

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