「本当にあの女、トランクの中に隠れて隠れているんでしょうね。」
アイナが立ち止まってシャルロットにまくし立てていると
「アイナ、何言ってるの。私達の中でグラン・トロワに詳しいのは、シャルロットさんしかないじゃいない
それにアンタはシャルロットさんが見つかるまでずっと休んでいたくせに」
ジレーヌが疲れた声で言った。
どうしてジレーヌが疲れているかというと、最初にやった隠れん坊の鬼のまま。広い広いグラン・トロワを
夕暮れになっても探し回っていたからである。
「イザベラお姉さまはよくトランクの中に隠れているからたぶん大丈夫よ」
シャルロットがアイナをなだめた
「ほら、シャルロットさんもそういっているし怒らないで一緒に探しましょうねっ」
それを聞いたジレーヌが文句を言っているアイナに語尾を強めて言うと
「わかったわよトランクに行く間は文句を言わない。でも、もし居なかったら許さないわ」
アイナはそういって歩き始めた。
三人はトコトコとグラン・トロアの人気のない場所のさらに奥の薄暗い小部屋が並んだ場所にやってきた
「何ここ」
アイナが目の前にあった蜘蛛の巣を払いながら聞いた。
「ひいひいおじいさまが趣味で集めていた。場違いな工芸品ってよばれているものを入れておく場所よ」
シャルロットがアイナの質問に答えた。
場違いな工芸品?工芸品って事は誰かが作ったものだけど...場違いってどうゆうこと?作ったんだから
場所ぐらい分かはずよね。分からなくても、わざわざ場違いなんて変な名前つけないわ
「場違いな工芸品?何それ」
とジレーヌがシャルロットに尋ねてみると
「私がここではいろいろ話すよりも、イザベラお姉さまがいる部屋に入って実物を見たほうが。分かりやすいから少し待ってくれる」
とシャルロットがそう答えると
「なら..」
アイナが何かを口に出すと自分がさっき言った事を思い出したのか両手で口を抑えた。その様子を見ながら
ジレーヌとシャルロットは微笑みながらイザベラの隠れている部屋の扉を開けた。
よく分からないガラクタの集まりなのにすごく懐かしいどうして。ジレーヌはそう重いながら赤くさびた箱から
伸びた配線や散らばった何かの部品を見つめていた。
「どうしたのアンタ。こんなよく分からないガラクタの集まりを愛おしそうに見つめているけど」
アイナがジレーヌの肩を叩きながらたずねた。
「なぜだか分からないけど、昔遊んでいたおもちゃが見つかったような懐かしさをここにあるものを見ていると
思うの」
ジレーヌが答えると
「ふーん、私にはアンタがこんなガラクタを懐かしいと思う、気持ちが分からないけど。そんなに懐かしいなら
一つもらっちゃえば」
そういうとアイナが黒い長方形の物体を手に取った。
「あんた達あたしのことを見つけないで、人の家のもの勝手に貰おうとしているなんていい度胸だね。言っとくけど、ここにあるものはみんな手に入れるのに一財産かかったんだ。簡単に手放すことなんておじいさまが許すはずないよ」
とトランクから出てきたイザベラがそういいながらジレーヌたちに近づくと
「ガリア王国の王族はハルケギニアで一番のお金持ちだって聞いたけど。こんなもの一つ上げられないようじゃ
私の家よりお金ないの確定ね」
アイナがそういって詰め寄ると
「悪いけどあたしはアンタと違ってちゃんと反省してるんだ。ジレーヌ、アンタがどうしてもほしいって言うなら
あたしも頼んでみるけどどうするんだい?」
イザベラは詰め寄ってきたアイナを言葉を軽くいなしながらジレーヌに言うと
「イザベラさん、その気持ちは嬉しいのだけど。あなたが言ったようにあなたのおじ意様が許さないんじゃないの?」
ジレーヌが首をかしげながら聞くと
「他人のあんた達が言うのと孫のあたしが言うんじゃおじいさまの答えも違うだろう」
イザベラが当然のように言うと
「アンタそれなら私の邪魔しに来たのよー。でもいいわ、寛大な私はこの程度のことで怒らないわ」
とアイナが自分より身長の高いイザベラをどうにか見下ろそうと背伸びをしながら言ってると
「そろそろ帰らないと歓迎会の準備に間に合わないとおもうんだけど、特にアイナさん、あなた私達と違って王女じゃないんだから、ジレーヌさんが遅れたら大変なことになるわよ」
シャルロットが三人の輪の中に入ってきてそういうと
「別にこいつが遅れたって、私が大変な目にあうわけないじゃない」
とアイナが言うと
「アンタ、ジレーヌの付き人にしてはやけに態度がでかいけどなにか隠していないかい?」
イザベラがいきなりたずねてきた。
まずい、まずいわ。イザベラさんにアイナが私の侍女じゃないことを気づかれた。あの男にどんな目に考えただけで寒気がする。
とジレーヌが考え込んでいると
「ジレーヌ、何か考え込んでいるみると本当に何か隠しているね。それもなにかとてつもなく大きいものをさあ」
イザベラは心の奥を吸い取るような透き通るような青い目でジレーヌを見つめながら言った。
あのまま押し切っていたら良かったのに私のばかばかばか何で考えちゃったのよ、本当にどうしよう
とジレーヌが考えていると
「分かった、分かった、言うわよ。私は人魚の国のハイフェア王国の王女よ。これで満足?」
とアイナがイザベラとジレーヌの間に身を乗り出して自分の本当の姿を明かした
「アッハハ!面白い冗談だねというとも思ったのかい?嘘をつくなら、もっとましな嘘をついたらどうだい
アンタは知らないようだねぇ、人魚は下半身が魚できているのさ」
イザベラは扇子を取り出してアイナの肩をぽんぽんと叩いた。
「イザベラお姉さま、そこまで怒らなくてもいいじゃないですか」
とシャルロットがなだめようといったが
「あたしはね、真面目なことを聞いているのに冗談で返されるのが一番嫌いなんだ!」
とイザベラはアイナに言うと
「水石と土石、あんた持ってる?」
あれ?いつものアイナならここで言い返しているはずなのにどうして言い返さないの
とジレーヌが思っていると
「水石と土石だって!?それを使うと人魚の姿になるのかい?」
さっきまでの様子と違うことにイザベラは不思議な気持ちを抱きながらアイナにたずねると
「そうよ、だから今すぐここでなってあげるから持ってきなさいよ」
とアイナはイザベラにいつもの剣幕で言うと
「分かったよ、今すぐ持ってくるから絶対に人魚の姿になりなよ」
と言い残してイザベラは部屋の扉を開けた。
アイナが言い出さなくてもあのままじゃ、どうしようもないことは分かっているけどシャルロットさんやイザベラさんが受け入れてくれるかなんて分からないじゃないの
「どぉ~して!しゃべったちゃったのよ!ブリッタから人魚だって事はばれない様にって、あれだけ言われていたじゃない」
「ジレーヌアンタの玉に言ったのに、何でアンタ怒るのよ!」
「アイナさん、本当に人魚なの?」
とジレーヌとアイナが言い争いをしているとシャルロットが不安な表情で聞いてきた
「アンタ、不安な顔をしているけどさっきまで遊んでいたあたしのことが怖いの?」
アイナが聞き返すと
「うん、すこし。人魚は危険だってお父様が話していたから」
シャルロットは小さくうなぞくと
「別に怖くなんてないわよ、アンタがどうしても怖がりたいなら夜中にアンタの部屋にやってきてあげても良いけど」
とアイナがシャルロット怖がらせていると
「ほら、水石と土石もって来たよ」
イザベラは良く磨かれて海のように青光を放つ水石と黒蜜のような色合いの土石をアイナに手渡した。
「それじゃ、精霊と会話して人魚の姿になるけど少し待って邪魔になるものを脱ぐから。後私が脱いだら私の体支えてね」
というとアイナはシュミーズ一枚になるとジレーヌたちに体を支えてもらいながら
「わが血族と制約を交わした水の精霊よ、我をそなた達と共に水で踊る体に帰られよ」
と厳かなにアイナが言うと下半身が青白い光に包まれると黄金に輝く鱗が生えた魚の下半身が現れた
「本当に人魚だったなんて...」
「お父様からもらった本に書いてあったとおり姿だわ」
「アイナその姿で立つことできるの?」
と三人がそれぞれに言っていると
「ジレーヌ、立てるわけないから支えてもらっているんじゃないの、そんなこと聞くならあそこにあるトランクを
持ってきなさいよ」
といわれたジレーヌはトランクをアイナの近くに持ってくると
「アンタ達元に戻すのに時間がかかるから、人魚についての質問に答えるけど聞きたいことはある」
とアイナがトランクに座って尾びれをぶらぶらさせながら聞くとイザベラとシャルロットはお互いに顔をを見た後にシャルロットが息を飲み込んでからたずねた。
「それじゃアイナさん、亜人たちは大いなる存在崇めているって本に書いてあるけど本当にそうなの?」
「運、本当よ。私の種族も大いなる存在のことを信じているわそれでね、ラブセリウムにある大いなる意思と会話するお寺があってフローラ姉さまはそこの巫女なの」
とアイナが答えるとシャルロットは感心していると
「水の中で暮らすのはどんな感じなんだい。じ、実はあたし泳げないんだ。水の中で自由に泳げるってどんな感じなのか知りたいんだ」
とイザベラが顔を赤くしてそわそわしながらたずねた。
「そうね、水の中にもぐると水の色が変わるのよ。最初緑色だったのが青に変わって最後は、夕方みたいに紫色に変わるのそれを見るのが私が海で暮らしていたとき一番好きだったわ。ほかにもね、魚の群れの中に入って驚いた魚達が形を変えるのを中で見るのも魚が体に当たらなかったら楽しいわよ。アレほんといたいのよね」
とアイナが答えるとイザべラはうらやましそうな表情をしながら
「あたしも、誰かに泳ぐことを教えてもらおうかな」
と言った。
イザベラとシャルロットがアイナの本当の姿を見ても楽しそうに会話しているのを見ながら
「ねぇ、アイナ。自分の本当の姿を言い出すとき怖くなかったの?人魚は恐れられているのに」
とジレーヌは唇をかみ締めて聞くと
「別に怖くなんてないわよ。アンタが困っているの助けたいって思っていたし、それにね友達に嘘をつくなんていやじゃないの」
と朗らかに答えた。その答えを聞いたジレーヌの心は志津ンで言った。
アイナあなたはいいわね、自分の本当に姿を言うことを怖く感じないんだから、私は怖いわ自分が悪魔つきであること友達のあなたにも喋っていないもの。ねぇ、そんな友達に嘘をついているわたしがアイナと友達でいていいのかしら?