ある日目覚めて   作:おは

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家族

布団に包まりながらりながら男は、自分が自分の名前を忘れているのに気づいて、混乱した。

一体、どうゆうことなんだ、ほかの知識は覚えているのに

自分に関する記憶を、ほとんど忘れているって。

 

 

かすかに残っていたのは、自分が浴びるように、酒を飲んでいたこと自分の顔のことだけだった。

男は、この状況から逃げるために、自分が『居る』体のことを考え始めた。

 

それにしても、この体の本来の持ち主は、どうなったんだろ?

まさか、俺がこの体に入ったときに、『消滅した』、なんて事はだろうな。

と思っていると、さっきのメイドが、言ったことを思い出した。

 

そういえば、この部屋に来たメイドが言うにはずっと、目覚めていなかった。みたいだけど

それは、この体の持ち主が居なかった。ことなのか

 

俺が、実はもっと前に、乗り移っていて、今目覚めただけなのかどっちなんだろうなぁ。

もしも、俺のせいで、消滅だったら、この子に申し訳が立たないな。と考えていると。

 

「陛下、見てくださいジレーヌ様が起き上がって、陛下を、見ておられます」

 

ドアが開いて、小太りなメイドがそういいながら

同じ濃い紫色をした髪の男と、疲れ切った顔をした栗毛の女と若いメイドを連れて入ってきた。

 

男はそれが、さっき小太りなメイドが言った、この子の両親だな、と思いながら

二人の顔を見つめながら、この子の顔のどこに、出ているかを考えていた。

 

 

男は、この子の髪色と、瞳はこの男の面影が強く出ているな。

この子の顔や体つきは、疲れ切った顔をしているが、母親のを確かに受け継いでいるな

と思っていると、不思議な感覚が襲われた。

 

それは、ふたりの顔を覗き込んでいると、今あったばかりなのに

なぜか、本当の家族のように、心が安心するのだった。

 

そうやって見つめていると、母親の目のから涙が流れ始め、そしてすぐにそれは号泣に変わった。

 

「ああジレーヌ、私のことを許して頂戴あなたのことを満足に埋めなかったこの母のことを」

「あなたのせいではありません、こんなことになったのはすべて俺のせいです」

 

それを聞いた男は、この母親の後悔と、この体の子ことを、どれほど愛しているのか知った。

しかも、もしかするとその原因が、自分が関係していると思うと。自然に震えて声で謝っていた。

 

「あ、悪魔付き」

 

それを聞いた若いメイドが震えながら言った。

 

「ほら、よく見なさいこの子のどこが悪魔なのよ?さぁ答えなさい」

 

それを聞いた母親はさっきから一変して、メイドの体を掴むと

怒りに震えて声で言うと、メイドの顔を男の顔に近づけて行った。

 

「王妃様、た、確かに、あなた様のお子様でございますわ、私が間違ってございました」

 

メイドは泣きながら答えた。

 

「そうよ、私のかわいいジレーヌが、悪魔付きなわけが、ないのじゃないの」

 

母親は笑顔で答えると腰から、漆黒の地に金の見事な装飾が付いた。小ぶりな杖を引き抜いた。

 

それを見たメイドは、人間がここまで震えられるのか、というぐらいに、震えていた。

 

「それなのに、私のかわいいジレーヌを、悪魔付き呼ばわりした者には、罰を与えないとね」

 

それを見ながら母親はゆがんだ笑顔でと言うと呪文を唱え始めた。

 

すると母親の杖の周りに小さな火の玉が集まると、あっというまに、巨大な火の玉になった

 

「お申し訳ありません、王妃様、だから許して」

 

若いメイドは見ていて哀れになるほど震えながら言った

 

「あなた、あなたが言った言葉のせいで、ジレーヌの心がどれだけ、

傷ついたと思っているの。それに比べたら、この火の玉ぐらい、やさしいものだわ」

 

母親はそんなメイドを見ながらそう言うと杖を上にあげた。

 

そのまま、杖を下に向けようした。そのとき、母親の顔に、白い霧状のものが

顔にかかった。

 

すると、あれだけ恐ろしい顔をしていた、

母親の顔がみるみる穏やかになり、大きくあくびをすると、床に倒れこみそうになった。

すると今度は、普通はすぐに倒れるはずの体が、浮かびあがった。

 

「僕の妻を寝室に運んでいくんだ」

 

それを見ながら父親は、床で震えているメイドに穏やかな顔で言った。

 

その言葉を聞いたメイドはまるで、猫に襲われたねずみのように

すぐに母親を抱きかかえて、一目散に部屋の外に出て行った。

 

男はさきほどの母親の行動を見て大丈夫か?精神的に病んでいるだろこれ、と思っていると

 

「ジレーヌ、僕と一緒に別の部屋で、話さないか」

 

父親が笑顔で語りかけてきた。

 

この体じゃ、部屋の外にも、行けないよなと思った。

 

「あ、あの、この体じゃ、とても別の部屋まで、行くなんて出来ないです」

 

男は遠慮しがちに答えた。

 

すると父親は、心配なくてもいいよと言うような、表情をしながら

 

「大丈夫、君が目覚めたことを知らせた。メイドに君の事のことを運ばせるから」。

 

そう父親が言い終わった時に、小太りなメイドが入ってくると

男の体を持ち上げて、背中に背負うと歩き始めた。

 

男はメイドの背中に乗って

部屋から出ると、そこは、色とりどりの毛皮がしかれている豪華な廊下だった。

 

外の景色を見たいと思った男は、廊下にある窓を覗いてみると

オーロラと、石でできた家々が、遠くに見える海と白く映る雪を背景に、煙突から煙をあげている

幻想的な光景だった。

 

それを見ながら男は

すごい光景だな、まるで童話の世界が、そのまま本から飛び出してみたいだと

思いながら、メイドと父親の足音を聞いていた。

 

一行は、通路を抜けて扉までやってきた。

その扉は、小ぶりながら厚い木に、装飾が彫られた美しい扉だった。

 

 

男はその扉を見ながら、これはどこに繋がる、扉なんだろうか?

たぶん別の、部屋に繋がる扉だろうなぁ。と思っていると

 

「姫様、これから外に出ます」

 

メイドはそう言うと、自分と男の体を一緒に、二枚の毛布で包んだ。

男が父親に目を向けると、彼もまた厚いコートを羽織っていた。

 

 

 

「姫様、今日は特別に寒い日です。

ですからまだお目覚めになられたばかりですが、かんばってください」

 

メイドはそうと言うと扉に手を当てた。

 

扉を開くと、毛布を二枚まとっていても寒さを感じるほどに

猛烈な寒風が、部屋の中に入ってきた。

 

その風に逆らいながら、一行は塔の外に出た。

そこは、自分が居た大きな塔と城塞をつなぐ石でできた、

人が二人横になって、歩けるほどの広さがある橋だった。

 

男は、左右に人の背中ほどの、高さの石でできた壁を、見越しながら周りの景色を眺めた。

 

外から見る景色は、窓から見たのと、同じようにきれいな景色だったが

中から見たのとは違って、そこにはこの景色のもうひとつの顔がでていた。

 

それは、そこに居るだけで、人が死んでしまうほどの寒気に

よって生み出された、自然の厳しい顔だった。

 

男は、危険な山ほど美しくみえるという、言葉を思い出しながら

本当に、あの言葉のとおりだな。こんなにきれいだからこそ、

それと同じぐらいに、残酷なんだろうなぁと、思っていると。

 

男は、城を囲んでいる、石で出来た城壁を見ることになった。

そこには、鉄で出来た落とし格子に、今は開いている鉄製の城門と、

城壁の一定間隔ごとに塔が築かれていた。

 

それを見ながら男は、ずいぶんとガチガチに、防御を固めているなぁ

と思っていると、城砦の扉の近くに着いた。

 

その扉は、緑色の地に、金のドラゴンの装飾を施した、厚い木の門だった。

 

その扉をあけたのは、さっきまで扉を開いていたメイドではなく、父親だった。

彼が杖を抜いて振ると、扉が外向きに開いた。

 

 

「なんで、お前が開かないんだ?」

 

不思議に思った男がメイドに聞いてみると

 

「姫様、あの扉は王族の方のみが、開くことができるのです」

 

メイドは手を温めながら答えた。

 

 

「そしたら、さっき俺の部屋に来た、女の人はどうやって帰ったんだ」

 

それを聞いた男は、それを聞いて思った、疑問をメイドに質問してみた。

 

「王妃様は、別の塔に普段住んでおられます」

 

それを聞いたメイドは簡単な疑問に答える風に言うと扉を潜り抜けた。

 

扉の向こうは、竜の羽の剥製が、何枚も吊るされている通路だった。

その通路を、メイドと父親進んでいき通路の右側にあった、階段を上り始めた。

 

その階段を上り終えると、また通路に出た。その通路を、突き当りまで進むと、

メイドが、突き当りの部屋のドアを開いた。

 

その部屋には、豪華な調度品と

誰だかわからないが、立派な服装をした男の肖像画がおかれていた。

 

部屋に付くと、メイドは男の体をいすに座らせて部屋にあった机に迎え合わせた。

 

 

「僕の話が終わるまで、部屋の外にいるんだ」

父親も反対側に、置かれたいすに作業が終わったメイドに対して座りながら言った。

 

父親は、メイドが部屋の外に出て、扉が閉まるのを見た後に、杖を振るとにこう聞いてきた。

 

「さて、君の本当の名前はなんて言うんだ?」

 

男は、自分が覚えていることを、全部を思い浮かべても、分からなかったので

 

「それが、分からないんですよ」

 

と正直に答えた。

 

それを聞いた父親は、男の服の胸倉を掴むと、男の体を持ち上げると

これまでの微笑から、獲物をなぶる猛獣になりながら

ジレーヌの体を揺さぶった。

 

「どういうことか、分からないな、悪魔つきは自分の居た

場所での名前を、持っているはずだろ」

 

男は、胸倉を掴まれ揺さぶられ息苦しい中

 

「ほっ、本当に、しっ、知らないんです」

 

と、息も絶え絶えに答えた

 

それを聞いた父親はニッコリと笑うともうひとつの手で、男の顔に杖を向けて

 

「本当か、どうかは、僕の杖を使えば、すぐに分かるさ」

 

と言って男に向かって杖を振った。

 

男は、杖を振られると、強烈な痛みと、頭の中に手が入って、頭の中を這い回る

という、恐ろしい感覚に耐えられずに、両手で押さえながら

 

「本当、にっ、本当にしらないんだ・・あっ・・頭がいたいいい・・」

 

と言いながら。父親の手から、逃れようと必死に抵抗していた。

 

その様子を、見ながら父親は

 

「うんーん、本当かな?うん、確かに君の言うように、

君の記憶には君自身の、記憶はないみたいだね」

 

と言うと出会ったときの微笑になって男の体をいすに座らせると、頬を撫でながら

 

「君が、悪魔つきなのは、この城の使用人と、僕だけの秘密にしようね」

まず君の名前は、ジスレーヌ・ドリアーヌ・オロール・エルミートと言うんだ

いい名前だろ、君のお母さんが、一月もかけて考えたからね。」

 

と言いながら、痛みのあまり涙が出てきた。男の涙をふき取っていた。

 

「それじゃ、これから君の、まずやるべきことを伝えるよ。

まず、その言葉使いを、君の見た目相応に、変えないと、いけないんだ。

このままだと、他のみんなに悪魔つきだって、すぐににばれてしまうからね、

分かったかいジレーヌ」

 

父親は男の顔を鋭い視線で見ながら言った

 

「はい、お父様」

 

男は父親の顔を、見ながらと震えた声で答えた。

 

「よくできたねジレーヌ」

 

それを聞いた父親は満面の笑みをすると男の頭をなでた。

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