ある日目覚めて   作:おは

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半年後

すべてにおいて、上質なものを使った豪華な寝室の主が

沈まない太陽の光を受けながら起き上がった。

その主は、身長よりも長い紫色の髪が印象的な小柄な少女だった。

 

少女は「うーん」と言いながら、鏡で自分の姿を見みつめて。

「私はジレーヌ・ドリアーヌ・オロール・エルミート

始祖から与えられた、エミール王国の、王の娘にして、王国の王位継承者

そして、私は女、私は女」と繰り返し言い始めた。

 

どうして、ジレーヌがそんなことを、やっているかと言うと。

半年ほど前に父親から「女の子の心にするためには、

鏡で、自分の姿を見ながら。女の子の言葉で、話すといいよ。」

と言われたから、毎日朝起きるとこうやって、やっているのである。

 

その効果は、少しずつであったが、彼女の精神は

男の精神から、女の精神へと変わっていた。

 

30分ほど続けると、ジレーヌは「ブリッタを呼ばなくちゃね」

と言って、ベットに据え置かれた、ガラスで出来た小さな鐘を鳴らした。

するとその鐘は、その透き通るような小さな音を出した。

 

ジレーヌはその鐘の音を聞きながら。

あれから、もう半年も経つのね、最初のときは男だった

心も今では、ほとんどが女の心になっているしね。

と思っていると、部屋の扉が開いて。

部屋の外から緑色のドレスを着た、

金髪碧眼の細身の体つきをした、美少女がやって来た。

 

彼女はジレーヌに、一礼をすると「姫様、私に何のようですか?」と聞いた。

「ブリッタ、私の洋服の、準備をしてもらえるかしら」と言うと

ブリッタは、部屋に置かれた衣装棚から、服をジレーヌに見せ始めた。

 

それを、見ながらジレーヌは

「ああ、それでいいわ」とか、「それあったかそうでいいわね」と

興味なさそうに言っていた。

それを聞いていた、ブリッタは「姫様、服装にも興味を持ってください、

あなたが、王族である以上は、必要なことなんですよ」と言うと。

 

ジレーヌは「必要なときは、あなたが、私の服を用意してくれるんじゃないの?」

と質問すると「姫様、いいですか私は侍女なのです。

メイドと違って、私はあなた様に、一生使えることが出来ません。

ですから、あなた様の必要なときに、私が居ないことだって

ありえるのです」言った。

 

それを聞いた、ジレーヌは「ところで、あなたが言いたいことは、分かったけど。

メイドと侍女はどう違うの?」とブリッタに尋ねた。

「何個か、違うところがあります。

まず、私たち侍女は位は低いですが、一応貴族です。メイドは、ただの平民です。

私たち侍女は、あなた様のような。

高貴な女性の方々の、身の回りお世話が主な仕事ですが、

メイドは、普通は食事を運ぶなどの、家事手伝いが主です」などブリッタは

侍女とメイドの違いについての、説明をした。

 

ジレーヌはその話を聞いて

「へぇ、同じものだと思っていたけど。

メイドと侍女には、結構違いが有るのね。」と感心していると。

 

「申し訳ありませんが姫様、私の話のせいで。

あなた様が、自力でやる着替えの時間が、なくなってしまいました。

僭越ながら私が、あなた様の着替えをすることにいたします」

とブリッタは言った。

 

それを聞いたジレーヌは「いやよ!、私が自分でやるわ。

別に、礼儀の事業に遅れたって、かまわないじゃないの」と言うと

「姫様、いいですか、時間を守ることは、淑女の義務ですよ。

それに、あなたぐらいのお年なら、手伝ってもらっている、子も沢山居ますよ」

 

 

「あなた私が、悪魔付きと知っていて、良くそんなことが言えるわね。

それに、たぶん私は、大人の男だったのよ」

と言うとブリッタはジレーヌの姿を見た後に

「姫様、鏡で自分の姿を、よく見てください。

どう見たって、6歳の女の子の、姿ではありませんか」と言うと

ブリッタは、ジレーヌを着替えを始めた。

 

「なにやってんよ!、自分でやるからいい」とジレーヌは、抵抗をしたが

抵抗むなしく、あっという間に、裸になった。

「あのね、本当に、やめてちょうだい」と顔を、真っ赤にさせながら。

ジレーヌは、ブリッタに言った。

 

「姫様、あんまり、激しく抵抗されますと。

ずっと、裸のままになりますよ」と

ブリッタが、呆れながら言うと、ジレーヌの抵抗が終わって。

スムーズに、着替えることが出来た。

 

「さぁ、お洋服の準備も、出来ましたし

礼儀作法の、先生が居る。教室に、参りましょうか」と言うと

ブリッタはジレーヌの体を背中に背負った。

 

さっきは、あれでだけ抵抗した、ジレーヌが。

素直に、背中に乗ったのを、感じたブリッタは。

「あら、姫様、背中に背負われれるのは、抵抗なされないんですね」と

意地の悪い、笑顔をしながら言った。

 

「本当は、背中に、背負われるのもいやよ、でも礼儀作法の授業は

とても、とても疲れるのよ」と、ジレーヌは

裸だった時よりも、さらに顔を赤くしながら答えた。

 

 

準備が終わった、ブリッタとジレーヌは、礼儀作法を教えてもらう

先生が居る場所に、向かうために、ジレーヌの部屋がある。

塔から、本城への向かう通路へ出て行った。

 

ジレーヌは、ここはいつも寒いわねと

半年経っても、相変わらず、身も凍るような寒さを

ブリッタの、背中に負ぶさりながら、感じていた。

「ねぇブリッタ、今から、あの扉を開けにいくから、私のことをおろして頂戴」

というと、ジレーヌはブリッタの背中から降りた。

 

ジレーヌが、本城の扉に向かって、歩くと

前に比べて、体が軽くなった感覚を覚えた

それを、ジレーヌは日ごろの運動の成果が、出てきているわ。

と思いながら本城の扉に近づいていった。

 

「ほら、やっぱり、体がぜんぜん疲れていない」と呟きながら

手袋を脱ぐと、手を扉の装飾に手を押し当てた。

すると、手を押し当てた場所から、装飾が白く光り輝くと

扉が前へ開いていった。

 

それを見ながら、ジレーヌは一週間ほど前に、気になったことを

ブリッタに聞いて。大変な目にあったことを、思い出していた。

 

それは「ここのほかに、本城に行く道はどのように

いくのかしら」と聞いてみたことだった。

 

「どうでしょう姫様、実際に見て回りますか」と、ブリッタは言うと

ジレーヌを背負って、本城へ行く別の道を案内した。

それは、塔を下って、地面の出口に出てから、本城をぐるっと回って

正面の入り口から、入るという方法だった。

 

ジレーヌは、初めのうちは、ブリッタの背中に、負ぶさって

初めて見る場所に、興奮していたが、次第に寒さに、絶えられなくなって。

「早くしなさいよ!、このままじゃ、ここで凍死しちゃうわ」と

騒ぎ立てるほどに、寒さが厳しく

本城に付くころには、がくがくと震えるほどだった。

 

ジレーヌの近くで、扉が開くのを待っていた、ブリッタが

腰を下げるのを、見て、ジレーヌは

「ああ、ブリッタ、もう私を背負わなくて、大丈夫よ」と言った。

 

それを聞いた、ブリッタは

「姫様、あんなに、顔を真っ赤にさせて、乗せてっていったのに

もういいんですか、それに、あなた様は、少し歩いただけでも

息切れ、するじゃありませんか」と聞いてきた。

 

「それがね、さっき、扉を開けに行ったときに、なんだか前に

比べて、疲れなくなったのよ」とジレーヌは笑顔で言った

「それは、日ごろの生活の、賜物ですね姫様」とブリッタも

笑顔で言い返した。

 

そしてジレーヌは、『目覚めてから』初めて、自分の足を使って

本城の中に、入って行った。

 

城の装飾品を、見ながらジレーヌは

こうして見ると、いかに自分の体が、縮んだのか

よく分かるものね。と思っていると、目の前に、一人の金髪の少年が現れた。

 

その少年は、ジレーヌを見ると

まるで、汚物を見たかのような、目つきをすると。

どこかに、走り去っていた。

 

それを見たジレーヌは、なんで、あの子は私のことを、あんな目で見たのかしら?

たぶんあの子は、私が悪魔付きだから、あんな目を、私にしたんだけど

思うけど。

 

でも、私のことを悪魔付きだって、知っている人は、ほとんどが

恐怖でおびえた目で、見ているのに、あの子は、私のことを

触れては、いけない物のように見ていたわ

それには何か、別の理由があるのかしら。

 

それとも、やっぱり私が、悪魔付きなのが問題なの

悪魔つきは、恐れられるし、触れては、いけないものかしら?

 

そうだわ、私のことを、怯えた目で見なかった人はどうやって

私を見ていたかを思い出してみれば。

あの子が私のことを、どうしてあんな目で、見たか分かるわね。

 

それ以外の人が、自分のことを、はじめた時の、目を思い出し始めた。

お父様は、私のことを、ものを見るような、目だった。

お母様は、私のことを、なくした大事なものを、見つけたような、目だった。

ブリッタは、かわいい生き物を、見たような目だった。

 

それを、思い出したジレーヌは、あれ、私のことを

怯えた目で見ない、人って、みんな、性格が、おかしい人じゃないの。

と思っていると。

 

ゆがんだ笑顔をした、ブリッタが

「姫様、あの無礼な少年を、執行人に命じて、

打ち首にしましょうか?」と聞いてきた。

それを聞いた、ジレーヌは、え、何言ってんの、この子は?

と思いながら。

 

「い、いいわよ、別に、私のことを、あんな目で見たくらいで

殺すなんて、馬鹿らしいじゃないの。それと、いつもあなたは

私のことを、小ばかに、しているくせに、他人が、ひどい態度を

すると、怒るのね」と言うと

 

ブリッタは「いいですか姫様、あなた様を、小ばかに出来るのは

ほかの、誰かではなく、この私だけが、出来るのです」と、得意げに言った。

 

それを聞いた、ジレーヌは呆れた顔をして

「ブリッタ、あなたが言ったことを、お母様に聞かれたら、あなた殺されるわよ

お母様は、私のことを、自分だけ物と、思っているから」と、言ったときに。

 

ジレーヌの母親。ことクリスティーヌ・ミシュリーヌ・エルミート

が、女官たちを、連れてやって来た。

 

クリスティーヌは、ジレーヌを見ると、女官たちの静止を

振り切って、駆け寄ってきた。

「ああ、ジレーヌ、もう一人で、動けるように、なったのね」と

涙を流しながら、話しかけてきた

 

それを聞いたジレーヌは「はい、お母様、毎日自分で

出来ることを、やっていった成果です」と

真面目に、言った

 

「さすが、私の娘だわ、もう、こんなことが、出来るなんて」

と言うと、クリスティーヌは、笑顔でジレーヌの頭を、なで始めた。

 

ジレーヌは、これぐらいの事で、ほめられて、恥ずかしかった。

「お母様、これくらいのことは、もう、みんな出来ていますよ」

と、そっけなく言った

 

すると、クリスティーヌは、悲しげな、表情を浮かべながら。

「ジレーヌ、そんなことはないのよ、ほら」

というと杖を振った

 

すると、ジレーヌと、クリスティーヌの、周りに、居た人間が、次々と

床に座り込んで、うめき声を上げ始めた。

 

その状況中クリスティーヌは「ほらぁ、ジレーヌ、

見てみなさい、あなたより、大きい子が、床に座り込んでいるわ

でも、あなたは、立っているわ。だからあなたの、やったことは

すごい、ことなのよ」と、ジレーヌに穏やかな、声で話しかけた。

 

このままだと、私とお母様以外の、人が死んじゃうわ。と思ったジレーヌは

「お、お母様の言う、とおりに、わっ、私が、やったことは

すごいこと、なのですね」と、震えた声で言った。

 

それを聞いた、クリスティーヌは笑顔になって

「そうよ」と言うと、

「ところで、ジレーヌ、なんであなたは、ここに居るの」

と聞いてきた。

 

その質問にジレーヌは

「礼儀作法の、お稽古をするために、ここに来ました」と答えた。

 

それを聞いたクリスティーヌは

「ごめなさいねジレーヌ、私なんかと、話している、時間なんてなかったわね」

と言うと、ふらふらになった、使えている人々ともに去っていった。

 

ジレーヌは、クリスティーヌの姿が、見えなくなると

はぁと、大きなため、息をしてから。

お母様と、会話をすると、とても疲れるわ。

と思いながら、ブリッタに、近づいていった。

 

 

ふらふらになった、ブリッタにジレーヌは

「大丈夫、ブリッタここで少し休む?」と聞いた。

 

それを聞いた、ブリッタは体を伸ばすと。

「大丈夫です姫様、それよりも、礼儀作法の先生が、居る部屋まで

もう少しですから、早く行きましょう」と答えた。

 

それを聞いた、ジレーヌは心配そうに「本当に大丈夫なの?」と

もう一回、ブリッタにたずねた。

 

それを聞いたブリッタは、ジレーヌの手を握ると

「本当に大丈夫ですよ、姫様」と言うと

ジレーヌの手を握りながら、礼儀作法の部屋に向かった。

 

本城の中を、少しだけ歩くと、礼儀作法の部屋にたどり着いた。

するとジレーヌは「姫様、お稽古を、がんばってください」と言うブリッタに。

 

「たぶん、これからはあなたの背中に、乗ることないと、思うわ

だから、少し休んで」と言ってから、部屋の中に入っていた。

 

 

しばらくして、部屋の外で休んでいた、ブリッタに

礼儀作法の先生が、やって来て。

 

「ブリッタさん、早く来てください、姫様があなたを呼んでいますよ」と言った

それを聞いたブリッタが、急いで、部屋の中に入ると

そこには、床に倒れこんだ、ジレーヌが

「ブリッタ、早く来てぇ足が、うごかなぁい!」と言っていた。

 

それを聞いたブリッタは「姫様、あんな感動させることを、言っといて

これはないですよ」と言いながら、ジレーヌを背中に乗せた。

 

 

これと同じころ

 

 

城を背にしながら、少年と、太った体をした、見るからに歴戦の兵士が

馬に乗って、道を駆けていた。

 

「どうでした、アルフレッド様、あの悪魔つきの小娘は

あなたの正体に気づきましたか?」と、太った体をした男が少年に尋ねた

 

「いいやドミニク、あの無能は僕の正体にまったく

気づかなかったよ、悪魔付だと聞いていたから、期待していたのに

がっかりしたよ」と答えた。

 

それを聞いたドミニクは「そうですか、それはめでたいですなぁ

これで、あの小娘を殺すための準備が、ずっと楽になりました」

と笑いながら答えた。

 

それを聞いた少年は

「あの無能さえ、死ねば王の庶子の僕が後継者だ、

お前の力に、期待しているよドミニク」と言った。

 

ドミニクは胸を叩くて

「必ず、朗報をを届けますよ、アルフレッド様」と答えた。

 

それを聞きながらアルフレッドは

「ここまでくれば、このかつらはいらないな」と言うと

金髪のかつらを掴んで投げた。

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