星は暗闇で輝く【完結】   作:一口さん

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書いてくぞ~!公開する後悔は先に立たないんだぜ!


U2、希望

 もう少しで1週間がたつ……。

 トレーナーに新しい担当は作らないのかと聞けないままだった。

 自分がそうして欲しくないのと、トレーナーが望んでいるんじゃないかとの気持ちのせめぎ合い。

 な、なにか会話のきっかけを作らなくては……。

 

 ……

 

 また今日もトレーナーは会いに来てくれた、ほんとはつらいんだろうな……目の下の隈が濃くなってるのがわかる。

 でも……会いに来てくれるのがうれしくてたまらなくて……少し自己嫌悪になった

 思いついたことを話そうとする。

 

「病院食ってさ、あんまりおいしくないんだよね」

 

「あぁ、味が薄いだとかなんとか」

 

「まるで今の私みたいだなぁ、走ることができない薄っぺらなウマ娘」

 

 しまった、つい自虐的になった……トレーナーはあんまり自暴自棄になるのを快く思わない人だ……トレーナーは驚いたような苦い顔をしていた。

 

「……そんなことを言うな、昔も今も俺の希望だよ、君は」

 

「またそんなこと言って」

 

 ボンッ!ってはじけたような感覚、この人は無自覚でこんなセリフがいえるのか!?それとも私に対してだからいえるのか!?

 沈黙が流れる……。

 ええい勢い任せだ!

 

「ねぇトレーナー……トレーナーは、他の担当作らないの?トレーナーならもっといい子が付きそうだけど」

 

 トレーナーは少し考えたような顔をしてからゆっくりと言った

 

「作らない、少なくともロスがドリームトロフィーを取るまでは、僕の夢は君だ、君しかいないんだ」

 

 ななな!なんなんだこの人!?なんでそんなセリフが言えるんだ!?ゴルシちゃんに何か仕込まれたのか!?

 

「……そうなんだ!足、治して見せるね!……ありがとう」

 

「ん?今なんか言っ「な、何でもないの!リンゴもらうね!」

 

 お皿から無理やりリンゴを奪って食べる……あ、甘い。

 トレーナーとの話は時間を忘れられるから好きだ、時間の流れを感じると回りに置いて行かれるようでつらくなる。

 

「……もうこんな時間か……ごめんな、もう帰るよ」

 

「まって!……トレーナーに、これ預けるね」

 

 普段からつけているマーガレットの耳飾りを外して、トレーナーに渡す。

 

「私がまた走れるようになったらトレーナーがつけて」

 

「……うん、わかった……必ずつけてやる」

 

「また来てね!待ってるから!」

 

 病院だというのに少し大きな声で言ってしまった。

 

「……あぁ!」

 

 実のところ私は完全にトレーナーを意識している。

 というかゴルシちゃんのせいである。

 あの妖怪、病院が開いてないはずの時間にすっと隣にいて話をしてきたのだ。

 

『なぁステラ、お前ってトレーナーのこと好きだろ?』

 

『どうした急に、というかどこから入ってきたの……?』

 

『乙女は秘密が多いもんさ!』

 

 謎の塊はゴルシちゃんだけだと思うけど……。

 

『じゃあ質問だステラ、トレーナーとほかの子が話してたらどう思う?』

 

『少しむっとするなぁ』

 

『じゃあほかの子の頭なでてたら?』

 

 想像した……くない

 

『いや……だなぁ』

 

『お、自覚した?』

 

 少し顔が熱くなる……。

 

『ゴルシちゃんまさかこの嫌がらせのためだけに?』

 

『いやぁゴルシちゃん研究論によるとステラはポジティブだと治りが早いからな!どうせなら将来の事でも考えて希望を持ってもらおうと!』

 

『しょ!将来……!?』

 

 まぁそんだけだから~って言いながら窓から出て行った……えぇ……?

 このゴルシちゃんの行動のせいで変に意識してしまう……。

 

「うぅ……顔が熱い……」

 

 トレーナーは私のことどう思ってるんだろうか。

 そんな気持ちを抱えながら明日をまつ……。

 翌日、トレーナーは来なかった。

 

 ……

 

 2日たった……と思う、なんというか無気力で落ち着かない……。

 他の担当を見つけてしまったのだろうか。

 病室がノックされる。

 

「どうぞ」

 

「失礼するよ」

 

「ルドルフ……とゴルシどうしてここに?」

 

「ただの見舞いだよ、友人が怪我をしたら心配するものだろう?」

 

「おいおいそれじゃああたしがおまけみたいじゃんかよ~……」

 

「そういえばトレーナーは?最近来てくれないんだけど」

 

 少し沈黙が流れる。

 

「そのことでトレーナーから伝言があんだよ『しばらく会えないかもしれない、必ず学園にいるから足を治せ!』だってよ」

 

「ふふ……それは彼のマネかい?相変わらずゴールドシップは多芸だね」

 

 会えなくなった理由はなんなんだろう……。

 可能性としては純粋に忙しい、新しい担当ができたあたりだと思うけど……。

 後者なら嫌だなぁ。

 

「まぁトレーナーを安心させるためにも早く治さないと」

 

「その意気だな、心機一転……こんなところで終わる気なんてないだろう?」

 

「もちろん!ルドルフをドリームトロフィーの座から降ろさないとね!」

 

「おいおいゴールドシップ様を忘れるなよ~!」

 

「ゴルシちゃんはまだ出れないじゃん、というかゴルシちゃんって中等部?高等部?長い付き合いになるけど知らない……」

 

「ま、細かいことは気にすんなってことだ!」

 

 そんな他愛ない雑談が続く、ただ私の中にはトレーナーが来れない理由の不安が渦巻いて、それを払拭できないままでいた。

 ……でも、それでも私は……トレーナーを信じてる。

 

 ……

 

 もう少しで入院から3週間たつ。

 あれからトレーナーは一度だけ顔を見せてくれたが……その一度きりで来れない理由も話してくれなかった。

 私は怪我の治りが他よりも早い……その口裏合わせのように松葉杖があれば歩ける程度になっていた。

 このペースなら1か月後には確実に病院が出れるとまで言われた。

 うれしい限りだ、トレーナーに会える。

 お腹減ったな……間食にはいい時間だなぁ……看護師さんには黙って受付のコンビニでもいこう。

 エルベーターを使って一階に向かい玄関前を通った時に見てしまった。

 ウマ娘に投げられるトレーナーを。

 どういうこと!?なんでなんで!?トレーナーはすごすごと背中を向けて帰ろうとする。

 その背中をつい追おうとして……。

 

「トレーナ……っあ」

 

 地面が立ち上がるように目の前に迫った。

 

「いった……!トレーナーは!?」

 

 顔をあげる、目の前にいたのはトレーナーを投げたウマ娘と般若みたいな顔の看護師さんだった。

 

 ……

 

 看護師さんに怒られた後、話を聞いた。

 どうやらトレーナーを追い返しているやつがいるらしい……どうして?

 私とトレーナーをこれ以上引きはがさないでくれ。

 

 ・・・

 

 あれからルドルフやゴルシに聞いたがルドルフはだんまりだし、ゴルシにははぐらかされた。

 いったいなんなんだ……?気持ちだけが急ぐ、足を治さなきゃ会いにも行けないのに……。

 どちらにせよ私からできることがない、手詰まりの状態だ。

 絶望的な機械音痴のせいで携帯は持ってないし……せめて電話番号は知っておくべきだったな。

 疑問は晴れるどころか増すばかりだった。

 不安は感じたくない……静寂を強く感じるから。

 どうか、どうか彼が元気でいますように。




勢いのまま書いてるのでいつもどおり誤字脱字チェックおねがしゃす(見てる人にやらせるクズ)

基本的にはT側の方が重めです、ゴミンネ
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