Next stage of another dimension   作:烊々

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二話

 

 

 四女神合同での戦闘訓練、演習を繰り返し、修行開始から約一ヶ月が経過した。平和が続いていたせいで少し鈍っていた身体を鍛えなおすこと自体は最初の数日で完了し、女神たちは最終的にタリの女神と戦っていた時よりも強くなっていた。

 

「けど、問題は……」

「ネクストフォーム、か」

 

 しかし、鍛錬の目標の一つである、女神化を超えた更なる変身『ネクストフォーム』の域にはまだ誰も辿り着くことはできていなかった。

 それどころか、どう辿り着けばいいかも見当がつかない。

 

「薄々気づいていたけれど、ネクストフォームは、ひたすら強くなるだけじゃなれるものじゃないってことね……」

「向こうは、色々あったらしいからねぇ〜」

「世界改変に、ゴールドサァド、そしてハイパーシェアクリスタル、だっけ?」

「……私たちの次元は、タリの女神を倒してからは平和そのものだったからね……」

「そもそも超次元と神次元では私たち女神の成り立ちも異なるし……」

「……」

 

 プルルートたちはそれ以上何も思いつかず、会話が途切れる。

 

「……一つ、よろしいでしょうか?」

 

 口を開いたのは、疲れて眠っているピーシェを抱っこしていたベール。

 

「何か思いついたの?」

「わたくしたち一人一人がネクストフォームになる、というのは一旦やめるのはどうでしょう?」

「どういうこと〜?」

「わたくしたちのシェアエネルギーをまとめれば、一つだけならハイパーシェアクリスタルとやらを作れるのでは?」

「それは……盲点だったわね……」

「一先ず、そこから目指してみるのはどうでしょう?」

「ええ、試してみる価値はあるわ」

「では、早速やりましょう。ピーシェちゃん、起きてくださいまし」

「……んぅ?」

「ピーシェちゃん〜、ちょっと手伝って〜」

「わかったー!」

 

 女神たちは変身して輪になり、中心にシェアエネルギーを放出していく。

 すると、クリスタルのようなものが少しずつ顕現されていった。

 しかし、半分ぐらい形ができたところで変身が解けてしまい、クリスタルも消えてしまう。

 

「ぷる〜ん……ダメだったぁ〜……」

「いいえ、手応えはあったわ。単純にシェアが足りないってことだと思う」

「最近修行にかかりっきりで、そっちの方を疎かにしてましたしね……」

「なら、稼げばいいだけよ」

 

 創ることができるとわかり、目標が明確になれば、そこに向かって進めば良いだけ。

 というわけで、一ヶ月の鍛錬の後は、一ヶ月のシェア収集。書類仕事、クエスト、その他社会貢献に至るまで、女神たちはできることはなんでもやった。

 そして再び集まり、ハイパーシェアクリスタル生成が開始される。

 

「じゃあ、みんな行くよ〜?」

 

 以前と同じように、変身して輪になり、中心にシェアエネルギーを放出していく。

 そして、前回よりも早いペースでクリスタルが出来上がっていく。

 

「……よし!」

 

 しかし、完成率が八割を超えた辺りで、急にペースが落ちる。

 女神たちの限界が近くなっていたのだ。

 

「……っ、これでも足りないの……⁉︎」

「もうこれ以上ないってぐらいシェアは稼いだんだけどな……っ!」

「やはり、わたくしたちではまだ……!」

「そんなことない!」

 

 弱気になったノワールたちを一喝したのはピーシェ:イエローハートだった。

 

「みんなで頑張ったもん! みんなでねぷてぬたちに追いつこうって、一生懸命頑張ったんだもん! みんな頑張ったのが無駄なはずなんてないもん‼︎」

「ピーシェちゃん……そうですわね! わたくしたちの力はこんなものではございませんわ!」

「……弱気になっちまってたな。あいつらにできたことが私たちにできないはずなんてない!」

「ええ! 私たちも『守護女神』よ‼︎」

 

 気合いを入れ直した皆は、体の底からシェアエネルギーを絞り出してでも、クリスタルにエネルギーを注いでいく。

 

(絶対に追いついてみせるんだから! ねぷちゃん!)

 

 そして、クリスタルが完全に形になり、同時に爆発が起こる。

 

「きゃあっ!」

「うわっ!」

 

 爆発の衝撃とエネルギー切れにより、女神たちの変身も解けた。

 

「できた……の……?」

 

 爆発の中心地には、菱形の大きなクリスタルの下に小さな五色、紫、黒、白、緑、黄のクリスタルがくっついたものが転がっていた。

 

「これがハイパーシェアクリスタルで……いいのかしら……?」

 

 それはまさしくハイパーシェアクリスタルに相当するクリスタルなのだが、神次元の女神たちはハイパーシェアクリスタルの実物を見たことがないため、確証を得られずにいた。

 

「わーい!」

 

 そんな中、一目散にピーシェが駆け出し、そのクリスタルを拾い上げる。

 

「おおっ! なんかすごい!」

 

 ピーシェの言葉の通り、そのクリスタルは、通常のシェアクリスタルや女神メモリーの比ではない輝きを放っていた。

 

「見た感じハイパーシェアクリスタルが完成したっぽいわね」

「うーん……ハイパーシェアクリスタルって名前、なんだか私たちらしくないと思わない?」

「……? というと?」

「私たちの新たな変身アイテムなら、ハイパーシェアクリスタルじゃなくて『ハイパー女神メモリー』にするべきでしょ?」

「……確かに」

「その名前の方がわたくしも好きですわね」

 

 そのクリスタルの名は、ノワールによって『ハイパー女神メモリー』と名付けられた。

 

「ぷるると! これ!」

 

 ピーシェはハイパー女神メモリーをプルルートに差し出す。

 

「あたし?」

「そうですわね。最初はあなたに譲ってあげますわ、プルルート」

「ベールさん……」

「行ってくるといいわ。超次元に」

「ブランちゃん……」

「ネプテューヌに、私たちを繋げたあの女神に、私たちの力を見せてきなさい!」

「ノワールちゃん……みんなありがとう。行ってくるね!」

「ええ、行ってらっしゃい!」

 

 プルルートは、皆に背を向けてプラネテューヌ教会へと戻る。

 イストワールの力で超次元へ跳び、ネプテューヌに新たな力を見せに行くために。

 

 

 

 

「ぷる〜ん……せっかく超次元に来たのに、座標がズレるなんてぇ……いーすんったら〜」

 

 意気揚々と超次元にワープしたはいいものの、イストワール同士の通信に少しラグが発生し、プルルートは超次元プラネテューヌの街外れにワープしてきてしまった。

 しょうがないから、プルルートは超次元のプラネテューヌを観光してからネプテューヌのいるであろうプラネテューヌ教会に向かうことにした。

 

「……おい見たか? 今週のコロシアムの週替わりミッション」

「見た見た。あんなの挑む奴なんていないって」

「パープルシスター様はもう二回挑んでるらしいけどな」

「あの方ぐらいしか挑めないだろ。人間向けのミッションじゃないってことさ」

「確かに」

「ま、俺たちは俺たちにできる程度のミッションで稼がせてもらうってな! がはは!」

 

 プルルートがプラネテューヌの街を練り歩いていると、歴戦のハンターのような風体の巨漢二人の会話が耳に入った。

 

「……ぎあちゃんにしかできない……?」

 

 内容が少し気になったプルルートは、コロシアムに向かい、コロシアムの電子掲示板に表示されている週替わりミッションとやらに目を向ける。

 

『週替わりミッション 女神パープルハートに挑もう!』

 

「あはは。うってつけだね〜」

 

 プルルートは小さく笑い、コロシアムの奥へ進んで行った。

 

 

 

 

 

 




 後編の執筆は『ネクストアイリス』のデザインが頭の中に浮かび次第しますので更新には時間がかかると思います。
 後編はバトルパートなので文字数がとても増えます。
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