Next stage of another dimension   作:烊々

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 文字数のバランス上バトルパートを分けます。



三話

 

 

「またネプギアかな〜って思ったけど、まさかぷるるんだなんてね」

「ねぷちゃんこそ、コロシアムのクエストになるなんて珍しいことするじゃん」

「いやぁ、たまにはこんな感じの仕事もしろっていーすんがね。でも、ネプギア以外だーれも挑んで来なくてさぁ」

「そりゃそうでしょ〜」

「プラネテューヌにはまだ誰も知らぬ猛者がいるんじゃないかと少し期待してたんだけどね」

 

 コロシアムで向かい合い、会話を交わすネプテューヌとプルルート。

 

「さてと。じゃあ、やろっかぷるるん」

「おっけ〜」

 

 ネプテューヌが合図をすると、コロシアムの試合開始を知らせるブザーが鳴り響く。

 

「行くよ! ぷるるん!」

 

 同時に、ネプテューヌ地面を強く蹴り、プルルートの方へ駆ける。

 姿勢は低く、刀を振りかぶる。

 

「え〜い!」

 

 対するプルルートは、ネプテューヌに向かってぬいぐるみを思い切り放り投げる。

 狙いは足元。足を止め、接近を妨害する。

 

「おっと」

 

 ネプテューヌは跳んで回避し、落下の位置エネルギーも活かして刀を振り下ろす。

 

「とりゃああっ!」

「びりびり〜! どか〜ん!」

 

 プルルートは、雷撃魔法と爆発魔法でネプテューヌを迎撃する。

 

「あちちちっ!」

 

 ネプテューヌはシェアエネルギーを込めた斬撃で、プルルートの魔法攻撃のほとんどを弾き飛ばすも、少し残った電流と熱に襲われる。

 

「けど、とったよ!」

 

 迎撃を乗り越えたネプテューヌの刃が、プルルートに届く。

 

「それはどうかなぁ?」

 

 ……寸前に、両者の身体の間に何か割って入る。

 

「ねぷっ⁉︎ これはっ!」

 

 先程プルルートが放り投げたぬいぐるみが、軌道を変えて戻ってきていた。

 プルルートのぬいぐるみはファンシーな見た目とは裏腹に、プルルートの魔力とシェアエネルギーが込められた凶器である。

 鈍器として使用できたり、相手の武器を受け止められるほど耐久性が底上げされているだけでなく、魔力の込め方によっては自立行動する飛び道具としても使える万能武器である。

 

「それぇ〜っ!」

 

 プルルートの魔法攻撃とぬいぐるみの打撃の連携への対処のため後退ったネプテューヌに、プルルートはぬいぐるみの雪崩『ふぁんし〜れいん』を仕掛ける。

 

「なら……『32式エクスブレイド』」

 

 ネプテューヌは32式エクスブレイドを射出するのではなく、頭上で高速回転させることにより、降り注ぐぬいぐるみから防御する。

 

「ふふっ」

「ははっ」

 

 両者ともに肩慣らしは済み、体も温まってきた。

 

「そろそろいこうか」

「そうだね〜!」

 

 ネプテューヌはシェアクリスタルを、プルルートは女神メモリーを、それぞれ顕現させる。

 

「刮目せよ〜!」

「もー! それわたしの台詞ー! 気を取り直して、刮目せよ!」

 

 ネプテューヌとプルルートがシェアクリスタルと女神メモリーを使い、眩い光に包まれる。

 身長が大幅に伸び、身体の起伏が増え、プロセッサユニットが装備される。

 両者ともに、守護女神本気の戦闘モード、女神化が完了する。

 

「さぁ、ねぷちゃん。本気でイかせ合いましょう」

「変な言い方しないでくれる? けど、ぷるるんと本気で戦ったことなんてなかったから、楽しみだわ」

 

 紫の刀剣を構えるパープルハートと、蛇腹剣を無造作に持つアイリスハート。

 

「『クロスコンビネーション』ッ!」

「『ファイティングヴァイパー』‼︎」

 

 女神化して早速、自身の大技をぶつけ合う二人。

 互いの武器は互いの武器に阻まれ、相手の身体に届くことはなく、コロシアム中に、武器同士がぶつかり合う鈍い音が鳴り響く。

 

(……っ! ぷるるん、修行でもしたのかしら……⁉︎ この間よりも動きの質が全然違うわね……!)

 

 両者一歩も譲ることのない、互角の切り結びが続く。

 剣の扱い自体はネプテューヌが勝っているが、プルルートの蛇腹剣の独特の軌道と攻撃範囲がその差を埋めている。

 

(ぷるるんのアレ、相変わらず厄介な武器ね……けど、見えた! ここ‼︎)

 

 ネプテューヌは蛇腹剣の刀身部分ではなく、ワイヤー部分を掴み、思い切り引き寄せる。

 

(……っと、流石ねぷちゃん。けど、ワイヤーの部分なら安全、なんて思ってないわよねぇ?)

 

 プルルートは蛇腹剣に、自らの得意とする雷撃魔法を纏わせ電流を流す。

 

「……っ、はああああっ! 『デュエルエッジ』!」

 

 しかし、ネプテューヌは電流をものともせず、ワイヤーを引っ張る力を更に込め、引き寄せたプルルートに剣を向ける。

 

「もう、ねぷちゃんったら乱暴ねぇ!」

 

 プルルートは『ドライブスタッブ』の足技でネプテューヌの剣を弾き、その衝撃で宙返りしながら後方へ距離を取る。

 

「やるわね、ぷるるん」

「ねぷちゃんこそ」

 

 ネプテューヌはプルルートとの本気の戦いを心から楽しんでいる。

 しかし、プルルートの方はまだ満足し切っていない様子だった。

 

「けど、こんなんじゃ足りない、全っ然足りないわぁ」

「……足りない?」

「本気じゃないねぷちゃんと戦ってもつまんないってこと」

「私は手を抜いてなんていないわ」

「だってぇ、ねぷちゃんもう一回変身できるじゃな〜い」

「それは……」

 

 実際、ネプテューヌがネクストフォームへと変身してしまえば、アイリスハートが相手だろうが決着は一瞬だろう。

 それに、ネプテューヌは以前プルルートにネクストフォームを見せた後、プルルートがずっと浮かない表情をしていたことを覚えていた。

 

「……良いの? 変身しても」

「何回も言わせないで。本気じゃない子と戦ってもつまらないのよ」

「なら……行くわよ!」

 

 ネプテューヌはハイパーシェアクリスタルを使い、通常の女神化以上に眩い光に包まれ、ネクストパープルへと変身する。

 

「ステキよ。ねぷちゃん」

「ありがとうぷるるん。けど、こうなったからにはもう容赦はできないわ」

「容赦なんて要らないわよ。けど、少し待っててくれる? あたしも、奥の手を見せてあげるから」

「奥の手……?」

「……ありがとうね、ねぷちゃん。あの時ねぷちゃんがネクストフォームを見せてくれなかったら、あたしたちは死に物狂いでこれを創り出そうとなんてしなかったと思うわ」

 

 言いながら、プルルートは掌の上にクリスタルのようなもの顕現させる。

 

「それは……!」

 

 ネプテューヌを目を疑った。形状や色が少し違えど、プルルートが顕現させたものは明らかにハイパーシェアクリスタルだったからだ。

 

(五色……ぷるるんとノワールとブランとベールと……ピー子ね)

 

「まさか……ぷるるんたちもハイパーシェアクリスタルを創るなんてね」

「ちょっと違うわ。あたしたちの変身アイテムだから、ハイパー女神メモリーよ」

「そうね。その方がぷるるんたちらしくていいわ」

 

 ネプテューヌは素直に感心していた。自分たちは猛争事変という世界の危機に誘発され進化したネクストフォームに、プルルートたちが平和な世界の中で自分たちだけの力でネクストフォームの域まで辿り着いたことに。

 そして、プルルートがネクストフォームへ変身することが楽しみでしょうがなく、期待に目を輝かせていた。

 

「ぷるるん。早く見せてちょうだい。あなたのネクストフォームを」

「ふふっ、慌てないでよ。ちゃ〜んと見せてあげるから」

 

 プルルートがハイパー女神メモリーを起動させると、通常の女神化以上の眩い光がプルルートを包み込んだ。

 

 

 





 続きはネクストアイリスのデザインを思いつくまで待ってください。

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