【朗報?】ギャルゲーの世界に転生した【いいえ、悲報】 作:空々からら
とある前世の世界
「…そう言えば、アイツの言ってたクソゲーの事でも調べてみるかー」
珍しく課題が早く終わり、その上明日は日曜日。明日の天気は雨だと言うし、夜更かししても問題はないだろう。そう思い、パソコンを起動して早速調べてみる。
「…うわ、クソゲーって評価しかねぇ…えっと、なになに…?」
俺は一番見られており、参考になったとされているレビュー文を読んでみる事にした。どうやらこのレビューを書いた人はこの『十人十色』の開発班であり、クソゲーだと思いつつ仕事だからと割り切って作っていたらしい。
だからこそ、買った人からしたら分からない部分も知っているらしい。そりゃレビューとしては人気な訳だ。
【クソゲー十人十色レビュー① 銀色攻略は転生するしかない?】
『このゲームは最新のフルダイブ型VR機器を使用する際にプレイヤーの脳波を検知するシステムを採用している。そしてこのシステムにより脳波や身体的特徴を様々な機能を使い、ある程度のそのプレイヤーの個性を主人公へと反映する、というシステムを採用している。このシステム自体は他ゲームにも採用されており、自分の身体を動かす事なくゲームの世界へと没入できる。この反映された個性により、プレイヤーの初期能力値であったり、こういったヒロインに好かれやすく、こういったヒロインにはあまり近付かれない、と言った事が確定する。しかし、まずコレが大きな問題である』
「…まずそこからが問題なのな…」
俺は1人なのにツッコミを入れざるを得なかった。読み始めて分かったがこのレビュー、かなり長い。ちゃんと読めば1時間は余裕で越えそうなレビューだ。…だからこそより知れるって意味で人気なのかもしれないけど。
『まず第一に脳波を検知しプレイヤーに反映する、と言うことは例え何回ニューゲームをしようともプレイヤーの個性や能力値は変わらず、また好かれやすいヒロインと近付かれないヒロインが変わらないという事。それにより全ヒロインの攻略はほぼ不可能になる。
【能力値の説明】能力値には学力において文系、理系分野の二つと芸術、家庭科が存在する。(芸術においてはこれから音楽、美術に分かれる)そして運動においては体力と運動能力の二つが存在する。また、その他のステータスとして見た目、センス、性格が存在し、これらを2年間(主人公は高校2年からのスタートの為)で育成しなければならない。そのステータスによってヒロインを攻略できるか、しやすくなるかが大きく変わる。また、ヒロインにもステータスが存在している。
この中で酷いのはセンスと性格の二つだ。まずセンスにおいてはコレが高くなければ学力における芸術の上がり幅が全く違い、センスが低いと最大値が『999』でありながら『100』が限界値になったりする。性格においては最大値は『100』である。コレが高くないと好印象が与えづらい。が、ヒロインによってはほんの少し悪い事をした方が好感度が上がるヒロインがいる。しかし、性格値を高くするとその悪い事自体を主人公が出来なくなるのだ。そして何よりこの二つの最も酷い点は『1年間が経過する』事でしか能力値が上下しない事だ。つまり、2年間過ごしておきながら上下できるのはたったの一回。それでどうやってヒロインを攻略しろと言うのか?
一つ例を上げよう。主人公である透には義妹ヒロインである銀華と言うキャラクターがいるが、数万人が買ってこのヒロインを攻略できたのは
まずこのヒロインを攻略するには中学時代に虐められていた過去を話してもらう必要がある。
そしてその過去を話してもらうには性格値が『70』必要とされている。しかし、この数値は理論上可能と言うだけで実際は不可能に近い。何故ならテストプレイにおいてAIを基準として作った基本の能力値の性格は『30』だった。そして、実際のプレイヤーによって出た値の最大値は『50』であった。つまり、過去を知る為には現在のプレイヤーは全員1年間ヒロインと仲良くなる事もできず、ただ能力を上げるだけの作業となる。そして1年経ち、上がる性格値は理論上では最大『50』上がるとされているが、今の時点で20以上上がった人は確認されていない。よって、現時点で誰1人攻略出来ていないと言う事だ。
正直言って、これはバグとしか言いようがない。だがコレが正常なのだから開発班であった私からしてもクソゲーと言う他ないのである。さらに、このヒロインに関しては攻略するには性格値を上げる必要があるが、性格値がどのように変わるのかは完全ランダムである。この行動をする事で上がるのか下がるのかすらもランダムなのである。よって攻略と言った攻略法は無いに等しい。
そもそもの話、義理の兄である主人公が義妹とは言え、家族として迎えられた子に対し、イジメに気づかず過ごしていた、と言うのも無理がある。少しくらい話を聞くくらいはできるのでは無いのだろうか?このクソゲーはそう言ったヒロインの背景であったり主人公との関係であったり、杜撰な部分があまりにも多すぎる。
さらにもう一つ加えるならば、実はこのゲームを始める際に好きな色を一つ選ぶ場面がある。幼少期パートのようなものが存在しているのだが、そこで選んだヒロインの色に対し、好感度が初期から上がると言うものだ。…が、ここにも問題がある。もしここで銀色を選んでいれば、銀華との出会いがあり、好感度が自動的に上げられる。しかし、その後義妹になるシーンを含めて『一度幼少期出会った事がある』という描写が一切なく、またイジメからも助ける方ができない為、銀華からの印象が悪くなり、通常よりも好感度が下がる上、性格値もより下がるというデメリットしかないイベントが存在している。正直、アホである。
何故このような好感度下げが行われたのか。それはどうやらこの色での選択肢とプレイヤーの脳波から取られる能力値の値によっては高校2年のステータスの時点で攻略が最後までできるキャラが1人出来てしまうからである。その為、難易度調整であるイベントで好感度を調整する場を設けた。2度言うが難易度調整の為である。元より攻略が不可能に近いヒロインをより不可能に近づけたのだ。
いや、とにかくそのイベントの説明をしよう。それは高校2年生になって起きる、『ハーレム崩壊イベント』の序章でもある『合計10人のヒロインのハーレム入り』である。これ自体は【モブが入学しており、数ヶ月経っている事】と【後輩のみ入学して少しした後】にそれぞれのヒロインに起きるイベントだ。これにより、元々予定だった『モブでありハーレムの主である人物』に好意を抱く事で、主人公への好感度を相対的に下げた訳である。
さて、ここまでバグやらアホな事をしでかしてる、と知った方々。今レビューを読んでいる聡明な方々ならもしかしたら予想できるかもしれない。そう、ここの設定も薄っぺらなのだ。まず何故ヒロインがそのモブを好きになってハーレムに入ったのか、その背景や説明はほぼ無し。その相対的な好感度下げにより今回説明している銀華と言うヒロインは、最早無関心と言ったレベルまで好感度が落ちる。何か主人公である透が不祥事を起こしたなどの設定があればギリギリ納得できたかもしれないが、それも無し。コレはまさに
このヒロインに対しどうやって攻略するのか、この強制力を無くすにはどうすれば良いのか、と問われれば、
「…ふー…コレでまだまだ序盤なんだから凄いな…」
ここまで読み進めたが…既にクソゲーのオンパレードのような気がしてならない。そもそもヒロインなのに攻略出来ないなんて事があって良いのか?
他のレビューもチラチラ見てはいるが、どうやらこのゲームはハーレムエンドもあるらしい。全クリアとはそう言った意味なのだろうか?だが、買うとかはともかくこうやってレビューを見てるだけならその辺のゲームをするよりも遥かに面白く感じてしまうのは事実だ。
この1人目のヒロイン、銀華だっけ?このヒロインに対する攻略法の説明はもうそれしか無い、と笑みを浮かべてしまいそうになるくらい最適解のような気がした。…まぁ、そんな事ができるとすればこのレビュータイトル通り…
「…異世界転生でもするか、って事か?…ハハッ、こんな世界に入ったら苦労しそうだな」
そんな独り言を呟きながら、次のレビューを見る事にした。次のページには、こう書かれていた。
『クソゲー十人十色レビュー② 桃色攻略は簡単?違う、そうじゃない』
文系ステータス→『1〜444』主に国語や社会に関連した学力に対して有効なステータス、高ければ高いほどテストの点数が良くなる。ただし
理系ステータス→『1〜444』主に数学や科学に関連した学力に対して有効なステータス、高ければ高いほどテストの点数が良くなる。ただし
芸術ステータス→音楽、美術共に『1〜100』主に音楽、美術に関する芸術面において有効なステータス。高ければ高いほど好成績を残しやすくなる。ただし
体力ステータス→『1〜200』多ければ多いほど行動できる回数が増え、失敗確率が低くなる。デメリットは無し。
運動能力ステータス→『1〜444』運動に関する成績に有効なステータス。高ければ高いほど好成績を残しやすく、体力の減りが少なくなる。ただし
見た目ステータス→『1〜100』見た目に関するステータス。高ければ高いほどカッコよく見える。ただし
センスステータス→『1〜999』センスに関するステータス。高ければ高いほど芸術ステータスの上昇値および限界値、オシャレに対し有効になる。ただし
性格ステータス→『1〜100』性格に関するステータス。高ければ高いほど良い人と見られ、良い行動をする。ただし、高いと悪い行動ができなくなり、一部のヒロインに不利になる。また、低かった場合も一部のヒロインに不利になる。