以前に投稿していたものを編集して投稿しています。
これからまた少しずつ、修正しながら投稿していきたいと思います。
プロローグの時系列は二学期より後です。
第一話は原作一巻から始まります。
それではどうぞ。
森の中を一夏は走っていた。
時節聞こえてくる爆音や地響きが一夏の心を騒ぎ立てる。
(早く行かないと、みんなが危ない)
一夏が何故走っていて、ISという最速の移動手段を使わないのかには理由がある。
一夏が慌てていたため、ISという存在を忘れているわけではない。
ひとつの理由として、一夏のいた場所から戦闘がおこなわれている場所が近かった、というものがある。
だが、一番の理由は別にある。
一夏が森を抜けると、地獄のような光景が目の前に広がっていた。
「……なんだよ、これ?」
空き地だったはずの場所は荒れ果てていた。
そこら中にある弾痕、穴があいて煙が立ち上っている地面。
上空には、複数体の無人機を相手にしている仲間たち。
乗っている機体の装甲はボロボロだった。
それもそのはずだ、侵入してきた無人機ISの数は合計12機。
それに対して、こちらの数は自分を入れて現在10人
計算上、一人一機以上を相手しなくてはいけない。
いくら代表候補生でも勝つのは不可能だろう。
専用機持ちの護衛のもと行われた今回の行事は、亡国企業と手を組んでいる組織を完全に撃退するための作戦も練り込まれていた。
しかし、教師陣の使用するISに謎のロックがかかることによって全ての歯車が狂う。
本来ならば、各アリーナの外部に配置されていた人数は2人ずつだった為、コンビを組むことによって他の場所に存在する人が来るまでの時間を稼ぎ、集まり次第、全員でたたく予定だった。
だが、一夏が配置されていた以外のアリーナ上空に3機の無人機が来襲、そして、隔壁と教師陣のISがロックされることで完全に内部と外部で通信がとれなくなる。
おまけに、無人機は前回現れたゴーレムⅢよりも強さが段違いだった。
連携やコンビネーションという言葉をあざ笑うかのような圧倒的な数の暴力。
次々に地面に落ちていく仲間達。
(やめてくれ……)
一夏の中で何かがうごめく。
また一人、落ちる。
それをただ見ていることしかできない自分。
(やめてくれよ……)
自分の中にいるもうひとりの自分が「力を使わなければ仲間が死ぬぞ」と叫んでいる。
(俺はこいつの力を使いたくない。)
(守るために全てを壊す、この力を使いたくない。)
(でも…………)
さらに仲間が落ちる。
無人機がそれに追い打ちをかけるように腕を向ける。
当たれば絶対防御を貫通し、ISに乗れなくなってしまうかもしれない。
当たりどころが悪ければ死んでしまうかもしれない。
自分の中で何かが切れる音がした。
「やめろおォォォォ!!」
次の瞬間、一瞬でISが展開される。
第三次形態移行によって顔が隠れ、装甲に赤いラインが入った機体が体に装着される。
展開と同時に無人機に向かって、瞬時加速する。一夏の周りの景色が変わる。
目の前に腕を斜め下に向けている無人機がいる。一夏の手には、いつの間にか零落白夜が起動している雪片弐型が握られていた。
腕を横に振るう。
無人機の腕ごと体が両断される。そして、一夏は無人機から離れる。
近くにいる無人機に向かって雪片を投げる。同時に反対側にいる無人機に向かって瞬時加速する。後ろで爆発する音が聞こえる。
無人機に近づき、腕を構えると手に雪片がある。そのまま斬りつけて目の前の無人機を両断する。
一夏の周囲に複数の熱源反応がでる、たくさんの砲門が一夏を狙う。
熱線が打たれた。しかし、機体に熱線が当たる直前に瞬時加速で上に移動。そのまま加速中に無人機の方向に瞬時加速をする。
一夏をとてつもない負荷がおそう。でも、機体は止まらない、否止められない。
第三次形態移行によって得た力はVTシステムのように操縦者への負荷を全く考慮しないものだった。
一夏は次々に無人機を斬り払っていく。
瞬時加速による強制的な方向転換によって口から血を吐きながら。
それでも機体は止まらない。一夏の体を全く気にせず動き続ける。
(そうだ、俺の体がどうなろうと皆を守らないと……)
一見、ISの暴走のように見えるが、一夏本人も無理にでも動くことを、もしくはどんな手を使っても敵を倒すことを望んでいる。その思いに応えるように白式は動き続ける。
周りに熱源反応。また、一夏の機体が加速して離脱しようとする。
しかし。先ほど両断した無人機の上半身が体にしがみついている。
おまけに機体が動かない。
「AICか……だが!」
白式が赤く発光する。同時にAICも解除される。
左手の荷電粒子砲でしがみついている無人機を撃ち、破壊する。
周りを確認すると、すでに熱線は発射されていた。
(回避が間に合わない!?)
機体の発光が強くなり、熱線が自分に当たる。
機体にはダメージも衝撃もない。
一夏が移動しようとした時、背中で何かが爆発し強い衝撃をうけた。
無人機は実弾兵器も装備していたようだ。
零落白夜で無効化できるのは、エネルギーのみで実弾を防ぐことはできない。おまけに、零落白夜の発動中は絶対防御が無効となる。
機体が衝撃で吹き飛ばされている間も熱線と砲弾が追い打ちをかけてくる。
一夏は爆風によって地面にたたきつけられた。
「……かはっ」
衝撃によって、さらに口から血が出る。
白式のエネルギーも半分を切りかけていた。
「……まだだ」
倒れながらも一夏はつぶやく。
「まだ、負けるわけにはいけない」
機体の補助で何とか立ち上がる。
(みんなを守らないと……だから!)
「もっと力を貸せ、白式!」
呼応するように機体のラインが赤く光る。
白い全身装甲の機体に赤いラインが入った姿はまるで、返り血を浴びた鬼のようだった。
白式が変化すると頭に音声が流れてくる。
「やっぱり、いっくんもそうなっちゃうんだね……」
7月ぶりに聞く声
「ごめんね、私のせいで……」
世界で天災と呼ばれている人の声
「ちーちゃんは引き返せたけど、その機体とコアじゃ多分無理だから」
以前聞いた声とは違い、聞こえてくる声には憐れむような後悔しているような感情が込められている気がした。
その声が聞こえてくると同時に無人機が腕をこちらに向ける。
「いっくん、白式は壊させてもらうよ!」
全ての無人機から熱線と砲弾が同時に打たれた。
このSSには今後オリジナル要素がどんどん増える予定です。
そして、二学期に入ると半オリジナル展開になります。
学校が忙しかったため、修正が遅れました。
感想、お待ちしております。