あ、死んだわ。そう俺が認識したのは車に引かれる寸前の事だった。状況が飲み込めたような飲み込めないような……フワッとした感情のまましんだ。
あーあ、新作ゲームのメガトン級ムサシ買ったばっかりなのにプレイもせずに死ぬとは……
「ちょっと、そこの魂」
「……?」
「そう君だ、こっちへおいで」
誰? 白ひげのおじいさんに知り合いは居ないよ……よく見たらターン∀みたいな髭だなおい、ワックスでカチカチか?
「君は私に選ばれた、人生をやり直せるチャンスをやろう。なにも心配するな……神の気まぐれだ」
「……!」
「そうかそうか、君の世界ではこの手の話は多いようだからすんなり飲み込めたか、よろしいでは生まれ変わる世界を決めよう……なに? 既に候補があるとな?」
うん、出来るならの話になるけどね。どうせなら死の直前にやり残したゲームの世界、つまりメガトン級ムサシの世界がいい! 未プレイだし動画も見てないから世界観はそこまで知らないけどね
「なんとまぁ根っからのゲームマニアじゃのう、よかろうてその願い叶えよう。なら世界観に合わせて能力を授けよう」
「……?」
「不思議か? 神は授け導くモノよ、それに信仰を感じるなら敬うがよい。それが正しき神と人の在り方じゃ。はっきり言えばワシには関係ないがの! ハッハッハッ! さぁどのような能力が欲しいか具体的に申してみよ、ワシがいい感じにしてやる」
能力か……メガトン級ムサシはロボアクションモノだからやはり戦闘能力か? あ、不死ならどうか? ……それも面白くない……せっかくのロボゲーだからなぁ……よし!
「決まったな?」
「……!」
「その願いでよいな、むむむ……よし『神の叡智』でも呼ぼうかの。望む知識、技術を際限無く知る事が出来る、中々に強烈な能力じゃの、ただし未来予知では無いので注意じゃ、使い方はネット検索と同じにしてある、あ、ネタバレ禁止だぞ? 嬉しかろ?」
うんうん、そんな感じの能力が良いね、特にネタバレ禁止はありがたい。ロボが造りたいだけだからね、俺はな……ゲッターロボとかね、造りたいよね。
「それじゃ第二の人生を楽しむのじゃぞ~」
意識が緩やかに落ちていく……眠る寸前のあの感覚だ……
☆★★
「おい、起きろ! おーい!」
「……ぐぅぐぅ」
「おーい! ここはベッドじゃないよ、道路だぞー」
「ハッ! ……ここは? すいません、警察官さん」
「良かった、こんな所で寝ていたら風を引いてしまうよ。ん? 傷だらけじゃないか喧嘩でもしたのか? 見たところ星刻学園の子だね? 一応先生方に連絡させてもらうよ」
なんと、生前の体そのままだ。ピチピチ十七歳の肌スベ感覚あり、しかしここは全くしらな……ベニーズ??? デニーズではないのか? ま、レベルファイブだしそんなものか。妖怪ウォッチで慣れた俺に死角はない。
改めて周囲を確認してみるとここはどうやら商店街の外れか、赤城警察署の前で倒れていたようだ。まさか転生した瞬間から警察のお世話になるとは予想出来んやろ
「君の名前は?」
「名前ですか、……早乙女 竜馬です」
「ふむふむ……漢字は早乙女 竜馬であってるね」
「はい、あのもう帰っても良いですか?」
「あ、あぁ、良いよ。気をつけて帰るんだぞ」
早乙女竜馬、前世とは違う今の名前、乱馬だったら女になってたな。しかし早乙女で竜馬……ヤバイのでは?
さてこの先どうしよう、早速オッケー『神の叡智』俺の家! ……ふむふむ、無いな。今の俺の立場は星刻学園二年生と言うだけ、特別な立場に居ないとロボが造れないな……
「ん……よしそれなりの組織にそこはかと無くアピール出来る発明からいこう」
商店街を抜けて北へ進むと河川敷が見えてくる、ここの川が丁度マップの境目だろうなぁ……メタ読みは転生者の特権。
「よっこいしょ、無いなら造れクラフトマン、オッケー『神の叡智』<物質 生み出す 簡単>検索……お、ヒットした」
ふむふむ、難易度高いぃぃぃ……そりゃそうか、じゃあ
「<簡単 発電 廃品>検索……うん、これなら今から出来る」
町中のゴミ箱や路地裏を軽く巡って使えそうなゴミを集めてみた、それだけで半日が過ぎ今は夕方だ。夕日が綺麗に見えるがここは……おっと検索妨害だ、ネタバレになるのか。早くこの秘密を知りたいものだ。
あ、本題はこっちゴミからあれやこれして部品を造り出来ました、簡易発電機。所要時間二十分。手先は器用なほうなのでやり方さえ分かればこんなものよ、美術と図工は成績はストップ高。
「動力は俺、変換効率は20%、蓄電池付きで素晴らしい。あとはついでに集めた段ボールで掘っ立て小屋を作って……よし! 高校生でマイホーム持ちは俺だけだろうなぁ」
いかにもな感じに出来たな、蓄電池に電気を貯めてから今日はもう寝よう。
明日からは就活しよう、うん
続け