早乙女竜馬さんじゅななさい、ダイバー級ローグの製作完了を報告したく。期間は三日、天才と呼ぶなら勝手にしてくれこれはチートだからな。
「レディースあんどお集まりのオッチャンの皆様に私早乙女竜馬の開発した新型ローグのお披露目をしまーす!」
壱番バンカーの端の方に俺の造ったローグがデデンと佇んでいる、うんうんカッコいい。元のダイバー級ローグはずんぐりむっくりの鉄人28号体型だったんだけど俺のはもっとスマートにしたMSと言う違いがある。
機体のガワは俺の好みのV2ガンダムそのまんまにして内装を従来のローグと同じに留めた、が、性能はうんと違うぞ! エンジンはどのローグも同じタキオン粒子を使うタキオンエンジンに対しこのV2は次元連結システムをほんのり組み込み魔改造したエンジンを積んだ、ハッキリ言えば光の翼が月光蝶みたいになった、分子までも粉砕する極悪仕様。
上記の事を冗談混じりに解説したらその場に来ていたオブリビオンベイの司令官、南 沙也加って女性がね
「こんな華奢な機体で敵の攻撃に耐えられるのかしら?」
て、言うから
「気になります? でしたらこのV2に核弾頭でも光子魚雷でも当てて下さい、十分耐えますよ」
そんな訳でV2の耐久性テストが始まった、V2の装甲はポッシブルメタルといい俺の生み出したポッシブル粒子が金属と結び付いた状態を言う、このポッシブルメタルは強い力が加わるとポッシブル粒子の総量に応じ時間変動を引き起こし自機を時間逆行させるのだ、ある程度時間逆行を制御しているのでパイロットには影響なし、あくまでもポッシブルメタル装甲の時間が逆行するだけ。
つまりフルポッシブルメタルのV2は全身タイムマシンでダメージを受けても無かった事に出来るのだ。
弱点はじわじわと熱を加えると普通に溶けて機能しなくなることかな
ここまでは誰にも説明していない、説明する前に耐久性テストの話になったからな! 皆はちゃんと最後まで人の話を聞こうね
★★☆☆
「デューク藤咲、あれ……何?」
「早乙女くんが造ったダイバー級ローグ、名称はサオトメ型一号です」
「そうだけとそうじゃない、何をどうしたらあんなモノになるの……」
私は信じられないモノを見ている、夢でしたと言われてもまだ納得出来る。早乙女竜馬と言う開発部の新人が三日で設計したダイバー級ローグがフォトントルピードでも反物質キャノンでも傷一つ入らないなんて、最新鋭のムサシでも傷が付くと言うのに。ひょっとして私と『同じ』なのでは無いかと無駄に疑がっていたがそもそも私と同じだとしてもこんな事は出来ないだろう。
純粋にこんなオーバーテクノロジーを生み出したとも考えられないし、執政部に問い詰めてもこれ程高い科学技術を持った人物や組織は過去に確認されていない。
まさか……いや、そうね。私と同じだけど違うつまり彼"も"『異星人』と言うわけね……
「いかがです? 耐えましたねぇ」
「早乙女竜馬……えぇ確かに耐久性は十分以上です、まるで地球外の技術でも使われているのかと疑いました」
「……ん? 地球外の技術ですか、失礼ながら私はつい最近この世界の現状を知りました。親も家も無い私に有ったのはこのような知識だけ……それがどこから来た何なのかは知りません……」オロオロ
この反応は嘘を……明らかに動揺している、分かりやすいから逆に嘘と言う可能性もあるけれどその設定がどこまで続くか見物ね……地球の為に力を貸しているうちは正体については不問としておき、いざとなれば処刑も辞さない。
「デューク藤咲、実戦投入はどう考えているの?」
「V2は取り扱いが難しいのであれをもう少しグレードダウンさせたモノを量産していくと良いと思うわ、あのまま量産しようものならコストと手間が掛かりすぎるわね……はい、ざっと算出してみたけどあれ一機でダイバー級五機分ね」
「中々高くつくわね……資源も無限では無いのよ」
「おおっとすみません、V2について一つ言い忘れていました、あれはパイロットの事を全く考慮していません。全力運転でパイロットはミンチになります、かといってパイロットを考慮して加減したら稼働率10%程に落ち他のダイバー級ローグと性能に変わりはないと思われます」
「おいコラ」ガシッ
「な、何ですか……」
「あれにいくら使った、それに見合うリターンが無いなら即解体してやる」
「いやそれは! ……あれは私なら乗りこなせるなかーなんてあはは」
「よしやってもらおうか」ニコッ
この野郎資源無駄にしやがって許さんぞ今は何でもカツカツなんだよコンチクショー!
「南司令、皆の前ですよ」
「……っふぅ、さぁ仕事に戻りましょう」
─この日から南司令を怒らせたら胸ぐら捕まれて鬼面の如く睨まれるぞ、とあらゆる部署に伝わったとか無いとか……─
☆☆★★
「南さんこえー」
「はぁ……怒られても当然よ、私の責任でもあるけどそもそもパイロットを考慮しない兵器なんてドぽんこつにも程があるわね」
いや全くデュークさんの言う通り、俺は俺の作りたいまま造ってそこで満足しこれを運用する事を考えていなかった。この星はある日突然異星人、呼称はドラクターに侵略を受け人工の99.9%は死んで生き残った人々はこの超巨大シェルターに記憶を操作し平穏な日々を過ごしている。
と言うのが現状である、人類はドラクターになされるがままでは無かった、ローグを生み出しドラクターの兵器に敵う兵器を造り対策し試行錯誤を繰り返しこの三年を生き抜いてきた。
正直俺は転生したことを後悔したよ、だってこんな終末世界だとは思いもよらなかった。戦争だなんて平和を生きた俺には無理だ、争いに嫌悪感しか感じない。
しかしもう後戻りは出来ない、転生してこの世界の現実を知ったからには何とかしたいと思うんですよ。それが人情でしょうよ! せっかくチートがあることだしより良い未来を目指してやるさ
「やりますよ、私は覚悟を決めました」
「あら、何の覚悟かしら?」
「人を救う覚悟、そして……夢を続ける覚悟です」
「ふぅん……前者は立派よ、でも後者はどう考えても南司令に怒られる覚悟よね」
デュークさんにはお見通し……と言うか昨日の今日だからかな、うかつ!
要素の設定だけで他には何もないわよ