黑咲結翔は■■である   作:斬る斬るティー

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第6話:隊長決め

 結翔、須美、園子、銀達4人の人類を守る勇者として、初めてのお役目を果たしてから、半月後。

 

「で、なんでまたイネスに居んの?」

「それはみんなでジェラート食べたかったからだよ!」

「俺なんか無くても良いだろ」

「ゆいゆいも勇者で仲間なんだから~」

「そうですよ黑咲君」

「・・・あっそ」

 

 4人はあれからちょくちょく一緒にイネスのジェラートを食べに来ていた。結翔は銀に引っ張られてだが。

 

「でも結翔はまたチョコミントとレモーネなんだな」

「しかもトッピングでミントダブレット・・・す、凄いわね」

「お口の中のスースーさも倍増~」

「良いだろ別に・・・ごちそうさん」

「はや!?」

「うるさ・・・ん?」

 

 結翔の目線の先には立とうとして中腰の体勢で固まった人だった。それに気づき須美達も周りを見ると察する。

 

「これって・・・」

「来たな」

 

 時間が止まった世界で唯一動ける4人はスマホを取り出す。すると、少しして樹海化が始まる。4人は勇者に変身すると大橋に向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 新しく来たバーテックスは正面から見たら、左側に巨大な分銅、右側に一回り小さい分銅が3つつき、顔のような模様がついたバーテックスだった。全体的に左右対称且つバランスの取れていそうなそのフォルムは正に天秤。

 やってきたバーテックスは天秤座『ライブラ・バーテックス』だった。

 

「うぅぅ!」

「クッウ!」

 

 そして天秤座は両サイドの分銅を振り回すかのように大回転を始めたことにより天秤座を中心に竜巻が起こり、園子は地面に槍を刺し銀は園子にしがみつき須美は銀にしがみついていた。その横では結翔は刀を地面に刺し吹き飛ばされないように耐えていた。

 

「くっう!これじゃあ身動き取れねぇよぉ!!」

「あのグルグル上からの攻撃は弱そうだけど」

「どうしようも無い!羽はズルいよな!!」

 

 天秤座の増したから樹海のえの浸食は進む。それを見た園子は焦る。

 

(マズイ!?なんとかしなきゃ!!)

 

 すると須美は銀から手を離し、強風により浮かび上がる。

 

「須美!」

 

 空中で体勢を整えると弓を引きチャージを始める。

 

「南無八幡・・・・・!」

 

(鷲尾は何がしたい?彼奴の矢じゃあのバーテックスに届く前に風に飛ばされて無意味になる)

 

「大菩薩!・・・・ッ!?きゃあ!」

 

 変わった技名の必殺技を放つ。だがその矢は結翔の思っていた通りに風に流され天秤座に当たる前に地面に落ちる。そして須美はそのまま強風に煽られて遙か後方に飛ばされる。

 

「危ない!」

 

 分銅が園子達に迫り、とっさに槍を()にして分銅を防ぐ。だが、分銅の攻撃は立て続けに続き、苦しい状況が続く。それを見た銀は園子からてを離し須美同様、強風で浮かび上がる。

 

「ミノさん!?」

「結翔ぉぉぉぉおお!!」

「わったよぉ!!(マジダルイ)」

 

 叫ぶと結翔は強風に負けず駆け出し、次の三つの分銅が付いた攻撃が来たときに分銅と本体をつないでいた中間部分に飛び乗る。そのまま、繋ぎ目部分に刀を宛てると勢いよく横に引く。

 

「第壱秘剣 火斬!続いて!・・・・・ 第参秘剣 落雷!」

「さっすが結翔!」

「わっわわわ!!

 

 三つの分銅を切り離すともう一つの大きい分銅が着いた方に乗り移ると左手で繋ぎ目部分を掴み、右手で刀を勢いよく振り下ろして結合部分を壊す。

 すると天秤座はおもりが無くなったことにより遠心力の回転が出来なくなり回転が止まる。それにつれて強風も無くなる。因みに分銅は遠心力で橋から飛び出し海に落ちた。

 

「これで良いだろ!後は好きにしろ!!」

「さんきゅー!」

 

 強風が無くなると銀は重力に従い落下する。そのまま天秤座に近づくと双斧の思いっきり振り回し天秤座を切り刻んでいく。

 

「うぉぉおおおりゃぁぁぁぁああああああ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ゴリ押しにも程があります」

「「「はい」」」

「・・・フン」

 

 天秤座は銀がちゃんと追い返した事で戦いが終わった。だが4人の戦いをスマホの録画で確かめた安芸に戦いがゴリ押しと注意されていた。

 

(無理矢理戦わせてるのはお前ら大人だろうに鬱陶しい。何でそれで俺らが怒られるんだよ。てかあのスマホの映像はどうやって手に入れたんだ?樹海の中では無理なはずなのに・・・・気を付けないと)

 

「これじゃあ、命がいくつあっても足りないわ……。お役目は成功して、現実への被害が軽微なもので済んだのは、よくやってくれてるのだけど……」

 

 それに対して須美は横を見て皆を見る。

 

「それは皆のお陰です」

「・・・ふぅ~。貴方達の弱点は連携不足ね。まず、貴方達の中で指揮を執る隊長を決めましょう」

(隊長・・・!アタシだわ!)

 

 須美は自分が選ばれると思い、そして園子と銀も須美が選ばれると思い須美を見ていた。結翔は最初から興味が無く、足を組んでズッと爪をいじっていた。

 

「乃木さん。隊長頼めるかしら?」

 

 だが、あげられた名は須美では無く、園子の名だった。須美は呆然となるが、それ以上に驚いているのは、選ばれた本人だった。

 

「え? わ、私ですか?」

「あたしはそういうの、柄じゃないから。あたしじゃなければ、誰でも」

「俺は面倒くさくてダルイのはパス」

 

 銀は最初っからなる気が無いのか向いていないと思っていたのか分からないが園子が隊長になる事に異論は無かった。結翔は面倒くダルイと言うことで自分じゃ無ければ誰でも良かったみたいだ。残るは須美次第なのだが、当の須美は何故そのこが選ばれたのかを考えていた。

 

(そっか……。乃木家は大赦の中で大きな力を占めている。こういう時も、リーダーに選ばれるべき家柄なんだ)

 

 須美の家、鷲尾家も大赦の中では大きな家柄なのだが、大赦の中では乃木家は鷲尾家より遙かに有名な為にこういった場合でも園子が選ばれた事にも理屈が通り納得する。

 

「私も、乃木さんが隊長で賛成よ」

「わっしー……」

(でも、実際は私がまとめないと……。うん、頑張ろう)

 

 実戦になれば自然的に自分が指揮を執る事に成るだろうと思い納得して、新たに決意する。

 

(鷲尾はいざ実戦で危ない状況になったら脳内パニックを起こして動きが止まるタイプの人間だろうな~。まあ関係無いか俺には)

 

 須美のことを横目で結翔は見ていたが直ぐに窓の外を見る。

 

「決定ね。神託によれば、次の襲来までの期間は割とあるみたいだから、連携を深めていく為に、合宿を行おうと思います」

「「「合宿!?」」」

「お前ら頑張れ~」

「黑咲君、貴方も参加です」

「そうだぞ、結翔。一緒に頑張ろぉ!!」

「・・・ッ、はいはい」

 

 

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