ブリタニアの軍総本部の一室に、ミーナや龍聖達の姿があった。
「無事に扶桑からの増援と補給が届いた様だが? そして、外部からの協力者が基地に加わったと聞いているが?」
「坂本少佐含め、補充員一名。そして外部協力者複数人がガリア解放作戦に参加して頂けることを承諾しています」
部屋にはブリタニアの首相とマロニー将軍がミーナ達と面談をしていた。
「戦力増強は有難い。一刻も早く、ガリアを解放しなければならない」
「しかし、ネウロイの襲撃が不定期になっていると聞いているが、そこのところはどうなのかね?」
ブリタニアの首相は501に戦力が増強されたことに嬉しく感じているが、マロニーはそうでもなさそうであった。
「確かに、今までの週一回のパターンから徐々に感覚が狭まってきています」
ミーナはありのままを説明した。
「今のままの状況では、いかんだろうな」
マロニーはミーナの言葉を真っ向から否定する。
「現場を無視した空論を述べられるのは、お断りをしている筈ですが?」
ミーナの言葉にマロニーは顔を顰め、ミーナを睨みつけた。
すると、見兼ねて首相が咳払いをする。
「結果が出ればそれで良いのだよ」
「ご安心下さい。私達501と此方の黒崎さん達、外部協力者と共にガリアを解放致します」
ミーナははっきりと言った。
「それで、もう彼らと話しても良いのかね?」
ミーナとの話を終え、龍聖達とブリタニアの首相は話がしたそうにしていた。
「そうでしたね。黒崎さん」
「はい」
ミーナに呼ばれて龍聖が前に出る。
「外部協力者としてガリア解放の手伝いをしてくださることを、首相として、そして、個人としても感謝の意を述べさせて頂きます。ありがとう」
首相は立ち上がると、龍聖に向かって頭を下げた。
「ちょ⁉︎ 一国の首相が簡単に頭を下げないでください‼︎」
龍聖は首相の行動に驚きを隠せなかった。
「私からも感謝する」
マロニーも同様に頭を下げた。
「あ、頭をお上げ下さい」
龍聖の言葉に二人は顔をあげ、席に座り直した。
「それで。私達は君たちに聞きたい事がある」
「まずは、私から話させてもらう」
先に口を開いたのはマロニーであった。
「私から君たちに対して、戦闘データの提出、そして機体の提供、操縦方法の伝授、機体の製造方法、戦闘艦並びに工作艦について知りたい」
マロニーはISのことを知りたがっていた。だが、龍聖は見逃さなかった。マロニーの瞳の中に映る黒い炎を。
「残念ですが、機体の提供並びに製造方法、戦闘艦、工作艦の内部までは説明する事が出来ません」
龍聖はマロニーから出された注文に対して、断りを入れた。そのことにマロニーは憤慨する。
「なんだと、貴様‼︎ 貴様達が持っている技術を使えばネウロイを倒すことも出来るだろうに‼︎ なぜ、それを断るのだ‼︎」
マロニーの言い分は最ものことだが、龍聖は冷静に対処する。
「私の説明不足でした。まず初めに機体の提供ですが、残念ながら、私の機体ともう一つの機体のパイロットに関しては、外す事が出来ません。また、余分に余っている機体はありません。なので、機体の提供が出来ません。次に製造方法ですが、私達パイロットには機体の製造方法までは知らされていません。また、機体の製造は出来ても肝心のコアが無ければ、動かすこともできませんし、コアが製造することが出来るのは、ある博士の力があって出来たものであり、我々もコアのことまでは知らないのです。そして、戦闘艦と工作艦の二隻についてですが、確かに私の部隊が専属艦として運用しています。しかしながら、あの二隻もまた、製造する事が出来ません」
「はて、それはなぜなのですか?」
龍聖の説明に疑問を持った首相は訪ねる。
「………二隻に使われている機関部は、この世界の置いてはオーバーテクノロジーであり、扱いを間違えれば人々が住めなくなってしまう焦土と化してしまうからです。また、運用にあたっては決められた技師でないと動かすことも出来なくなっています。その為、二隻については渡す事が出来ません」
龍聖はブラフを交えながら説明する。マロニーは説明を聞いて何も言えなくなってしまう。そして、止めとばかりに龍聖は言葉を続ける。
「もし、我々の技術を武力を持って奪取あるいは、強奪するおつもりでしたら…………自爆させ、海の藻屑にします」
「……………チッ」
龍聖の嘘偽りのない言葉に、マロニーは舌打ちをした。
「では、今度は私から」
マロニーが話し終えたと読み取った首相が口を開く。
「もし仮にネウロイがこの世界からいなくなったとした場合、世界はどの様になると考えていますか?」
「っ⁉︎」
首相の言葉に強い重みを感じた龍聖は、驚きを隠せなかった。まさか、ネウロイがいなくなった後の世界を考えている人物がいるとは思いもしなかったからである。
「………失礼しました。質問にお答えします。これはあくまでも私個人の私見になりますが、宜しいですか?」
龍聖の言葉に首相は頷く。
「では、続けます。まず、ネウロイがいなくなった後、世界に残るのは焦土と化した国土があります。小国であれば、大国に飲まれて国自体が消えます。そして、それに抗おうとする人々が立ち上がり、紛争に発展し、最終的には世界を巻き込む世界大戦が起きる可能性があります」
「ほう、それはそう思ったのですか?」
「…………私達がいた世界にはネウロイが存在していませんでした」
「なんと‼︎」
龍聖の言葉にマロニーは驚き、首相に至っては口に出していた。
「しかしながら、ネウロイという存在がいないからこそ起きるものもあります」
「それが、世界大戦ですか?」
首相の言葉に龍聖は頷いた。
「私達がいた世界では、3度の世界大戦が起きました。そして、国土は焼かれ、多くの人民の血が流れました。そして、戦ってきた軍人もまた多くの血を流し、流され血で血を洗う泥沼の様な戦争が起きました。紛争は数が数えきれない程、勃発しとある人物がこう言う言葉を遺しています。“平和とは、戦争の前準備でしかない”と」
龍聖の言葉を聞き、二人は何も言えなくなってしまうのであった。
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次回予告
漸く龍聖達は、再度、501部隊との顔合わせをする事になった。だが、まだまだ問題は続く。
次回、第十五話〜顔合わせ