ストライク・ウィッチーズ~鬼神の闘い   作:武御雷参型

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連続投稿です。


第五.五話~支援艦隊

龍聖が元居た世界の太平洋沖に二隻の艦が航行していた。一隻は飛行甲板を持った航空母艦で、もう一隻に至っては航空母艦を凌ぐ大きさを誇る艦であった。

 

「そう言えば、隊長のシグナルをロストしたのって、この先の陸地ですよね?」

 

「ああ、その筈なんだが…………」

 

二隻が向かっているのは龍聖が消息を絶った陸地であった。なぜ、この二隻がそちらへ向かっているのかと言うと睦月からの指示であった。また、航空母艦の格納庫には龍聖の部隊やもう一つの“武御雷隊”が出撃準備をしていた。

 

「良い、最終確認よ。全機発艦した後、黒崎隊長が消息を絶った場所へ向かい、調べます。蟻一匹も逃さないくらいで痕跡を調べてきてください」

 

『了解‼』

 

“武御雷隊”隊長の山本智花が指示を出していた。本来であれば天照隊の副隊長が指示を出すのだが、武御雷隊と合同で探すとなれば、武御雷隊隊長の智花に任せるのが一番と睦月が判断した為、こういう形となっているのである。

 

「そろそろ、発艦できそうね。全員、機体を展開しなさい」

 

智花がそう言うと、全員が機体を展開させる。第三世代型量産機“カルディトーレ”が展開する。すると、格納庫に設置されているエレベーターが起動し、全員を甲板へと押し上げていく。

 

「全機、発艦‼」

 

智花がそう言うとカルディトーレを発進させる。続いて他の隊員も機体を発艦させていった。

 

「頼んだぞ、天照隊、武御雷隊………」

 

艦橋で龍聖と近しい存在であった山本俊輔が発艦していったカルディトーレを見て呟くのであった。

 

「艦長‼」

 

すると、一人の士官が叫び様に俊輔を呼んだ。

 

「どうかしたのか」

 

「大変です‼ 船底から強力な重力波が‼」

 

「何だと‼」

 

俊輔は驚きの余り、叫んでしまう。

 

「機関最大、両舷前進‼ この海域からの脱出を試みる‼」

 

『了解‼』

 

俊輔は瞬時に指示を出した。それと同時にもう一つの指示を出していた。

 

「通信士、天照隊と武御雷隊に連絡を」

 

「了解しました」

 

現状を伝えるために二つの部隊に通信を行う。

 

「こちら銀鳳、武御雷隊並びに天照隊の諸君に通達する。現在、我が艦と紫煙が強力な重力波に巻き込まれている事が判明した。これより脱出を試みるが………もしもの時は各自の判断で行動せよ」

 

〈俊輔‼ 大丈夫なの⁉〉

 

智花が俊輔の名前を呼ぶ。

 

「山本隊長、現在は任務中だ。普段通りの呼び方は辞めなさい」

 

俊輔と智花は夫婦でIS委員会に所属していたのである。

 

〈でも………〉

 

「だが、仕方が無い。緊急なんだ。しかし、焦りは禁物。今はお前たちが課せられた任務を遂行しろ。大丈夫だ。俺は絶対にどこにも行かないから」

 

俊輔は智花を安心させる為、普段通りに智花に言う。

 

〈気を付けて………〉

 

智花はそう言い残すと、通信を切った。

 

「宜しかったのですか? もしかしたら脱出できない可能性も…………」

 

副艦長が俊輔の顔を伺うかのように言う。

 

「脱出できるかできないかは判らん。だが、先ほども言った様に焦りは禁物だ。それに、銀鳳と紫炎は最新鋭の機関を載せているんだぞ? 脱出できない訳がn「大変です‼ 機関が安定していますが、一歩も進んでいません‼」………」

 

「…………」

 

俊輔と副艦長は顔を見合わせる。お互いに顔色は真っ青であった。

 

「か、艦長がフラグを建てるから‼」

 

「お、俺じゃないだろ‼ お前だって内心ではこの捜索が終了したら結婚するんだとか思ってたんじゃないのか‼」

 

なぜか始まった責任の擦り付け合い。言っている事は子供のケンカのようであった。

 

「艦長も副艦長も今はそんなことをしている暇ではないでしょうが‼」

 

火器管制を担当している高町なのはが二人を叱責した。

 

「これ以上、醜い争いをするのでしたら………OHANASHIしますか?」

 

「「すみませんでした‼」」

 

なのはに対して土下座をする大の大人。平和な時であったら笑い声が聞こえるはずだが、緊急時なので皆、見向きもしていなかった。

 

「重力波の状況は」

 

「依然、収まる気配がありません‼」

 

「艦長、紫炎が‼」

 

「な⁉ 紫炎が沈んでいく⁉」

 

俊輔が見た光景は、紫炎がゆっくりと海面に沈んでいく様子であった。

 

「通信士、紫炎に通信を‼」

 

「やっていますが、ノイズが強く反応がありません‼」

 

「くそ、この重力波が原因か………ん?」

 

俊輔は異変を感じた。

 

「おい、銀鳳の角度はどうなっている」

 

「………角度10°傾斜し始めました‼」

 

銀鳳も紫炎同様に沈み始めていたのである。

 

「こりゃ、脱出不可能だな…………総員、退艦を」

 

俊輔の言葉に誰も従おうとはしなかった。

 

「総員、退艦だ。これは艦長命令だぞ‼」

 

「艦長、お言葉ですがその命令には従う事は出来ません。我々は皆、あなたと共に逝く事を望んでいます。それは紫炎も同様でしょう」

 

「…………バカ者たちが………」

 

俊輔は副館長の言葉に、被っていた帽子を深く被り直した。

 

〈俊輔‼ 銀鳳が沈んでいるわよ‼ 退艦しなさい‼〉

 

すると突然、智花が通信を開いたのである。

 

「………すまん、脱出は不可能だ。それに、もし退艦したとしても、この重力波に巻き込まれてしまうのは必然だ。だったら、このまま艦に残って共に逝く事を決意した。すまん、約束を守れなくて………」

 

〈いや‼ 絶対にいや‼ 私も逝くから‼ 私一人、生き残るなんて嫌なの‼〉

 

「戻れ‼」

 

〈いや‼〉

 

俊輔の言葉に智花は拒絶し、いつの間にか銀鳳に着艦していた。そして、機体を量子変換させて艦橋へと向かった。

暫くした後、艦橋の扉が開き智花が入って来た。既に、銀鳳や紫炎の船体は半分以上が海中に沈んでいる状態であった。

 

「私も一緒に行くから。何が何でも、あなた一人だけを逝かせる訳にはいかないわ」

 

「馬鹿だな、俺一人だけじゃない。皆も一緒だ………だが、ありがとう」

 

この言葉を最後に銀鳳級と紫炎型二隻は海中へと沈んでいった。残されたのは、静かに揺れる海だけであった。




誤字脱字、感想、指摘、質問等ありましたら送って頂けたら幸いです。
活動報告にて要望書を作成いたしましたの、リンク先を張っておきます。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=282763&uid=28414

次回予告。

突如として現れた重力波に巻き込まれた銀鳳級と紫炎型の二隻。
501戦闘航空団との会談の途中で現れたネウロイ。
この二つの出来事が混じり合った時、世界が動き出す。

次回、第六話~支援艦隊
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