「どうするつもり?」
「まあ、当てがあるんだ。だけど大志」
「は、はい」
「予め言っておくが完全にお前の姉ちゃんを辞めさせられるのは無理だ。俺の意見を聞いて辞めるかどうかは姉ちゃん次第だ、もし無理だったら素直に親に相談しな」
「分かりました」
「それで、それはいつやるのかしら?」
「今日は無理だな、準備とかあるし」
「そう、いい時間ですしこの辺でお開きにしましょう」
と雪ノ下の一声でこの場は一旦お開きになり俺と小町は本部に向かう。
「ねぇお兄ちゃん」
「なんだ?」
「本当にどうするの?大志くんのお姉さんの事」
「さぁな、さっきも言ったが結局辞める辞めないは川崎次第だ、俺ができるのは選択肢を与えることだけだし」
「選択肢?」
「ああ、そうだ」
「どんなの?」
「それはな・・・」
俺は小町に今思いついている選択肢を教えた。すると小町は少し考え答えた。
「いいと思うよ、てか多分成功すると思うし」
「小町がそう言うなら大丈夫そうだな、っとその前に補佐官に連絡しないと・・・」
俺は補佐官に連絡を取り、その日の作業を終わらせた。
次の日の放課後
俺はある人に連絡を取っていた。
「はい、お願いできますか?」
『ああ、分かった』
「すみません、では約束の時間に」ピッ!
「それで、いったいどうするつもり?」
「何がだ?」
「川崎さんの事よ」
「あーそのことか、まぁどうにかするさ。ちょっと知り合いに伝手があるからそれを紹介してみる」
「私はあなたにそんな知り合いがいることに驚きなのだけれど・・・」
確かに俺は基本的にボッチだけれども知り合いくらいはいるからね?
「そろそろ下校時間ね、二人は先に帰っていいわよ。私は鍵を返してくるから」
「じゃあ私も行くー!」
「ちょっと、由比ヶ浜さんあまりくっつかないで頂戴・・・」
最近由比ヶ浜にくっつかれても嫌な顔しなくなったな、むしろ満更でもない感じになってる。まさかそっちに行くつもり?
「くだらないこと考えてないで早く行きなさい?」
「だからなんで分かるんだよ、まあいいやそれじゃあな」
「ええ、また明日」
「ヒッキーバイバイ!」
部活を終え自宅に帰るとメモリーディスプレイが鳴る、出てみると連絡してきたのはマルさんだった。
「こちら比企谷」
『比企谷、昨日補佐官に言ってた件あるでしょ?あれOKが出たから連絡させてもらったよ』
「そうですか、ありがとうございます」
『それと彼に今回に関する資料を渡しておいたから合流した時に受け取ってね』
「分かりました、色々すみません。では」ピッ
ちらりと時計を見るとそろそろ家を出た方がいい時間になっていた為正装に着替えエンジェルラダーのあるホテルへと向かった。
ホテルの前につき携帯を見ながら時間を潰していると。
「待たせたな八幡」
「あ、ジョージさん。お疲れ様です」
そう、俺が事前に声をかけたのはジョージさんだ。てかやっぱり正装姿が似合うな。
「ほらよ、マルさんからの預かり物だ」
「ありがとうございます、では行きましょう」
俺はジョージさんからある資料を受け取りそのままホテルのBARまで向かう。エレベーターに乗るとジョージが
「そう言えばなんで俺なんだ?他の奴らでも良かっただろ?」
「それはそうなんですけど、なんと言うか、消去法で」
「消去法?」
「はい、今から会いに行くやつって結構強気な感じの女子なんですけどリュウさんやマリナさんが行ったらまず間違いなく衝突するだろうと思ったんです。ミライさんも多分そんな感じになりそうなんで外しました」
「なるほどな・・・」
「あとはコノミさんは説得の仕方が小さい子を叱るみたいになると思って、それだと逆に相手を怒らせてしまう恐れがある」
「有り得るな」
「テッペイさんは・・・直ぐに弱腰になりそうなので」
「確かにテッペイは向かないな。じゃあ隊長は?」
「隊長は、なんか頼みづらくて」
なんか、後から色々言われそうだし。
「その点ジョージさんならある程度融通を効かせてくれそうだと思いました」
「なるほどな、まあ確かにこう言うのは口が硬いからな」
「そろそろ着きますよ」
「じゃあ行くか」
エレベーターはBARのある階に止まり扉が開く、うわぁ、めっちゃ大人な雰囲気じゃん。
「堂々としとけ、怪しまれるぞ」
「は、はい」
不安になりながらも俺は川崎を探す。いた。
「いました」
「じゃあ行くか」
川崎のいるカウンターの席に俺とジョージは座り向こうから注文を聞いてきた。
「いらっしゃいませ、何を飲まれますか?」
「テキーラ、ロック」
「かしこまりました」
川崎は手馴れた手つきでグラスに氷を入れテキーラを注ぎジョージさんの前に出した。
「お待たせ致しました、テキーラです」
「ああ」グビ
酒が来るとジョージさんは1口飲む。その姿がめっちゃかっこいいな。
「其方は、どうなさいますか?」
「あんたと話しがしたいんだと」
「話?」
「2年F組、川崎沙希だな?」
「・・・あんた総武の生徒?」
「ああそうだ、ついでに言うなら同じクラスの人間」
「なんの用?まさか酒飲むわけじゃないでしょ?」
「それはあと3年後の話だ。大志に頼まれて来た」
「大志が?はあ、あいつの言うこと聞かなくてもいいからもう来ないで」
川崎は俺の聞きたいことを察したのかぶっきらぼうに帰れと言ってくる。だけどこっちもそう簡単に帰るわけには行かないんでな。
「まあそう焦るなよ、お前がなんでこんなことしてるのかは分かってる」
「は?」
「大方自分の学費を大志の塾代に当てて自分の学費は自分で稼ぐそんなかんじだろ?」
「・・・それがわかったからなんだって言うの?まさかあんたが代わりに払ってくれる訳?」
「流石にそこまでは出来ない」
「なら「だけど」」
「お前の選択肢を増やすことは出来る」
「選択肢?」
「ああ、ここじゃその話は出来ない。川崎、店長に訳を話して直ぐにここを辞めるんだ。もし俺の話を聞いても考えが変わらなかったら別のバイト紹介してやる」
「・・・」
「朝の5時、このファミレスで待ってる」
俺は紙に待ち合わせ場所のファミレスの名前を書いて川崎に渡しBARを後にした。
某ファミレス
「来るのかあの子?」
「さあ、というかジョージさんはここまで付き合わなくでも大丈夫ですよ?」
「ここまで来たんだ、結末位気になるじゃねぇか。それよりさっき誰に電話をしてたんだ?」
「ジョージさんも知っている奴らですよ」
ジョージさんと共に朝早くからやっているファミレスでコーヒーを飲みながら待っていると川崎と呼びだした2人がやってきた。
「おはよう比企谷くん」
「このような時間に何用だ八幡よ?」
「・・・」
そう俺が呼んだ2人は戸塚と材木座だ。
「よお、元気そうだな」
「じょ、じょ、ジョージ殿!ご無沙汰しております!」
「はい、お陰様で!」
「この二人はなんなの?」
「まあ落ち着け、この2人はこれから話すことと関係あるからな」
3人は席につき俺はまず川崎に話す
「2人に話す前に川崎の方を先に話す、まずさっき言った件だけど川崎。スカラシップって知ってるか?」
「スカラシップ?」
「なんだそりゃ?」
「まあ簡単に言うと成績優秀者には授業料を免除しますよって言うシステムです。まあその分勉強を頑張らないと行けませんけど」
「そんなのがあったんだ・・・」
「そしてここからが2人にも関係がある話だが・・・」チラ
「コクリ・・・」
俺とジョージさんは目を合わせ懐からメモリーディスプレイを取り出し川崎たちの前に出した。
「これは?」
「戸塚と材木座は知ってるんだが、俺とこの人はGUYSのCREWなんだ」
「えっ?!」
「戸塚殿はご存じだったのだな」
「うん、ちょっと前にね」
「GUYSのCREW・・・でもなんでうちらにそんな話を?」
「まあそれはこれから話すんだが。三人とも、GUYSの協力者になってくれないか?」
「「「えっ?」」」
三人とも唖然としているな。そして俺はその経緯を話す。
「きょ、協力者?」
「ああ、以前からGUYSの上層部から外部に協力者を作ってくれっていう指令が来てな、年齢はライセンス取得条件と同じ16歳からでCREWが直接探して来いっていう条件付きだ」
「そんなことが・・・でもなんで僕たち?」
「お前らが気にしてるのはそこだよな。材木座は怪獣についての知識が豊富だからで調査の際に役立ちそうだから」
「うむ、当然であるな」
うっざ、やっぱりやめようかな・・・
「戸塚はまぁ、材木座のサポートとお目付け役とかだな。こいつ変なことに首突っ込むからそのストッパー役を」
「あはは、なるほどね」
「それで川崎だが、川崎、お前はGUYSのCREWになりたいそうだな。大志から聞いたぞ」
「う、うん」
「今回協力者になってもらえるなら通常の給料にプラスしてライセンスの試験の評価点を増やしてくれるようにした」
「ッ!」
「そんな話あったか?」
「俺が補佐官にお願いしてみたらOK出ました」
そう俺がトリヤマ補佐官に相談したのはこのことだ。
回想
『というわけなんですけどどうですか?』
『いやどうですかって言われてもねぇ~そんなこと上層部がOK出すとは思えんし・・・』
『でも俺たちほどじゃないにしても危険なことをするのには変わりないんですからただ給料がいいだけじゃ割に合わないんじゃないですか?』
『う、うーむ』
『それに、これは補佐官にも関わることかもですよ?』
『わ、わしにも?』
『はいそうです、考えてもみてください。今回の指令は俺たちCREWが直接選んだ人間、つまりは将来有望なGUYSのCREWの発掘にもなります。優秀な隊員を発掘出来れば補佐官の評価もうなぎのぼり間違いなしです』
『そ、そうかな?』
『はい、なんならちょっと補佐官のいい話・・・伝えておきますけど?』
『・・・いいのかね?』
『もちろん、今の話が通ればの話ですけど』
『わ、わかった総本部には私の方から進言してみよう、その代わり・・・』
『はい、任せてください』
「まあ仮にそれで落ちたとしても試験を受けたこと自体評価につながるからな」
「ほ、本当にそんなことが・・・」
「まぁこの話も強制っていうわけじゃない、あくまでも提案だ。正直川崎がやってたバイトより別の意味で危険なことだ」
「最悪命にも関わる危険な場合もある」
「命にも」
「関わる」
「・・・」
やっぱり三人とも動揺してるな、無理もないか
「一応この資料を渡しておく」
「これは?」
「今回の協力者になるにあたっての契約書みたいなものだ、それプラス三人とも未成年だから親のサインももらってくれ。もしもう少しく知りたいのなら俺に言ってくれ、より詳しい人を呼んでくる」
「よーく考えて書けよ?後で後悔するかもしれないからな」
「もし書けたなら俺にくれ、ただ他の人間にわからないようにな」
「なんで?」
「未成年のGUYSのCREWには守秘義務があるのだ、事件等で知られてしまった場合は別であるがな」
たまに思うんだけどなんでこいつそんなこと知ってんだ?
「じゃあこの辺で解散にしよう、誰に見られるか分からんからな」
「うん分かった」
こうして俺たちは解散した、さてどうなることやら。
数日後
俺はあの三人に呼び出され屋上にやってきた。てか三人同時だったのは驚きなんだけど・・・
「よお、呼び出したってことは決まったんだな」
「うむ、八幡よ受け取れい!」
「僕のもお願い」
と二人は俺にサインの書かれた契約書を渡してきた。一応最後の警告くらい出しておくか
「大丈夫か?後戻りできないぞ?」
「無論覚悟はできている!」
「僕も」
二人の目は覚悟が決まった目だ。なら俺が言えることは何もないな。あとは・・・
「ねぇ、あんたは怖くないの?あんなのと戦って」
「え?」
「あんなデカくて強くて怖い怪獣と戦って逃げたいなんて思わないの?」
「・・・まあ思ったことはあるな」
「ならなんで戦うの?」
「うーん、あまり考えたことないな。強いていうなら平和に暮らしたいから」
「平和に暮らしたいの?」
「ああ、これはあまり知られてないけど今のGUYSのCREWはつい最近まで一般人だったんだ。この前会ったジョージさんだって元はサッカー選手だったんだよ」
「そうなんだ」
「だから俺は早くこの戦いを終わらせてみんなが元の暮らしができるようにしたい。そう思ってる」
「八幡」
「ヤダナニコレステキー」
ちょっと黙ってろ。
「それに・・・」
「それに?」
「平和になってくれないと俺の専業主夫としての道も永遠に訪れなくなってしまうからな!」
「最後ので全部台無しだよ・・・」
何が悪いっていうんだ、これだけ頑張ったんだから少しくらい楽に生きったていいだろ。
「でもそれが聞けて良かったよ、はいこれ」
俺の答えに満足したのか川崎は契約書を俺に出してきた。
「ああ、確かに受け取った」
「これからよろしくね、川崎さん!」
「ああよろしく頼むよ二人とも」
「うむ!」
こうして三人はGUYSの協力者チームとなった。