やはり俺が仮面ライダー龍騎なのはまちがっている。 作:伊勢村誠三
ロワ界隈にどっぷりつかっております。
伊勢村です。
しばらくの間は新しい話は出せないと思いますが、平にご容赦を。
それでは、どうぞ。
相変わらず垂れ幕から看板まで何もかもが反転したミラーワールドのショッピングモールにて。
メインホール以外のすべてを埋め尽くしていたのか?
と、錯覚するほど大量の白いヤゴ型のモンスターシアゴーストと、
奉仕部の3ライダーたちはいつ終わるともわからぬ戦いを繰り広げていた。
「はぁ!やぁあああ!くそ!全く減らねえ!」
疲労からか、形も何もない無茶苦茶な構えでドラグセイバーを振るう龍騎。
勿論ある程度狙ってはいるが、それでも大体敵に当たる。
「何階だ!モンスターの安売りなんてアホやってる店は!」
もう狙うのをあきらめたのか、引き金を引きっぱなしにしたままバイザーを振り回すゾルダ。
鈍重な装備ばかりだから仕方ないと言えば仕方ない戦い方だが、非効率極まる。
「うまいこと言ってるつもりか!口より手を動かせ手を!」
それでもなんとか出来たわずかなスキに、三人はカードを使う事が出来た。
『SWORD VENT』
『STRIKE VENT』
『GUARD VENT』
それぞれウイングランサー、ギガホーン、ドラグシールドを装備し、
再びシアゴーストたちに向かっていくが、その数は一向に敵の数は減らない。
それどころか戦闘音に引き寄せられて益々集まってくる。
「一回外に出よう!このままじゃジリ貧だ!」
「だな!仲田!」
「ここではナイトと呼べ!」
ナイトと龍騎は同時に新たにカードを切る。
『『FINAL VENT』』
同時に放たれたドラゴンライダーキックと飛翔斬がシアゴーストたちを蹴散らしながら、
正面入り口のドアを吹き飛ばす。
ゾルダもすぐにその後に続き、
入り繰りの天板をギガホーンのキャノン機構で打ち壊して塞ぐ。
「龍騎、もっと離れるぞ」
「ああ。さっさと逃げて体制を……」
「そうじゃない。お前は新参者だからな。
親切で教えてやる。ゾルダのファイナルベントは圧倒的だ」
ゾルダはベルトから二枚のカードを取り出す。
まず一枚目をベントイン。
『ADVENT』
ゾルダの目の前に契約モンスターの鋼の巨人マグナギガが出現。
続いて二枚目のカードをバイザーに装填。
『FINAL VENT』
「お前の断末魔がラストナンバーだ」
マグナバイザーをマグナギガの背中に接続。
それと同時にマグナギガの体中に内蔵された全砲門が開く。
胸部ミサイルポット、頭部レーザー砲、腕部のガトリングと両脚のキャノン砲が一斉発射。
ライダーならば知らぬ者はいない破壊の嵐、エンドオブワールドが炸裂した
「レクイエムは瓦礫の音で。無作法で失礼」
「建物ごとかよ……」
見るも無残に潰れ崩れたショッピングモールを前に、
龍騎はただただ圧倒されるしか出来なかった。
「大雑把すぎて確殺とはいかんらしいがな。
ほら、さっさとモンスターに食わせるもん食わせて戻るぞ」
さっさと切り替えて餌やりに勤しむ二人を横目に、龍騎は盛大に溜息をついた。
(全く、ミラーワールドでやるわけだ。
現実でこんなんぶっ放したら大災害だ……)
「GUNSLINGER AND COLD AXE」
1
総武高校が奉仕部部室にて。
俺こと比企谷八幡と、満坂と仲田の三人で奉仕部内での決着までの同盟が出来て一週間が経過した。
その間にもう部室内での定位置ややる事みたいなものも決まってきた。
持って来たラジカセで音楽を聴いてる満坂。
紅茶片手に宿題を解いている仲田。
雪ノ下にちょっかいをかけている由比ヶ浜。
「邪魔するぞー」
「先生、ノックをお忘れですよ」
「邪魔するなら帰れー」
「煙草なら余所で吸えー」
「皆ひどいよ!年長者は敬わないと!」
「由比ヶ浜、お前が一番心ないこと言ってないか?」
こんな流れも半ばお約束になって来た。
ちなみに上から雪ノ下、仲田、満坂、由比ヶ浜、そして俺だ。
「……全く冷たいなお前たちは。
そんなお前たちを熱く滾らせる依頼を2つも持って来たというのに。
入って来い!」
平塚先生の声に、指定のジャージ姿の生徒が入ってくる。
中性的な可愛らしい顔立ちの生徒だ。
「あ、さいちゃん!やっはろー!」
「由比ヶ浜さんこんにちは。満坂君に比企谷君も」
そう言ってジャージの生徒は俺たちの方を見て可愛らしく笑った。
え?何このめっちゃ可愛い子?こんな子うちのクラスに居たっけ?
「やあ、戸塚君。良かったな比企谷君。
初見で名前間違えられてないぞ?」
「あ、ああ。そ、そうだな……」
「ほぼ初対面の男子にデレデレするなんて気持ち悪いわよ吃音谷君。
それで、彼から2つ依頼があるという事でしょうか?」
ば、馬鹿な!こんな可憐で可愛らしい子が、男!?
なんていう事だ…そんなの宇宙の法則の方がおかしいだろ!
いったいなぜ神はこんないたずらを……」
「ヒッキー最低!さいちゃんF組だから知ってなきゃおかしいし!」
気が付くと、戸塚以外の全員が俺の事をゴミを見る目で見ていた。
「な!?どうして俺の心の声が……」
「完全にフルオープンだったわ。
何もかもそのMAXコーヒーで爛れた喉から垂れ流しだよ。
今の今まで」
「え?マジ?」
「は、ははは…そうだよね。僕なんか全然男らしくないし……」
「涙吹けよ」
乾いた笑いと共に肩を落とす戸塚に満坂はハンカチ差し出した。
「んん!それで、もう一つの依頼の件だが……そっちは私からだな。
優劣をつけるわけじゃないが、多分戸塚の案件より厄介だ。
もし人員を分けるとすれば私、戸塚で3:2で別れてもらいたい」
「じゃあ由比ヶ浜と比企谷がダブったら仕切り直しってことで」
そう言って仲田が立ち上がりながら拳を鳴らす。
「ちょっと!」
「そうね」
「おい!」
「じゃ、やりますか」
俺と由比ヶ浜の抗議の声をガン無視して残る二人も立ち上がる。
「いや待ってって!それどうゆう事だし!」
「なんで俺がこいつと同レベルで役に立たないことになってんだ?」
「うるさいわ騒音谷君。部長の命令は絶対よ」
「いーからやるぞ。グッとパーで!」
「「「「「分かれましょ!」」」」」
2
「この組み分けマジかよ……」
奉仕部部室からは、テニスコートで戸塚の相手にラリーする満坂と由比ヶ浜の姿が見えた。
まあ、由比ヶ浜さっきから全く動けていないが。
「最悪だ…由比ヶ浜だけならまだどうとでもなるというのに……」
「ええ、全くね。疫病谷君、
くれぐれも両手に花とか深い極まる勘違いだけはやめなさい?
私たちもあなたも不幸になるだけよ」
俺相手だと、いつも以上にいいも言ったりな女子二人。
こんな事ならまだ由比ヶ浜の方が良かったかもしれない。
「安心しろ。中学で告白して晒されたり女子に誕プレ送って引かれたりして痛い目見続け3年。
以来勘違いだけはしないように気を付けている!」
「お前、それ自慢げに言えることか?」
「比企谷の憐れむべき中学時代のアレコレは置いておいて、依頼の件だが、この生徒の生活態度があまりにも酷いのでな。
お前たちに原因を究明、そして可能なら同にかする手助けをしてやって欲しい」
「要は
「職務怠慢?」
「お前ら右の拳と左の拳、好きな方を選ばせてやろうか?」
不思議だな。
昔の自分なら萎縮していた自信があるが、
今は何とも思わない。
これ以上の殺意なんていくらでも見て来た。
今更何も怖くない。
「それで!その生徒は誰なんです?」
「
3
何度目か、明後日の方向に飛んで行った球を追いかけ、、ようとして由比ヶ浜さんが盛大にスッ転んだ。
なんだよ。もうばてたのか?
「どーする?一回休憩挟む?」
「そうだね。じゃないと由比ヶ浜さん潰れちゃいそうだし」
そう言ってラケットをケースに戻した戸塚は由比ヶ浜に手を貸して立たせた。
こういう一面を見ると、普通に紳士だね。
「ううぅ…ごめんね。足引っ張ちゃって」
「いいよ、練習付き合ってくれるだけありがたいからさ」
そう、彼からの依頼とは、自分のテニス練習に付き合ってほしいというものだ。
場合によっては探偵の真似事が必須な比企谷たちに比べれば、いくらか楽な仕事だ。
「しかし…なんで俺らなんだ?テニス部には入ってるんだろ?
だったら同じ部の奴らに頼めばいいじゃん」
「実は、皆3年の強い先輩たちが辞めてからやる気なくなっちゃってさ」
「それで自分がその強い3年の代わりになろうってか?」
「おー!さいちゃんかっこいい!」
「そうかな?」
「そう思うならちゃんつけ辞めてやれば?」
「あだ名なんだしいいじゃん!」
なんて話していると、耳鳴りのような音が響く。
遠目に窓が水面の様に揺れたのが見えた。
「悪い、ちょっとトイレ行ってくる」
「僕は飲み物買いに」
俺は戸塚とさっさと分かれるとトイレに駆け込み、
ジャージのポケットから取り出したデッキをいつものように鏡に構え、
「変身!」
仮面ライダーゾルダに変身してミラーワールドに突入した。
「は!」
左右反転した校舎内を探していると、赤い猪型のモンスターを見つけた。
確か名前は、シールドボーダーと言ったぁ?
俺はマグナバイザーで狙撃した。
しかし固すぎる装甲に全く効くいていない。
「!!!!!!」
シールドボーダーは専用武器の盾を片手に突っ込んでくるが、あまりに鈍重。
ゾルダよりも遅い。
『STRIKE VENT』
余裕で新たな武器を装備した俺は近接格闘を仕掛けた。
拳と武器による打撃の応酬。
が、鈍重な分、パワーではこちらを上回る奴に吹っ飛ばされた俺は、
窓を破って机や椅子を倒しながら教室に転がり込んだ。
ウイングランサーならトップスピードでなら貫けただろうが、ない物ねだりをしてもしょうがない。
『SHOOT VENT』
ランチャー砲型のギガランチャーを装備。
大きく腰を落とし、敵に標準を合わせ、引き金を引く!
『FREEZE VENT』
「!」
全く聞き覚えの無いカードを俺のではないバイザーが無感情に読み上げた。
直後、ギガランチャーに霜がかかったような模様が浮かび、
ライダーのスーツ越しにも温度が下がったのが分かる。
その動揺を突いて、シールドボーダーは撤退してしまった。
「しまった!……誰だ?どこから見てやがった!?」
周囲を見渡すが、人影は全く見当たらない。
さっきの凍結とは全く異なる背筋の寒さを感じながら、俺はその場を後にした。
同じころ、現実の校舎内のどこかにて。
「……」
現実世界から窓越しに去っていくゾルダを観察する姿があった。
白の上に、ナイトの物よりもずっと明るい青のラインの入る鎧に、
虎を模した仮面、斧型のバイザーを武器として携えた仮面ライダー、タイガだ。
タイガはゾルダが完全にいなくなったのを確認すると、
変身を解除しながらその場を後にした。
いかがだったでしょうか?
正直久しぶり過ぎて「こんなはなしだったっけ?」と、書いた本人がなっております。
はやく感を戻さなんきゃ。
次回もお楽しみに