やはり俺が仮面ライダー龍騎なのはまちがっている。   作:伊勢村誠三

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主な登場人物
・比企谷八幡
・八幡の妹
・雪ノ下雪乃

・仲田真澄
・真澄の叔母(沙奈子)

・仮面の男

・モンスター
・仮面ライダーシザース
・仮面ライダーライア


#02 BLUE BAT-MAN 

〇アバン*1

 

無数に姿見が配置されたホール。

前回のラストに現れた仮面の男が歩いてくる。

が、実像の方は見えず、鏡にしか映らない。

 

仮面の男「合わせ鏡が無限の世界を形作るように、

現実における運命もひとつではない。」

 

仮面の男「同じなのは欲望だけ。

全ての人間が欲望を背負い、その為に、戦っている。」

 

仮面の男「その欲望が背負い切れないほど大きくなった時、人は、ライダーになる。」

 

 

仮面の男「ライダーの戦いが始まるのだ」

 

仮面の男、ポケットから取り出した裏向きのアドベントカードを投げる。

 

〇オープニング*2

 

〇サブタイトル「BLUE BAT-MAN」

 

〇冬の街 どこか公園

 

ダッフルコート姿の八幡が寒そうに身震いしながら歩いてくる。

足に何か当たって滑る。ブランクのカードデッキ。拾い上げる八幡。

 

八幡M「2002年1月。俺はあのデッキを拾ってしまった。」

 

八幡M「出不精の俺がそれを交番に持っていく機会なんてそん時ぐらいしかなかったのに俺はそのまま家に帰ってしまった。」

 

八幡M「寒さに耐えかねたのか、それとも買ったばっかの本でもあったのか、そこは思い出せないけど、とにかく俺はそれがド級の厄ネタなんて知らずに持ち帰ってしまった。」

 

八幡M「確信を持って言える。俺が仮面ライダーなのは間違いだ。」

 

〇比企谷家 八幡の私室

 

八幡「はぁー。」

 

ベッドに寝っ転がった八幡。

手にした龍騎のデッキを眺めてはため息を吐く。

机を見ると、何冊か教科書とノートが積まれている。

デッキをポケットにしまうと机に向かう。

しかしすぐに耳鳴りのような音が響く。

鏡を見るとドラグレッダーが唸りながらこっちを見ている。

 

八幡「あー!もう!あの大食らいが…昨日やったばっかだろ…っ!」

 

苛立ちながらデッキを構えてポーズを取る。

 

八幡「変身!」

 

龍騎に変身。鏡に飛び込んでいく。

 

〇ミラーワールド どこかの倉庫

 

ミラーワールドに降り立つ龍騎。

周囲を探っていると背後から急降下してくるヒト型

 

モンスター「!!!!!(気持ち悪い鳴き声)」

 

龍騎「っと!(ちょう)…いや、羽開きっぱだし()か?」

 

鱗粉を吹き付けてくるモンスター。

転がりながら避けるとカードを引き抜く龍騎。

立ち上がりながらバイザーにセット。

 

バイザー『GUARD VENT』

 

ドラグシールドが両腕に装備される。

立を前に突っ込んでいく龍騎。

モンスター、それに鱗粉を吹き付けるが、

表面に火花が散るばかりで龍騎には届かない。

 

龍騎「おらぁああ!」

 

そのまま突進を仕掛ける龍騎。

バランスを崩したところに連続攻撃を浴びせる。

 

モンスター「!!!!!(気持ち悪い鳴き声)」

 

飛び去ろうとするモンスター。龍騎はドラグシールドを捨てると二枚のカードを取り出す。

 

バイザー『アドベント』

 

無双龍ドラグレッダー、モンスターの行く手を遮るように飛来。

尾でモンスターを龍騎の方にはたき落とす。

 

バイザー『SWORD VENT』

 

ドラグセイバーを装備した龍騎、落下して来たモンスターに向かって走り出す。

 

龍騎「はぁあああああ!はっ!」

 

ドラグセイバーを大上段に構える龍騎と驚くモンスターのアップ。

 

龍騎「はぁあああああああああっ!」

 

斬り落とされるモンスター。

無事着地した龍騎はすぐさまとびかかってマウントを取ると逆手に持ったドラグセイバーをさっき付けた傷に突き刺す。

 

モンスター「ーーーーーッ!……ッ!…ッッッ!……」

 

動かなくなったモンスター、ドラグレッダーに咥えられて持ち去られる。

徐々に遠ざかっていくバリバリと何かが砕ける音。

 

龍騎「…ああはなりたくねえな。おっと…」

 

龍騎の手から粒子が上がり始める。

続いて体全身からも上がり始める。

 

龍騎「いっけねぇ。さっさと戻んねえと。」

 

龍騎、近くの鏡から帰還、変身を解除する。

 

八幡「はぁ…こんなこといつまで続ければいいんだよ。」

 

八幡の妹「(off)*3お兄ちゃんごはんだよー!」

 

八幡、一瞬テーブルにデッキを置こうとするがポケットにしまって部屋を出る。

 

〇中CM

 

〇紅茶喫茶花鶏(あとり) ホール

 

真澄「いらっしゃいませ…て、お前…。」

 

雪乃「嘘でしょ?」

 

真澄、一瞬渋い顔をするが、すぐさま営業スマイルを作り直してメニューと水を渡す。

 

真澄「ごゆっくり。」

 

背を向けると同時にまた眉間にしわを寄せる真澄。

それを見たカウンターの店主、眉を吊り上げる。

 

花鶏店主「真澄、その子総武の子だろう?休憩がてら話てきな。」

 

真澄「知らない仲じゃないけど別に話す仲でもない。

それに休憩なら10分前にとった。」

 

花鶏店主「良いから行っときな!

なんだかあの子とアンタは仲良くなりそうな気がするしね。」

 

真澄「驚いた。叔母さんの勘も外れるんだな。」

 

花鶏店主→真澄の叔母「何言うんだい。わたしの勘は当たるよ!」

 

真澄、ため息を吐きつつも雪乃の注文を取りに向かう。

 

真澄「お決まりでしょうか?」

 

雪乃「ダージリンをストレートで。」

 

真澄「そりゃいい。本物を飲ませてやる。」

 

雪乃「まさかあなたが淹れるの?」

 

真澄「沙奈子(さなこ)叔母上にみっちり仕込まれててね。」

 

真澄、手際よく紅茶をいれて雪乃に出し、反対側に座る。

 

雪乃「……。」

 

真澄「さ、召し上がれ。チップは結構だ。」

 

自信満々の真澄。怪訝そうな表情の雪乃。

受け皿語と持ち上げ、取っ手をつまんで口に運ぶ。

 

雪乃「!!?……」

 

驚いた表情を浮かべた後、紅茶と真澄を何度も交互に見て、一瞬悔しそうな顔をするが、すぐに落ち着くとゆっくりと紅茶を飲みだす。

 

真澄「いかがかな?」

 

雪乃「……あなたを侮っていたわ。」

 

真澄、勝ち誇ったように笑う。

雪乃、悔しそうに顔をゆがめる。

だが紅茶はしっかり味わっている。

 

雪乃「店主さんの事を叔母上と呼んでいたけど、その縁でバイトしてるの?」

 

真澄「いや、家の手伝いみたいなもんだ。

小遣いに色は付けてもらってるが、別にバイトしてるわけじゃない。

特に欲しいものも無いしな。」

 

雪乃「そう…。」

 

それっきり会話のなくなる二人。

カウンターの方から沙奈子が何やらジェスチャーでも言ってきてるが黙殺する真澄。

雪乃が紅茶を飲み切ったところで耳鳴りのような音が響く。

 

真澄「叔母さん、お会計!」

 

真澄、食器を片付けると控室に入り内側から鍵をかけると、ロッカーの内側に張ったミラーシールにエプロンのポケットから取り出したカードデッキを掲げる。

鏡の中から飛び出した銀色の光が腰に巻きつき、Vバックルに変形。

拳を作った右腕を振るポーズを取り、

 

真澄「変身!」

 

Vバックルにセット。

無数の灰色の残像が重なり、仮面ライダーナイトに変身。

右手に装備されたダークバイザーを納刀し、鏡にダイブ。

 

〇ミラーワールド 市街地

 

ライドシューターから降りたナイト、耳を澄ますと金属音が聞こえてくる。

向かった先で仮面ライダーシザース、ライアが戦っている。

 

ナイトM『あのカニ野郎はこの前不意打ちして来た奴だな…。』

 

フラッシュバック。

ナイトの背後からバイザーで殴り掛かるシザース。

振り向いたナイトと切り結ぶ。

 

ナイトM『もう一人は…初めて見る顔だな。新参者か?』

 

ライア「よせ!こんな戦いなんの意味があるんだ!?

人と人とが戦うなんて間違ってるだろ!やめるんだ!こんな戦い!」

 

シザース「黙って戦え!」

 

シザース、左手に着いたシザースバイザーを開いてカードをセット。

 

バイザー『STRIKE VENT』

 

シザースピンチを装備、ライアに殴り掛かる。

ライア、左手の盾型のエビルバイザーで受けながら説得を続ける。

 

ナイト「おいおい、随分ケツの青いガキがライダーになったもんだな!」

 

ナイト、走りながらバイザーにカードを装填。

 

バイザー『SWORD VENT』

 

ウイングランサーを装備。

ライアを蹴り、シザースに斬りかかるナイト。

シザース、シザースピンチで受けるが、切り結ぶうちに腕からすっぽ抜ける。

 

ナイト「そこ!」

 

バイザー『GUARD VENT』

 

シザース、バイザーにかぶせるように装備したシェルディフェンスでウイングランサー防ぐ。

そのまま地面の方に逸らすと、バイザーの刃で挟み壊。

ナイト、素早く飛びのきながらバイザーを抜刀する。

 

ライア「(off)やめろ!」

 

バイザー『SWING VENT』

 

ライア「はあっ!」

 

ライア、装備したエビルウィップでナイトの腰を掴んで後方にやると、シザースとナイトの間に立つ。

 

ライア「やめるんだ!こんな無意味な戦いは!

傷付け合ってどうする!?」

 

ライアに猛然と襲い掛かるシザース。

その様子を窺うナイト、バイザーを逆手に持ち直し、新たなカードを装填。

 

バイザー『NASTY VENT』

 

ナイトを中心に快音波が発生。

頭を押さえて悶える二人。

 

ナイト「精々蟹味噌ぶち晒せ!」

 

ナイト、再びカードを装填。

 

バイザー『FINAL VENT』

 

契約モンスターの闇の翼ダークウイングが飛来。

ナイトの背中に合体すると、その翼をマント状に変質させる。

回転する黒い繭となったナイトはシザースの胸板を貫き、着地。

()(しょう)(ざん)、炸裂!

 

胸より上を失ったシザース、二、三歩よろけて膝をつき、粒子を上げ始める。

 

ライア「な、なんてことを!」

 

ナイト「助かったよ。あわよくばお前事始末したかったが、それはこれからやればいい。」

 

ライア「ふざけるな!人を、殺しておいてなんだそれは!

カニの彼にだって愛する家族や友人がいたはずだ!

それを踏みにじっておいて何のつもりなんだ!」

 

ナイト「それがどうした?」

 

鼻で笑うナイト。

バイザーを順手に持ち直しながら間合いを取る。

 

ナイト「残された連中が可愛そうだと思うなら全員まとめて連れてこい。

あのカニと同じところに送ってやる。」

 

ライア「ふざけるな!」

 

戦い始める二人。*4

 

〇エンディング*5

 

*1
オープニング前に挿入されるシーンのこと

*2
Alive A life(松本梨香)

*3
そのキャラクターの姿は見えないがセリフは言っている状態。以下offと表記。

*4
戦いながら徐々にエンディングのイントロが聞こえてくる

*5
Go!Now!~Alive A life neo~(松本梨香)




第二話、いかがだったでしょうか?
本当は一月から始まって六月ごろをゴールにするプロットもあったのですが、それだとあんまり俺ガイル要素を組み込めないのでこのような形になりました。
今回退場のシザースですが、ベースは講談社文庫の小説仮面ライダー龍騎に登場したシザースになりますね。
ライアに言った「黙って戦え」と言うセリフは仮面ライダードラゴンナイトでシザースに相当するインサイザーが言ったセリフです。
次回もお楽しみに。
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