やはり俺が仮面ライダー龍騎なのはまちがっている。   作:伊勢村誠三

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お久しぶりです。
新学期が始まったので、趣味は登校中や休み時間に行うことにしました。


Judge of rider battle

1

『STEAL VENT』

 

乱入したライダーの1人、王蛇がバイザーにカードをセットすると、。

龍騎投げ落としたドラグセイバーがひとりで浮かぶと龍騎たちを攻撃して王蛇の手に収まった。

 

「おい!俺の剣だぞ!」

 

「いいのもってるじゃねえか……分けてくれよっ!」

 

そのまま龍騎に斬りかかろうとする王蛇に二人目の乱入者、ベルデも動く。

 

『HOLD VENT』

 

手車型の武器、バイオワインダーを呼び出すと王蛇の腕に絡みつかせて糸を手繰って王蛇を転ばす。

すぐに手にした剣で紐を斬られたが、ベルデは新しいカードを切る事が出来た。

 

「おい!絶対喋るなよ!?」

 

「え?それどうゆう…」

 

『CLEAR VENT』

 

龍騎の手を掴むと同時にベルデはカードをベントインする。

龍騎ごと透明化してその場を撤退した。

残された王蛇はそれを見て苛立ち気にそこにあったベンチを蹴り壊す。

 

「ああっ!……そう言えばまだお前が居たなぁ……」

 

「!!」

 

ガイはファイティングスタイルを取りはするが、徐々に仮面越しの息が荒くなり、体は震え始める。

そして緊張が最高峰に達した時、彼は内側から膨れ上がる恐怖のままに動いた。

 

「ああああああー---ーッ!」

 

その見事な逃げっぷりに追う気も失せた王蛇は鼻を鳴らし、八つ当たり的に周囲の物を壊し始める。

 

「ああーっ!イライラするぜ……」

 

そうつぶやくと彼は転がしたゴミ箱に交じっていたガラス片から現実に戻った。

それからたっぷり数十秒後、景色から浮かび上がるように龍騎とベルデが現れた。

 

「……行ったな」

 

「みたいだな。

なあ、なんでアンタ俺を助けてくれたんだ?」

 

「あの場に二人も残ってたらもっと長く浅倉が止まったかもしれないだろ?」

 

「浅倉?あの蛇のライダーか?」

 

「ああ。聞いたこと無いか?

連続殺人犯、戦後最悪の死刑囚。

浅倉威。拘置所を脱走してこの街に潜伏している。

ライダーとして戦うために」

 

 

 

Judge of rider battle

 

 

 

2

現実世界に戻った八幡はベルデの変身者を伴って喫茶花鶏に来た。

 

「こんちわー」

 

「いらっしゃい…て、お前か。

見た所川崎大志はいないようだが、まさかサボりか?」

 

「そうじゃなくてこっちで」

 

八幡は龍騎のデッキを見せた。

その後ろをついてきていたベルデの男もベルデのデッキを取り出す。

 

「雪ノ下、川崎、相席いいか?」

 

「ええ。良いでしょう」

 

ベルデの男は失礼、と言いながら沙希の横に座る。

八幡は雪乃の横に座った。

真澄は冷水を2人にも出すと、二歩下がってカウンターにもたれかかる。

 

「それで、あなたは?」

 

「『週刊ATASHI JOURNAL』の木村だ。

今、この町の連続失踪事件を追っている過程で、こいつとね」

 

そう言って木村はデッキと名刺をテーブルに出す。

八幡も自分のデッキを出した。

 

「一応、久しぶりですよね」

 

「ああ。あの後シザースはアビスの次に脱落したらしいが……無事でよかったな」

 

「ええまあ、ってちょっと待ってください。

今アビスが脱落って言いました?」

 

「知らないのか?仮面ライダーアビス。

俺もついに正体まではつかめなかったが、あの王蛇によって倒された」

 

 

 

3

「はぁ!」

 

「ふっ!」

 

シザースが倒さた数日後、ベルデとアビスはミラーワールドのどこか、地下駐車場のような場所で戦っていた。

 

『ADVENT』

 

アビスはアビスラッシャーとアビスハンマーの二体と契約していたようで、数の暴力で攻めて来た。

形勢不利と悟ったベルデは攻撃をかいくぐりながら一番頼りにしているカードを使う。

 

『CLEAR VENT』

 

「な!?消えた…どこに!?」

 

後ろに回り込んでからアビスに回し蹴りを叩きこむ。

それから流れるように二体のモンスターにもキックを浴びせた。

 

「くそ!どこに……」

 

どうにか気配を探ろうとするアビスだったが、それより早く奴が来た。

 

「なにやってんだ、お前……」

 

「!?」

 

王蛇である。手に杖型のバイザーを構え、ゴキゴキと首を鳴らして迫る。

 

「暇なら俺と遊んでくれよぉおお!」

 

アビスに鳶膝蹴りを加えながら躍り出る王蛇。

そしてそのまま怯むアビスに連続攻撃を仕掛けた。

 

「くっ!お前ら!」

 

アビスの号令にモンスターたちが王蛇にとびかかる。

アビス、その隙にカードをベントインした。

 

『STRIKE VENT』

 

アビスは右手に装備した青緑色の手甲から水流攻撃から放つが、王蛇はアビスハンマーの首根っこを掴んで盾にして凌いだ。

 

「なに!?」

 

「そんなもんかぁ?温りいなぁああ!」

 

アビスはたまらず撤退を選んだ。

駐車場の外に向かって逃げ出す。

後にモンスターたちも続くが、折角の獲物を逃がす王蛇ではない。

ベルデももちろん透明化したまま後を追った。

そこで見たのは

 

「うっ!」

 

「良いから俺と勝負しろ!」

 

アビスにつかみかかり、拳を振るうガイだった。

さっきまで居た契約モンスターの姿はなく、恐らくガイがコンファインベントを使ったのだろう。

一対一でマウントポジションを取られていたアビスだが、どうにか逃げだし、カードを切る。

 

『FINAL VENT』

 

再び出現した二体のサメ型モンスターが合体し、アビソドンに変身。

アビスと共にガイに突撃する。

 

『CONFINE VENT』

 

当然ガイは二枚目のコンファインベントのカードを使った。

アビスダイブがカード能力に打ち消され、アビスと二体のモンスターが地面を転がる。

 

『FINAL VENT』

 

駐車場の入り口から現れた王蛇がそこに追い打ちをかけた。

召喚された契約モンスター、ベノスネーカーの吐き出す強酸液に押し出され、強力なバタ足キックを繰り出した。

王蛇の必殺技(ファイナルベント)、ベノクラッシュである。

アビスたちに炸裂した毒と連打キックは彼らを完全に殺すのに十分すぎる威力を持っていたらしく、破壊されたアーマーから粒子をあげるアビスはもう動けない。

頼りのモンスターもベノスネーカーが動かなくなったところを捕まえて食べている。

 

「そん、な……契約、がぁ……」

 

王蛇は狼狽するアビスにベノバイザーの杖先を突き立てる。

うめき声を最後に絶命したアビス、粒子をあげて消滅してしまった。

 

「あ、ああ……うわぁああああああああ!」

 

「ああ?なんだよ……逃げんなよ!なぁああああ!」

 

逃げ出すガイを追いかける王蛇を見送り、ベルデは現実世界に帰還した。

 

 

 

3

「てのが、俺の見たすべてだ」

 

「なるほど。

実質殺人に手を貸してしまったショックでやけになってる、と」

 

「そんな……」

 

「もしかしたら、倒した相手が死ぬとか思ってなかったのかもな」

 

思い思いに感想を述べる奉仕部2人と沙希に木村は頷く。

 

「あり得る。俺の把握してる限りライダーの中で一番若いし、賞金の良い何かスポーツの大会みたいな感覚だったんじゃないか?」

 

「賞金……」

 

その言葉に沙希は唇を一文字に結び、肩を震わせる。

 

「どうした?」

 

「私の、私のせいだ……私のせいで……」

 

うわごとのようにつぶやく沙希の背中をさすりながら雪乃は努めて穏やかな口調で尋ねた。

 

「詳しく聞かせてくれるかしら?」

 

「おい雪ノ下……」

 

「あなたは黙ってて」

 

それでも聞かない方がいいだろうと思った八幡だったが、雪乃にぶった切られて、真澄の方を向いて肩をすくめる。

真澄はそれに何の反応もせず、無言で成り行きを見守ることにしたようだ。

 

「私が、学費の為に無理してバイトしたりするの見られたから……手っ取り早くお金稼ごうとして……」

 

「そこを仮面の男に付け込まれた、か」

 

「そうやって願いのある人間を選んでんのか。

ん?じゃあなんで俺選ばれたんだ?」

 

「俺みたいに、たまたまミラーワールドに引き込まれたから、ライダーになるか死ぬか選ばされた奴もいる。

君の場合、龍騎の穴を埋めたかっただけなんじゃないか?」

 

「何その流れ弾みたいなの……」

 

「コミュニケーションのしなさ過ぎで、自分の周りに誰もいないと思い込んで生存本能に基づく危機感すら欠如してるという事ね」

 

「ぼっちには必要ないからな!」

 

「お前、残り半数になるまで生き残れてると良いな」

 

真澄がそう言うと、木村がチップ代わりに500円玉を置いて席を立つ。

それを回収して真澄はエプロンを外して裏に戻った。

 

「ま、まって!アンタらまさか……」

 

「悪いが川崎沙希。

私にとって自分以外のライダーは敵だ。

これ以上誰かと休戦するつもりもない。

お前の弟は殺す」

 

「俺は静観させてもらう。

若人の問題は若人に任せる。

それに君らみたいなタイプは、大人が嫌いだろう?」

 

殺害すら宣言する真澄に、良くも悪くも不干渉を宣言した木村。

沙希は縋るように八幡を見た。

 

「……」

 

八幡は、気まずそうに目を逸らすしか出来なかった。




次回はいつになるか分かりませんが、もしかしたら上の台本形式の方はなかなか更新できないかもしれません。
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