*敵戦力が増強されています
*味方戦力がありえないぐらいに増強されています。
*作者作品からの介入物です。介入キャラは連載、短編、あるいは完結作品からです。
それでは本編をお楽しみください。
Side リーシャ
(もっと長く生きたかったな――)
何もない自国の平野。
もう自分に出来る事は恥辱の烙印を刻んだ反乱軍のリーダー、ベルベット・バルド相手に精一杯の虚勢を張るだけ。
最後まで絶望に抗いながらも気高く王女として死ぬことを選択した。
敵はアビスやドラグナイト含めて大規模な反乱軍。
どう考えても終わりだ。
精神論でどうにかなる状況を越えている。
それでも最後まで心までは屈せずに抗おう。
リーシャ――リーズシャルテ・アティスマータは、新しい時代の王国の王女はそう決めた。
これまで生きた思い出が、人生が、走馬灯のように頭の中で流れていく。
特にここ最近の異世界から来たと言う人々との出会いはバカらしくてムカついた事もあったが人生で一番楽しかった。
ドラグナイトやら異世界のろぼっとについてやら色々と話し込んだりして――
だけどそれも、もう終わり――
後は――
(王女としての最後の勤めを果たす――!!)
大切なティアマトをソードデバイス状態で投擲。
反乱軍のリーダーのベルベットの頬を切り裂く。
二、三、虚勢で、王女として言い返してやったら激高して殺そうとする始末。
(正真正銘今度こそもう終わりだな……)
そして最後の時を――
「遅くなりました――リーシャ様。せっかく直して頂いたのにワイバーン壊しちゃいましたね」
そこには中世的な男の子の。
学園唯一の男子生徒のルクスがいた。
ルクスの言う通りベルベットのドラグナイトの射撃でワイバーンは壊れた。
そんなルクスに恐怖など微塵も感じていない。
代わりに彼は――
「ごめん、だけど――そうしないと守れないと言うなら」
ルクスは腰に下げた黒いソードデバイスを抜き、
「顕現せよ、神々の血肉を喰らいし暴竜。黒雲の天を断て!! バハムート!! 接続・開始!!」
新たなドラグナイトを身に纏う。
漆黒の。
帝国を滅ぼした最強のドラグナイト。
黒き英雄の姿に似ていると思った。
「いや~バハムートって本来は竜種の一種じゃないんだけどな~国民的ゲームのせいで語呂感もそれっぽいから何時の間にかそうなったんだよね~」
「てっ、ルクスといい、なんでお前までここにいる!?」
谷村 亮太郎。
地球と言う世界のややおかっぱ気味な黒髪の東洋系の顔立ちの少年。
動きやすそうな魔法使いのような恰好をしていて大きな剣を携えている。
異世界からの迷い人の一人だ。
「せっかく来たのに、お前呼ばわりは酷いんじゃないかな? 学園の守りや君が逃がした騎士団の追撃部隊の相手に――まあ色々と役割分担して頑張っているよ」
「!?」
その言葉を聞いてリーシャは血の気が引いた。
学園や自分が逃がした騎士団に追撃が?
「大丈夫なのだろうな!?」
「大丈夫だ。だから僕達はここにいる――そしてよく持ち応えてくれた――」
そして谷村 亮太郎は高らかに告げる。
「反乱軍の長、ベルベット! 君のやり方には正しいとか間違えてるとか言う問題じゃない! 君のやり方には未来がない! 明日がない!」
「未来? 明日?」
突然の問いかけに困惑するベルベット。
「君は何をやろうとしているのか、なにをしようとしているのか、目的達成のための過程もなにもない! 反乱が成功したとしても長続きはしない、ただ他国に呑み込まれて終わるか、徐々に衰退して破滅するかのどれかだ!」
と、大声でピシャリと言いつける。
続けてこう言った。
「さあ、政治の素人の自分でもこれぐらいは分かるぞ反乱軍? どうするかね? このまま一時の感情に任せて反乱を成功させたとしても後は続かないぞ?」
「言いたい事はそれだけか!? 男のクセに!! 王国のメスの庇い立てをしおって!! 構わん殺せ!!」
アビス(この世界の化け物)やドラグナイトを身に纏った反乱軍達が襲い掛かる。
「あちゃー正論突き付けたら暴力に走るか」
「る、ルクスはともかくお前は逃げろ!? 死ぬ気か!?」
「大丈夫大丈夫。これでも魔王討伐済みだから」
「後ろ後ろ!?」
言っている意味は分からないが谷村の後ろからルクスが撃ち漏らしたアビスやドラグナイトが迫りくる。
「もう、谷村さんってば美味しいところ掻っ攫っていくんですから」
「いや~藤崎君、ごめんね~」
だが撃ち漏らした敵をまた新たな人物が。
藤崎 シノブは立派な剣で次々と――ドラグナイトを身に纏った兵士以上のパワーとスピードで敵を斬り捨てていく。
黒き英雄としての姿を現したルクスの強さもとんでもないが、藤崎はドラグナイトを身に纏っていない人間だ。
なのに「本当に君人間?」と言いたくなるような強さで相手を圧倒している。
谷村も「そろそろ暴れますか」と言って次々と超人的な速さで手に持った剣で斬り捨てていく。
敵の遠距離武器も両者とも平然と剣で叩き落していく。
「こんな時になんだがお前ら人間か?」
リーシャがそう問うと。
「まあこことは違う異世界で鍛えたからね」
谷村 亮太郎がそう返し――
「そうとしかいいようがないんですよね」
藤崎 シノブもそう返す。
「何をしている!? 黒いドラグナイトはともかく生身の人間二人に何を手古摺っている!?」
ベルベットは焦り、叱り飛ばす。
さらに投入される戦力は増えていき――
「アレは――せんとうき?」
黒い戦闘機と言う飛行機械。
それが二機この現場にたどり着いた。
彼達が言うには″がいうちゅう“技術で強化された地球の軍事兵器らしい。
だがドラグナイトと比べると飛ぶのに手間が掛かって扱いづらそうだとリーシャは思った。
二機の戦闘機が通り過ぎるとその進路の敵は面白いように撃墜されていく。
コールサイン・レイヴン1、川西 幸斗 一尉のFー4JC戦闘機。
レイヴン2・桜木 美琴 二尉のNFJー1戦闘機。
桜木 美琴はともかく川西 幸斗一尉は多勢に無勢の物量差の戦いを生き抜き、宇宙人の円盤すら撃墜したスーパーエースである。
相手が戦闘機からパワードスーツやら化け物に変わっただけで特に問題はない。
『悪い道が混んでた!! レイヴン1再交戦!!』
『レイヴン2再交戦!!』
そう言って二機は散開。
空中の敵を片っ端から蹴散らしていく。
マッハで空を飛ぶ戦闘機など、この世界の住民は見た事も聞いた事もないし、戦った事もない。
初めて遭遇する未知の兵器に反乱軍は動揺してしまった。
☆
Side クルルシファー・エインフォルク
一方学園では――
クルルシファーはいわゆる外国人留学生である。
アティスマータ新王国で起きた騒動に関しては非情ながら静観を決め込んでいたが――
今は避難もせずに遠巻きに遠くから観察していた。
主にこの世界に跳ばされてきた異世界からの来訪者たちの戦いを。
『第13偵察隊はこれより独立部隊の権限を持って独自に戦闘を開始する!! 堅苦しいのは以上!! 学園に近づく敵を全員灰にしろ!!』
緋田 キンジ一尉が転移に巻き込まれた部隊と一緒に応戦開始。
緑色の重火器を搭載したドラグナイトとは系統が異なる全身の鎧――まだドラグナイトが無かった頃の重騎士をほうふつとさせるパワーローダーと呼ばれる兵器達らしい――を観察していた。
(アレが違う世界の――中々興味深いわね)
次々と面白いように学園へ襲撃してきた敵が撃破されていく。
性能もあるのだろうが腕もいいし統制もとれている。
他にもパワーローダーは存在し、中にはセンシャと言う乗り物と連携したり、無人兵器と連携して対処したりと練度や戦い方はバラバラながら次々と学園に退避してきた騎士団の少女や学生達を守り抜いている。
パワーローダーはドラグナイトで例えるなら陸戦型のワイアームを発展させた感じだが兵器として見た場合は御覧の通り、アビスだろうがドラグナイトだろうが次々と撃破していっている。
レールガンやビーム、レーザーなどの火力が高すぎると言うのもあるのだろうが。
中にはリーシャのティアマトのようなレギオンに似た兵装を持つパワーローダーもあるから驚きだ。
クルルシファーはなんでそんな事を知っているのかと言うと色々と聞いたからだ。
根は善人なのか、警戒心はないのか分からないが、異世界の人達とはとにかく色々な話をしたものだ。
ともかくここは大丈夫だろうとクルルシファーは思った。
☆
Side ルクス・アーカディア
この世界の厄介ごとに巻き込んでおいて心苦しくはあるが――異世界の人達の戦闘力は驚くべきものだった。
(想定より数は多いけど、いける!)
バハムートの力は強大だが装着者に多大な負担は掛かる短期決戦型のドラグナイト。
神装のリロード・オン・ファイアを多用すれば猶更だ。
だがこの分だと思っていたよりも簡単に反乱を鎮圧出来るように思える。
そして――
『ゴーサイバー到着!!』
『ヒーロー部、悪の組織部登場!!』
『ええと――エンジェルハート参上!! こう言えばいいの?』
『キングスセイバー参上!!』
『ナイトチェイサーいきます』
『……宇宙刑事デューネ、出る』
『正木学園、剣崎 沙織いきます!!』
『シルヴァーセイザ―も参りますわ!!』
今度は空中を飛ぶ船、艦種も違う二隻のうち一隻からヒーローと呼ばれる人々がダメ押しとばかりに戦場に飛び出してくる。
次々と技を叫びながら飛び込んでいく。
技が発動するたびに敵がまとめて粉砕されていく。
『レギンレイヴ隊到着! パワーローダー隊は友軍の支援と反乱軍およびアビスの撃破をお願い!』
レギンレイヴよ呼ばれる船から次々とパワーローダーと呼ばれる兵器が投入されていく。
『正直オーバーキルだけど――ロボットマン出る!』
更には50mもの巨人、ロボットマンまで投入され、追加で送り込まれた反乱軍のアビスが50mの巨体の見掛けによらず俊敏な体当たりで押し潰されていく。
そして――
「最後は俺だぁあああああああああああああああ!!」
白髪、白肌、赤目の露出度多いラフな背格好の美少女に見える少年、闇乃 影司が生身で殴り倒していく。
大勢は決した。
状況は乱戦に近いが徐々に勢いが収まっていき、そしてルクスは――反乱軍のリーダーベルベットと向かい合った。
ベルベットは生身の人間、藤崎と谷村の二人を相手にドラグナイトの三代奥技の一つ、クイック・ドロウを防御に回して凌いでいる状態にまで追い込まれていた。
「認めん!! 認めんぞ!! こんな形で理想が――認められるかぁああああ!?」
ベルベットは叫ぶ。
彼は運が悪かった。
反乱を起こすタイミングを致命的に間違えてしまった。
その後、ベルベットは一分ともたずに藤崎と谷村に捕縛されることになった。
クイック・ドロウは一時的に神速の一撃を放つ技だが、常時クイック・ドロウ状態な怪物二人に勝てる筈はなかった。
正直黒き英雄として、僕が出ることはなかったんじゃとルクスは思ったりもしたが――
これはこの世界の、帝国を滅ぼした自分自身の問題でもあるのだ。
賢い、正しい選択ではなかったが満足している。
☆
その後、祝勝会が行われた。
異世界の男性陣は時のヒーローであり、ルクスともども騎士団(学園の自警団)の女性陣に歓迎された。
異世界の女性陣はそんな鼻の下をどうしても伸ばしてしまう男性陣に冷ややかな目を送ったりもしたが。
そこからさらにとんでもないことが起きた。
誰だ何をすればそうなったのか、異世界の人達のそれぞれの元の世界と行き来出来るようになったり、その過程でルクスはリーシャ達と一緒に日本観光したりすることになるのだが……それはまた別のお話である。