死を視る
俺がまだ3歳だった時の話だ。
幼稚園の一室にて、男の子が先生や友達に囲まれていた。男の子、爆豪勝己は手の平から小さな爆発を起こして見せていた。
「すごいよ爆豪くん! ヒーロー向きの個性だね」
すごいなぁ、羨ましいなぁという声が皆から上がっていた。当時の俺はまだ個性が目覚めていなかったから、皆と同じように顔を輝かせて羨んでいた。
その日は爆豪ーーーーかっちゃんの話題で持ちきりだった。グラウンドで爆破を見せて貰ったりしている内に、仕事を終えた両親が迎えに来ていた。
「パパ、ママ、僕も早く個性が目覚めないかな」
「そうだな、父さんと母さんの個性は似てないから複合個性はないとして、どっちかの個性が目覚めるんじゃない?」
「いやいや、案外よく見えて早く動ける個性って感じで混ざるかもよ?」
「うわぁ……! 楽しみ!」
夜も目が冴えてしまい、遅くまで騒いで呆れられたことを覚えている。
死を視る
目が覚めた時、視界には真っ赤な
「やった! 個性だ!」
喜び勇んで布団から飛び上がり、それでも収まらない喜びを全身で小躍りして示した。
かっちゃんの個性みたいにヒーロー向きの個性かな? そう思うと試してみたくなってきた。
しかし、
ジッと見つめてみても何も起きない。全身に力を込めても何も起きない。
四苦八苦しながらも、ほどなくして当時の俺は正解を見つけた。
「線をなぞればいいのかな?」
人差し指で椅子の
そのまま
椅子は、死んだ
線の通りに椅子は分割され、もう座ることなど出来そうにもない。
その時の高揚は感じたことのない程だった。ヒーローになった様に感じて、部屋中のありとあらゆる物を壊して回った。
親に怒られるかもとは考えてもいなかった。
「
「ママ! あのね、僕ね、個性がっ!」
「えっ! そうなの!? …………あ、もしかしてこの惨状は施希が?」
「さんじょ? ……………あっいやちがくて」
冷や水を浴びせられたようだった。
言うまでもないことだが、実に厳しく説教された後、病院の個性科にかかった。
「
個性科のある大きな病院に来ていた。計測機器が充実していた方が、個性の詳細がわかるから近場で妥協しなかったらしい。
「朝部屋に入ったら家具という家具がバラバラになってて……」
「
「なるほど……。親御さんの個性は?」
「私は物を透過して遠くを見れます。夫は、どこかからエネルギーを持ってきて早く動いたり発電したりします」
「で、施希くんは線が見えてなぞると壊れると。…………ところで施希くん、僕やお母さんに
「え?」
人に
それに気づくと浮かれた気持ちが一瞬で消えてしまった。自分の個性が、簡単に人を殺せてしまうと気づいてしまった瞬間だった。
「そうか。しかもオンオフ出来ないとなると、ヒーローのサポートアイテムの会社にお願いして、アイテムを買う必要がありますね」
そのサポートアイテムが届くまで、俺の精神は病む一歩手前まで追い詰められることになった。
地面にも見える
サポートアイテム、メガネが届くまでにはヒーローになる気も失せていた。
そうなると少しずつ孤立していくのは自明の理。かっちゃんには呆れられた。イズクも無個性だといじめられ、孤立していた。
そんな俺に転機が訪れたのは、小学5年生の夏休みのことだった。
「へぇ、神秘の薄れた時代で、志貴と同じ眼を見ることになるとは思わなかったなぁ。……魔眼じゃなくて、個性ってのみたいだけど」
金髪に真っ赤な目の女の人、アルクェイドさんとの出会いが、俺をヒーローの道へと導いていった。
アルクェイドとの過去編、書いた方がいいですか?
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ちくわ大明神
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誰だ今の