いざ雄英
いざ雄英
アルクェイドさんとの出会いからおおよそ5年。俺は受験生となっていた。
雄英高校ヒーロー科。イズクとかっちゃんも受けるこの高校の正門前に立つと、なんだか感極まってしまう。
それは個性が目覚めてから5年の夏休みまでの辛い生活を思い返すとさらに強まる。
あの夏休みは俺の人生というか、考え方を変えてくれた。人を殺せてしまう個性は俺のだけではない。No.1ヒーローのオールマイトだってそのパワーで
皆、人を殺せても、その力に責任を持って制御して生きているんだ。
『施希くんはさ、ヒーローになりたくないの?』
『なれないよ。
『ふーん。確かに志貴、あぁ、君のことじゃないよ? 志貴は死徒も死者もその眼で殺してたし、そうするしか無かったんだけど……君は、施希くんは違うでしょ?』
『え?』
『ヒーローは悪い奴らを倒すだけじゃない。救助もする。瓦礫を殺して、閉じ込められた人を助けたり出来るじゃん。何なら戦闘も殺すだけじゃないよ。炎の個性で攻撃してきたら炎を殺せばいい。その後は体術とかで捕縛すればいい。
人も助けられるし、自分の身も守れるならさ、もうそれはもう殺す個性じゃなくて、守る個性じゃないかな?』
アルクェイドさんはどこか浮世離れしていて、本人が言うには吸血鬼で昔から生きてたらしい。そんな変わった人だったけど、その考え方で俺は救われたのだ。
押し殺してきたヒーローへの憧れを認めてくれた。だから俺はこうして雄英を受けようとしている。
「おいテメェ! なに立ち尽くしてんだ。はいんねぇんだったらドケカス!」
そうしていると後ろから聞き覚えのある声がかけられた。かっちゃんだ。
「あぁ、悪い。けどその口調だけは直した方がいいんじゃないか?」
「ぁあ゛? ……チッ、
吐き捨てて去っていくかっちゃん。ヒーローになりたい気持ちも隠していた時代に随分と嫌われてしまった様だが、少しデレてくれたみたいだし、少しずつ関係は直っていってるかな?
「今日は俺のライブへようこそ!エビバディセイヘイ!」
「「……………………」」
「こいつぁシヴィー!」
プロヒーロー、プレゼント・マイクの司会の元、実技試験の解説が行われた。
各試験会場に配置された仮想敵であるロボットを行動不能にすることでポイントが得られる。しかし同じ中学の仲間と協力させないために連番でもバラバラに配置されることになっている。
となると、イズクには不利っていうか無茶振りにも等しいな。俺や、万にひとつもないと思うがかっちゃんと協力できれば多少は上がったかもしれないが、これだと筆記一発勝負になってしまう。
まあ俺にも自分以外を気にする余裕はないだろうから、残酷だけど頑張って貰うしかないな。
そうして俺は自分の会場に向かい、持ち込みの武器であるナイフを取り出して待機していた。
会場付きのヒーローは……誰だろう? 暗い印象を受けるヒーローだな。イズクなら知ってるかもしれないな。
「はいスタート。……どうした、実践では秒読みなんてない。それすら分かんないようなら帰れ」
急いで走り出す他の受験生の流れに乗って俺も走り出した。
模擬市街地を行き、他の受験生ともいい感じに離れたところで壁を砕いて何かが飛び出して来た。
単眼のセンサー、左腕に書かれた1という数字。
「1ポイント!」
ナイフを抜き放つ。
メガネは既に外している。死の線を捉えている。
素早い動きで振るわれた右腕に合わせてステップして回避。そのまま死に刃を通した。
「ニンゲンフゼイガッ! ブッコロス!」
「無駄だよ」
懐に潜り込んでナイフを何度も振るった。
からくり仕掛けの雑兵は死の線を断ち切られたことでその活動を停止した。
死期を、与えられたのだ。
「目標捕捉! ハカイスル!」
続々とやって来る仮想敵。
俺はその全ての線をなぞって死期を与えていった。
「よしっ。53ポイント!」
どうやら周りにいた仮想敵は狩り尽くしてしまったようだ。これ以上はここにいても意味がないだろう。
俺は再び走り出した。
「ウェイウェーイ……」
「標的捕捉! ブッコロス!」
仮想敵を探していた俺が見つけたのは、今にも仮想敵に殴られそうになっている少年だった。
反撃できないのかっ!? 個性のデメリット!?
疑問が浮かぶが、鉄の拳は振り下ろされようとしている。
「っ! 動くなよ!」
「新規目標! 優先度変コッガッ!」
俺はセンサーにナイフを投げつけた。
その隙に接近し、漏電して火花が舞うのも気にせず得物を取り戻した俺は線を断つ。それにより仮想敵は死を与えられ、バラバラになって動かなくなった。
「
「あー……。ウェーイ?」
「
パリピってすごいな。ウェイで会話するんだな。
それはそれとして今ので54ポイント。合格ラインがわからないけど……多くて困ることはないだろう。更に狩っていこう。
と、走り出そうとしたその時、真っ正面のビルが粉砕された。
「デカっ!?」
「
1~3ポイントの仮想敵とは比べ物にならない圧倒的大きさ。プレゼント・マイクをしてスーパーマリオのドッスンと評させた巨大機巧が姿を表した。
皆が逃げていくなか、個性の反動(?)で動きが鈍いさっきの金髪が逃げ遅れている。
助けたいところだが、流石にあの0ポイントから人一人背負って逃げるのは無理だ。
置いていくの?
恩人に聞かれた気がした、
施希くんの目指すヒーローって、目の前の逃げ遅れた人を置いてにげちゃうの?
……そんな訳がない。一時期諦めていた俺が、それでも憧れだけは持ち続けた職業はそんなもんじゃない!
「金髪の人、安心していいよ」
「
「大丈夫。あれにだって、死期はある」
俺の眼には、確かに線が見えている。
なら、殺せない道理などないーーーー!!
「【直死】。まあ見てろ、殺して見せるから」
0ポイントの巨腕が振り下ろされる。
が、ナイフはそれより先に線を捉えていた。
轟音を立てて0ポイントの手の平がバラバラに崩れ落ちる。手首より上が俺の真横に突き立てられる。
「なんだ。案外簡単にかわせるじゃん」
その姿勢のまま横に突き立っている腕に死を与える。
腕が砕けたことで0ポイントはその巨体を支えることが出来なくなり、崩れ落ちた。
「ほら、こんなにも脆い」
人間の脳に当たる部分、頭部に埋め込まれた部品が露出するまで0ポイントの頭部の線をなぞり続ける。
そして……。
「あった」
ついに出てきたその部品に、ナイフを突き立てる。死の線をなぞるまでもない。
0ポイントは、異音を立てて停止した。
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