あっ! いや違います初投稿ですっ!
グラウンドβのゲートを抜けると、既に大多数が集まっていた。
皆を見渡すと、やはりヒーローとも見間違う姿だ。オールマイトの言うように、姿形から入り、「自分は今日からヒーローなのだと実感する」効果はある。胸の内から沸き上がる高揚感は感じたことのない程だ。
また、かっちゃんの手榴弾のような籠手を見れば分かるように、皆各々の個性を象徴するようなデザインで製作してもらった様だ。
「あ、イズク……ってわかりやすいなお前は」
「そ、そうかな。ヒーローと言えばってデザインなんだけど」
「まぁ気持ちはわかる」
イズクは彼が惚れたらしい女子、麗日お茶子と話していた。麗日はパツパツのスーツと実に扇情的な姿をしていて、イズクは直視出来ないでいる様子。
「源くんは……あれ、私服?」
「違うぞ麗日。これはホークスとかと同じで、普通の服らしいデザインでも特殊繊維で出来てるんだ」
「へぇ! すごいね、格好いいよ!」
「……なるほど、シキの個性は近距離特化だから近づくのがキーポイント。それを一般人に似せたコスチュームで警戒されにくくすることで…………」
麗日に屈託ない笑顔で褒められて面映ゆい気持ちになる。女性経験の少ないデクが即落ちかますのもわかるが、それよりも「この子はこの距離感で誤解されてきたんだろうな」と戦慄とも数多いるであろうイズクの同類への哀れみとも取れる感情があった。
あとイズク、そのブツブツするの止めた方が良いと思う。麗日に引かれるぞ?
「よし、始めようか有精卵共! 戦闘訓練のお時間だ!」
「先生! ここは入試の演習場ですが、また市街地演習を行うのでしょうか!」
「いいや! もう二歩先に踏み込む!」
オールマイト……いや、先生の説明によると、今日行うのは「屋内での対人戦闘訓練」だ。凶悪な
基礎訓練無しにいきなり実践訓練なのかという意見もあったが、オールマイトはその基礎を知るためだと答えていた。
ルールを説明しよう。
生徒は2人組になり、2組で訓練を行う。ヒーロー側は制限時間内に
「あれ? 先生、2人1組だと1人余りますよね? 何処かが3人になるんですか?」
「いや、それだと不公平だからね! 2回訓練する生徒が3人いるぞ!」
疑問に思ったことを俺が聞くと、オールマイトは答えてくれた。カンペガン見だったが、それは前もってよく考えたないようだということだと思うことにした。
そうしてくじが引かれる。
A:緑谷・麗日
B:轟・障子
C:八百万・峰田
D:飯田・爆豪
E:芦戸・青山
F:砂藤・口田
G:耳郎・上鳴
H:蛙吹・常闇
I:葉隠・尾白
J:切島・瀬呂
「余ったのは源少年か! では源少年を抜いて引き直すぞ!」
「……おい、言い出しっぺの法則的なあれかよ」
余ったのは俺だった。
そうして2回参加する3人を引き直す。
K:源・葉隠
L:轟・峰田
「よし、続いて最初の対戦相手は……Aコンビがヒーロー、Dコンビが
氷の王子捕獲計画
第1戦は実にハラハラさせられた。
イズクとかっちゃんという、幼馴染みにも関わらず全然馴染んでない2人が派手な戦いを繰り広げたのは、同じく幼馴染みを自負する俺としては見てられないものだった。麗日と飯田の戦いの方が安心して見せられた。
「それでは最後の訓練だ! Kコンビがヒーロー、Lコンビが
そうして幾つもの訓練が行われ、俺の番となった。
「よーし、頑張ろうね、源くん!」
「あぁ。よろしくな」
「私の個性は見ての通り透明化だよ! 不意打ちなら任せて!」
「俺の個性は、モノの壊れやすい線が見えて、なぞると……まぁ、壊れる」
「へぇ! それって、何にでも見えるの?」
「今まで見えなかったのは1人だけだな。壊れやすさで線はより多く見えるぞ。葉隠にも見えるから、見失うことはないから安心してくれ」
「そうなんだ! 私はよく見失われちゃうから、それなら連携しやすいね!
それで……轟くん、どうする?」
葉隠が聞いてきたのは、推薦入学者、轟の攻略方だ。
轟は1回目の訓練でビルを丸々凍らせるという暴挙を見せ、しかも葉隠はその対戦相手だったから、萎縮してしまっていた。
「そうだな……。多分氷も殺……壊せるから、さっき見たいな大凍結は大丈夫だと思う」
『それでは、スタートだ!』
そんなことを話していると、オールマイトに開始が告げられた。
「よし、じゃあ行こうか」
「轟、俺は何すりゃいいんだよ?」
ビルの最上階にて、身長108cmの紫小人峰田が轟に問いかけた。
数分前、ビルに入った時にも「俺のもぎもぎ、貼っとくか?」と聞いたものの、「必要ない」とだけ返されている。轟の寡黙さも相まって、峰田はどこか居づらく思っていた。
「必要ない」
「確かにお前なら前の試合みたいに瞬殺だろうけどさぁ……」
「そろそろいいか。峰田、下がっとけ」
「聞けよ!?」
轟は右手を柱に押し付けた。すると右半身から冷気が溢れだし、ものの数秒で見える範囲の全てが凍りついてしまった。
当然、冷気は1部屋に収まらず、外の廊下も凍りつけていく━━。
「よし、2手に別れてヒーローを拘束するぞ。峰田、拘束テープはあるよな?」
「お、おう。なら俺は西階段から行くわ……」
2人は東西に別れて、
下ること数分、轟の耳は布擦れの音を捉えた。
「無理に動こうとしない方がいいぞ。怪我するかも知れないからな」
突入から数分、俺は床を走る凍結に巻き込まれていた。葉隠とも別れずここまで来ていたので、葉隠も確かに
「葉隠は……」
「居るよもう!!」
「そうか。なら拘束させて貰おう」
そう言って轟はテープを取り出し近づいてくる。余裕綽々と、ゆったりとした歩調の轟を前に、俺は伏せて氷から逃れようともがく振りをする。
「無駄だ。そう簡単には壊れない」
一歩、一歩と距離は縮み、手の届く程になった瞬間━━今まで避けていた、氷の死の線をなぞり断った。
ダッ! と俺は上体を起こして切りかかる。狙うは、左半身を覆うゴツゴツしたコスチューム。
線をナイフでなぞり、殺す。バラバラになって崩れ落ちる氷の姿似。
「何!?」
驚く轟から目を離さずに、俺は取り出した拘束テープを
何を隠そう、葉隠は轟が現れる前から、俺が足元の氷を殺して逃れていた。その透明な姿を活かして、轟に返事をしてから移動していたのだ。
ここの味噌は「返事をしてから」という所だ。声が俺の横ではなく轟の背後から聞こえては、葉隠が氷から解放されているのがばれてしまう。
「いっくよー!」
「くっ!」
しかし推薦入学者。すぐに氷の壁を展開して防御しようとした。
が、そのようなことは俺が許さない。殺して防ぐ。
そして、テープが巻かれる。
『轟少年、アウト!』
オールマイトの声が響き渡った。
施希の目指すヒーローとは
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