ボーダー唯一の男性オペレーターは今日も忙しい   作:マサフ

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流石に前回は詰め込みすぎたし少々雑でした…反省してます…
前話の後半を少し加筆しましたのでよければそちらもどうぞ


昴と二宮隊

「忍田本部長からメールで二宮隊のオペレーターに任命されたんだけど国近さん何か知らない?」

「逆になんで私が知ってると思ったの?」

 

 太刀川隊の作戦室で太刀川隊の面々とスモモ鉄というスゴロクゲームをしながら国近に尋ねた。以前の合同訓練後、昴はたびたび国近とゲームで遊ぶ仲となっていた。今は国近の他に出水、烏丸と共に遊んでいる

 

「ていうかなんでそれ俺たちのところに聞きにきたんすか?大人しく二宮さんのところに聞きにいけばいいじゃないすか」

「いや余りにも突然すぎてちょっと心の準備が必要だからまず遊びに…じゃなくて何か知ってるか聞きに来た」

「ただ遊びたかっただけでは?」

 

 京介のやつ相変わらず的確なことを言うな

 

「それなら忍田本部長のところに事情を聞きに行けばいいじゃないですか。それが一番早いと思いますよ」

「さっき行ったけど太刀川さんが正座させられてたからこっちに来た」

「…うちのリーダーがほんとにごめんなさい」

 

 高校がとか卒業がとか聞こえたけどあの人高校卒業も怪しいのか?

 

「ま、後でもう一回行ってみるわ」

「ていうか二宮さんチーム作るんだね」

「ああ、俺も今朝知ったよ」

「隊作ることすら知らなかったんすか?」

「うん」

「そんなことあります?ってああ!桐山さん!俺にキングビンボー付けないでくださいよ!!」

「近くにいたお前が悪い」

 

 ちなみに今の一位は国近さんだ。京介が二位で、俺と出水でビリ争いをしている

 

「そのままキングビンボーと一緒に旅してくれ」

「嫌ですよ!こうなったら柚宇さんに」

「ほい、ぶっとばしカード」

「あああああ!!!!」

 

 あ、出水が誰もいない辺境にぶっとばされた

 

「出水先輩…」

「憐みの目で見るのはやめろ京介!!」

「合成弾なんて隠し球、黙ってた報いだ」

「初見で防いだあんたに言われたくないんですけどぉ!?」

「というかあの合成弾の仕組み今度教えてね」

「ビンボー引き受けてくれるならいくらでも」

「いいだろう戦争だ」

 

 なんかこのゲーム遊ぶたびに喧嘩してる気がするわ

 

「友情破壊ゲームなんて言われてるからねえ」

「国近さんいつも高みの見物してない…?」

「ふっふっふ、ゲーマーをなめてもらっては困るよ」

 

 ただの運ゲーじゃないのこれ?

 

「戦い方というものがあるのだよ。今度教えてあげよう」

「国近さんありがとう。できれば今教えてくれない?」

「頑張れ~」

「ですよね~」

 

 そんなこんなでスモモ鉄を楽しんでた中、突如作戦室の扉がひらいた

 

「ここにいたか昴」

 

 尋ねて来たのは苦い顔をした二宮だった。

 

「あ…二宮さん」

「忍田本部長からのメールは見たか?」

「あ、はい見ました」

「ならなんでこんなとこにいる?」

「心の準備がしたくてうちの作戦室に寄ったらしいです」

 

 余計な事言うな出水。おい、なんだその悪い笑顔は、さっきの恨みか?

 

「心の準備だと?なんのことだ」

「いや、なんの話もなしに二宮隊のオペレーターになってたので…」

「お前半年以上暇と言ってただろう」

 

 いや、確かに言いましたけど…

 

「なら構わんだろう」

「いや、でも俺妹とチーム組む予定なんですけど…」

「お前の妹が入隊するまでで構わん。他のメンバーはもう集まっている」

 

 なんかトントン拍子で話が進んでる…

 すると見かねた出水が口を挟んだ

 

「あの二宮さん、流石に何の話もなしに桐山さんをチームに入れたのはまずかったんじゃないですか?」

「忍田本部長の許可はとっている。そもそも俺が東隊に入ったときも何の話もなかった」

「ええ…」

 

 もしかして忍田さんその時のことでゆすられました?

 

「…本音をいうと後はオペレーターを見つければチームは結成できたが、優秀なオペレーターが中々見つからなかった。だから少々強引な手段だがお前をチームに加えさせてもらった。もしお前が断るなら無理強いはしない。別のオペレーターを探す。ただいずれチームを抜けるから入れないなどと考えているなら気にする必要はない。好きな時に抜ければいい」

「…」

 

 正直ここまで言われたらこちらも言い返せなくなる。そもそも秀次や加古さんの誘いを断ったのは、抜けるとわかってるのにチームに入ることが不誠実だと思ったからだ。だが二宮さんは俺が部隊を結成するまででいいと言ってくれる。ここまで言われたら断るのも悪いだろう

 

「わかりました、引き受けます。これからよろしくお願いします」

「…そうか助かる。こちらこそよろしく頼む」

 

 昴と二宮がそろって頭を下げた

 

「ただもうこういうことはやめてくださいね。こっちもビビるんですから」

「…善処する」

 

 おい

 

「じゃあ早速顔合わせだ。お前以外のメンバーはもう揃っている」

「あ、もう少し待ってください。スモモ鉄がもうすぐ終わるんで」

「後にしろ、行くぞ」

「え、あ、ちょ」

 

 二宮に強引に引っ張られながら昴は太刀川隊の作戦室を後にする

 

「邪魔したな」

「気にしないでください。あ、桐山さん!桐山さんの分も俺が操作するんで安心してください!!」

 

 出水がいい笑顔でそう言った。あ、やめろ。俺にキングビンボーをつけるな。おいラミエルカードを捨てるんじゃねえ

 

「二宮さん、出水のやつ一発殴っていいですか?」

「後にしろ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「着いたぞ、ここが俺たちの作戦室だ」

 

 昴は二宮に連れられ作戦室の入り口にたどり着いた

 

「入るぞ」

 

 ノックをした二宮と共に作戦室に入る

 

「お、きたきた。二宮さんお疲れ様でーす」

「お疲れ様です」

 

 中にいたのは二人の男だ。

 

「こいつがうちのオペレーターだ。お前ら聞いたことくらいはあるだろう」

「ええ、知ってますよ。ボーダー唯一の男性オペレーターなんですよね」

「噂で聞いただけで見たことはなかったですね」

 

 俺噂になるレベルだったのか。まあそりゃそうか。オペレーターって基本的に女性がしてるもので、男でオペレーターって俺だけだし

 

「はじめまして、俺は犬飼澄晴。ポジションはガンナー。よろしくね」

「はじめまして、辻新之助です。アタッカーやってます。」

 

 犬飼と辻、どちらも見たことがある。辻は確か三ヶ月くらい前に入隊して新人王だったか。弧月を使いこなしてる姿が印象に残ってる

 犬飼は一ヶ月くらい前に入った新人だったかな。新人ながら突撃銃の扱いが非常にうまく、マスタークラスもそう遠くないとか

 二宮さんすごい人たち連れてきたな…

 

「えっと…はじめまして、おれは桐山昴。オペレーターやってるんでよろしくお願いします」

「いいよいいよ敬語なんて、俺とは同い年なんだし」

「俺は一つ下なので」

「そうか?わかった、ならそうするわ」

 

 簡単な自己紹介を終えた昴たちをみて二宮が号令を取った

 

「よし、俺たちはこの部隊でA級を目指していく。俺が見込んだやつらを集めたつもりだが決して慢心はするな。それぞれの役目をしっかり全うしてもらうぞ。いいな?」

「もちろんです」

「わかりました」

「はい!がんばります!」

「よし、なら早速だが」

 

 まずは訓練だろうか?どんな連携をとるかはチームで戦う上で大事だからな

 

「隊服を作りに行くぞ」

 

 え?隊服?

 

「隊服…ですか?」

「ああ、B級以上のチームはそれぞれチーム別の隊服を着ることになっている。まずはその仕立てだ」

「なるほど…どんな隊服にするんですか?」

 

 隊服かぁ、どんなのになるんだろう。ボーダーの隊服ってどれもかっこいいからなぁ…

 隊服を想像していた昴に二宮は答えた

 

「スーツだ」

「…ん?」

 

 スーツ?

 

「コスプレ染みたダサいデザインは御免だからな。スーツの方が幾分かマシだ」

「「「・・・」」」

 

 スーツだったら余計に浮くんじゃないだろうか?三人はそう思った

 

「それじゃあ俺はここで待ってますね」

「何を言ってるんだ。お前も行くぞ」

「へ?俺もですか?」

 

 オペレーターの制服は基本的に決まってるけど…

 

「当然だ。うちのチームメイトだからな。お前の分のスーツも採寸するぞ」

「…!了解です!」

 

 スーツを着ることには驚いたものの、チームで同じ隊服を着れるのは少し嬉しい昴だった

 

 

 

 

 

「どうだサイズは」

「はい、ぴったりです」

 

 メンバーは採寸を終えるとそれぞれ試着をした

 

「俺スーツなんて初めて着ましたよ」

「はは、俺も。まさか大学に入る前にスーツを着るとはね」

 

 辻と犬飼もそれぞれ試着をしたがぴったりのようだ

 

「でも大丈夫なんですか?二宮さん。俺はいいですけどこれ結構動きずらいと思いますよ?」

「慣れれば問題ない。きついなら緩めればいい」

「もしかして二宮さんってもう一通り動いてみたんですか?」

「当然だ」

 

 一人でスーツ着て試し撃ちする二宮さん…なんだかシュールだなぁ

 

「全員問題ないな?」

「はい、問題ありませんよ」

「俺もです」

「はい大丈夫です」

「よし、なら次は」

 

 いよいよ訓練だろうか?

 

「決起集会だ。親睦会も兼ねて焼き肉屋にいくぞ」

「…へ?」

 

 今度こそ呆けてしまった

 

「東さんもよくやってたことだからな。親睦を深めるなら焼き肉がちょうどいい」

「あ、はい」

 

 言ってることは間違ってないのだがさっきから予想が外れてばかりで少し調子が狂う。犬飼と辻も軽く呆然としてる

 

「あ、二宮さん。その前に忍田さんのところに行っていいですか?朝に行った時には太刀川さんと話が合ったみたいで話せなかったんで」

「…そうか、わかった。ならその間軽く模擬戦をしておく。話が終わったら戻ってこい」

「了解です」

 

 

 

 

 

 

 

 

「失礼します、桐山です」

「ああ、入りたまえ」

 

 軽くノックをして忍田本部長の部屋へ入る。

 

「よく来てくれたな。朝はすまなかった。慶のことで少しな…」

「いえ、気にしないでください」

 

 かなり疲れた顔をして忍田さんはそう言った。この人も苦労してるんだな…

 

「さてまず君が来た理由だが…二宮隊のことだな」

「はい」

 

 今度は少し申し訳なさそうな顔をしている

 

「突然のことですまなかったな。二宮から君を隊に加えたいと言われて断り切れなくてな」

「東隊のことがあったからですか?」

「…知っていたのか」

 

 やっぱりゆすられたんじゃないか

 

「あの時の二宮は力ばかりを重視していて戦術を軽視していたからな。荒療治として東隊に入れたんだ。…まさかそのことを持ち出すとは思わなかったがな」

「ほんとですね…」

 

 ほんと何でもありだな

 

「ただ二宮のことを抜きにしても君にはどこかの部隊に入ってもらうつもりでいた。東と月見から指導を受けた人材をフリーにするなど非常にもったいないことだからな」

「でも、俺は将来的に部隊を組むつもりですけどいいんですか?」

「ああ、そのことは東から聞いている。部隊を組むとなったら君の好きにしていい。ただ…」

「ただ?」

「指導をうけたとはいえそれを活かせなければ何の意味もないからな。君の実力は先日のランク戦でも拝見したが確かなものだ。だがそれをどこの部隊にも入らずに生かさないのは非常にもったいないことだ。」

「…そうですね」

 

 確かに忍田さんの言うとおりだ。オペの仕事はある程度するつもりだったが、それでもフリーと隊に所属するのでは全然違うだろう。

 

「二宮も君がいずれ隊を抜けることをわかっていて君をチームに入れたんだ。だから君が負い目を感じる必要はない。」

「はい、二宮さんにも同じことを言われました」

「そうか、では二宮隊で存分に君の力を発揮してくれ。期待しているぞ」

「はい!わかりました!」

 

 ここまで考えてくれてるとは…忍田さんにも感謝だな

 

「ところで話は変わるんだが」

「…?はい?」

「そのスーツは…隊服か?」

「…はい、二宮さんがコスプレ感のする隊服は嫌だったみたいで」

「そうか…」

「やっぱり目立ちますよね?」

「…気にするな」

 

 二宮さんがこのことに気づくことはないんだろうなぁ・・・あの人天然だし

 そんな会話を終え昴は忍田の部屋を後にした

 

 

 

 

「さて、作戦室に戻りますか」

「どこの作戦室にだ?」

「そりゃ二宮隊の作戦室に…」

「へえ二宮隊にね」

「…あ」

 

 後ろをふりむくとそこには三輪と加古が立っていた

 

「昴…お前何故二宮さんの部隊に入っているんだ?」

「私の誘いは断ったくせに」

「いや…えっと」

「お前がどこの部隊に入るのも構わんがまさかなんの報告もなしに入るとは思わなかったぞ」

「ほんと妬けちゃうわ」

 

 加古さんは笑ってこそいるものの目は全然笑ってないし、秀次に至ってはどう見ても怒ってる

 

「説明してもらおうか」

「じっくりとね」

「はい…」

 

 

 その後事情を説明すると二人はすぐさまに二宮さんの下へ向かい、ひたすら文句を言い続けていた。二宮さんも多少負い目があったのか顔をゆがめながら黙って聞いていた。

…少しだけ胸がすいたのは内緒である

 

 

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