ボーダー唯一の男性オペレーターは今日も忙しい   作:マサフ

20 / 23
アルセウスとモンストワートリコラボとヘンタイ・プリズンで忙しかったので久しぶりの投稿です。
アルセウスでは色違いチュリネが出ました
モンストはレイジさんと出水以外のキャラが全て回収できました。やったぜ
ヘンタイ・プリズンは伊栖未が好きです


昴と二宮隊④

「用意はできたな。行くぞ」

 

「「「「了解」」」」

 

 二宮の号令に犬飼、辻、鳩原、そして昴の4人はそう返答した。

 

 

 2月、遂に二宮隊にとって2度目の、そして昴にとって二宮隊としての最後のB級ランク戦が幕を開けた。

 今回のランク戦は開始からいきなり波乱の幕開けとなった。何故なら柿崎隊、三輪隊、冬島隊、風間隊と4つの新チームが参入したからだ。この4チームにより行われたランク戦はB級下位とは思えないほどの激しい戦いとなった。特に新人王を競い合った歌川、照屋、奈良坂の三つ巴の戦いは多くのボーダー隊員の語り草となった。

 

 一方B級上位から始まった二宮隊の戦果はあまり芳しいとは言えなかった。

 

「おい鳩原」

「あはは…すいません…」

 

 険しい表情の二宮に対し鳩原は貼りついたような笑みを浮かべながら謝罪していた

 

 原因は鳩原にあった。現在ラウンド3までを終えた二宮隊だったが、その3試合にて鳩原の武器への狙撃は一度も命中していないのだ。さらに狙撃を外した鳩原はその後確実に落とされているため、他チームへ無償で一ポイントを与えてるようなものであった

 

「仕事をしろ。どういうつもりだ」

「はい、すいません…」

 

 ラウンド1、ラウンド2共に何も言わなかった二宮だったがラウンド3を終えた今、その顔には怒りが浮かんでいた

 もちろん単に狙撃を外したことが理由ではない。ラウンド3において鳩原は王子と戦う辻を援護しようと放った狙撃で誤って辻の弧月を破壊してしまったのだ。その後辻は王子によって落とされ、位置が割れた鳩原も続いて落とされてしまった。

 

「狙撃を外すのはまだいい。お前のやることが通常のスナイパーより難易度が高いことはわかってる。だがチームの足を引っ張るようなら話は別だ。そんな奴は俺のチームに必要ない」

 

 二宮は冷たくそう言い放った

 

「…はい」

 

 そんな二宮に鳩原はうなだれながら返答した

 

「…ふん、少し出る」

「あ、ちょっと二宮さん!」

 

 そういうと二宮さんは俺の静止を聞かずに作戦室を後にした

 

「鳩原先輩、あまり気に病まないでください。俺はもう気にしてないんで」

 

 最初に鳩原さんを励ましたのは辻ちゃんだった。いつもなら女性が苦手な辻だが、鳩原さんに対しては早々に打ち解けていた。本人曰く「優しかったから」とのことだ

 

「二宮さんは少し言葉がきついところがあるけどさ本気でチームから追い出そうとなんてしないからそんなに怖がらなくていいんだよ鳩原ちゃん」

「次はきっとやれますよ。元気出してください鳩原先輩」

 

 続いて犬飼と氷見さんも鳩原を励ます。氷見さんはラウンドごとのランク戦が終わるたびに作戦室へと訪れるのがお決まりとなっていた

 

「うん、ごめんねみんな。ありがとう」

 

 お礼を述べた鳩原さんの顔は暗いままであった

 

「初めてのランク戦だから緊張して当然だよ。今日のミスは確かに少し痛かったけど、同じミスは2度繰り返さなければいいんだからさ、とりあえず今日はもう休もう?」

 

 俺も言葉を出したけど鳩原さんの顔は浮かばれない。やっぱりこういう人を励ますことは向いてないな…

 俺は心の中で自嘲した

 

「桐山君は…いいの?私がうまくやって…」

「え?」

 

 言葉の意味がよくわからなかった

 

「鳩原さん、それってどういう…」

「…ううん、なんでもない。それじゃあ私もちょっと失礼するね」

「あ、ちょ鳩原さん!」

 

 そう言うと鳩原さんは作戦室を後にした。今日はよくスルーされる日だな…

 

「なあ犬飼、今のどういう意味かわかる?」

「う~ん、ごめん俺にもわからないや」

 

 犬飼は手を挙げて首を振っていた。ただ、と犬飼は言葉を続けた

 

「少し思ったのは…鳩原ちゃん、本当にただ緊張してるだけなのかな?」

 

 確かにそれは一理ある。仮にいくら緊張してるとはいえ、それを3ラウンドも引きずるだろうか?

 

「それに鳩原先輩練習では一発も外さなかったし、緊張っていうのは少し考えずらいですよね」

 

 辻ちゃんも同様だった。氷見さんの方も見るとうむとうなずいていた

 

「けど、だとすると一体どうしたんだろう…」

 

 

 

 

 

 結局いくら考えてもわからないままラウンド4が始まろうとしていた

 

 

「鳩原」

 

 出撃前、二宮は鳩原に声をかけた

 

「次こそちゃんと仕事をしろ、いいな」

「…はい」

 

 鳩原の表情は相変わらず暗いままだった

 

 

 ラウンド4の相手は弓場隊と風間隊であった。試合が始まって十数分後

 

「二宮さん、西から敵が接近してきています。おそらく弓場さんと蔵内です」

「ああわかってる」

 

 二宮隊は現在犬飼を落とされ、残り三人だった。二宮の援護をするため二宮に照準を合わせていた鳩原に昴は声をかける

 

「鳩原さん今言った通り、二宮さんに近づいてるのは多分弓場さんと蔵内だ。弓場さんの銃は他の武器と比べても小型だから狙撃は難しいと思う。だから他の場所に移動して…」

「…ううん大丈夫」

 

 別のルートを示そうとした昴だったが鳩原からは断られてしまった

 

「大丈夫?まだ撃ちやすい武器を持ってる人も残ってるけど」

「うん、任せて」

「やれるんだな?鳩原」

 

 二宮も鳩原へ確認したが鳩原の答えは変わらなかった

 

「次は…ちゃんと撃ちます」

 

 ここまで言われては昴にも止める理由はなかった

 

「わかったそれじゃあ任せた」

 

 そう言うと同時に弓場、蔵内と二宮が対峙した。

 二宮の弾幕を蔵内が撃ち落としつつ、弓場は二宮の下へと走り近づく

 

「鳩原さん!そろそろ弓場さんの間合いだ!」

 

 弓場が腰の銃へと手をかけた。鳩原はイーグレットを構える

 

「今!」

「…!」

 

 鳩原が弓場の銃へと向けて狙撃する。

 

 しかしその狙撃は弓場の銃に命中することはなかった。

 

「なっ…!」

「…なに?」

 

 弓場と二宮、敵同士の二人がどちらも驚きの表情を浮かべていた。なぜなら…

 

 鳩原の狙撃は、カメレオンで隠密をしていた歌川に命中したからだ。胸を貫かれた歌川はそのままベイルアウトとなった

 

「マジか…!」

 

 作戦室にて見守っていた犬飼も思わず言葉をこぼしていた。

 

「鳩原ちゃんナイスキル!すごいよ!」

 

 笑みを浮かべた犬飼は喜びのままに鳩原へと通信をする。しかし

 

「鳩原ちゃん?」

「はーっ、はーっ、はーっ…!」

 

 鳩原は返事をすることなく息を荒げていた

 

「おい鳩原どうした。鳩原」

 

 二宮も弓場と交戦しつつ通信するが一向に返事が返ってくる様子はない

 

 

「鳩原さん、大丈夫?返事して鳩原さん」

 

 昴も呼びかけたが結局返事が返ってくることはなく、鳩原はその場から一歩も動かずに落とされたのだった

 作戦室にてそれを見ていた昴は犬飼に告げる

 

「犬飼、鳩原さんに何かあったのかもしれない。鳩原さんを頼む」

「うんわかった」

 

 何かを察した犬飼はそう告げ鳩原の下へと向かった

 

「桐山先輩、鳩原先輩に何かありましたか?」

「昴、鳩原はどうなった?」

 

 戦場に残った二宮と辻はほぼ同時に昴に尋ねた。辻は心配そうな表情で、二宮は険しい表情で

 

「今は犬飼が様子を見ています。話は後にしましょう」

「…辻、了解」

「…わかった」

 

 辻と二宮はそう了承すると戦いの場に戻るのであった

 

 その後試合はペースが崩れた二宮隊の敗北で幕を閉じたのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「鳩原さん!」

 

 試合終了後、即座に鳩原の下へと向かった。そこでは犬飼が鳩原さんを介抱していた

 

「あ、キリくん」

 

 犬飼もいつもの笑みを浮かべずに心配げな表情で鳩原さんの背中をさすっていた

 その後、試合を終えた二宮さんと辻ちゃん、そしてランク戦を観覧していた氷見さんも息を切らしながら作戦室へとやってきた

 

「ひゃみちゃん、鳩原ちゃんのこと少し任せていい?男の俺じゃ限界もあるからさ」

「…はいわかりました」

「ありがとう、頼むよ。落ち着いたらまた呼んでね」

 

 そういって氷見さんに鳩原さんを任せた犬飼は俺たち三人を連れて作戦室を出た

 

「それで何があった」

 

 開口一番そう尋ねたのは二宮さんだ

 

「はい、まず鳩原さんは弓場さんを撃った後その場から一歩も動かずに時枝に落とされました。俺と犬飼がいくら呼びかけても返事はなかったです」

「それで鳩原ちゃんがこっちに戻ってきた後、俺が様子を見に行ったんですけど…」

 

 犬飼は悲しげな表情を浮かべながら答えた

 

「鳩原ちゃん、その場で吐いてました」

「なんだと?」

「俺の声も聞こえてなかったみたいで…多分人を撃ってしまったショックからだと思います」

 

 人が撃てないと言うのは聞いていたがまさかそこまでだったとは… 

 二宮さんと辻ちゃんも驚きを隠せていなかった。特に辻ちゃんの驚きは大きかったようだ

 

「鳩原先輩…大丈夫でしょうか」

「今はまだわからないね」

 

 辻ちゃんは今にも鳩原さんの下へと向かいたいような心配した表情を浮かべていた

 

「…とにかく、話は鳩原が落ち着いてからだ。いいな」

 

 了解、そう返事を告げると俺たちは無言のまま鳩原さんの回復を待った。結局氷見さんから連絡が来たのはそれから20分後だった

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。