ボーダー唯一の男性オペレーターは今日も忙しい   作:マサフ

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昴と東隊

昴が東と月見の下で師事してから約半年が過ぎた。半年も指導を受けた甲斐があってか気が付けば昴のオペの腕はA級部隊のオペレーターと比較しても遜色ないものとなっていた。

 

「気が付けばもう半年かぁ…」

 

 色んなことがあったなぁと昴は考え込む

 オペレーターの修業はもちろん、個人・B級ランク戦を見ての研究も相変わらず続けていた。いずれ自分で作戦を組むとなったらきっと役に立つからだ。他にも加古さんの炒飯を秀次やたまに二宮さんも巻き込みながら食べたり、(余談だが加古さんの炒飯をよく食べる仲で最近堤さんと仲良くなった)テスト前になって急に泣きついてきた国近さんと一緒にテスト勉強したり(甘い雰囲気?国近さんの赤点回避に必死でそんなのこれっぽっちもなかったよ?)…あのときは月見さんも太刀川さんの面倒見るのに必死そうだったなあ…二宮さんも月見さんに頼まれて少し手伝ったらしいけど、「もう二度と手伝わん」って死ぬほど不機嫌そうな顔で言ってたっけ…

 

(なんか半分くらいオペレーター関係ないな)

 

まあいいや

 月見さんと東さんの指導は相変わらず厳しいものだったが辞めたいと思ったことは一度もなかった。着実に自分の力が増しているのがよくわかるからだ。指導は厳しいけど普段は優しいし、東さんがたまに連れていってくれる焼肉はとてもうまい。

 

 二宮さんとは防衛任務以来、普通に話せるようになった。まあそこまで話す機会が多いわけでもないけど、それでも嬉しいものは嬉しい。後話し始めてわかった、あの人割と天然だ。そういうところが加古さんに面白がられてるんだろうけど本人は気づいてない。

 

 加古さんはあの防衛任務からよく話すようになった。後から聞いた話だが、あの日俺が気絶してる間に妹と電話で話したらしく、それ以来俺の妹が気に入ったようでその後もたびたび連絡してるようだ。普段はいい人なのだがあの炒飯だけはできれば勘弁してほしい。犠牲…人数を増やせば俺のサイドエフェクトで回避できる可能性が上がるのだが、そんなことに友達を巻き込むわけにはいかないので毎回ただの運ゲーと化している。ただ太刀川さんだけは一度無理やり押し付けられたのであの人だけは例外。巻き込めるときは巻き込んでます。

 

 秀次は相変わらずといったところ。ひたすらネイバー撲滅を掲げている。少し視野が狭くなってるんじゃないかとは思うが、それが今の秀次の生きる目的になってるわけだし、止める気はない。生き方は人それぞれだ。

 

 まあそんなこんなで今日も過ごしている。そういえばもう一つ大事なことがあった。今期のランク戦で東隊が目標としていたA級1位の座がそこまで迫っているのだ。明日は最終ROUND、ここで勝利すれば東隊はA級1位になれる。今まで東隊のみなさんの努力は俺もよく見てきたし、この部隊ならA級1位も夢ではないと思っていたがいざその時が迫ると俺も興奮してしまう。もちろん明日は全力で応援するつもりだ。

 

 

 

 

 そんなことを考えていたのだが

「桐山君、明日の最終ROUNDはあなたがオペしなさい」

「はいぃ!!??」

 

 流石にこれは予想できなかった

 

「いやいや!いやいやいやいやいや!!!明日の最終ROUNDは東隊のA級1位がかかってる戦いですよね!?それをなんで俺がオペ!?」

 

 月見さんにそう反論する。当然だ、明日のランク戦は今までのランク戦の一種の集大成ともいえるものだ。そんな大事なランク戦を俺がオペするなんて考えただけでも吐きそうになる

 

「あなたの今までの成果を試すためよ。こんないい機会はないわ」

 

 月見さんはそう返した。いやいやいや

 

「それに前から東さんと話し合ってたのよ。もし東隊の最後の試合の時には卒業試験代わりに桐山君にオペしてもらおうと思ってね」

 

ん?最後?卒業試験?

 

「あの最後って…どういう意味ですか?」

 

俺の質問に東さんが答えた。

 

「ああ最初から決めてたことなんだが、東隊はA級1位になったら解散する予定なんだ」

「え…?」

 

 東隊が解散?俺はしばらく呆然としてしまう

 

「どうしてですか?」

「もともとこの部隊は忍田さんから見込みのある隊員を鍛えるために結成された部隊なんだ。だから目標のA級1位を取ったら解散して、それぞれの部隊をつくることになってるんだよ」

 

 そういえば秀次や加古さんも言っていた…いずれは自分たちの部隊を作る予定だって

 

「だからこの最終ROUNDが卒業試験みたいなものだ。3人にとっても、お前にとってもな」

 

 東さんは昴の目をみてそういった

 

「でも…」

 

 渋る昴に二宮が迫った

 

「自信がないならやるな。邪魔になるだけだ。」

「二宮さん…」

「前に言ったはずだ。精進しろ、行動で示せ、とな。あれ以来お前も腕が上がってると思っていたが…俺の見込み違いだったか?」

 

 二宮の言葉に加古が続く

 

「二宮君はああ言ってるけど桐山君はどう思ってるの?私はあなたの努力を見てきたからそうは思わないわ。二宮君も見る目がないわね」

「おい加古、茶化すな」

「加古さん…」

 

最後に続いたのは三輪だった

 

「心配するな昴、お前ならやれる。オペレーターに転向して半年経ったが、お前の努力は俺も見てきたし、よくやってる。その力を示すいい機会じゃないか。見せてくれ、お前の腕を」

「秀次…」

 

 ここまで言われたら俺も引き下がるわけにはいかない

 

「…わかりました、俺やります!必ずみなさんを勝利に導いて見せます!!」

「はは、頼もしいな昴。それじゃあ明日は頼むぞ」

 

 ここまで期待されてるんだ。答えないわけにはいかない。必ずやってみせる!

 

 

 

翌日

 

「そろそろ始まるな」

 

 いよいよ本番が迫る。最終ROUNDの相手は太刀川隊だ。リーダーのNo.1アタッカー太刀川慶が率いるボーダー屈指の精鋭部隊。太刀川隊と東隊は既に何度か戦っており、勝率は東隊の方が上だがそれでも油断はできない。なにせ太刀川隊は太刀川が東隊と戦ってみたくて作った部隊だ。

 その勢いは東隊に迫るものがある上、もし太刀川隊が破れれば東隊は解散してしまう。戦闘馬鹿の太刀川にとってそれは何としても避けたい展開だろう。今日の戦いは今までの戦いの中で最も激しいものになる、それは両部隊とも認識していた

 

「みんな、これがおそらく東隊としての最後の戦いになるだろう。相手は強いがこれに勝てばA級1位だ。無事勝利してみんなでうまい焼肉を食いに行こうな」

 

東が隊員たちにそう宣言した

 

「もちろんです。誰が相手でも俺が撃ち落とします」

「この部隊での最後の戦いと思うと少し寂しいけど、勝って華々しく終わらせましょう」

「はい、必ず勝利します」

 

二宮、加古、三輪の3人は決意を胸に秘めそう答えた

 

「昴、お前にとっては最初で最後の戦いになってしまうが…いけるか?」

「はい、もちろんです!皆さんの力ならきっと勝利できます!なので俺も皆さんが勝利できるよう全力でオペさせていただきます!!!」

 

昴は、絶対に皆さんを勝利に導く!強い決意を胸に秘め東の問いに答えるのだった

 

「よし!時間だ!行くぞ!!」

 

「「「「はい!!!」」」」

 

 東隊最後の戦いが始まる

 

 




こんな風に終わらせましたが結局戦闘は書けないのでダイジェスト方式になるかと思います…
後ランク戦が一部隊vs一部隊なのはこの頃はまだボーダーの隊員数自体が少ないため、それに伴ってチームも少ないのでは?と考えたからです。

メタ的にいえばこの頃のA級部隊が東隊と太刀川隊くらいしか思い浮かばないからです…
風間隊はまだ結成してないし、嵐山隊はこの頃まだB級みたいだし…
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