『皇帝の部屋』
カラフルでポップな文字が配信画面に流れるが、BGMはやる気のない男の声で本家よろしくの例の音楽を歌っている。
オマージュってことなんだろうが、もう少しほかになかったのだろうか?
コメント 歌助かる
コメント 相変わらずで草
コメント もはやこれを聞かないと夜しか眠れない
どうやら好評のようだ。なんでやねん。
そして画面がスタジオに移り変わると、アドラッシュ先輩と赤坂先輩の立ち絵が映される。
「ようこそ諸君。余こそこの番組の王であり、このレインボーの皇帝アドラッシュ=ドラギオンだ」
「アシスタントの赤坂優菜です」
コメント うおおおおおおおお!
コメント きたあああああああ!
コメントが沸き立つ。同時接続人数を見てみると、4万人を記録していた。野球球場と変わらないレベルだ。自覚してみると緊張してくるな。
「そして今日は余の番組に招待された者たちを紹介しよう。レインボー4期生どもだ」
「は~い★! ご紹介されました! オタクのみんなこんばんはー! レインボー4期生三笠 光です★! よろしくお願いします!」
「くっくっく我が名はまるめろ! 青魔族随一の魔術師にして爆発魔法を操るもの! この度はこのような宴にご招待いただき感謝します!」
「こんれい~。加志駒令子です。今日はみぃちゃんはいないけど、みんながいるから寂しくないよ。よろしくお願いします」
「こんジル。レインボー4期生ジル=ホワイトだ。正直緊張で足が震えているので今すぐ帰りたい」
コメント 三笠かわいい
コメント まるめろは通常運転やなぁ
コメント ......そうか、今日は物音は聞こえないのか。残念
コメント ジルwwwww
コメント こいついつも帰りたがってんな
「そういえば、ジルよ。先ほどの弁当大変美味であったぞ」
「今言うことかよ!? あ、すいません」
「構わん。それで今度はいつ作ってくれるのだ?」
「作る前提かよ!? あ、すいません」
「構わん。それで......」
「はいはいはい! お弁当の話はあと! 自己紹介が終わったら、次のコーナー行く」
「分かった......ちっ」
コメント wwwww
コメント がっつり舌打ちしてて草
コメント どんだけお弁当食べたかったんだよwww
コメント 相変わらずMCが自由すぎるwww
焦った……。いきなり番組の流れとかぶった切って世間話とかするか普通? いや、普通じゃねえからこの世界の頂点なのか。終わってんなこの世界。
それは本音寄りの冗談として。
アドラッシュ先輩は渋々次のコーナーに行く。
「次は貴様らのことを丸裸にさせてもらう。優菜」
「はい、説明するわね。今からみんなに質問をするから、その答えを手元のタブレットに書いてください。それじゃあどうぞ」
question1. 尊敬する、又は好きなライバーは?
「そろそろ書けたか? それでは面をあげよ」
『真実 美波(みなみ みなみ)』
『邪眼竜先輩!!!』
『優菜さん』
『同期』
「……よし、次の質問は」
「こらこら、自分がいなかったからって飛ばそうとしないの。まず光ちゃん。何で美波なの?」
真実 美波とはレインボー一期生で、その清楚(偽)さとクレイジーな企画が人気のライバーだ。
「やっぱりあのぶっ飛んだ企画も好きなんですけど意外に歌がうまかったりホラーが苦手なところが可愛かったり、一言で言うと推しです!」
コメント めちゃくちゃ早口で草
コメント 《悲報〉オタクに厳しいギャル、自分もオタクだった
コメント 赤ちゃんちょっと引いてるじゃんw
「あはは、後で美波にも伝えておくわね。じゃあ、次まるめろ」
指名されると、まるめろは感傷に浸るように上を見上げ。
「そうですね、あれは雨が降る日でした。その日私は魂を損傷していたのですが、そんな時邪眼竜先輩が颯爽と私の目の前に現れました。その時私は奥底から共鳴する何かを感じたのです!」
「傷心中に邪眼竜先輩の配信を見て救われたのが理由だそうです」
「今のそう言う意味なの!? というか、よく分かったわね」
「まあ、何となく」
コメント 翻訳助かる
コメント まるめろの切り抜きより正確っぽくて草
コメント この勇者やはり同士なんじゃないか?
何かコメント欄で名誉毀損されてる気がする。俺はノーマルだっての。
「次は令子ちゃん。まさか私が書かれるとは思わなかったらびっくりしたわ」
「私、元々レインボーの箱推しだったんですけど、優菜さんは個性的なメンバーをしっかり纏めるお姉さんって感じがすごい好きなんです。レインボーは優菜さんなしでは成り立たないとも思ってます」
コメント それはそう
コメント 皇帝と風紀委員の諍いを仲裁できるの赤ちゃんだけやし
コメント 公式番組でも自由すきる奴らしっかり纏めて時間通りに終わらすし
コメント 箱推しなら納得の人選
「あはは……ありがとう。嬉しいわ」
「語彙力がない時は本当に照れている時だ。良かったな幽霊娘」
「るっさい!」
コメント 赤ちゃん照れてて可愛い
コメント てぇてぇ
コメント この2人の絡みからしか得られない栄養素がある
赤坂先輩は息を吐き心を落ち着かせた。
「じゃあ、ラストジルくん。同期ってことだけとこれは3人とも好きってことでいいかしら?」
「ライバーとしてですけどね。俺同期の配信しか見てないんで」
「ちなみにどんなところが好きなの★?」
三笠からのキラーパスの攻撃! ジルには効果抜群だ!
お前ふざけんなよなぁ……。よく見れば三笠はにやけ顔だった。何お前、ツンデレって言ったの根に持ってたの? 他の2人もじっと見てくんな。
「そっすね。まるめろは素直にゲームを楽しんでるのが伝わってくるし、リアクションも面白いんで見てて飽きないですね。もうちょい自発的にコラボ誘えって思いますけど。加志駒はホラゲーも好きなんですけど、歌がすごいうまいんですよね。最近出した歌ってみたもサビの力強さが気持ちよかったし。三笠は生意気な言動が悪目立ちするけど気遣いがすごい。先輩とのコラボでもさらっとフォローしてたり、プロレスに持っていったり、配信のメリハリをつけるのも上手いですよね」
コメント めちゃくちゃしっかり見てて草
コメント 営業なのかと思ったらw
コメント 同期大好きじゃん
「その……」
「えっと……」
「……んだよ、お前らリアクションしろよ! 本気で照れられるとこっちも気まずいんだぞ!」
「こ、こんなしっかりとした答え返ってくると思ってなかったんだから仕方ないじゃん! どうすんのこの空気!」
「知るか! 元々お前が変なこと言うのが悪いんだろ! バーカ、バーカ!」
「このクソ勇者……」
コメント バーカ、バーカってwww
コメント ジル君ヤケになってるの草
コメント 四期生てぇてぇな
「ふっ、勇者が同期を好きなことは伝わった。次に行くぞ」
「ふふ、そうね」
くっ、微笑ましいものを見る目が痛い! だから言いたくなかったんだ!
波乱はあったが、その後はテンポ良く番組も進行していく。そして、ついに最後の質問となった。
「最後の質問はこれだ」
『四期生歌ってみた楽曲製作中!』
は、歌ってみた? というか質問じゃねえし!
どう言うことだと周りを見るが、他の3人は知っていたのか驚いていなかった。え? 俺だけ知らなかったの? ハブ?
「はーい★! 今出た通り、デビュー1ヶ月を記念して4人で歌う歌ってみたを現在作成中です!」
「まだ、収録はしていませんが素晴らしい出来になることは間違い無いでしょう!」
「そのうち投稿されるからみんな聴いてね〜」
「ちょ、そんな話し聞いてないが!?」
コメント うおおおおお!
コメント 楽しみー!
コメント 1人ついていけてないやついて草
「一応ジル君のマネさんからはオッケー貰ってるよ★」
「本人は!? 本人寝耳に水だけど!?」
「最初はジルにも伝える手筈でしたよ。しかし、ジルのマネージャーがジルはたぶん歌は渋るから、先に逃げ道塞いじゃえって」
「あのやろおおおお! ふざけんなああああ!」
コメント wwwwww
コメント ライバーもライバーならマネージャーもマネージャーだな
コメント さすがレインボー
コメント これはジル君逃げられないなぁ
コメント お歌楽しみw
……おかしいと思ったんだ。不自然に質問黒塗りされてるし、ディレクターもマネージャーも露骨に誤魔化してくるし。何か答えづらい質問ぶっ込んでくるかと思いきや、ドッキリかよ。公式番組でドッキリしてくんなや。
「それでは質問コーナーはここまでだ! 最後に番組の感想を言ってみろ」
「じゃあ、光ちゃんから順に行こうか」
「はーい★! 今日はずっと憧れてたアドラッシュ先輩の番組にでれて夢のような時間でした! すごい楽しかったです! また呼んでください!」
「右に同じです!」
「同じく〜」
「考えろや! ……そうですね、番組は! すごい楽しかったです。ただこの後、マネージャーとお話しをする必要がありそうなのが残念です。主に報連相について説教してやろうと思います」
「ふふ、こってり絞ってあげなさい」
コメント 止めないんかい笑
コメント 推奨してて草
「あと歌に関しては発表してしまった以上仕方ないと思うので、精一杯頑張ります」
……たぶん。メイビー。おそらく。
「であるか。それでは今日の番組はここまで! MCはアドラッシュ=ドラギオンと!」
「アシスタントの赤坂優菜でお送りしました!」
「次回も是非みに来るがいい! さらばだ!」
真実 美波(みなみ みなみ)
身長154 風紀委員にしてアイドルjk。黒髪セミロング、可愛い系。清楚(偽)。やばい企画をいくつもしており、レインボーの諸悪の根源と呼ばれている。
アドラッシュとは犬猿の仲。コラボの度にいがみあい、赤坂が仲裁している。