拙い文とデュエルスフィンクスですがよろしくお願いします。
さぁ、エンジョイデュエル!
「貴方の運命は既に決まっています。」
髪を揺らしながら死んだ瞳が一人の男のデュエリストを見つめる。赤と青の二色の瞳の持ち主のフィールドには一見すると機械族にも見える歪な姿のモンスターが一体と伏せカードが一枚あった。しかし、男のデュエリストのフィールドにはカードは一枚もなく手札もない。男は墓地も焦って確認するが攻撃を防げるカードは存在しなかった。一度だけ攻撃を防げるネクロ・ガードナーでもいればまだ希望を持てただろう。だが既に運命は決定した。
「何で俺のターンが来ないんだ・・・!お前は何なんだ!!」
受け入れがたい現実を否定する男に紅い瞳の主は己の下僕に攻撃命令を降す。男のLPは100、この攻撃が決まれば0となり敗北する。この運命は壊れない。
「アルカナフォースXXI-THEWORLDでダイレクトアタック。」
このモンスターはある意味で人の運命を狂わせる。かつて運命に抗いその運命を壊そうとしたデュエリストがいたそうだ。残念ながらそのデュエリストの名は今となってはわからない。多分、モンスター効果で通常魔法を当てるすごい人だろう。
《アルカナフォースXXI-THEWORLD》
効果モンスター
星8/光属性/天使族/攻3100/守3100
このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した時、コイントスを1回行い、その裏表によって以下の効果を得る。
●表:自分のエンドフェイズ時に自分フィールド上のモンスター2体を墓地へ送って発動できる。次の相手ターンをスキップする。
●裏:相手のドローフェイズ毎に相手の墓地の一番上のカードを相手の手札に加える。
「オーバー・カタストロフ」
冷淡な声で告げられた攻撃は眩き光となり男を塗り潰しLPを0にした。
「うぁ、ァア、ぁああああああああああああ!!」
ARヴィジョンの衝撃をもろに受けた男が地面に叩きつけられると同時にデュエル終了を告げるブザーが鳴り勝者が映し出された。勝者は十代前半もしくは後半の白髪の少女。服装は所謂、ゴシックロリータ、ゴスロリで黒を基調としておりフリル付きのカチューシャや長いスカートは夏場はかなり暑いと思われる。勝利したのに少女に笑みはなく無表情で倒れる男へと引き寄せられたように近づく。途中で左目に装備していたDゲイザーとデュエルディスクを外す。
(今夜はこれで四人目。試作品のデッキでもそこそこ回せましたね。これも運命がなせる技でしょうか。強運とは嬉しいものです。デュエルです、とにかくデュエルです)
倒れた男のデュエルディスクからは一枚のカードが零れ落ちていた。カードの枠は黒でエクシーズモンスターであることがわかる。だがイラストはなくテキストも白紙だった。しかし、何故かカード名の部分にはNo.と文字だねが書かれている。普通は人のカードを奪うというのは褒められた行為ではなく立派な窃盗罪にあたる。この場には彼女がカードを奪うのを止める人間はいない。
「
少女は自身の記憶を漁るがNo.などというカードは見たことがなかった。デュエルが日常となっている自分も知らないカードとなると俄然興味が湧いてきた。腰を屈める少女はそのカードに触れた。
「クッ、なにこの感じ!?」
カードからどす黒い波動のようなものが溢れ出す。少女の心の闇へと波動は侵入し嫌な記憶や過去を思い出させる。少女は黒い記憶を無理矢理振り払い手にした黒いカードを手放した。手放す寸前まで少女の瞳の中に二桁の数字が浮かんでいたのは誰も気づかない。重力に任せて地面に落ちたカードは何事もなかったかのように黒い波動を出さない。
(このカードが見せていた・・・?ただのカードにそんな力があるなんて信じられない。でも私のカードも・・・)
常識で考えればそうだがこの世界ではちょっと違うかもしれない。少女はこのカードがNo.と呼ばれとある人物の記憶の欠片であるとはまだ知らない。
「・・・そんなバカなことがあるわけない」
そう言いながらも震える手で少女はもう一度、No.へと触れた。すると今度は何も起きずにカードは彼女の手の中へと収まる。
(え、今度は何もない?)
拾い上げたカードを見つめながら少女は考える。拾ったカードの怪しい魔力に取り憑かれているようにも見えた。そして、白紙のカードにイラストとテキストが浮かび上がる。
「ランク4のモンスターエクシーズ」
少女のデッキで使えないカードではない。むしろカード効果も少女向きだった。
「No.85クレイジー・ボックス」
箱のようなモンスターが描かれており箱には85という数字が刻まれている。No.85クレイジー・ボックス!。この不思議なカードを手にした瞬間、彼女の運命は変わり始めた。
「効果は私好み・・・」
メリットとデメリットを持つモンスターを彼女は好む。特にギャンブルデッキと呼ばれる運任せなデッキを回すのが好きだった。先程のデュエルも半ば運任せのようなもので自身のカード効果で追い詰められる可能性もあった。尚、何処ぞのキングは、キングのデュエルはエンターテイメントなければならないと言っていたらしい。そういう観点から見れば少女のデッキは正解かもしれない。
(元々、アンティルールでの勝負だったしいただいておこうかな)
デッキケースにそのカードを入れると少女はこの場から去ろうとする。風が吹きスカートが靡いたと思った直後、時が静止した。
(なにこれ?)
正確には時の流れを遅らせているらしいのだが今の彼女が知る術はない。そして、今後もそのことは語られるのとはないだろう。静止した時間の中で不意に口笛が聞こえてきた。決してハーモニーではない。幻聴でハーモニーが聞こえたなら満足しよう。
「人の心に淀む闇を照らす光」
足音が鳴り少女の背後に気配が感じられた。そして、静かに声が響く。
「人は俺を、ナンバーズハンターと呼ぶ・・・」
一人の少年が現れた。
(なんなの・・・この人)
現れた人物に対してファンサービスに対する感想と同じものを感じた。それと少女はその声の主の言葉に対して呼びません、とは言ってはいけない気がした。
「貴方、何者ですか?この現象は?」
少女は静止した時の中を一台のロボットと一緒に佇む青年に問う。少女は黒を基調としたコートを纏い奇抜な髪型をしていた。例えるならマヨネーズ、イチゴとでも言おうか。後、弟の名前をよく叫びそうな顔をしていた。しかもかなりうるさそうだ。
「消えゆく者に名乗る名前はない」
質問に答えない。しかし、白髪の少女は気にする様子もなく怪しく笑う。少女は口調こそ敬語で丁寧だがデュエルに貪欲で赤い帽子の男のようなデュエルマシーン体質に近いようだ。
「フッ・・・私好みの答えです」
少女の反応を見ると少年の腕から赤いアンカーのようなものが飛び出し少女の腕へと絡みついた。アンカーはすぐに消えるが少女の腕にはロープに縛られたような感覚がする。
「ならば貴様のNo.を賭けてデュエルだ。言っておくが、デュエルが終わるまでこれは外れない」
(No.、やっぱりあのカードのこと。ということはあのNo.というカードは他にも複数存在する。アンティルールなら慣れっこだし負けてもカードを一枚失うだけ・・・ちょっとだけなら)
No.という未知の存在に魅力された少女はデッキをデュエルディスクにセットする。まだ少女は知らない。No.というカードに秘められた危険に。
「わかりました。デュエルです」
「女とて容赦はしない」
二人は薄い笑みを浮かべるとデュエル開始の儀式のようなものに入る。
「デュエルディスク、セット!」
少女の腕に装着された機械が展開される。
「デュエルモード・フォトンチェンジ!」
少年の服が黒から白へと光粒子で書き換えられていく。
「Dゲイザーセット!デュエルターゲットロック!」
「狩らせてもらおう貴様のNo.!その魂ごと!」
少女が左目にDゲイザーを装着するのに対して少年は目の周りに紋章のようなものを浮かび上がらせるだけだった。
『ARヴィジョンリンク』
「「デュエル!!」」
少女:LP4000
少年:LP4000
「先攻は私、ドロー。私は永続魔法《神の居城-ヴァルハラ》を発動」
《神の居城-ヴァルハラ》
永続魔法
自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、手札から天使族モンスター1体を特殊召喚する事ができる。この効果は1ターンに1度しか使用できない。
手札五枚。
「ヴァルハラの効果。自分フィールドにモンスターが存在しない場合手札より天使族モンスター、一体を特殊召喚することが出来ます。来て、アルカナフォースXXI-THEWORLD。」
機械のような歪な天使がフィールドに降臨する。手札四枚。
「攻撃力3100のモンスター・・・」
「THEWORLDの効果発動。このモンスターは正位置か逆位置かで効果が決まります。廻れ運命」
アルカナフォースXXI-THEWORLDのカードが回転を始める。独特の音を鳴らしながらアルカナフォースXXI- THEWORLDはゆっくりゆっくりと回転していく。少女は回転するカード
「正位置で止まります」
そして、時計の針が零時を指すかのようにTHEWORLDは正位置で止まった。
「当然正位置です」
自慢気に少女は言う。
「だからどうした。そのモンスターがいかなる効果があろうとも俺には関係ない」
「でも動き始めた運命は誰にも止められません。THEWORLDの正位置の効果は自分、エンドフェイズ時に自分フィールド上のモンスター二体を墓地に送ることで相手ターンをスキップすること。つまりずっと私のターンということです」
「貴様の言う通りなら厄介なモンスターだが貴様の場にはそいつしかいない」
「そうですね、今は。私はカードを二枚伏せてターンエンド」
モンスター:アルカナフォースXXI-THEWORLD。
手札:3
魔法・罠:2
永続魔法:神の居城ヴァルハラ
フィールドにはTHEWORLDと伏せカードを二枚残して少女はターンを終える。
「俺のターン!ドロー!俺はフォトン・スラッシャーを特殊召喚!続けてフォトン・クラッシャーを通常召喚!」
フォトン・スラッシャー
特殊召喚・効果モンスター
星4/光属性/戦士族/攻2100/守 0
このカードは通常召喚できない。自分フィールドにモンスターが存在しない場合に特殊召喚できる。
(1):自分フィールドにこのカード以外のモンスターが存在する場合、このカードは攻撃できない。
フォトン・クラッシャー
効果モンスター
星4/光属性/戦士族/攻2000/守 0
このカードは攻撃した場合、ダメージステップ終了時に守備表示になる。
(光属性の戦士族?ということはあのカードにも警戒する必要がありますね)
フィールドに降りた立った二体の光の戦士を眺めながら少女は今後の展開を予想する。
「俺はレベル4のフォトン・スラッシャーとフォトン・クラッシャーをオーバーレイ! 二体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築! エクシーズ召喚! 現れろ、《輝光子パラディオス》!」
《輝光子パラディオス》
エクシーズ・効果モンスター
ランク4/光属性/戦士族/攻2000/守1000
光属性レベル4モンスター×2
1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を2つ取り除き、相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動できる。
選択したモンスターの攻撃力を0にし、その効果を無効にする。また、フィールド上のこのカードが相手によって破壊され墓地へ送られた時、デッキからカードを1枚ドローする。
「私の知らないモンスターエクシーズ・・・」
未知とは恐怖である。少女は自分の知らないモンスターに警戒する。
「輝光子パラディオスのモンスター効果、一ターンに一度このカードのオーバーレイユニットを二つ取り除き相手モンスターの効果を無効にし攻撃力をゼロとする!」
光の粒子の戦士から光が放たれようとする。このままでは3100の高火力が一瞬にしてゼロとなってしまう。そしてTHEWORLDが攻撃されれば少女は2000の大ダメージを負う。
「リバースカードオープン。ブレイクスルースキル。相手モンスター、一体の効果をこのターンの終わりまで無効にする」
《ブレイクスルー・スキル》
通常罠
相手フィールド上の効果モンスター1体を選択して発動できる。選択した相手モンスターの効果をターン終了時まで無効にする。
また、墓地のこのカードをゲームから除外し、相手フィールド上の効果モンスター1体を選択して発動できる。選択した相手の効果モンスターの効果をターン終了時まで無効にする。この効果はこのカードが墓地へ送られたターンには発動できず、自分のターンにのみ発動できる。
「俺はカードを一枚伏せてターンエンドだ」
モンスター:輝光子パラディオス
手札:3
魔法・罠:2
(一応、THEWORLDは守れたけど。光属性を殴るって怖いですね。私も言えた義理じゃないですけど)
光属性が恐れられる理由は主に一枚のカードにある。そのカードはガチムチの筋肉質の天使で声が何処かの元キングに似てるらしい。光属性のお供とも呼ばれ数々のデュエリストを返り討ちにしてきた。折角、召喚したエースモンスターがリクルーターモンスターに負けるなどザラにあった。名言として、ダメステいいっすか、が有名である。
「私のターン、ドロー。私はTHEWORLDで輝光子パラディオスを攻撃。オーバー・カタストロフ」
「罠発動!
《光子化》
通常罠
相手モンスターの攻撃宣言時に発動する事ができる。
相手モンスター1体の攻撃を無効にし、その相手モンスターの攻撃力分だけ、自分フィールド上に表側表示で存在する光属性モンスター1体の攻撃力を、次の自分のエンドフェイズ時までアップする。
(これで次のターンにはTHEWORLDは破壊されますね)
パラディオスの攻撃力が5100となる。
「メイン2。私はTHEWORLDをリリースして光帝クライスをアドバンス召喚」
黄金の鎧を纏った帝がフィールドに降り立つ。
《光帝クライス》
効果モンスター
星6/光属性/戦士族/攻2400/守1000
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、フィールドのカードを2枚まで対象として発動できる。
そのカードを破壊し、破壊されたカードのコントローラーは破壊された枚数分だけデッキからドローできる。
(2):このカードは召喚・特殊召喚したターンには攻撃できない。
「光帝クライスの効果発動。フィールド上のカードを二枚まで破壊できる。私はパラディオスと私自身の伏せカードを選択。破壊された《黄金の邪神像》の効果発動」
《黄金の邪神像》
通常罠
セットされたこのカードが破壊され墓地へ送られた時、自分フィールド上に「邪神トークン」(悪魔族・闇・星4・攻/守1000)1体を特殊召喚する。
邪悪な像が黄金の帝の隣へと守備表示で出現する。
「そして、破壊されたカードのコントローラーは破壊されたカードの分だけドローする。私は一枚、貴方も一枚」
「だが俺はパラディオス効果でもう一枚ドローさせてもらう」
二人はデッキからカードを一枚ドローする。少女の手札三枚、少年は五枚となる。
「カードを一枚伏せてターンエンド」
淡々とした様子でカードを伏せてターンを終えた。冷徹かつ無感情なデュエルだ。手札は二枚となる。
モンスター:光帝クライス、邪神トークン
手札:2
魔法・罠:1
永続魔法:神の居城ヴァルハラ
「俺のターン!ドロー!」
(クライスと邪神トークンで攻撃は二回防げる。仮に全滅してもヴァルハラの効果でこの子を・・・)
少女が心の中で次の手段を考えていると少年が魔法カードを発動させ二体のトークンを生み出す。手札四枚となる。
「俺は《フォトン・サンクチュアリ》を発動!」
《フォトン・サンクチュアリ》
通常魔法
このカードを発動するターン、自分は光属性以外のモンスターを召喚・反転召喚・特殊召喚できない。
自分フィールド上に「フォトントークン」(雷族・光・星4・攻2000/守0)2体を守備表示で特殊召喚する。このトークンは攻撃できず、シンクロ素材にもできない。
「フォトントークンは攻撃も出来ずこのカードが発動したターン、俺は光属性以外のモンスターを召喚出来ない」
トークン二体を生み出す代わりに発生するデメリットは以外に大きいが光属性中心のデッキならば問題ない。
(黄金の邪神像と同じくアドバンス召喚の為にトークンを生み出すカード。二体ということな上級モンスターと見て間違いない)
「俺はフォトントークンをリリースし
少年の手に光の粒子が集まると十字架もしくは手裏剣のようなものが握られる。それを少年は天へと高く投げる。一連の動作を少女は眺めながらもこれから召喚されるモンスターの巨大さを予知していた。
「闇に輝く銀河よ、希望の光になりて我が僕に宿れ!光の化身、ここに降臨!現れろ
「ギャラクシー、アイズ・・・フォトンドラゴン」
その瞳に銀河を宿した力強く竜が舞い降りる。その光は黄金の帝クライスをも上回りフィールドを眩く照らす。その姿は青き瞳の竜や黒き瞳の竜、星屑の竜達を思い出させる。
《銀河眼の光子竜》
効果モンスター
星8/光属性/ドラゴン族/攻3000/守2500
このカードは自分フィールド上に存在する攻撃力2000以上のモンスター2体をリリースし、手札から特殊召喚する事ができる。
このカードが相手モンスターと戦闘を行うバトルステップ時、その相手モンスター1体とこのカードをゲームから除外する事ができる。この効果で除外したモンスターは、バトルフェイズ終了時にフィールド上に戻る。
この効果でゲームから除外したモンスターがエクシーズモンスターだった場合、このカードの攻撃力は、そのエクシーズモンスターをゲームから除外した時のエクシーズ素材の数×500ポイントアップする。
(攻撃力3000、THEWORLDなら倒せる。それに墓地にあるブレイクスルースキルを使えばどんな効果であろうと無効に出来る)
「
「くっ!」
LP4000→3400
クライスが光の渦に飲み込まれ爆散する。
(たかが400ポイントのダメージくらい安いもの)
「俺はカードを一枚セットしターンエンドだ」
モンスター:
手札:2
魔法・罠:1
「私のターン、ドロー。私は邪神トークンをリリースし《光神テテュス》をアドバンス召喚」
《光神テテュス》
効果モンスター
星5/光属性/天使族/攻2400/守1800
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、自分がカードをドローした時、そのカードが天使族モンスターだった場合、そのカードを相手に見せる事で自分はカードをもう1枚ドローする事ができる。
「更に《カップ・オブ・エース》発動」
《カップ・オブ・エース》
通常魔法
コイントスを1回行う。
表が出た場合、自分はデッキからカードを2枚ドローする。
裏が出た場合、相手はデッキからカードを2枚ドローする。
「もはや運命は決まっています。私がドローする」
カップ・オブ・エースが回転を始める。上、下、上、下へと回転する。
「お前はカードが正位置で止まるとわかるのか?」
「わかるのではありません。運命によって既に決まっているんです」
少女の予言通りカップ・オブ・エースは正位置で止まった。
「当然正位置」
「何・・・!?」
アルカナフォースXXI-THEWORLDに続きカップ・オブ・エースすら的中させた。
「忌々しいことに私には運命が見えるんです。そして、貴方の敗北も。ドロー」
最初のTHEWORLDだけなら偶然もしくは二分一の確率と割り切れたかもしれない。だが正位置と断言して見事に的中させたことに少年は少し動揺する。
「私が引いたのは《アルカナフォース0-THEFOOL》。テテュスの効果で更にドロー、私が引いたのは《アルカナフォースⅢ-THEEMPRESS》」
《アルカナフォース0-THEFOOL》
効果モンスター
星1/光属性/天使族/攻 0/守 0
このカードは戦闘では破壊されず、
表示形式を守備表示に変更できない。このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した時、コイントスを1回行い、その裏表によって以下の効果を得る。
●表:このカードを対象にする自分のカードの効果を無効にし破壊する。
●裏:このカードを対象にする相手のカードの効果を無効にし破壊する。
《アルカナフォースⅢ-THEEMPRESS》
効果モンスター
星4/光属性/天使族/攻1300/守1300
このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した時、コイントスを1回行い以下の効果を得る。
●表:相手がモンスターの通常召喚に成功する度に手札から「アルカナフォース」と名のついたモンスター1体を自分フィールド上に特殊召喚する事ができる。
●裏:相手がモンスターの通常召喚に成功する度に自分は手札のカードを1枚墓地へ送る。
「ドロー、残念です。ドローは終わりです」
手札はカップ・オブ・エースで二枚増え、更にテテュスの効果で三枚増えた。合計八枚。手札アド歓喜である。
「でもまだ続けます。私はカードを一枚伏せ、《手札抹殺》を発動」
《手札抹殺》
通常魔法(制限カード)
お互いの手札を全て捨て、それぞれ自分のデッキから捨てた枚数分のカードをドローする。
「お互いに手札を全て捨て、捨てた枚数だけドローする」
「手札交換か」
「悪くはなかったけど念の為にです。あっ、テテュスの効果で一枚ドロー。これでドローは終わりです」
交換した手札を見て少女は悪意に満ちた笑みを見せる。
「リバースカードオープン。《リミット・リバース》」
《リミット・リバース》
永続罠
自分の墓地の攻撃力1000以下のモンスター1体を選択し、表側攻撃表示で特殊召喚する。
そのモンスターが守備表示になった時、そのモンスターとこのカードを破壊する。このカードがフィールド上から離れた時、そのモンスターを破壊する。そのモンスターが破壊された時、このカードを破壊する。
「墓地からアルカナフォース0-THEFOOLを復活。位置は逆位置。続けて《光神化》を発動。そして手札からもう一枚のアルカナフォース0-THEFOOL を特殊召喚。正位置」
《光神化》
速攻魔法
手札から天使族モンスター1体を特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターの攻撃力は半分になり、エンドフェイズ時に破壊される。
少女の手札は三枚となる。
「運命力が満ちてきた・・・アルカナフォース、番外の力が。私は三体のモンスターを墓地に送る」
少女の手に持つカードから怪しい光が放たれる。
「運命の怒りは頂点を極めた。愚かな虫けらと化け物に鉄槌を下すためここに降臨する」
《アルカナフォースEX-THE LIGHT RULER》
効果モンスター
星10/光属性/天使族/攻4000/守4000
このカードは通常召喚できない。
自分フィールド上に存在するモンスター3体を墓地へ送った場合のみ特殊召喚する事ができる。このカードが特殊召喚に成功した時、コイントスを1回行い以下の効果を得る。
●表:相手モンスターを戦闘によって破壊し墓地へ送った時、自分の墓地からカード1枚を選択して手札に加える事ができる。
●裏:このカードを対象にする効果モンスターの効果・魔法・罠カードの発動を無効にし破壊する。
この効果でカードの発動を無効にする度に、このカードの攻撃力は1000ポイントダウンする。
「アルカナフォースEX-THE LIGHT RULER!」
禍々しい。それしか感想が出てこない。フィールドに降り立ったのは天使とは呼べない漆黒の使徒だった。アルカナフォースEX-THE LIGHT RULER、アルカナフォースの番外にしてアルカナフォースXXI-THEWORLDと並ぶ少女の切り札とも呼べる。
「他のアルカナフォースと同じくアルカナフォースEX-THE LIGHT RULERも逆位置、正位置で効果が決まります。ここは正位置の効果にします」
(THE LIGHT RULERを早く出せたのは嬉しいけどミラフォとか三枚詰んでませんよね?私自体、あんまり除去カードをデッキに入れてないから打点が高いのが来られたら本当に困ります)
正位置効果も戦闘を介する必要があるので聖せいなるバリア -ミラーフォース-や次元幽閉を撃たれては目も当てられない。逆位置に関して強制発動で自分のカード効果すら無効にしてしまう。
「バトルの前に墓地のブレイクスルースキルの効果発動。このカードを除外することで相手モンスター、一体の効果を一ターンの間だけ無効する。さぁ、バトルです。THE LIGHT RULERで
漆黒の使徒が双頭の竜を出し銀河眼の光子竜を破壊しようとする。だが・・・
「罠発動!攻撃の無力化!」
(折角のブレイクスルースキルが空打ち終わった。伏せカードに臆して攻めないのも臆さず攻めてもダメってちょっと凹みます・・・はぁ、オネスト怖い)
「・・・これで私はターンエンド」
モンスター:THE LIGHT RULER
手札:3枚。
永続魔法:神の居城ヴァルハラ
永続罠:リミット・リバース(対象無し)
「俺のターン!ドロー!俺は手札から速攻魔法《破滅のフォトン・ストリーム》を発動する!フィールド上のカードを一枚除外する!」
《破滅のフォトン・ストリーム》
速攻魔法
自分フィールド上に「ギャラクシーアイズ」と名のついたモンスターが存在する場合に発動できる。
フィールド上のカード1枚を選択してゲームから除外する。自分フィールド上に「銀河眼の光子竜」が存在しない場合、このカードは自分のターンにしか発動できない。
(ちょっと笑えないかも。THE LIGHT RULER以上の攻撃力を持つのもう一枚のアルカナフォースの番外だけ。ヴァルハラで呼べるなら苦労はしないけど・・・光属性中心ならもっといいデッキあったのに)
もう一枚のアルカナフォースを思い浮かべるがTHE LIGHT RULERと同じく召喚条件が厳しく先程ように安易に出せる可能は少ない。あろうことか少女はメタることまで考え始めた。ギャンブルデッキのようなものを使っていながら何故にリアリスト思考になるのだろう。きっとA・O・Jでも引っ張り出して来るに違いない。
(私のエクストラデッキにはさっき手に入れたNo.のみ。
手札に握ったカードと伏せカードを確認すると少女は口元に浮かぶ笑いを手で覆い隠す。
「行け、
「くっ、ぁああ!」
LP3400→400
(今は耐えてみせる。このカードさえあれば!)
バトルフェイズが終了する。
「俺はこれでターンエンドだ。No.すら見せずに終わる気か?それとも貴様はこの程度のデュエリストなのか?」
モンスター:
手札:2
魔法・罠:1
「言ってくれますね・・・ドロー。マジックプランターを発動。リミット・リバースを墓地に送りカードを二枚ドロー。神の居城ヴァルハラの効果発動、《アルカナフォースⅠ-THEMAGICIAN》 を特殊召喚」
《アルカナフォースⅠ-THEMAGICIAN》
効果モンスター
星4/光属性/天使族/攻1100/守1100
このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した時、コイントスを1回行い以下の効果を得る。
●表:魔法カードが発動された時、そのターンのエンドフェイズ時までこのカードの元々の攻撃力は倍になる。
●裏:魔法カードが発動する度に相手は500ライフポイント回復する。
「《アギト》を通常召喚」
《アギド》
効果モンスター
星4/地属性/天使族/攻1500/守1300
このカードが戦闘によって破壊され墓地に送られた時、サイコロを1回振る。
自分の墓地から、サイコロの出た目と同じレベルの天使族モンスター1体を特殊召喚する事ができる。(6の目が出た場合は、レベル6以上のモンスターを含む)
「私はレベル4アルカナフォースⅠ-THEMAGICIANとアギトをオーバーレイ。二体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築。エクシーズ召喚」
85という数字が少女の瞳の中に浮かび上がる。
「現れよNo.85クレイジー・ボックス・・・」
《No.ナンバーズ85クレイジー・ボックス》
エクシーズ・効果モンスター
ランク4/闇属性/悪魔族/攻3000/守 300
レベル4モンスター×2
このカードは『No.』と名のついたモンスター以外との戦闘では破壊されない。
このカードは攻撃できない。1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。サイコロを1回振り、出た目の効果を適用する。
1・自分のライフポイントを半分にする。
2・自分はデッキからカードを1枚ドローする。
3・相手は手札を1枚選んで捨てる。
4・フィールド上のカード1枚を選び、その効果をターン終了時まで無効にする。
5・フィールド上のカード1枚を選んで破壊する。
6・このカードを破壊する。
「やっとお出ましか、No.」
ナンバーズハンターと名乗ったことに相応しい反応を見せる。
「一ターンに一度、オーバーレイユニットを一つ取り除き効果を発動。ダイスを振り出た目の効果を発動します」
ARビジョンにサイコロが映りコロコロと転がり始める。関係ない話だがサイコロを割って7を出した決闘者がいたそうだ。
(1と6の効果は論外。手札からのモンスター効果は怖いけど3は相手が選んで手札を捨てるから嫌がらせ程度。攻撃力はあるけど攻撃出来ない。ううん、この微妙な性能・・・)
召喚しておいてこの言いようである。そんな少女を他所にサイコロは止まる。出たサイコロの目は・・・
「5」
5の効果はフィールド上のカードを一枚破壊する。
(やっぱりまだ私の運命は尽きていない)
「手札から禁じられた聖杯を発動」
《禁じられた聖杯》
速攻魔法
フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動できる。エンドフェイズ時まで、選択したモンスターの攻撃力は400ポイントアップし、効果は無効化される。
(これでクレイジー・ボックスのデメリットは無効になる。攻撃力3400のダイレクトアタックが通る)
エースモンスターを撃破したことで少しだけハイになる少女はクレイジー・ボックスでダイレクトアタックをする。
「俺は手札からクリフォトンの効果を発動!ライフを2000支払うことでこのターン受けるダメージを0にする!」
LP4000→2000
《クリフォトン》
効果モンスター
星1/光属性/悪魔族/攻 300/守 200
このカードを手札から墓地へ送り、2000ライフポイントを払って発動できる。このターン自分が受ける全てのダメージは0になる。この効果は相手ターンでも発動できる。
また、このカードが墓地に存在する場合、「クリフォトン」以外の「フォトン」と名のついたモンスター1体を手札から墓地へ送って発動できる。墓地のこのカードを手札に加える。「クリフォトン」のこの効果は1ターンに1度しか使用できない。
和睦でいいんじゃね?とかは言ってはならない。
「ターンエンド・・・」
モンスター:No.85クレイジー・ボックス(ORU:1)
手札:3
魔法・罠:2
永続魔法:神の居城ヴァルハラ
(防がれた・・・でも、伏せカードは聖なるバリアミラーフォース。クレイジー・ボックスの攻撃力は3000、そう簡単には突破されません。それに破壊耐性もあります)
壁が二枚あることに安心しながらも何処か少女は不安を覚える。
「俺のターンドロー!魔法カード、死者蘇生を発動!墓地の
《死者蘇生》
通常魔法(制限カード)
自分または相手の墓地のモンスター1体を選択して発動できる。選択したモンスターを自分フィールド上に特殊召喚する。
(来た。ミラフォで全滅です。残念でしたね、折角の死者蘇生も無駄です)
すかさず罠カードを発動させようとするが何故か罠カードが反応しない。
「無駄だ。フォトン・ケルベロスの召喚に成功したターン、このカードが表側表示でいる限り罠カードは発動出来ない」
《フォトン・ケルベロス》
効果モンスター
星3/光属性/獣族/攻1300/守 600
このカードが召喚に成功したターン、このカードがフィールド上に表側表示で存在する限りお互いに罠カードを発動する事はできない。
「し、しかし、クレイジー・ボックスには破壊耐性があります!」
「それはどうかな?」
「え?」
クレイジー・ボックスと
(除外されている!?異次元の女戦士のように破壊されたら除外する効果?)
「ギャラクシーアイズは相手モンスターとバトルする時、共にゲームから除外することができる。ただしバトルフェイズ終了時に互いのモンスターは再び舞い戻る」
(破壊出来なくても壁を除去出来るし実質的な戦闘耐性まで・・・クレイジー・ボックスがいなくなった今、私を守るモンスターは0。ということは!)
「だが貴様のNo.はもうフィールドには戻らない。行け、フォトン・ケルベロス!ダイレクトアタック!」
「ァ、ァアアアア!!」
フォトン・ケルベロスが少女へのダイレクトアタックを成立させた。ARビジョンの衝撃が少女を襲い地面へと激しく叩きつける。強く背中を打ち付けたせいでデュエルディスクにセットされていたデッキとNo.85クレイジー・ボックスが地面に零れ落ちる。
(一方的過ぎる・・・アルカナフォース達が簡単に破壊され、ヴァルハラがあるのにろくにモンスターを並べられなかった。これがナンバーズハンターの力。悔しいけど認めるしかありません。後、オネストがデッキの一番下に沈んでるじゃないですか・・・うっ、クリスティアまで沈んでた)
落ちたNo.85クレイジー・ボックスを手裏剣のようにナンバーズハンターと名乗った少年に投げつけた。決闘者ならこれぐらい出来て当然である。リアリストの銃をインチキ効果の鳥で弾いたり、ヘルメットにカードを突き刺したりそれぐらい当たり前だ。そして、ARビジョンが撒き散らした爆炎と煙に紛れて少女は遁走した。
もしカードを自主的に放棄しなければフォトンハンドという迷惑な技によって魂ごと奪われていただろう。尚、魂は彼の管轄外らしい。奪っておいて管轄外とはどういうことだろう・・・うーむ。
「暗黒界、剣闘獣、マシンナーズ、サイバー流、ジェムナイト、リチュア、ヴェルズ、HERO、墓守、古代の機械、帝、ガエル、炎星、海皇。まだまだ私にはデッキあります。運命力は尽きてません」
何処かの黄色い人を連想させるように少女はデッキケースが複数つけられたベルトを取り出す。
「って、これじゃあまるで物語序盤でやられる小物じゃないですか・・・あは、あはは」
まるでじゃなくてそのまんまである。落ち込む必要はない。意識のない間に下っ端認定された可哀想な子もいたし。
『イヒヒヒ、ならこの俺様が力を貸してやろう』
少女の背後に靄のような赤い影が写っていた。幽霊のようなものに少女は同様を隠せない。Dゲイザーを外すことすら忘れていた。
「え?」
赤い影に少女は驚き一歩二歩と下がる。しかし、赤い影は少女のことなどお構いなしに話を続ける。
『このバリアン様が』
ゲスのような声をした赤い影は自らの名を告げる。その名は本名か仮称か偽名か少女には判断できない。
「バリ、アン・・・?」
聞いたこともない単語に少女は目をパチクリさせた。バリアン、この単語の真の意味を理解するまで少女はどれほどの時間を要するのだろうか?
『No.を集めろ。そうすればお前の望みを叶えてやる』
甘い悪魔の誘惑に少女は逆らえずゆっくりと赤い影へと手を伸ばしてしまう。少女自身、勝利に餓えておらずデュエル自体は楽しかった。だが何処かで満たされていなかった。欲望、カオスが少女の中に芽生え始める。
(私の望み・・・?私の望みは)
『見える、見えるぞ。お前の心の闇が。よーく、覗いて見ろ。No.を手に入れればお前の望みを叶えてやろってんだ。悪い話じゃない』
揺れに揺れたペンデュラムのように不安な少女の心はこの怪しい話に傾いてしまう。バリアン・・・一体、何者なんだ。
「わかりました・・・貴方の提案に乗りましょう」
デッキを手を当てながら少女は悪魔との契約を交わす。彼女は自ら茨の道を歩み始める。
『いいぜ、先ずは名前を教えろ』
「
『こいつは俺からの些細な餞別だ。ナンバーズハンターがNo.を持ってないなんてカッコつかないからな』
赤い影から一枚のカードが地面に落ち、少女はそれを拾う。カードは拾った。カードにはNo.50と描かれていた。No.50ブラック・コーン号。黒いカードを見つめながら静かにエクストラデッキへと収納する。収納を終えると少女の右手に異界風にアレンジされた50という数字が浮かび上がる。
《No.50ブラック・コーン号》
エクシーズ・効果モンスター
ランク4/闇属性/植物族/攻2100/守1500
レベル4モンスター×2
このカードは『No.』と名のついたモンスター以外との戦闘では破壊されない。
1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、このカードの攻撃力以下の攻撃力を持つ、相手フィールド上のモンスター1体を選択して発動できる。
選択したモンスターを墓地へ送り、相手ライフに1000ポイントダメージを与える。この効果を発動するターン、このカードは攻撃できない。
『さぁ、良からぬことを始めようじゃないかァ!』
村雨柩。
所有No.
No.50ブラック・コーン号
使用デッキ:ヴァルハラアルカナ天使
Q.主人公は転生者ですか?
A.違います。
Q.ナンバーズハンターって?
A.ああ!
Q.バリアンって何者?
A.いずれわかるさ・・・いずれな。
Q.完結しますか?
A.調整中