「ふふふ、今日は運命力が冴え渡っている気がします。これならプロデュエリストの片桐プロやⅣさんにも勝てるかもしれません。あっ、表。これで今日は二十回連続で成功です。ふふっ、昨日のエスパーロビンも面白かったので今日の私は絶好調です」
このデュエルバカ少女は何を思っているのかコイントスを繰り返しながら裏と表を当てることを何度もしながら歩いていた。前回のようにまた人にぶつかるのではないかと心配になってきた。
(片桐プロはエンジョイデュエルな人で親近感が湧きます。Ⅳさんはファンサービス精神溢れる紳士的でとても優しい人です。以前、サインと握手をしてくれました。やっぱりプロデュエリストは子供達のヒーローです。あっ、でもダークヒーローも素敵ですねぇ)
前者はいいが後者は明らかに問題しかない。外側が銀河美少年やボーガーだと思ったらそれ以上に酷かったというのがあのプロデュエリストだ。特にファンサービスの破壊力は凄まじかった。
「しかし、暇ですね。デュエルできる人はいませんかね?バリアンさんからも何もありませんし。おや、あれは・・・」
柩の目に入ってきた独りで歩く少年だった。その少年の名は神代凌牙、通称シャークであった。学内で有名な札付きの悪であり全国大会決勝戦までいったデュエリストでもある。だが不正によって表世界から叩き出されたはみ出し者でもあった。しかし、柩にとってはデュエルさえ出来れば過去のことはどうでもいい。柩の認識としてはシャークさんは強くデュエリストというぐらいでしかなかった。流石、キリングデュエルマシーン。
(あれは見るからにやさぐれていますね。九十九君に負けてかなり荒れているとは聞きましたがこれはこれは・・・)
九十九遊馬に敗北したシャークさんは荒れていた。自分より格下と思っていた相手に敗北し、プライドをズタズタにされたからだ。めんどくさい、実にめんどくさい。これはカウンセリングが必要かもしれない。
(これでも一応、クラスメイトですし励ましてみましょう。勿論、デュエルで)
デュエルで負けて落ち込んでいるのにデュエルとはデュエル脳ここに極まりという感じだ。いや、うんデュエルで奴らを拘束せよ!よりはいいんだけどね。
「神代君、デュエルしましょう」
お前はアホか。
「あ?」
突然、現れたゴスロリ少女にシャークさんは固まる。村雨柩という名前までは知らないが学内でやたらとデュエルをする人物として顔ぐらいは覚えていた。柩は強引にシャークさんに迫る。キスでもしそうな勢いだ。あっ、そういえば彼女の使うアルカナモンスターを使っていた人物は突然、女性にキスをしたことがあるそうだ。さすが斎王!おれたちにできない事を平然とやってのけるッ!そこにシビれる!あこがれるゥ!すまない・・・
「落ち込んでいる時はデュエルをすればいいのです。そうすれば嫌なことも忘れます。さぁ、デュエルですよ!」
デュエルディスクを展開させ一人で柩は盛り上がる。もうこれは通報したくなるレベルだ。
「何なんだテメェは!」
その通りである。いきなり現れてデュエルしろとどういうことだ。まるで意味がわからんぞ!
「村雨柩です」
まさかの自己紹介。
「名前じゃねぇ!」
(あ、怒らせちゃいました・・・うーん、私の悪い癖ですね)
天然なのか名前を答えてしまう。流石のシャークさんもこれには呆れてしまう。
「チッ、調子が狂う。俺はデュエルをやめたんだ。どっか行け」
「残念です・・・私、神代君のこと好きだったんですが」
柩の言い方にはちょっと問題があった。デュエル以外には無頓着なこの子にとっては好きというのはデュエルの腕前やタクティクスのことになる。シャークさんは柩の言葉にホイホイ惑わされるノンケではないので適当に受け流す。流石、シャークさんだ。
「勿体無いと思うんですよ。神代君ほどの
柩は何を思ったのかNo.をデッキから取り出す。
「そのカードは・・・!?」
シャークさんはNo.に過剰な反応を示す。
「え、知っているんですか?No.を」
知っているもなにも彼はNo.17リバイス・ドラゴンに取り憑かれた経験を持っていた。彼自身もNo.というカードがどれほど危険かは理解していた。ここで柩に対して疑問が生じる。No.を所有する人間は少なからずNo.からの影響を受けるはずだ。彼の場合は凶暴性が増したと思われる。シャークさんは目の前の少女がNo.に取り憑かれていないことに少し動揺してしまう。
「お前、なんともないのか?」
「はい、なんとも。で、デュエルしていただけますか?」
九十九遊馬とのデュエルでの敗北、No.、一年前の不正、妹、様々なことが彼の頭の中で交錯した。ここでNo.を倒せれば九十九遊馬と再戦して雪辱を果たすことが出来るのではないかと考えてしまう。これは彼のデュエリストとしての本能とプライドの問題だった。
「わかった、やってやろう。勿論テメェが負けたらそのNo.、全部いただくぜ」
No.という危険なカードが賭けられる。
「はい!私、神代君とデュエルするのが楽しみだったんです!さぁ、始めましょう!デュエル!デュエル!」
目を輝かせスカートを靡かせ柩はデュエルディスクにデッキをセットする。
「ケッ、イラっと来るぜ」
「そのイライラもデュエルで忘れられます。ワクワクしましょう」
名言を言ってくれたシャークさんはデュエルディスクとDゲイザーを取り出す。何だかんだ言ってもデッキとかを持ち歩いている辺り素直になれないらしい。ツンデレめ。
「「デュエルディスクセット!!」」
恒例の儀式を始める。
「「Dゲイザー、セット!!」」
二人の視界がデュエルへと世界へと導かれ周りの風景が変わる。
「「デュエルターゲットロック!」」
『ARヴィジョンリンク』
「「デュエル!!」」
村雨柩
LP:4000
VS
神代凌牙
LP:4000
「先行は私のようですね、ドロー。フィールド魔法、幽獄の時計塔を発動させます」
《幽獄の時計塔》
フィールド魔法
相手ターンのスタンバイフェイズ時に、このカードに時計カウンターを1個乗せる。時計カウンターの合計が4個以上になった場合、このカードのコントローラーは戦闘ダメージを受けない。
時計カウンターが4個以上乗ったこのカードが破壊され墓地へ送られた時、手札またはデッキから「D-HERO ドレッドガイ」1体を特殊召喚する。
ARヴィジョンが時計塔を構築し二人の周りの風景を変化させる。
「妙なフィールド魔法だな」
「私は更にD-HEROドレッドサーヴァントを通常召喚します。ドレッドサーヴァントの効果で時計カウンターが一つ乗ります」
《
効果モンスター
星3/闇属性/戦士族/攻 400/守 700
このカードが召喚に成功した時、「幽獄の時計塔」に時計カウンターを1つ置く。このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、自分フィールド上の魔法・罠カード1枚を破壊する事ができる。
「時計カウンター・・・」
フィールド魔法はデュエルを大きく左右する。例えば500ポイント攻撃力を上げられるだけでどれだけ苦労するかわかったものではない。
「はい、四つ溜まって壊されたら驚きですよ?私はカードは一枚伏せてターンエンドです」
フィールド:ドレッドサーヴァント
手札:3
伏せ:1
フィールド魔法:幽獄の時計塔(時計カウンター:1)
「俺のターン!」
「この瞬間、幽獄の時計塔に時計カウンターが一つ乗ります」
「ドロー!俺はハンマー・シャークを召喚!ハンマー・シャークの効果でハリマンボウを特殊召喚ッ!」
《ハンマー・シャーク》
効果モンスター
星4/水属性/魚族/攻1700/守1500
1ターンに1度、自分のメインフェイズ時に発動できる。このカードのレベルを1つ下げ、手札から水属性・レベル3以下のモンスター1体を特殊召喚する。
《ハリマンボウ》
効果モンスター
星3/水属性/魚族/攻1500/守 100
このカードが墓地へ送られた時、相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動する。選択した相手モンスターの攻撃力は500ポイントダウンする。
「俺はレベル3ハンマー・シャークとハリマンボウでオーバーレイ!二体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!現れろ、ブラック・レイ・ランサー!」
《ブラック・レイ・ランサー》
エクシーズ・効果モンスター
ランク3/闇属性/獣戦士族/攻2100/守 600
水属性レベル3モンスター×2
1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動できる。選択したモンスターの効果をエンドフェイズ時まで無効にする。
黒き騎士が槍を携えフィールドにやって来る。漆黒の騎士は無言のままドレッドサーヴァントを睨みつけた。
「一ターン目からエクシーズとは飛ばして来ますね。しかし、かっこいいモンスターです」
「勝手に言ってやがれ。ブラック・レイ・ランサーでドレッドサーヴァントを攻撃!ブラックスピアー!」
ドレッドサーヴァントに向けてブラック・レイ・ランサーの槍が向けられる。
「罠発動、D-カウンター」
《D-カウンター》
通常罠
自分フィールド上に表側表示で存在する「D-HERO」と名のついたモンスターが攻撃対象に選択された時に発動する事ができる。攻撃モンスターを破壊する。
(何気に対処をとらない効果なんですよね、これ)
「チッ、せこい罠を仕込みやがって」
「いえいえ、私のヒーロー達はステータスがちょっとばかり低いのでこれぐらいないと厳しいんです」
「だがそいつの攻撃力はハリマンボウの効果で0になる」
ドレッドサーヴァントの攻撃力はたったの400。ブラック・レイ・ランサーの攻撃を受けていれば1700のダメージを受けていた。しかし、墓地に送られたハリマンボウの効果で0となってしまう。ただでさえ貧者なステータスが目も当てられないことになる。
「メイン2だ。俺はカードを一枚伏せてターンエンドだ」
(効果を見る前にいきなりエースを破壊したのは申し訳ありません。神代君は強いので全力でいかけてもらいます)
フィールド:0
手札:3
伏せ:1
「私のターンです、ドロー。ドレッドサーヴァントをリリースしてD-HEROダッシュガイをアドバイス召喚します」
ダッシュローラーを足につけた黒いヒーローがフィールドを走り抜ける。その姿は何処かの世界で酷使され続けた過労死と似ていた。
《D-HEROダッシュガイ》
効果モンスター
星6/闇属性/戦士族/攻2100/守1000
1ターンに1度、自分フィールド上のモンスター1体をリリースして発動できる。このカードの攻撃力はエンドフェイズ時まで1000ポイントアップする。このカードは攻撃した場合、バトルフェイズ終了時に守備表示になる。
また、このカードが墓地に存在する限り1度だけ、自分のドローフェイズ時にカードをドローした時、そのカードがモンスターだった場合、その1体をお互いに確認して自分フィールド上に特殊召喚できる。
「ダッシュガイで早速攻撃です。ライトニング・ストライク」
「罠発動、ピンポイント・ガード!ハンマー・シャークを特殊召喚!」
墓地から現れたハンマー・シャークによってダッシュガイの攻撃が阻まれる。
「ダッシュガイはバトルした場合、守備表示となります。カードを一枚伏せてターンエンドです」
フィールド:ダッシュガイ
手札:2
伏せ:1
フィールド魔法:幽獄の時計塔(時計カウンター:2)
「俺のターン!ドロー!」
スタンバイフェイズ時に時計カウンターが一つ乗る。
「俺はサイレント・アングラーを召喚!」
《サイレント・アングラー》
効果モンスター
星4/水属性/魚族/攻 800/守1400
自分フィールド上に水属性モンスターが存在する場合、このカードは手札から特殊召喚できる。このターン自分は手札からモンスターを特殊召喚できない。
「レベル4のモンスター二体でオーバーレイ!二体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築ッ!エクシーズ召喚!」
(毎ターンのようにエクシーズ召喚とは豪快ですね)
「吠えろ未知なる轟き!深淵の闇より姿を現わせ!!エクシーズ召喚!!《バハムート・シャーク》!!」
深淵より一体のモンスターが浮上する。雄叫びはフィールドを揺らし守備表示のダッシュガイが一瞬だけ震える。
《バハムート・シャーク》
エクシーズ・効果モンスター
ランク4/水属性/海竜族/攻2600/守2100
水属性レベル4モンスター×2
1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。水属性・ランク3以下のエクシーズモンスター1体をエクストラデッキから特殊召喚する。このターンこのカードは攻撃できない。
バハームト・シャークはレベル4でありながら2600という高いステータスを誇る。しかも、攻撃後に効果を使えるという謎裁定を味方につけていた。
「バハームト・シャークでダッシュガイを攻撃!ゴッド・ボイス!」
ダッシュガイは紙切れのようにバハームト・シャークの攻撃により破壊される。
「罠発動、D-シグナル」
《デステニー・シグナル》
通常罠
自分フィールド上のモンスターが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時に発動する事ができる。自分の手札またはデッキから「D-HERO」と名のついたレベル4以下のモンスター1体を特殊召喚する。
「私はデッキからダイヤモンドガイを守備表示で特殊召喚します」
「しつこいヒーローだな」
「うーん、不屈のヒーローと言ってあげて下さい。その方がかっこいいです」
《D-HEROダイヤモンドガイ》
効果モンスター
星4/闇属性/戦士族/攻1400/守1600
このカードが自分フィールド上に表側表示で存在する時、自分のデッキの一番上のカードを確認する事ができる。
それが通常魔法カードだった場合そのカードを墓地へ送り、次の自分のターンのメインフェイズ時にその通常魔法カードの効果を発動する事ができる。通常魔法カード以外の場合にはデッキの一番下に戻す。この効果は1ターンに1度しか使用できない。
「バトルは終わりだ。俺はバハームト・シャークの効果を使う。オーバーレイユニット一つの取り除くことでエクストラデッキからランク3のモンスターエクシーズ一体を特殊召喚する。現れろ、潜航母艦エアロ・シャーク!」
《潜航母艦エアロ・シャーク》
エクシーズ・効果モンスター
ランク3/水属性/魚族/攻1900/守1000
レベル3モンスター×2
1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。ゲームから除外されている自分のモンスターの数×100ポイントダメージを相手ライフに与える。
「エクシーズ召喚をせずにエクストラデッキから召喚を・・・!?」
エアロ・シャーク、それは悲しみを背負ったエクシーズモンスター。何処かの並行世界では手札の枚数によってバーンダメージを与えるという効果だったが何故か除外されているモンスターの数だけダメージを与えるという弱体化がなされた。某希望皇の誤植以上の業をエアロ・シャークは背負わされているのだ。
「驚くのは まだ 早い!」
「えっ!?」
「俺はエアロ・シャークでオーバーレイユニットを再構築!一体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!FA-ブラック・レイ・ランサー!」
《
エクシーズ・効果モンスター
ランク4/水属性/獣戦士族/攻2100/守 600
水属性レベル4モンスター×3
このカードは自分フィールド上のエクシーズ素材の無い水属性・ランク3のエクシーズモンスターの上にこのカードを重ねてエクシーズ召喚する事もできる。このカードの攻撃力は、このカードのエクシーズ素材の数×200ポイントアップする。
フィールド上のこのカードが破壊される場合、代わりにこのカードのエクシーズ素材を全て取り除く事ができる。また、このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊した場合、相手フィールド上の魔法・罠カード1枚を選択して破壊できる。
(エクシーズモンスターからのエクシーズ召喚とは驚きです。それにしても神代君のデッキは水族館みたいですね)
「カードを二枚伏せてターンエンドだ!」
フィールド:バハームト・シャーク(ORU:1)、FA-ブラック・レイ・ランサー(ORU:1)
手札:1
伏せ:2
「私のターン、ドロー。私は墓地のダッシュガイの効果でもう一枚のダッシュガイを特殊します。ダッシュガイは墓地にいる時、一度限りドローしたを互いに確認することで特殊召喚出来ます。そしてダイヤモンドガイの効果、デッキトップを確認してそれが通常魔法なら次の私のメインフェイズ時に発動出来ます」
柩はデッキトップをめくり確認する。
「当然通常魔法」
柩が見せたのは魔法カード、デステニードローだった。
《デステニー・ドロー》
通常魔法
手札から「D-HERO」と名のついたカード1枚を捨てて発動できる。デッキからカードを2枚ドローする。
「私の次のメインフェイズにカードを二枚ドローします。そして、ダッシュガイの効果でダイヤモンドガイをリリース、ダッシュガイの攻撃力は3100となります。さぁ、バトルです」
攻撃力が上昇したダッシュガイが勢いよく動き始める。
「ダッシュガイでバハームト・シャークを攻撃です」
「甘いな!罠発動、ポセイドンウェーブ!」
《ポセイドンウェーブ》
通常罠
相手モンスターの攻撃宣言時に発動する事ができる。相手モンスター1体の攻撃を無効にする。自分フィールド上に魚族・海竜族・水族モンスターが表側表示で存在する場合、その数×800ポイントダメージを相手ライフに与える。
「うっ!」
村雨柩
LP:4000→2400
「攻撃が無効にされたのでダッシュガイは攻撃表示のままとなります。モンスターとカードを一枚伏せてターンエンドとさせてもらいます」
フィールド:ダッシュガイ、セット
手札:2
伏せ:1
フィールド魔法:幽獄の時計塔(時計カウンター:3)
「俺のターンドロー!バハームト・シャークで裏守備モンスターを攻撃!」
スタンバイフェイズ時に幽獄の時計塔に時計塔カウンターが一つ乗る。これで幽獄の時計塔に四つカウンターが乗ったことになる。
「私がセットしたのはD-HEROダガーガイです。まぁ、破壊されますね」
「FA-ブラック・レイ・ランサーでダッシュガイを攻撃だ!」
またもはやダッシュガイが破壊される。だが柩のライフは減らない。
「幽獄の時計塔に時計カウンターが四つ乗った時、私が受ける戦闘ダメージはゼロとなります」
ここでFA-ブラック・レイ・ランサーの効果で幽獄の時計塔を破壊できるがしなかった。破壊すると起動する効果だと説明されていたからだ。
「面倒なフィールド魔法だ」
そして、時計カウンターが四つになった時、あのモンスターが登場する。
「カードを伏せてターンエンドだ」
フィールド:バハームト・シャーク、FA-ブラック・レイ・ランサー
手札:1
伏せ:2
「私のターン、ドロー。ダイヤモンドガイの効果で二枚ドローします。更にもう一枚のデステニードローを発動、ディアボリックガイを墓地に送り二枚ドローします」
《D-HEROディアボリックガイ》
効果モンスター(準制限カード)
星6/闇属性/戦士族/攻 800/守 800
自分の墓地に存在するこのカードをゲームから除外して発動する。自分のデッキから「D-HERO ディアボリックガイ」1体を自分フィールド上に特殊召喚する。
「ではこのD-HEROデッキの本気を見せましょう。ダブルサイクロンで幽獄の時計塔と神代君の伏せカードを破壊します」
フィールド魔法が割られ、伏せカードが破壊される。破壊された伏せカードは浮上だった。
「幽獄の時計塔が時計カウンターが四つある状態で破壊された場合、デッキからドレッドガイを特殊召喚します。さぁ、来て下さい」
《D-HEROドレッドガイ》
効果モンスター
星8/闇属性/戦士族/攻 ?/守 ?
「幽獄の時計塔」の効果で特殊召喚した場合、自分フィールド上の「D-HERO」と名のついたモンスター以外の自分のモンスターを全て破壊する。その後、自分の墓地から「D-HERO」と名のついたモンスターを2体まで特殊召喚する事ができる。
このカードが特殊召喚されたターン、自分フィールド上の「D-HERO」と名のついたモンスターは破壊されず、コントローラーへの戦闘ダメージは0になる。このカードの攻撃力・守備力は、自分フィールド上のこのカードを除く 「D-HERO」と名のついたモンスターの元々の攻撃力を合計した数値になる。
「そして、ドレッドガイの効果で墓地のダッシュガイ二体を蘇生します。更に墓地のディアボリックガイの効果で自身を墓地から除外してデッキからディアボリックガイ一体を特殊します。更に更にダイヤモンドガイを通常召喚します」
柩のフィールドに五体のHEROが並ぶ。
「このターン、私のD-HERO達は破壊されず私への戦闘ダメージはゼロになります。因みにドレッドガイの攻撃力、守備力はドレッドガイを除くD-HEROの合計となります」
ダッシュガイの攻撃力は2100、ディアボリックガイの攻撃力800、ダイヤモンドガイの攻撃力1400。合計は・・・
「攻撃力6400・・・だとッ!?」
「正解です。伏せカードあっても怖くありません。さてとバトル前にダッシュガイの効果でディアボリックガイをリリースします。ドレッドガイの攻撃力がダウンしますがモンスターを残すわけにはいきませんので。あっ、ついでにダイヤモンドガイの効果を使います。デッキトップは・・・オーバー・デステニー、当然通常魔法です。」
おかしい何かおかしい。二回連続で通常魔法を引き当てるなど簡単に出来る芸当ではない。せめて天変地異を使えと言いたくなる。
《オーバー・デステニー》
通常魔法
自分の墓地から「D-HERO」と名のついたモンスター1体を選択する。選択したモンスターのレベルの半分以下の「D-HERO」と名のついたモンスター1体を自分のデッキから選択し特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターは、このターンのエンドフェイズ時に破壊される。
「さぁ、バトルと洒落込みましょう。攻撃力3100のダッシュガイでバハームト・シャークを攻撃です」
「ぐっ、ぁああああ!?」
神代凌牙
LP:4000→3500
「続いてドレッドガイでFA-ブラック・レイ・ランサーを攻撃」
「ぐぁっ、だがFA-ブラック・レイ・ランサーはオーバーレイユニットを身代わりもすることで破壊を無効とする!」
神代凌牙
LP:3500→200
(ですがこれでフィールドはガラ空きです。ダッシュガイと相打ちにさせてダイヤモンドガイでとどめです)
シャークさんのフィールドにはFA-ブラック・レイ・ランサーのみ。この状況は絶望的だ。
「ダッシュガイでFA-ブラック・レイ・ランサーを攻撃します」
ダッシュガイとFA-ブラック・レイ・ランサーがお互いの攻撃をクロスカウンターのように打ち両者ともに破壊される。
「楽しい時間も終わりです。ダイヤモンドガイでダイレクトアタックします」
「罠発動ッ!エクシーズ・リボーン!」
《エクシーズ・リボーン》
通常罠
自分の墓地のエクシーズモンスター1体を選択して発動する。選択したモンスターを特殊召喚し、このカードを下に重ねてエクシーズ素材とする。
(むっ、蘇生するのはやはりバハームト・シャークでしょうね)
「俺はバハームト・シャークを特殊召喚!エクシーズ・リボーンはバハームト・シャークのオーバーレイユニットとなる!」
「攻撃は中止です。カードを二枚伏せてターンエンドです」
フィールド:ドレッドガイ、ダッシュガイ、ダイヤモンドガイ
手札:2
伏せ:2
(ドレッドガイを倒すにはダッシュガイとダイヤモンドガイを倒す必要があります。最低でも三回の攻撃を成功させなければ神代君の勝利は訪れませんね)
「俺のターンドロー!俺は貪欲な壺を発動!ハンマー・シャーク、FA-ブラック・レイ・ランサー、サイレント・アングラー、エアロ・シャーク、ブラック・レイ・ランサーをデッキに戻す」
《貪欲な壺》
通常魔法(制限カード)
自分の墓地のモンスター5体を選択して発動できる。選択したモンスター5体をデッキに加えてシャッフルする。その後、デッキからカードを2枚ドローする。
「バハームト・シャークのオーバーレイユニットを使いエアロ・シャークを特殊召喚!更にFA-ブラック・レイランサーを特殊召喚する!」
(ここに来て再びモンスターエクシーズの大盤振る舞いですか。神代君、素晴らしい運命力とタクティクスです)
運命力、デュエルを左右する巨大な力を感じながら柩はこのデュエルを噛みしめる。こうやって追い詰められようとしていても柩は最後まで諦めずデュエルを放棄しない。
「俺はハリマンボウを召喚、更にシャーク・サッカーを特殊召喚!」
《シャーク・サッカー》
効果モンスター
星3/水属性/魚族/攻 200/守1000
自分フィールド上に魚族・海竜族・水族モンスターが召喚・特殊召喚された時、このカードを手札から特殊召喚する事ができる。このカードはシンクロ素材とする事はできない。
(ハリマンボウの効果は墓地に送られた時、相手モンスターの攻撃力を500ダウンさせる効果。ランク3のエクシーズ狙いですか。しかし、エアロ・シャーク、ブラック・レイ・ランサーが何なのかわかりませんが私のライフを削り切れるとは思えません。次の私のターンではもう一体のダッシュガイの効果でモンスターを引けば特殊召喚が可能です。ついでにダイヤモンドガイの効果によって墓地に送ったオーバーデステニーの効果で私は墓地のD-HERO一体のレベルの半分のD-HEROを特殊召喚できます。三枚目のデステニー・ドローが来て蒼きD-HEROが手札にやってくれば私の勝利は確定します。伏せカードは激流葬、残念ですが折角展開したモンスターにはご退場願います。もう少し見ていたい気もしますが、ミラーフォースを撃つ前に効果を使われては面倒ですので)
「来いブラック・レイ・ランサー!」
「すみません、罠発動激流葬。フィールド上の全てのモンスターを破壊します」
《激流葬》
通常罠
モンスターが召喚・反転召喚・特殊召喚された時に発動できる。フィールド上のモンスターを全て破壊する。
「・・・だがFA-ブラック・レイ・ランサーだけはオーバーレイユニットを身代わりとして残る」
FA-ブラック・レイ・ランサーだけが激流を耐えフィールドに残る。
(知ってます。もう一枚の伏せカードは聖なるバリアミラーフォースです。FA-ブラック・レイ・ランサーも破壊させていただきます)
「どの道、終わりだ。やれFA-ブラック・レイ・ランサー!」
「すみません。リバースカードオープン、聖なるバリアミラーフォース。攻撃表示モンスターは全て破壊されます」
激流葬に続き聖なるバリアミラーフォースが炸裂する。一度目の破壊を逃れたFA-ブラック・レイ・ランサーだが二度目の攻撃で墓地へと沈む。
(手札が気になりますがこの状況を打開出来るカードが来ているとは思いたくありませんね。神代君から強い運命力を感じます。同時に微量ながら運命を捻じ曲げられている気もするんですよ。私の気のせいですかね・・・)
「いや、まだだ!」
柩がターンエンド宣言を待っていると予想外の声があがる。
「速攻魔法発動!エクシーズ・ダブル・バック!鮫は何度でも喰らい付く!」
《エクシーズ・ダブル・バック》
速攻魔法
自分フィールド上のエクシーズモンスターが破壊されたターン、自分フィールド上にモンスターが存在しない場合に発動できる。自分の墓地から、そのターンに破壊されたエクシーズモンスター1体と、そのモンスターの攻撃力以下のモンスター1体を選択して特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターはエンドフェイズ時に破壊される。
出た!シャークさんのマジックコンボだ!
(モンスターエクシーズ専用の速攻魔法!?)
「俺は墓地のバハームト・シャークとFA-ブラック・レイ・ランサーを特殊召喚ッ!」
(これは予想外でしたね。私の手札はでは防げませんね。先に聖なるバリアミラーフォースで攻撃を防いでいればあの速攻魔法で特殊召喚されても激流葬でなんとかなりました。もしくはエアロ・シャーク召喚時に激流葬を・・・これは純粋な私のプレイングミスと神代君と私との力量差です。悔いはありません。D-HERO達もよく戦ってくれました、ありがとう)
二体のエクシーズモンスターが墓地から浮上する。
「これで終わりだ!行けェ!バハームト・シャーク!ダイレクトアタック!ゴッド・ボイスッ!!」
「うっ、くゥ!?」
村雨柩
LP:2400→0
(これは清々しい敗北です。いやー、本当に神代君は強いです。それにとってもかっこいいです。その熱意と情熱があればどんな困難にも打ち勝てますよ、多分)
地面に叩きつけられながら柩は敗北を味わうと同時にAR空間が解除されモンスター達が霧散していく。
「うーん、負けちゃいました。神代君は強いですねぇ」
「テメェこそ面倒なカード使いやがって」
(幽獄の時計塔とドレッドガイは厄介ですよね。まぁ、本当ならBloo-Dを呼びたかったのですが他のD-HERO達が神代君と戦いたがってるようで来てくれませんでした。)
パンパンとスカートの汚れを払うと柩はデッキケースから二枚のカードを取り出す。取り出したのはNo.だった。ブラック・コーン号と不乱健を何の躊躇いもなくシャークさんへと差し出す。No.には未練がないと言えば嘘になるがこれほどのデュエルをさせてもらったのだ。だから、渡すのは当然というのが柩の考え方だ。それに加えて柩は約束を反故しない主義だ。
「はい、神代君。約束のNo.です」
「・・・」
数秒考えた後、彼は柩の手を祓った。
「いらねぇよ、そんなカード。俺はNo.が無くとも戦える。それに俺より弱いお前が持ってたNo.なんて頼りねぇ」
バツ悪そうに彼は言った。
「あっ、そういえばあのデッキ。攻撃力を下げたり効果を無効にしたりすることが多かったですね?対No.を想定してのことですか?」
「・・・テメェには関係のないことだ」
柩から顔を背け彼は背中を見せる。
(あぁ、やっぱりリベンジを考えているのですね。素直じゃない人ですね、神代君。諦めるのも簡単じゃないんですよね)
柔らかく笑うと柩はシャークさんのタコさんウィンナー、おっと髪を撫で始めた。突然のことに驚きシャークさんは身体を捩らせ抵抗しようとするが普段なデュエル以外はトロいくせに柩が華麗に回避する。
「誰だって迷うことはあります。私だってよく迷います。だけどそれが人間です。いっぱい迷っていっぱい悩んでたくさん泣いて・・・泣いた分だけ笑いましょう」
「・・・」
「勝手な憶測ですけど神代君は素直になれないだけです。諦めず自分に素直になって本当に自分のしたいことをやりましょう。先ずは勇気を持って一歩踏み出すことです。そうすれば多分、神代君を理解してくれる人にも出会えます。諦めたら人の心は死んでしまいます。それは悲しいことです」
かっとビング、それは勇気を持って一歩踏み出すこと・・・ってあれ?違うか。にしてもキリングデュエルマシーンのくせにいい話っぽいものをするな。
「アイツみたいにうっとおしいんだよ。イラっとくるぜ!」
怒鳴る彼に怯むこともせずに柩は平然としていた。
「あははは、すみません。頑張って下さいね。また神代君とデュエル出来るのを楽しみに待ってます。それでは失礼します」
村雨柩は勝手にデュエルを吹っかけ勝手に話をして勝手に帰って行った。まさに嵐のような少女だった。残された神代凌牙は自分のデッキとカードを眺めて空を見上げた。九十九遊馬に敗北してから彼は孤独の中にいた。未だにその出口は見えない。今日もまた陸王、海王のところへと向かうだろう。
「チッ、あいつ本当にイラっとするぜ・・・」
この後、彼は九十九遊馬とのデュエルを通じて友情が芽生えるのだがそれはまだ別の話。
「うぅ、Bloo-Dがデッキの下に沈んでました・・・はぁ、HEROなのにピンチに駆けつけてくれないというのはどういうことでしょう。運命力というのは不安定です、本当に」
村雨柩
所有No.
No.22不乱健
No.50ブラック・コーン号
所有デッキ:ヴァルハラアルカナ天使、強制終了サクリファイス、D-HERO
D-HEROデッキは実際に使うと打点の低さに悩まされます。平均ステータスが1000未満ばかりの下級D-HERO達は泣いていい。
せめて1800あれば・・・優秀な下級D-HEROディスクガイ?強欲なディスクガイは二度と戻って来ないんだ。
アニメ原作キャラには簡単に勝てないと思います。運命力が違いすぎます。特に主人公の方々は。
No.が全然使われないのはデッキの都合です。後、OCG化されているカテゴリーなら普通に使います。プロのD-HEROを穢したと感じた方はすみません。