死神って呼ばないで   作:シュガーstep♪

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覡さんと訓練と+α

とある日・・・俺はボーダーの訓練室に来ていた、理由はその訓練室で俺が主催の【自由参加型攻撃手強化訓練】の開催日だからである。

訓練室1つ丸々借りて行われるそれは基本的には月に1・2回で行っており、B級やC級の技術力向上を狙って行っている。

やってる事こそは俺が訓練生たちの相手をするという単純なもの、1体1で個人技を鍛えるか複数人で連携を鍛えるか、それは参加している子たちの自由にしている。

これが多くの攻撃手に絶大な人気を誇っていた、特に新人の子は教えてくれる人がいないと独学になるわけで一部の天才は除く多くの子たちにはどこかで限界が来る。

そんな子らに俺がその時間に限り指導者となり、筋のいい子は俺の弟子にしたり、他の正隊員に紹介したりとしているわけだ。

因みに訓練室の設定とかはオペレーターに手伝って貰っている、勿論それなりの対価は支払っている。

中にはその対価を求めて積極的に参加しようとしてくれる子も結構いる。

今日も100人程度が参加しており、A・B・C問わず真剣に取り組んでくれている。

ここではとびきり優秀な新人たちをご紹介しよう。

1人目は【樫尾由多嘉】、以前王子隊へと推薦した攻撃手である。まだまだ未熟な部分は多く、紹介する子たちの中では才能という面でやや劣っているが努力家で真面目な子である。

2人目は【木虎藍】、広報担当の嵐山隊に入隊した期待の新人である。本人も自覚していたがトリオン量は少ないもののそれを補って余りある才能と工夫する頭があり努力家でもある。少々プライドの高い娘であり、少し不安も残る。

3人目は【村上鋼】、鈴鳴支部の攻撃手で俺の弟子だった“荒船”こと【荒船哲次】の弟子だそうだ。彼の持つSE(サイドエフェクト)の事もあり伸び率は1番高い。レイガストと孤月を使った彼の攻防一体の剣技は非常に素晴らしい。

4人目は【緑川駿】、以前軽く紹介した三バカの1人で生粋の迅バカ。早々にB級に上がって草壁隊へと入隊が決まった優秀な攻撃手。

5人目は【黒江双葉】、この娘も早々にB級に上がり加古隊への入隊が決まってた優秀な攻撃手。

・・・とまぁ他にも逸材はいるが今この場にいて特に優秀なのは今言った5人辺り、皆しっかり指摘もアドバイスも聞いてくれるホントに優秀な子たちです。

 

「ナギさん!!今度は俺とやろうよ!!」

 

「駿、あんたやりすぎ。次は私の番」

 

「えー!!双葉も同じくらいやってるじゃん!!」

 

「・・・そんな事ない」

 

「あ!今言い淀んだ!!確信犯だ!!」

 

「うるさい」

 

あらら、また始まった。

 

「ほらほら仲良いのは分かったから喧嘩しない、何なら二人同時に来なさい」

 

「「絶対連携合わないです!!」」

 

「・・・合わせる努力をまずしなさいな」

 

2人息そろえて断言する姿に自然とため息が出てしまう。

 

「なら俺がやろう」

 

スコーピオン2つ構えてやる気満々な風間さんが割って入ってくる・・・ってちょっと待て?

 

「いやいや、おかしいでしょ!?何しれっと入ってんですか!?貴方この面子の中で最年長者でしょうが!!てか、A級部隊の隊長が強化訓練に挑む側で混ざんな!!」

 

そもそもいつからいたんだ、気づかなかった。

 

「何を言っている、A級は参加不可能では無いだろう。実際に黒江と緑川は参加している」

 

「自分の年齢と実力考えてくれません!?どう考えても胸借りる側じゃなくて貸す側でしょうが!!」

 

「問答無用、構えろ覡!!」

 

こうして元A級上位ランカーと現A級上位ランカーの模擬戦が始まった。

実力が高い者はすごい参考になったと喜んでいたがC級の殆どが強すぎて何やってるのかわからなかったと困惑していた。

なおこの戦闘を見て他のA級上位たちが参戦してきたのは言うまでもないことだろう。

 

 

その日の【攻撃手強化訓練】が終わり、俺は本部通路の座席に腰をかける。自販機で買ったスポーツ飲料をがぶ飲みしてしまう。

 

「あー・・・ちかれた・・・」

 

結局あの後風間さんに(無理矢理)勝負を仕掛けられ、更には慶や三バカの1人である槍バカのヨネらも参戦してきて、強化訓練の目的にそぐわない時間となってしまった、我ながら非常に情けない話である。

何が1番ヤバかったって忍田さんに現場を見られたことだよね、俺を含め悪ノリした正隊員らは正座させられお説教をくらってしまった。

俺は抗議したが主催者であり監督責任者として同罪判定された、納得いかない。

まぁ結局全員とそれぞれ10本ぐらいやって全部勝ち越してるから、少なからず満足気味。

そんなことを思っているとふとこちらに向かって足音が聞こえてくる。

 

「お疲れ様です覡さん」

 

「ミカ、おつかれ」

 

“ミカ”こと三上歌歩、風間隊のオペレーターで先程の強化訓練の手伝いをしてくれていた。

 

「今日の訓練は大変でしたね・・・」

 

「いやもうホントに・・・風間さんって普段からあんな感じだっけ・・・」

 

俺の知ってる風間さんはもっと自他ともに厳しく、周りをよく見ていて、理知的な気がしたんだけど。

 

「きっと覡さんと戦いたかったんですよ、覡さんも強いですから」

 

「あぁ・・・まぁ・・・」

 

・・・正直今日の風間さんの様子に心当たりはある・・・2年ほど前、迅の師匠だった最上さんの形見である【風刃】、そしてとある人に託された【星夢】。

これらの獲得により迅と俺がS級にランクアップしてしまい、攻撃手の個人トップランカーのうちの2人がほぼ同時にランク戦から姿を消さざるを得なかった。

同じく上位にいた慶と風間さん、慶は傍から見て露骨に残念がってたしランク戦も昔の方が楽しくやっていた。

当時は気づかなかったが風間さんも同じくらい物足りなさを感じてたのかもしれない。

 

「・・・だからと言ってやりすぎな気はするけど」

 

「何がです?」

 

「B・Cに脇目も振らず、構えてもいない相手に問答無用に攻撃しかけて・・・子どもじゃないんだから・・・」

 

はぁ・・・と自然と今日何度目か分からないため息が出てしまう。

隣のミカは、なんだか嬉しそうだ・・・他人事だと思って・・・!!

 

「あーそう言えば今回のお礼どうしようか、何か欲しいものでもある?」

 

強化訓練時に手伝ってくれたオペレーターへの俺からのお返し、今までは多くのオペレーターたちが高級焼肉店奢りやブランドモノのアクセサリーのプレゼントを要求してきており、ショッピングの荷物持ちなどもあったが、ボーダー内に推しがいる子はその人の写真やらサインやらが欲しいと言ってきたこともあった。

 

「・・・そ、そうですね。えーと・・・」

 

「?決まってなかったらここで決めなくてもええよ?」

 

「あ、いえそうでは無く・・・」

 

ふむ、言いづらいことなのだろうか・・・。

周りには誰いないし・・・場所が問題かな?

 

「こ、今度の週末!!か、買い物に付き合ってくれませんか!!」

 

「買い物?特に用事もなかったはずだから別に大丈夫だけど・・・」

 

「ホントですか!?」

 

「・・・何か嬉しそうね、まぁその方が付き合いがいはあるけども」

 

「あ、いえ・・・/////」

 

赤くなるミカ、可愛すぎんだろうか。

ていうかミカに限らずボーダー隊員は可愛い子多いよね、スカウト担当は顔が整っている娘を積極的に選んでるのか?

この面食いどもめ・・・・・・・・・よくやった、と褒めてやりたい。

 

「詳細はまた後日にしようか、行きたい場所と集合時間決まったら教えてよ」

 

「は、はい!!」

 

あら眩しい笑顔、そのままステップ刻んで行っちゃった。

その日から数日後、本部内をブラブラと歩いていると風間さんと彼の部隊メンバーであるシローこと【菊地原士郎】・ウタこと【歌川遼】の3人に引き止められた。

 

「最近、三上がやけに上機嫌なんだが・・・何か知ってるか?」

 

なぜ俺に聞くんですかね?

 

「オペレートミスもちょいちょいあって困るよね、あれ」

 

知りまんせんがな

 

「何か知りませんか?覡さん」

 

ジーッと3人揃って疑いの目を向けてくる・・・さっさと吐けってか?

この人たちの目は怪しんでる目ではなく確実に俺が犯人であると確信している目だ。

 

「・・・なんで俺のところに来てそんな人を疑うような視線で見てくるのか・・・小一時間くらい問いつめたいのだけど・・・」

 

「心当たりはあるか?覡」

 

メッチャ睨んでくる・・・怖っ。

 

「それは疑問系で聞いてるフリして早く吐けと脅してますよね?ミカがオペレートミスする原因なんて知りませんよ」

 

否定しても3人からの冷たい視線は終わらない、何かしないと一生やめてもらいないやつだ、これ。

3人の視線が痛くて自然と目が明後日の方へ行ってしまう。

 

「覡、何とかしろ」

 

いやいや・・・何とかって・・・

 

「風祝さんのせいなんだから何とかしてよね、おかげで最近俺ら任務でミス連発だし」

 

「俺も正直何とかして欲しいです・・・流石にこのままでは・・・」

 

「・・・それホントに俺のせい?」

 

『当たり前だ(でしょ・です)』

 

やめて!!なんでみんなそう俺を攻めたてるの!!

溜息をつきながら携帯を取りだしメールを送る、勿論送り先はミカである。

 

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宛先:三上歌歩

差出人:風祝覡

件名:お説教です

 

最近ミカが上機嫌でその所為かオペレートミスが多発していると風間さんたちに俺がお説教されました・・・。

悲しかったり落ち込んでたりでミスしてないなら、先輩としてはまだホッとしてるけど、風間さんたちの視線が痛いのでお願いだからオペレート頑張って。

 

///////////////////////////////////////////////////////////////

 

「・・・・・・これで無理なら俺も手に負えない」

 

メールが送信されたのを確認し俺は携帯をポケットにしまう。

 

「とりあえずこれで様子見でお願いします、あとあまりミカの失敗を責めないであげてくださいね?」

 

「それは今後の三上次第だ」

 

3人は席を立ち上がりそのままどこかへ行ってしまった、その時ピロリンと、音が鳴り携帯を開きメールを確認する、すっごい長文の謝罪メールだった。

俺はそのメールを確認すると再び携帯をしまった。

後日、3人からの苦情は来ること無く、週末ミカとのショッピングは無事に決行された。

 

 

 

 




三上とのデート編はまだ書く予定は無いです
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