「いいかげんにしなさいよ!!」
放課後の教室にアリサの怒声が響いた。皆何事かとアリサのほうを見やる。何があったのかというと、前回、あぁは言ったもののフェイトについて悩んでいたなのはは、ずっと上の空だった。
話しても反応は薄く、何かあったのか?と聞こうとなんでもないと言う・・・
その対応にアリサがとうとう切れたのだ。けどアリサにしては結構持った方だと思う。
「アリサちゃん・・・・」
当のなのはは戸惑った目でアリサを見る。
「ふんっ!」
そんななのはを尻目にアリサは足早に教室から出て行ってしまった。
「あ、アリサちゃん!」
すずかがその後を追う。
「・・・・・・・・」
一人残されたなのはは二人を追うことなく俯いてじっとその場を動かなかった。
「・・・なのは」
僕は俯いているなのはのそばに寄る。
「・・・・明久君・・・」
なのはは顔を上げて僕を見る。
「アリサはアリサなりになのはのことが心配なんだよ・・・」
「うん・・・わかってる。悪いのは、私の方だから・・・」
「わかって無いじゃん」
「え!?」
あぁ~もう、本当にこの子達は世話の焼ける・・・
「とりあえず、簡単でいい、アリサと話なよ」
「でも・・・」
「別に友達になりたい子がいるけど、どうしたらいいのかわからないだけでしょ?」
魔法のことを言わなくたってそれで間違ってないはずだ。
「あ・・・そっか・・・うん、話してみる」
「じゃあ、ほら、追いかける」
「え、で、でも・・・」
「さっさと行く!!」
「は、はい~!!」
僕はなのはの背を押して、追い出・・・後を追わせた。
手間のかかる子達だ・・・
_________
とりあえず・・・仲直りは出来たみたいなのだが・・・
「うぅ~~」
「ふん!!」
「あはは・・・(苦笑」
帰ってきたのは、ほほを赤くしたなのは(つねられたのだろう・・・)と、
恥ずかしさのほうで少し赤くなったアリサ、
その様子を眺めて苦笑するすずかだった。
授業が終わり、僕達は公園でユーノと合流した後、
「あの時聞き忘れてたけど・・・なのははどうしたいの?」
「・・・私は・・・」
なのはは目を瞑って考え込む。
「私は・・・知りたい。どうしてあんな悲しい目をしているのか、フェイトちゃんの口からちゃんと訊きたい!」
「それを知ってどうする?」
「もしなにか事情があるのなら、力になってあげたい。私にも、なにか出来ることがあるかもしれないから」
「それを・・・彼女が拒絶しても?」
「・・・うん」
「嫌われるかもしれないよ?」
「そうかもしれない。でも、それでも私は、フェイトちゃんを助けたい!」
「・・・」
「フェイトちゃんは、私と同じなの。悲しくて、苦しくて、辛くて、それを全部押し殺して、涙を堪えて、でも心の中じゃずっと独りぼっちで泣き続けてる。誰かに助けて欲しくて、でも誰にも言うことができなくて、何もかも全部一人で抱え込んで苦しんでる」
・・・なるほど・・・
「だから、私がフェイトちゃんを助けたい。フェイトちゃんの涙を止めてあげたい。フェイトちゃんの手を掴みたい。だから私、何度でもフェイトちゃんに呼びかけるよ。フェイトちゃんの心に私の言葉が届くまで」
なのはははっきりと・・・僕を見て、そう言い切った。
「そうか・・・はっきり言って・・・今のなのはだと・・・フェイトには勝てないよ」
「・・・」
「でもそれは、経験や知識が無いからだ。ないなら作ればいい、経験を、知識を・・・」
「・・・え?」
僕ははっきりと言う。
「助けるんでしょ?なら僕はそれを手助けするだけだよ。
ユーノもそれでいいよね?」
「うん」
「明久君・・・ユーノ君・・・」
「手助けはする。でも君達の戦いに首は突っ込まない。
なのはが伝えるんだ。フェイトに、自分の思いを」
「うん!!」
「さぁ、これから忙しいよ」
「頑張るの!!」
「ってことでまずは基礎体力を付けようか」
「・・・え・・・」
言うと・・・準備運動ですら彼女には鬼門だったみたいだ・・・