ジュエルシード事件の終結から数日が過ぎた。
あの後、プレシアさんの扱いをどうすべきかという話になったが、紫に調べさてせいた事故の原因、関わった人物等の資料を渡したこと、そして今回の局員の協力により無罪とまではいかなかったけど、比較的軽いものになるということだ。
フェイトの方についても同様とのこと。
で、今日は休日。僕はリビングで紫達とお茶を飲んでいると、
『prprprpr…』
「はい、もしもし?」
「あ、明久君?なのはだよ」
「ん?どうかしたの?」
「あのね、今日フェイトちゃん達が管理局の本局に行く日なんだって。だから私、見送りに行こうと思って、それで明久君達もどうかな?」
今日だったのか。
「場所は?」
「海鳴臨海公園だって」
「了解。今から行くよ」
「うん!」
受話器を置くと、
「ってことで鳴海臨海公園に行こうか」
「どういう意味よ…」
「ノリだよ」
「私は今から幻想郷に一旦帰るから。行ってらっしゃい、霊夢、明久」
「わかったよ、さて急ぐかな…霊夢」
「なに?」
僕は霊夢に背を向け、
「走るから、乗って?」
「……」
僕は霊夢を背負うと認識阻害の幻術を発動し、窓から飛び出し屋根を跳んだ。
sideなのは
「フェイトちゃん!」
「ありがとう、来てくれて」
フェイトちゃんは微笑みながら見送りの礼を言う。
「当たり前だよ」
すると、クロノ君がこちらに来て、
「あまり時間はないが、しばらく話すといい。僕たちは向こうにいるから…それにしても明久がおそ…
」
「お~い」
明久君の声がしたので周りを探すといきなり明久君が降って来た。
霊夢ちゃん、いいな……
「ごめん、ごめん。遅くなっちゃった」
「とりあえず来たし、向こうに行ってるね」
「…なんだかいっぱいフェイトちゃんと話したいことあったのに、変だね。フェイトちゃんの顔を見たら、忘れちゃった」
いろんなこと話そうと思ったのにな。思い出せないの。(苦笑
「私は…そうだね。私も上手く言葉にできない。
…だけど嬉しかった。まっすぐに向き合ってくれて」
フェイトちゃんは笑みを絶やさずに言葉を紡ぐ。
「うん、友達になれたらいいなって思ったの。
…でも今日はもう、これから行ちゃうんだよね?」
ちょっと悲しいな…
「…うん、そうだね。…少し長くなる」
クロノ君いわく、アキ君のおかげでコレといって罰はないらしいけど…
「また会えるよね?」
「うん、大丈夫。やっと…本当の自分を始められるから」
フェイトは迷いのない表情ではっきりと断言した…必ずまた会えると。
「今日来てもらったのは、返事をするため…」
「え?」
「君が言ってくれた言葉…『友達になりたい』…って……」
「あ…うん!」
「私に出来るなら…私でいいならって…だけどどうしていいか分からない。私には、アルフ以外に、友達がいなかったから…」
フェイトちゃんはちょっと苦笑し、
「だから…教えてほしいんだ。どうやったら友達になれるのか」
簡単なことだ…
「簡単だよ。友達になるのはすごく簡単。名前を呼んで…初めはそれだけでいいの。君とかあなたとかそういうのじゃなくて、ちゃんと相手の目を見て、はっきりと相手の名前を呼ぶの。全部はそこから始まるの」
「そうそう。と言うか悲しいな…」
「え?」
明久君は頬をかくと、
「友達がいないって…僕、友達だと思ってたんだけど…」
「あ、明久!?そ、そういう意味じゃないからね!?」
「ふふ、わかってるよ」
明久君は楽しそうに笑い、霊夢ちゃんはそんな明久君を見て苦笑しながらも懐かしそうにしていた。
「じゃあ、フェイトちゃん、私、高町なのは、なのはだよ」
「……なのは」
「うん」
私は嬉しくなった。
「なのは」
フェイトちゃんはもう一度口にする。胸の奥が暖かくなった…
「うん!」
「なのは!」
はっきりとフェイトちゃんは私の名前を呼んだ。
「うん!」
いけない…嬉しくて…でも悲しくて…涙が…
「少し…わかったことがある。友達が泣いていると…同じように…自分も悲しいんだ…」
「フェイトちゃん!」
フェイトちゃんの言葉に私は泣きながらフェイトちゃんに抱き着いた。
フェイトちゃんは優しく抱きしめてくれた。
「ありがとう、なのは。今は離れてしまうけど、きっとまた会える。そうしたら、また君の名前を…なのはの名前を…呼んでもいい?」
「うん!うん!」
ひと時の別れ。でもきっとまた会える。
side明久
「ホントに…エグッ…良い子だねェ~、あのなのはって子は。フェイトがあんなに…グスッ…笑ってるよぉ~」
向こうを見てみると、アルフが大号泣している。プレシアとユーノも涙目になっていて、
僕は霊夢と見合わせ、微笑んだ。
少しすると二人は僕を見て、
「明久、本当に・・・本当にありがとう。明久のおかげで私、ちゃんと母さんと向き合えたよ」
「僕は何もしてないよ。それは君が出した答えで、フェイトの頑張りが実った結果だよ」
「うん。ありがとう/////」
「済まないが、そろそろ時間だ」
それを聞いてフェイトは僕達を真っ直ぐに見つめて、口を開く。
「明久、なのは、霊夢、本当にありがとう。必ず・・・また会おうね」
「色々、世話んなったね。この恩はいつかきっと返すよ」
「本当に感謝のしようがないわ…」
「なのは、明久、僕は二人に会えてよかったよ」
「うん。フェイト、アルフ、プレシアさん、ユーノ」
「ユーノくんも元気でね」
「頑張りなさいよ」
「明久」
僕は名前を呼んだプレシアさんのほうを向くと、
「ありがとう。貴方のおかげで私は…あの子を悲しみに飲み込ませずに済んだわ…」
プレシアが見つめる先で二人はリボンを交換し、ちょっと泣きながら笑顔で握手していた。
「頑張ってください。まだ…」
「えぇ、まだあの子との未来が待ってるものね」
「じゃあ行きますよ」
「あ、クロノちょっと待って」
フェイトは僕に近付き、
「ホントに…ありがと、明久」
そのまま僕の頬にゆっくりとキスをした。
「あら♪」
「あ!!」
「//////////」
そしてそのまま魔法陣まで走って行き、
「またね//////」
消えていった。
「う~~!!??」
なんかなのはが唸ってるけど…
「またやったようね、明久」
「へ?」
とりあえず…異世界ではお礼にほっぺにキスをするのだろうか?外国みたいに。