【成り代わり】鉄血のナントカ【異世界転生?】   作:くずみ@ぼっち字書き。

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【成り代わり】鉄血のナントカ 10【異世界転生?】

 

 

 

 皆のところへ戻ったのは、何だかんだで夕刻になってからだった。

 疲れた身体を引きずるようにして帰りついた、ら、そこはキャンプ地と化していた。

 野営用のテントが張られ、焚火が焚かれている。簡易テーブルと椅子、水を溜めたプールのようなもの。そのまわりで年少組が跳ね回っている。

「あ、おかえり、“オルガ”」

 “三日月”が、魚を揚げながら片手を上げてくる。

「す、すまない、オルガ・イツカ……阻止し切れなかった……」

 と云うアインの手にも、からりと揚がった魚がある。

「おう、先にやってるぜ!」

 上機嫌なのはシノ、その横でややこそこそとしているのはヤマギとユージンだ。

 歯止めになるはずの大人組はと見れば、どこから持ち出したのか酒盛りの真っ最中で、歯止めどころの話ではないようだった。

「駄目だった?」

 可愛っぽく小首を傾げても駄目、と云いたかったが、火星を出て以来、子どもたちも羽目を外す場所も時間もなかったから、まぁここは仕方ないと目をつぶることにする。

「……明日には出る、はしゃぎ過ぎて明日起きられない、なんてことはないようにな!」

 と云うと、皆から歓声が上がった。

「クーデリア!」

 アトラがぱたぱたと寄ってくる。

「お疲れ様! クーデリアには、アクアパッツァ作ったの! 三日月が釣ったタイっておさかなでね、貝とかも入れて――自信作なの、食べて!」

 凄い押しだ。

 そうして差し出された浅鍋に、

「まぁ!」

 クーデリアも歓声を上げる。

 なるほど、鯛に浅蜊、スープの香りも高い、いかにも旨そうな一品だ。

「フミタンもどうですか? 結構量があるから、ふたりでも大丈夫だと思うんだけど」

「ありがたく戴きます」

「良かった!」

 女三人は、きゃっきゃしている。

 それを見て、シノが鼻の下を伸ばし、

「えぇわぁ……」

 などと云っているが、隣りのヤマギの目が怖い。シノ、隣り見ろ隣り!

「“オルガ”、刺身あるよ」

 “三日月”が、棕櫚の類なのか、大きな葉に載せた刺身と、醤油の入った豆皿を寄越した――ここがどこなのか、曖昧になるような料理だ。ついでに、枝をかるく削いで作ったらしき箸も一膳。

「……おう」

 今度の刺身は、白く透きとおるような身の魚だった。“三日月”のことだから、食べられないものは出してこないとは思うけれど、これは一体何の魚なのか。

 とは云え、食べてみれば身が締まっていて大変に旨く、さらっと食べ終わってしまったが。

「ところで」

 広く取った空き地の真ん中に、憶えのあるやり方で積み上げられた木片を見ながら、“三日月”に問う。

「ありゃあ一体、何をやるつもりだ?」

「ん、キャンプファイアー」

 自分も刺身を食べながら、“三日月”が答える。

「せっかくだから、フォークダンスでもしようかなって。マイムマイムとか、どうかな」

「……怪しい儀式みたいになりそうだな……」

 まぁ、自分の最後のキャンプの記憶と云うと、中学の林間学校で、『スリラー』に合わせて炭坑節を踊ったくらいのものだ。あれこそ“怪しい儀式”だった。それに較べれば――いや、やはり“怪しい儀式”だろう。

「……まぁ、火の始末には気をつけろ」

 熱帯雨林の森だって、森林火災にならないとは限らないのだから。

「わかってる」

 そう云う“三日月”に頷きを返し、船に戻る。

 ちらりと見ると、クランクはアインに引きずりこまれて魚の素揚げに齧りついている。ビスケットは、ユージンに何か注がれている――まさか酒ではあるまいが。

 ブリッジに断り、通信で“イサリビ”を呼び出すと、折よく出てきたのはダンテだった。

〈オルガ! 何かあったのか?〉

「いや、こちらはまだミレニアム島だ。――ダンテ、ドルトで労使の交渉に動きがあったって聞いたが、本当か?」

〈あぁ! 本当だ、ビスケットの兄さんが、やってくれたぜ!〉

 なるほど、ダンテの耳にも入っていると云うことは、蒔苗のふかしではないらしい。

〈それの報道で、クーデリアや俺たちの名前も出してくれたんで、俺たち、ちょっとした英雄になっちまったようだぜ。ただ――そのせいで、アフリカンユニオンとアリアンロッド艦隊からは、ちょっと目ぇつけられちまったみたいだけどな〉

 声が低くなる。

「やっぱりか」

 それを、危惧していたのだ。

 ダンテは頷いた。

〈あぁ。アリアンロッド艦隊から、直接通信もあった。だけど、今“イサリビ”は、地球の静止軌道上にいるだろ。だから、地球外縁軌道統制統合艦隊の管轄なんで、確認程度で、手は出してこれなかったみたいだぜ〉

 その辺は、お姫様さまだな、と笑う。

「そうか、そいつは良かった」

 とは云え、いよいよラスタル・エリオンが敵になる道筋ができてしまったわけだが。

 と、

〈あ、そうだ〉

 ダンテが、思い出したように云った。

〈ビスケットの兄さんから、メッセージを預かってるんだ。交渉が上手くいったって報道があってすぐに、こっちに連絡くれたんだよ。ビスケットは地球に下りたって云ったら、残念そうだったけど、喜んでもいたぜ〉

「……そうか」

 それだけでも、良かったと思える。離れてはいるが、兄弟は、また生きて会うこともできるのだ。

「ちょっと待ってろ、ビスケットを呼んでくる」

 云いおいて、“野営地”へ戻り、ビスケットに声をかける。

「何だい、オルガ」

 マイムマイム――結局やっているのか――を見ていたビスケットが、振り返った。

「お前の兄さんから、メッセージを預かってるみてぇだ。今、いいか?」

「……うん!」

 兄が成功したとわかっているからだろう、ビスケットの返答は心持ち明るい。

 戻った先で、ダンテは、

〈サヴァランさんからだ〉

 と云って、メッセージを再生した。

 兄弟のやりとりだ、ひとりにしてやろうと踵を返しかけた手を、ビスケットが掴んだ。

「オルガも、一緒に」

「え」

 だが、兄のメッセージだ、ひとりで見た方がいいのじゃないだろうか。

「いいから」

 云われて、足を止める。

 何とはない居心地の悪さを感じながら、ビスケットの後ろに立つ。

《――ビスケット》

 と、サヴァラン・カヌーレが画面に映し出された。表情が明るい。

「……兄さん」

 ビスケットが、小さく呟く。

《俺たちの勝利だ! もちろん、まだ道は半ばだが、とにかく一歩を踏み出せたのは、大きな成果だ! ナボナさんも、きっと喜んでくれているに違いない!》

 そうして、細々とした近況報告。遺されたナボナ・ミンゴの家族のこと、労働者たちの顔が明るくなったこと、職場でも、一目置かれるようになったこと。

《……それもこれも、お前たちとクーデリアさんが、あの時俺を叱咤してくれたからだ。クーデリア・藍那・バーンスタインと、お前のところの団長、それからあの三日月って子にも、くれぐれも宜しく伝えてくれ》

「……大丈夫、兄さん。伝わってるから」

 云いながら、ビスケットは目頭を押さえた。それは、原作とは違う、喜びの涙だった。

 そして、こちらを見上げ、

「ねぇ、そうだよね、オルガ?」

 にこりと笑う。

「あ、あぁ」

 気がつけば、こちらの目尻にも、じわりと滲むものがあった。

「畜生、お涙頂戴は好きじゃねぇんだよ!」

 誤魔化すように云うが、ビスケットはお見通しだと云わんばかりに笑いをこぼした。

「……ありがとう、オルガ」

「……それは、ミカにも云ってやれよ」

「うん、そうだね。――さぁ、僕も頑張らなきゃね! 兄さんに負けてらんないぞ!」

〈いいなぁ、俺も地球に降りたかったぜ〉

 見ていたダンテが、羨ましそうに云う。

「何云ってんだ、こう云うのをやり取りしたり、アリアンロッド艦隊の動向を探るために、お前がそこにいるんだろ」

「そうだよ、情報に関しては、君が頼りなんだ。しっかりしてよ、情報参謀殿」

〈……はいよ〉

 微苦笑して、ダンテが答える。

 って、それ“三日月”の科白じゃないか。だんだん皆毒されてきたな。

 通信を終えて外に出ると、キャンプファイアーは残り火くらいになっていた。

 皆、椅子やテーブルを片づけて、早いものはもう横になっている。クーデリアやアトラは、船室にでも戻ったのだろうか。

「――オルガ」

 “三日月”が、小さく云って、手を挙げてきた。近くのハンモックを指す。

「ここ、空いてる」

「おう」

 “三日月”の隣りのハンモックに横になると、睡魔が襲ってきた。アルコールは一滴も呑んでいないが、かなり疲れていたようだ。

 そのまま、眠りの波に身を任せ。

 夢も見ないで朝まで眠った。

 

 

 

 翌日は、朝から出航の準備にてんやわんやだった。

 蒔苗から返答はなかったが、こちらは“やる”と意向は伝えてある。向こうが行く気なら、こちらに来るはずだ。

「一日でキャンプおしまいかぁ、もうちょっとやりたかったなぁ」

 テントを畳みながら、ライドが云った。

「帰ったらまたやればいいじゃないか」

 タカキが骨組を解体しながら答える。

「だって、火星には海も川もないだろ。ちょっとつまんないよな」

「じゃあ、次の、エドモントンでとかは?」

 と云うが、赤道あたりのこの島は暖かいけれど、北半球、しかも緯度の高いエドモントンはどうだろう。

 ――冬季オリンピックやった、カルガリーより北らしいもんなぁ……

 しかも、原作では、エドモントンに向かう列車の車窓から見えた景色は、真っ白だったようだ。考えてみたら、地球の暦では、今は一体何月なのだろう。

 野営地がゴミひとつ残さずきれいに撤収され、MWやMSも格納してしまったころ。

「――ほうほう、撤収が早いのう。手際が良いのはいいことじゃ」

 蒔苗が、荷物を抱えた秘書だか執事だか――しかも二人――を引き連れて、佇んでいた。しかも、この暑いのに、羽織袴の完全和装だ。せめて着流しにでもすればいいのに、と思う。

 ――見た目が暑苦しい……

 まぁ、それも一種の嫌がらせなのかも知れなかったが。

 一見、“心頭滅却すれば”と云う風だが、当然フィジカルをそこまでコントロールできるはずもない。その額には、うっすらと汗が滲んでいる。

「爺さん、行けるのか!」

 叫んでやると、

「あたり前じゃ。儂が行かんでどうなると云うのだ」

 などと云う。正直、面倒臭い。

「あー、それじゃあビスケット、爺さんを船室に案内してやってくれ」

 えっ、と云う顔で見られたが、すまん、そこは頼んだ。

「そ、それじゃあ、こちらへ……」

「ホッホッホ、すまんのう」

 ちっともすまなさそうでない声で云って、蒔苗は船の中へ消えていった。

 さて、北米大陸は、ヴァンクーヴァーから列車でエドモントン、と云うことになるだろう。元のあれなら、VIAのカナディアン号、と云うところだが、まぁVIAが残っているはずもない。

 原作では、テイワズが独自に敷設したらしい鉄道で、アラスカのアンカレジからエドモントンまで行ったようだが、ギャラルホルンと表立って敵対していないから、通常のヴァンクーヴァー〜エドモントンのラインでもいけそうだ。

 ちょっと、ディック・フランシスの『横断』を思い出す――あれは、カナディアン号と同じようなルートを走る競馬列車での話だった――が、そう長く乗るわけでもないし、そもそも進行方向が正反対だ。それでも、作中に出てきたカナダの大自然を体感できるわけだから、ファン冥利につきる、と云っていいのだろうか――まぁ、随分違う時間軸ではあるのだが。

 と、クーデリアとフミタンが、こちらへ近づいてきた。

「団長さん、蒔苗氏が来られたのですか」

「あー、面倒臭ぇから、ビスケットに頼んで船室に突っこんだ。後で、ご機嫌伺い頼む」

「はい。……珍しいですね、団長さんは、誰にでも余裕があると思っていました」

「あんな妖怪爺、得意な奴の方が珍しいだろ」

 肩をすくめると、くすりと笑われた。

「……何だ」

「いえ――安心しました。団長さんにも、苦手があるのですね」

「人間だからな」

 元の職場では、後輩に“怒ったりするんですか”とか云われたが、冗談じゃない、怒ってばかりだった。苛々していないように見えたのは、多分、こまめにストレスを発散していたからで、その場で怒って後は切り替える、をモットーにしていたからだろうと思う。聖人君子ではないのだ、怒らないわけがない。

「なるべく、好き嫌いはなしにしたいと思ってはいるが――ミカに云わせりゃ、俺は随分好き嫌いが激しいらしいぜ」

「そうは見えません」

「それなら、あんたは、俺が嫌いな人間と会うところを見たことがないだけさ。――それに、同じチームでやる奴のことは、なるべく嫌わないように心がけてる」

 それでも、どうしても好き嫌いは出ちまうけどな、と云うと、クーデリアは面を改めて、

「では、私のことはどうですか」

 と訊いてきた。

「……あんたのことは、――悪いが苛っとするな。あんたは、賢いくせに、迂闊過ぎる」

 正直に云うと、少女は少し俯いた。

「それは――私も、世間知らずだと反省しています。でも、私もあなたと同じチームに加わっているのだと、認めて戴きたいのです!」

 紫水晶の瞳が、まっすぐにこちらを見る。

 正直、苦手だと思う――蒔苗は苛っとするだけだが、クーデリアは見ていて苛々する。そのまっすぐさ、素直さ、心の美しさ。自分が失くしたものばかりだ――今ではなく、もっともっと遠い昔に。

 純粋な気持ちを持っていたのは、どれくらい“昔”のことだっただろう? 記憶にある限り、純粋だったのは、それこそ一万年くらい前のような気がする。それくらい昔のこと。

「――今回の作戦は、あんたが中心なのは間違いない」

 ゆっくりと云う。

「そう云う意味では、俺たちはひとつのチームだな」

 依頼人と雇われ部隊、その立場の違いはあるにせよ。

「では!」

 少女はぱあっと顔を明るくするが、本人の望みと、今こちらが口にした内容とは、随分異なっているはずだ。

「まぁ、あんたは依頼人、俺たちはそれを承る側だ。――対等にってことなら、この仕事が一件落着したら改めて、ってことで頼む」

「……わかりました」

 不本意そうだが、こちらとしては、蒔苗の爺の件は、原作のようにクーデリアをパートナーにすると云うよりも、依頼人がひとり増えたと云う感じなのだ。とにかく、無事にエドモントンまで行って、その後の話にしてほしい。原作よりも楽なコースになったとは云え、邪魔が入らないわけでもないのだから。

「わかりました、私もこの旅の間に、あなたと対等になれるように勉強します。ですから――この依頼が終わった暁には、どうぞ宜しくお願いします!」

 ――押しが強い。

「あ、あぁ」

 それに負けて頷けば、クーデリアはにこりと笑みを浮かべた。

「私、頑張りますね!」

 そう云って踵を返すクーデリアの、後を追いかけたフミタンが、こちらをちらりと見てふと笑った。

 何だろう、含みがあるな――まぁいいが。

 とにかく、ダンテの報告にもあった、アリアンロッド艦隊の動きが気になる。まさかラスタル・エリオンは、今の時点でガラン・モッサをアーブラウに投入してきたりはするまいが――要注意人物として、クーデリアと鉄華団のことを、イズナリオ・ファリドに通告する可能性はある。

 が――

 ――逆に、放置して、イズナリオの失脚を待つ、ってパターンもあり得るよな……

 ラスタルは自分に自信がありそうだから、わざとイズナリオの失脚を看過し、しかる後にセブンスターズ内の地歩を固めに動く、と云う可能性もある。

 イズナリオを助ければ、不可侵条約は維持される――それがあったとしてだが――が、その分、セブンスターズ内での力関係は均衡してしまうから、場合によってはやりにくいところはあるだろう。

 若造のひとりやふたり、どうにかするのは赤子の手を捻るようなもの、と云う意識があれば、イズナリオの失脚を座視して、セブンスターズ内での実権を握る、と云うやり方を選ぶ可能性もかなり高いはずだ。

 最終的に政敵になるだろうイズナリオのために、懐刀のガラン・モッサを動かすだろうか? それでイズナリオに恩を売れるならわからないが、そこまでのこととはどちらも思っていないはずだ。

 ならば、イズナリオにも、ラスタルにも隙はある。そして、そこを突くことも、こちらにはできるはずだ。

 何より、自分と“三日月”の存在を、ラスタルは知らない。宇宙ネズミの一群が、アリアンロッド艦隊の底に穴をあけようと目論んでいることも。あちらは知らず、こちらは知っている、その差は大きい――それが小さなネズミの群れでしかないとしても。

 それならば、できることはあるはずだ。イズナリオを失脚させ、ラスタルの力を削ぐ、そんな方策も取り得るはず。

 が、まぁ、

 ――とりあえずは、あの爺さんの舵取りからかな……

 それが、当座の大問題なのだが。

「――オルガ! 出ちまうぞ!」

 ユージンが、船の中から叫ぶ。

「今いく!」

 そう叫び返しながら。

 溜息をついて、甲板へと駆け上がった。

 

 

 

 船旅は、拍子抜けするほど平穏だった。

 まぁ、しばらくはオセアニア連邦の領海で、そこは多分、イズナリオとラスタルの、どちらの息もかかっていなかったのだろうと思う。

 まぁ、ラスタル・エリオンに関しては、ドルトコロニーの一件で、鉄華団の名を心に留めたくらいのもので、まだ直接的な脅威だとは認識していないに違いないからともかくとして、アーブラウ――と云うよりアンリ・フリュウ――の静かなことには、やや恐々とした。

 とは云え、アーブラウ議会は、アンリ・フリュウ派と蒔苗派がまだ拮抗しているような状況らしかったから、相手方が完全に出入りを掌握している、と云うわけでもないのだろう。

 ここではありがたい、が、エドモントンに近づくにつれ、道中が厳しくなってくる可能性は高かった。

 ヴァンクーヴァーだと思しき都市から、列車に乗る。モンターク商会が手配した、特別列車だ。貨物も積める特殊車輌に、MSやMWも積みこめるようになっている。

 原作では、列車で走行する途中で、カルタ・イシューたちに襲撃されたわけだが、今回はそれがないとわかっているので、そのあたりは随分気が楽だ。とにかく、人的被害を最小限にするためにも、また気分的な部分でも、戦闘は少ないに限る。

 蒔苗とクーデリア、フミタンは同じ車輌で寛いでいるようだが、こちらは一応哨戒もしておかなくてはならないから、出たり入ったりを繰り返すことになる。

 特別列車で良かったことは、拳銃や小銃を持った団員がうろうろしても、他の乗客から見咎められることがないと云うところだ。それに、テイワズの“私鉄”と違ってアーブラウ公営の鉄道ならば、MWなんかが貨物車輌の上に見えても、そう訝しまれることもない。これがテイワズの鉄道なら、すわ出入りかと警戒されること請け合いだ。

 さて、エドモントンまでは三十時間弱ある、その間に確認しなければならないことがあるのだ。

「爺さん、ちょっといいか」

 客室――豪華極まりない――の扉を叩いてそう云うと、

「おぉ、入りなさい」

 と上機嫌な声が返った。

 入室すると、蒔苗は、クーデリアとフミタンを侍らせてご機嫌のようだった。

 ――助平爺。

 と云う気分はあからさまにせずに、笑いかける。

「あんた、エドモントンに知り合いはいるよな? その誰かに連絡を取って、車を用意させてくれねぇか」

「何? エドモントンに入るための車輌は、お前たちが用意すると云う話ではなかったのか」

 蒔苗の眉が上がる。

「あんたとクーデリアのはな。あんたに頼んでんのは、そこの二人の分だよ」

 と云うと、壁際に控えていた、秘書だが執事だか使用人だかの男二人が、ぱちぱちと目を瞬かせた。

「こやつらを、どうすると?」

「エドモントンには、一緒に入らなきゃならねぇんだろ? だが、全員一緒に、ってことになると、あんたやお嬢さんをどうにかしたって、足がつく。そんなら、あんたの知り合いの政治家先生に、そっちの二人だけでも引き受けてもらおうかと思ってな」

「囮にするつもりか?」

「駒は、多けりゃ多いほどいいだろ」

 十代の小娘に無理難題を云うくらいなら少し若いくらいの政治家――つまりは、ほぼ爺――にあれこれさせたとて構うまい。何より、奴らは議員の不逮捕特権やら何やら、こちらよりも圧倒的に有利な立場なのだから。

「それとも何か? 失脚した派閥の元領袖のために動いてやろうって、奇特な奴はあんたのまわりにはいねぇとかか?」

 少しばかり煽ってやると、髯の下の唇がへの字になったようだった。

「いないわけがあると思うか」

「そんならいいだろ。連絡して、その二人を引き受けてもらってくれ。……あんたたちは、秘書っぽい恰好で行ってくれるとありがたい」

 二人は、蒔苗の顔を窺う風だ。

 蒔苗は、ややしばらくの沈黙の後、呵々大笑した。どうも、豪快に見せたい気分があるようだ。

「良かろう! 儂の腹心にラスカー・アレジと云うのがおる。あれならば、お前さんの云うようなことも手配してくれよう。――それで、確実にエドモントンに入れるのだろうな?」

「もちろんだ」

「……ならば、早速手配しよう」

 そう云って、男のひとりからタブレットを受け取るのを見て、踵を返す。

 扉のところで少し振り返り、

「……云っとくが、これは俺たちのためじゃねぇ、あんたのための差配だってのを忘れんなよ」

 そう云うと、白い眉が上がった。

「もちろんじゃとも。――お前さんも、儂がエドモントンの、議事堂に入らなければ報酬はないと云うことを、ゆめ忘れるでないぞ」

「あったり前だ。誰が忘れるかよ」

 云いおいて、今度こそ客室を後にする。あとは、蒔苗の爺が宜しくやるだろう。

 客室の並ぶ車輌を抜け、吹きっ晒しの貨物車輌に移る。

 アラスカからの路線ではなかったので、流石に凍結したりはしていないが、北半球の、しかも高緯度のカナダは、やはり寒い。特にこのあたりはロッキー山脈を越えるあたりで、標高も高く、火星生まれの団員たちには辛い道中になっていた。

 すぐに目に入るのは、改修済のマン・ロディ二機と、その近くで見張りを務める元ブルワーズの子どもたちだ。綿のたっぷり詰まったモッズコートを着こんで、喉元までファスナーを上げている。

「団長」

 すっかりなじんだように口にするアストンに、片手を挙げて応える。

「アストン、デルマも、異常はないか?」

「ありません」

 デルマが、敬礼せんばかりの勢いで云う。

「そう固くなるな。吹きっ晒しで悪いな。もう少しで交代だろ。そしたら、暖かくして、何か腹に入れておけよ」

「「はいっ!」」

 元気そうで何よりだ、と思いながら、次の車輌へ。

 これには、ガンダムグシオンと昭弘が乗っている。昭弘は、コートではなく、毛布を二、三枚、身体に巻きつけていた。

「昭弘、寒くねぇか」

「寒い」

「コート、あっただろ」

「こっちの方がマシだ」

 云いながらも、ぶるぶる震えている。唇も、紫まではいかないが、あまり良い色ではない。

「少し代わるぞ。客室で、温かいモンでも飲んでこいよ」

「いや」

 昭弘は、頑なに首を振った。

「もうじき交代の時間だ。あと五分か十分――それくらいなら耐えられる」

「……凍えちまう前に、引き上げろよ」

「おう」

 手を挙げ合って、次の車輌へ。

 ピンクのグレイズ――例の“流星号”の近くには、シノと、何故かヤマギがいた。いや、何故じゃないな、わかってる。

 ヤマギが持ちこんだ簡易ストーブみたいなもので、シノは随分暖かく過ごしているようだった。

「火の始末には気をつけろよ」

 と釘を刺して、次の車輌へ。

 次の車輌、最後尾にはバルバトス――グレイズ二機は、動力車のすぐ後ろに積んでいるのだった。そこには、クランクとアインがいるはずだ。

 そしてバルバトスの傍らには。

「――ミカ」

 呼びかけると、コートと毛布でもっこもこになった“三日月”が振り返った。寒さに弱いのは変わらないらしい。筋肉量はかなりあるはずなのに、おかしな話だ。

「“オルガ”」

「異常はないか」

「ないね。順調だよ」

 と云いながら、“三日月”は少し震えている。どれだけ冷気耐性がないのだろう。

 雪ダルマのようになっている隣りに腰を下ろす。

 バルバトスの脚部の間、風も避けられて、まぁまぁの環境だ。

「“オルガ”は寒くないの」

「まぁな」

 元から薄着ではあったし、車内でも割合動く方だから、自家発電的に結構熱量はある。大体、ちょっと前まで暖かい室内にいたのだ、身体もそこそこ温まっている。

 その上で、ジャケットの前は締めているし、首には例のシュマグも巻いているから、陽の出ている時間なら、まぁそれほど寒くもない。そもそも元も仕事中は、真冬に半袖でうろうろしているような人間だったのだ、そのあたりは結構強い。

 と思うのだが、“三日月”は何やら温かいものを押しつけてきた。見慣れない小さな――これはカイロだろうか。

 何となく弄びながら、そう云えばと呟く。

「……そうか、昭弘には、トレーニングしろって云やぁ良かった」

 そうすれば、あの筋肉量だ、すぐに暖かくなったろうに。

「昭弘?」

「や、寒くてぶるぶるしてたから、身体動かせって云やぁ良かったと思ってな」

「あぁ、そっか、そうだね」

 そう云うが、“三日月”の方は動く気配もない。

 そのままもたれ合って、伸びていくレールを眺める。

 二十一世紀初頭の日本とは違って、沿線に人家の影はない。東海道新幹線の車窓から見る景色は、どこもかしこも人の手が入ったものだった。東北新幹線では、結構山が多かったけれど、それでも道路が走っていたり、妙なところに皓々と輝く自販機があったりして、人の棲むエリアの際であることを感じさせたものだったが――今見ている景色の中には、そんなものは微塵も感じられない。伸びていく鉄路だけが、人間が切り拓いた土地であると主張していた。

 その風景を見ながら、以前訪れた京都の醍醐寺を思い出す。伽藍の大きな下醍醐ではなく、山上にある上醍醐の方だ。

 豊臣秀吉で有名な醍醐の花見の舞台だったが、仮の屋敷や桟敷が並んだと云う上醍醐の山道――高野山のような町石が立てられていて、山頂は二十町、花見の舞台は四、五町のところだった――は、四百年を経て、鬱蒼とした森に変化してしまっていた。

 このあたりも同じなのだろうか――カナダの紀行ブログを見た時には、VIAの沿線はここまで自然に呑みこまれてしまいそうには思われなかった。

 だが、厄祭戦から三百年を経て、地上から人間は失われ、細々と生き延びたものたちの築いた都市は、かつての栄耀はどこへと云う有様のようだ。南太平洋で見たのと同じように、自然の復元力が、地球を人間の手から奪い返すことになったのか。

 それでも、圏外圏から地球へ立ち戻るのを制限しているのは、宇宙世紀のように、地球に棲むことそれ自体を、特権として考えているからなのだろうか――どこに棲むからどう、というものでもないのは、遙か昔からくり返されてきたことで、よくわかっているだろうに。

 どこに棲んだとしても同じことだ。人間は過ち、それによって数を減らし、またじわりと息を吹き返す。駆除されたはずの害虫が、どこからともなくわき出してくるように。

 結局、人間は自らの力で自滅し、生き残った中からまたじわじわとその版図を拡げる、と云うことのくり返しを続けるのかも知れない。

 “地球のために”と云うのは、実は人間がカタストロフィに遭遇しないための、ある種の呪文のようなものなのかも知れないと思う。人間が滅んでも、地球は滅ばない、そのことを忘れず、人間が生存し得る環境を守れと云うだけの。

 数々の激甚災害も、地球全体で考えてみれば、人間が蚊に刺されたのと同じくらいのものだろう。一時的に天候が荒れたとしても、それは人間の尺度でのことであって、地球そのものがなくなるわけではない。

 幾多の人間が死に、また山脈が崩れ、川が湖に化けようと、地球そのものの営みにはほとんど影響などありはしないのだ。

 それは火星も同じことで、テラフォーミングされたあの赤い大地は、もしかしたら、また―27℃とやら、凍りついた土地に戻ってしまうかも知れないのだ。

 そうなったなら、人類はまた、火星を今のような大地にしようと目論むのだろうか? いずれ元の木阿弥に戻るとわかったとしても?

 その、大いなる無益な営為――

「――何考えてるのさ、ボス」

 “三日月”の言葉が、思考を現実に引き戻す。

「“オルガ”だって云ってんだろ」

 いつもと同じ言葉をくり返す。

「うん。で、何さ?」

 ――聞いちゃいねぇ。

「……単に、自然は凄えなぁと思ったんだよ」

 無言で先を促され、言葉を繋ぐ。

「ほんの数百年で、人間が切り拓いたはずの土地が、森や原野に戻っちまうんだからな。人間のちっぽけさを、しみじみと感じちまったのさ」

「ふぅん」

 興味の欠片もないような相槌。

 でもまぁそんなものか――“三日月”は、元々どこか人間ではないような感じがすることがあった。友人のひとりなどは、それで“三日月”を“モノノケ”などと呼んだものだ。別に気味が悪いとかそう云うことではなく、人間とは違うところからものを見ているように思えると云うことだったと思う。

 ――元々ものを考えないところがあるからな。

 だから、時々野生動物のように思える時があるのだ。それが悪いことなのか、良いことなのかは、未だもってよくわからなかったけれど。

 が、案に相違して“三日月”が口を開いた。

「小さいか大きいかなんておれには分からないけど、何度でも切り拓くし、何度でも飲まれるよね。きっと。人間が絶えるまでさ」

 前――と云うか、後ろに伸びていく鉄路を見つめながら、云う。

「そもそも相手は『星』だし。人間だけでしょ。『星』に挑むの。面白いよね。何が違うんだろう。遺伝子なんか、そんなに違わないみたいなのにね」

「――そうか?」

 人間と動物は、結構違うと思う。

 何かで読んだ記憶がある、星の声を聞くことができないのは人間だけなのだと。

 それが事実かどうかはわからないけれど、さもありなんとも思う――動物の、感情を思わせないまなざしは、濁りもなく美しいから。

 人間は、知恵をつけすぎて、星の声を聞けなくなったのかも知れない――だからこそ、あの楽園追放とやら、そんな神話が語られるようになったのかも。

「うん、違わない」

 “三日月”は頷く。

「だから、何度でも滅んで、何度でもしぶとく湧いて出るんだよ」

「……虫が湧くみたいな云い方だな」

「うーん……近いかも」

 近いのか。

「人間が本能のままに生きると、多分戦いばっかりで、絶滅しそうになると思う。だけど、ボス――“オルガ”みたいに考える人の存在が、それに歯止めをかけるんだと思う」

「そうか?」

「そうだよ。“隣人を愛しなさい”とか“憎しみ合ってはいけない”とか。――それでちょっと戦いが止んで、そこでまた人間が増えるんだ」

「そりゃ、あんまり良いようにも思われねぇな」

「そう? ……心配しなくっても、人間は滅びないってこと」

「――そう云う心配はしてない」

 人間なんか滅んじまえ、と思うことはあるけれど。

「そう?」

「……とにかく、俺たちのやらなきゃならねぇのは、目の前の仕事をこなすことだからな」

 人類の将来なんか、それとは何の関係もないのだ。それこそ、“我が亡き後に世界よ滅べ”と云うヤツだ。人間のやることの馬鹿々々しさに、虚無感を感じることがあったとしても。

「まぁね」

「明日の夕方には、エドモントンの駅に着くぞ」

 そうしたら、そこからは“戦闘”だ。原作のように、実弾飛び交う戦場ではないけれど。

「モンターク商会は、きちんと仕事してくれてんだろうなぁ?」

「大丈夫でしょ、信用問題じゃない」

「まぁな」

 そこは疑ってはいない。が、偽IDやら何やら、面倒なことを頼んだ自覚はあるから、ほんの少し気になっているのだ。

 と、

「三日月さん! ……あれ、団長も」

「おう、ライド」

 交代要員のライドが、小銃を担いで現れた。やはりもこもこのジャケットで、上まできっちりファスナーを上げてある。風のせいだろう、むき出しの鼻の頭が赤い。

「交代か」

「はい!」

「じゃあ、これあげる」

 そう云って、“三日月”は、ぬくもりの残る毛布をライドの身体に巻きつけた。耳当とマフラーも外して、子どもにつけてやっている。

「え、いいんですか」

「中に入るからね。また後で返してよ」

「……はい!」

 きらきらしている。“三日月”を慕っているのだなとわかる顔だ。

「頼んだぜ、ライド。何かあったら呼び出せよ」

「はいッ!」

 応える姿は、一人前の兵士そのものだ。

「任せた」

 ぽふんと頭を撫でると、少し頬を染めて俯かれた――何だ、子ども扱いしてしまったか。

 さて、それでは一旦戻るとするか。

 カイロ的なものを“三日月”に返し、来たみちを逆に戻っていく。

 昭弘は昌弘と代わっていて、弟の方は、兄と違ってコートも毛布もきっちり着こんでいた。

 それに声をかけて、次の車輌に移ると、シノに代わってタカキがいた。ヤマギはストーブを置いていってはくれなかったらしい。代わりに“三日月”がカイロを渡し、それで少し温かくなったようだ。

 アストンたちも、ビトーとペドロが代わっていた。多分、クランクとアインも、他の誰かと代わったのだろう。

 戻ったら、とりあえず温かいお茶でも飲んで、何か腹に貯めて、少し眠ろう。

 明日の夕方には、“戦場”に着く。そうして、明後日には、いよいよ作戦開始だ。

 歩きながら“三日月”の肩に手をやると、何故か腰に腕を回された。子どもが父親にしがみついてるみたいだな、と思いながら、客車の扉を引き開けた。

 

 

 

 しかして。

 一眠りして起き出して、蒔苗の爺と打ち合わせをして。

 あれやこれやしているうちにエドモントンに到着する。

 高緯度で冬季にかかっているために、到着した時には、とっぷり陽も暮れていた。流石に寒い。骨に染みとおるような寒さだ。

 荷下ろしを皆に任せて駅舎の外に出ると、車輌運搬用のトレーラーが停まっていた。男が二人、その中で手持ち無沙汰そうに坐っている。片方がふわりと欠伸をした。

「――モンターク商会の方か」

 男たちに声をかけると、かれらは慌てて降りてきて、きちっとした礼をした。もしかすると、元々ギャラルホルンに属していたのだろうか。そうだと云われても不思議のない、軍人めいた仕種だった。

「鉄華団の、オルガ・イツカさんですか」

「あぁ、そうだ」

「モンタークより、ご依頼の品をお届けに参りました。車二台と衣装、IDになります」

「ありがとう」

「請求に関しては、改めてモンタークよりご連絡を差し上げます。――とりあえず、品物をご確認下さい」

「わかった」

 頷いて、トレーラーに載った車を見る。一台は黒塗りのリムジン、もう一台はシルバーグレイの普通の乗用車だ。

「スーツはリムジンの中に、ジャケットは乗用車の方にあります」

「あぁ」

 リムジンの後部座席に入りこむと、床に持ち運び用の衣装ケースが置かれていた。小さいものも含めて、九着分。一番上の大人用のものを開けると、希望どおりのものが入っていた。小さい方も、上質な生地で、縫製も美しい。

「……流石だな」

 呟いて、もう一方の車の中も見る。

 こちらはクリーニング上がりのような透明な袋の中に、カーキ色のジャケットが。マークも何もない、まっさらのものだ。人数分で、サイズも希望どおりであるようだ。

 男たちのもとへ戻り、

「流石だな、注文どおりだ」

 と頷くと、最後に車のキーと、カードの束を渡された。

「こちらがキーと、それからIDです」

「あぁ……」

 と受け取って、IDの名前を見た瞬間、思わず吹く。

「……な、何か……?」

「い、いや……」

 不安そうに訊いてきた男に首を振ってやるが、内心は動揺と云うか、怒りと云うか。

 ――あの野郎、遊びやがって……!

 と云う相手は、モンタークではなく“三日月”だ、もちろん。

 男のひとりが、トレーラーから車を下ろす。

「問題がなければ、われわれはこれで。返却時はご一報下されば、回収に伺います。請求に関しましては、後ほどモンタークからご連絡差し上げることになるかと」

「あぁ。感謝する」

「とんでもない。それでは失礼します」

 そう云って、かれらはまたトレーラーに乗りこみ、去っていった。

 それを見送り、とりあえずは“三日月”を締め上げるところからだなと、駅舎の方へと踵を返した。

 

 

 

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