食事も終わって、片づけたのち、リビングで女の子を囲んでいた。
ちなみに酒はめぐみんが半分飲みやがった……おのれ、次のクエストでパンツ剥いてやる。
「ヒッ!」
「ん? どうしためぐみん?」
「いえ、なんかものすごく嫌な予感がしたので……カズマですね? こういう時はカズマですね? 何か良からぬことを企んだんでしょう!?」
チッ! 勘のいい子は嫌いだよ!
「それはともかく……ええと、ワタル? この子を紹介してくれるか?」
「あ、はい、ダグネスさん。この子は忍部一族の頭領の――」
「アチシ、ヒミコ、だよ!」
にぱっと笑った忍者服の女の子。
年はワタルより小さくて6歳ぐらいだろうか?
髪の毛を結ぶでっかいリボンが印象的だ。
「彼女は僕の仲間だったんです。ドアクダーを倒す時も幻王丸っていう魔神で僕を助けてくれました。でもどうして……」
「あのね、アチシ、ワタルが穴に落っこちたーって聞いてから、いろんなところの穴を調べてたの」
「あ、穴ぁ? ああ、次元の狭間を穴って……」
「そんでね、いろんなところを調べて、竜さんとか虎さんとかいろんなところを調べているうちに黒い穴みたいなの見つけてね? ここにいるかなーと思って中入ったらワタルがカニ食ってた」
「なんだ、そりゃあ」
ワタルが呆れたように肩を落とす。
「ううーん、よくわからん。わかるか、アクア?」
「さあ? そもそもワタル自体がわかんない所から来たんだから、この子も紛れ込んじゃったんでしょう?」
「それもそうか……まあいい。どの道、こんな幼い子供を放り出せるわけもなし。部屋は余ってるし、ここに住むといい」
『ちょ、俺の了解もなしに勝手に言うな!』
ダグネスがまとめ役のように言うのを俺がツッコむ。
だが、俺の言葉は今、ワタルにしか聞こえないんだったな。
と、ふとヒミコが俺を見た。
「おっさん。アチシ、ここ泊まりたい。いい?」
『む……まあ、小さな子を放り出すのもなあ。しょうがない、いいよ』
「やったあ! ワタル、また一緒に旅できるね!」
「ああ、そうだね……って、ちょっとまって。なんでヒミコはカズマさんと喋れるの?」
『!!?』
あ、そういえば……
「なんでって、そこにふわふわ浮いているから?」
「いや、そうじゃなく……てか見えるの?」
「見えるよ? そこに浮いてるおっさん」
『おっさんちゃうわ! どう見てもお兄さん!』
はて……どういうことだ?
いや……もしかして?
『ワタル。ちょっと王者の剣を鞘にしまってくれるか? 確かめたい』
「え? あ、はい」
そういいながらワタルが剣をしまうと。
「「「 あっ! 」」」
「やっぱり……こういうことか」
『ニャハハハハハハハ!』
『うええ!? ヒミコまで幽霊に!?』
俺と入れ替わりに、ワタルとヒミコが幽霊状態になるのだった。
*** このすばワタルっ! ***☆彡
「うえええええええええ! べ、別の存在が増えたぁ!?」
次の日、俺はクリスを探し出して事の顛末を話した。
クリスは女神エリス様から神器探しの任務を請け負ってるから、その関係でエリス様に報告できると思ったからだ。
『オッス! アチシ、ヒミコ!』
『ヒミコ……この状態じゃ、カズマさん以外には僕らの声も姿も届かないんだよ』
『ありゃ、そうなんだ』
まあね。その分俺には声量からして駄々洩れですがね。
「な……なんでぇ? 私、なにも聞いてないし感知できませんでしたよ? なんで私の担当世界なのに何も気づかないとか、どういうことですか……」
「あの……クリス?」
「は、な、なんでも……なんでもありませんですことわよ!?」
「大丈夫か? 言葉がバグりまくってるぞ!?」
わたわたと目を回しているクリスをとりあえず落ち着かせる。
つか、なんでクリスがこうも慌てているんだろう?
「というわけで、悪いけどエリス様に報告を頼めるか?」
「ええと……うん、それはいいんだけど、別の存在? 悪いんだけどその子、見せてくれる? さすがに見てもいないのに報告するのは……」
「ああ、そうだな。ちょっとまってな」
そういって王者の剣を抜くと――
「ええと……すいません」
「ニャハハハハハ! アチシ、ヒミコ! お姉さん、よろしくな!」
「あああああああ……本当にどうしたもんでしょうか」
がっくりと崩れ落ちるクリス。
だからなんでお前がそうなるのさ?
エリス「なんでこんなことに……はっ! これはまさか悪魔の仕業? まさか底意地の悪いと評判の見通す悪魔の仕業かも……」
見通す悪魔「濡れ衣にもほどがある!」
こら、君は出てこないんだから黙ってなさい。
次回、デストロイヤー戦。