このすばワタル   作:遊佐

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「これ作ったやつ、絶対バカだろ……おっと! これ作った責任者、俺でした……お、終わり」

「「「 なめんな! 」」」

 

冒険者がみんなで叫ぶ。

アクアが読んでたのは、このデストロイヤーを作った設計者の手記だった。

何か手掛かりがあるかと思ったら……ただのアホだった。

 

「な、なんつう……」

『キャハハハハハ! バカだ!』

 

そうだなヒミコ。まさしくそうだ。

 

 

 

*** このすばワタルっ! ***☆彡

 

 

 

「これがコロナタイトですね」

 

機動要塞の動力部。

そこの場所を手記通りに進んだ結果、目的の場所はあった。

さすがに全員で行ってもしょうがないと、他の冒険者にはデストロイヤー内部にある宝などを運ばせている。

ここにいるのは、ウィズとアクア、そして龍神丸に乗ったワタルと幻神丸に乗ったヒミコが護衛としている。

ウィズが鉄格子の向こうにあるコロナタイトを見ながらそう言うが、機動要塞のエネルギー源というだけあって、かなりの高熱の様だ。

 

『ワタル、鉄格子を斬って取り出せるか?』

「鉄格子を斬るのはいいけど、手に持ったらさすがに龍神丸でも焼けただれちゃうんじゃないかな」

【うーむ。この高温だと溶岩に手を突っ込むようなものだからな。数秒はともかく、持ち続けるのは難しいだろう】

『うーむ……ああ、そうだ! 炎龍拳だったっけ。鉄格子を斬ってからあれをコロナタイトにぶつけて弾き飛ばせないかな』

「炎龍拳だと爆発しちゃう……あ、そうだ! 飛龍拳がある! あの光の鎖なら多分出せるよ!」

『よし、やってくれ!』

「わかった! アクアさん、ウィズさん、下がって!」

 

ワタルの声に二人が壁際まで下がる。

 

「ヒミコ! 鉄格子斬れるか?」

『おまかせ-! シュップ、シュピ、シュパ、シュッパー!』

 

ヒミコの幻神丸が鉄格子を粉々に切り裂く。

 

「ようし! 飛・龍・拳ーっ!」

 

龍神丸の胸元の穴から四本の光の鎖が飛び出し、コロナタイトに絡まる。

そのまま床の上に落っこちた。

 

「フリーズ、フリーズ……だめですね、暴走してます!」

 

ウィズがすぐさま凍らせて鎮火を試みるが、コロナタイトはらんらんと輝いている。

 

「このままだとすぐにボンって行きますよ。どうしましょう……」

「ウィズ、あんたなんとかできないの?」

「できないことはないんですけど……テレポートには魔力が足りません。一応、消費魔力が低いランダムテレポートなら使えますけど……」

「ランダムテレポート?」

「転送先を指定しないテレポートです。うまくすれば火山や海の底に飛ばせますけど、下手をすると町の中とかに飛んでしまうかも……」

 

ウィズがためらうのもわかる。

それが人のいない所にいけばいいが、万が一にも人のいる場所ではとんでもないことになる。

だけど……あまり時間はない。

 

『……ワタル。アクアに聞いてくれ。確か幸運魔法があったはずだ。あれはアンデットに効くのかと』

「あ、うん。アクアさん、幸運魔法は、アンデットにも効くのかって聞いてますけど」

「へ? ああ、神聖魔法だけど単に幸運の底上げだからアンデットにも問題ないと思うけど」

『よし! ならウィズにそれをかけてランダムテレポートをするんだ! 幸運値が高ければうまくいく! 全責任は俺が持つ!』

「えーと、ウィズさんにそれをかけてテレポートさせろと。全責任は俺が持つ、だそうです」

 

アクアはともかく、ウィズは魔神のことを召喚獣と言ってるので頭にはてなマークがあるようだ。

 

「えーと? あれ、カズマさんの召喚獣じゃないんですか? なんか別の人の声がするんですけど」

『急げ!』

「あ、えと、時間がないから急げ、だそうです!」

「わかったわ! ウィズ、いいわね! ブレッシング!」

「あううう……なんかピリピリするような。い、行きます! ランダムテレポート!」

 

シュンッと音を立てて、コロナタイトは消え去った。

 

 

 

*** このすばワタルっ! ***☆彡

 

 

 

「よし! 今度こそ終わったわね!」

 

おいこら! そういうフラグみたいなこと言うな!

 

ボンッ!

 

ほらみろー!

 

「な、なに?」

「こ、これは!? 暴走したエネルギーがデストロイヤーの中であふれ出そうになっています! 今からじゃ排熱が間に合いません!」

「どーすんのよ! 逃げましょう!? もう逃げてもいいわよね!」

「まってください、アクア様! ここで爆発なんかしたらアクセルの街が!」

「そんなこと言ったって! どうすることもできないじゃない!」

 

アクアとウィズが喧々囂々に騒いでいる。

 

「ど、どうしよう、カズマ」

『うーむ……龍神丸でデストロイヤーを運ぶとかは?』

「無理だよ! でかすぎるよ!」

『だよなあ……せめて重さがなくなれば、押すなり上空に飛ばせて爆発させるなりできるのに』

『できるのだ』

『そうだよなぁ、できるよなぁ……なんですと?』

 

ふと、ワタルと顔を見合わせる。

 

「ヒミコ?」

『このでっかいのを浮かすぐらいならたぶんできるのだ。あとは、ワタルが上に蹴っ飛ばせば?』

『そ・れ・だ!』

 

 

 

*** このすばワタルっ! ***☆彡

 

 

 

デストロイヤーから全員を避難させると同時に、あちこちから蒸気が吹き始めた。

 

『もう時間がない! ヒミコ、やってくれ!』

『あいよー! ヒミコミコミコヒミコミコ! 忍法、パタパタ台風、幻神丸バージョンっ!』

 

すると、どろんという音と共に幻神丸の手に巨大な団扇が現れた。

 

『う、団扇?』

「ああ、あれかああ」

『ニャハハハハハハハハハハハ!』

 

そのまま幻神丸が回転しだし、ものすごい突風が吹きだす。

 

「「「 うわーっ! 」」」

 

近くにいた冒険者たちも巻き込まれかけて、慌てて木や矢倉にしがみついた。

すると――

 

ギシッ……ギシッ……

 

おお! デストロイヤーが浮いた。

だけど、浮くだけで飛ばすことはできそうにない。

 

『今だよ、ワタルー』

「よおし! 龍神丸、フルパワーで蹴っ飛ばせ!」

【オオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!】

 

龍神丸が叫びながらデストロイヤーの巨体を下から蹴りだした。

その勢いで、数百メートルまで上昇するデストロイヤー。

 

『だめだ! 遠くまで行かない!』

「ヒミコ! 僕がジャンプしたらアイツまで僕を飛ばすんだ!」

『あいよー!』

「龍神丸、ジャンプだ!」

【わかった!】

 

龍神丸がその場からジャンプし、その背中にヒミコの風を受けてデストロイヤーの所に追いつく。

 

【いまだ、ワタル!】

「よぉし! ひっさぁつ!」

 

ワタルが剣を抜く。

そして天頂へと剣を掲げた。

その動きに龍神丸も剣を上段に構える!

 

「登・龍・けぇぇぇぇんっ!」

 

ワタルの気合の声と共に、龍神丸がデストロイヤーを唐竹割りに切り裂く。

だが、大きすぎて途中で止まる。

 

「龍神丸! パワー全開だぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

【オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオツ!】

 

龍神丸の目が光り、手に持つ剣の光が長く伸びる。

そしてそのままデストロイヤーをぶった切った!

 

『やった!』

 

そしてデストロイヤーは大爆発を起こす。

だが、数百メートル上空での爆発のおかげでアクセルの街は守られた。

龍神丸が着地すると同時に、冒険者が喝采を上げた。

 




めぐみんも出番ナーシ

めぐみん「コノウラミ、ハラサデオクベキカ……」

じ、次回、エピローグ
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