「うわあああああああああんっ! 返して! それ返してぇ!」
「質屋ぁ……開いてるかなぁ……」
「やめて! お願いだからやめて! それだけはやめてぇ!」
回りこんでの目つぶしで全員の目をつぶした後、ゆっくりと一人一人に制裁を施す。
そして最後にスティールで奪ったアクアのビラビラ……もとい、羽衣を手に考える。
こんなんでも女神の持ち物だ。神器かもしれん。
魔剣の何とかさんの魔剣もそれなりの値段になったし、借金全額は無理でも多少は足しになるだろう。
「あああああああああ……(ガチガチ)」
「ああっ……冷たいっ! この容赦のなさが、イイっ!」
めぐみんはクリエイトウォーターでずぶぬれにした後、ウインドブレスで雪まみれの刑にした。
ダグネスには、さらにその上からフリーズで固めておく。
「さ、寒いっ! か、カズマ君! いい加減、ぱんつ返してぇ!」
クリスはパーティメンバーじゃないので、ぱんつ剥ぐだけで許しておいた。
禁じ手を使ってしまったが、戦争ならば仕方ない。
俺の恩情に感謝するがいい。
『あ、あの……さすがに女の人にその仕打ちはひどすぎると……』
ワタルが宙に浮きながらあわあわとしている。
うん、そうだね、普通ならね。
「ワタル。俺は真の男女平等主義者を目指すものだ。男でも女でも、不当な罵倒には正々堂々と立ち向かわなければならない。お前も勇者――いや、救世主だというならわかるだろう?」
『え、ええと……?』
「お前の家族や友人が悪口を言われて、義憤――理不尽に怒ったりはしないのか? お前なんかいなくなればいいと言われている場面で、お前は平然としているのか?」
『いえ、それは……』
「相手が誰であろうと、悪いことは悪い! ならばそれに対して罰を与える! お前は救世主として悪の帝王であるドアクダーにしてきたことは、そういう事じゃないのか?」
『そ、それはそう、かも……しれませんけど』
「相手が女だろうと、非道を強いているのならば立ち向かわなければならない。そうだろう?」
『そ、そうなの、かな? そうかも……?』
ワタルは『うーん』と頭を悩ませ始める。
うむ、やはり子供には難しい話だっただろうか?
「あんた、何ワタルに吹き込んでるのよ! あんたがやってるのは、自分に対して言われたことに癇癪起こして、八つ当たりしてるだけじゃない!」
『……はっ!?』
ちっ!
アクアめ、余計なことを!
【……彼らにワタルを任せてよかったのだろうか?】
あ、まだいたのね、龍神丸。
*** このすばワタルっ! ***☆彡
【では、ワタルよ。危ない時は必ず呼ぶのだぞ】
「うん、もちろんだよ、龍神丸。またよろしくね」
そして龍神丸は光の中へ消えていく。
いったいどこに消えていくのだろうか?
「さて……」
ワタルが周囲を見回す。
「ひっぐ、えっぐ……」
「ガチガチガチガチガチ……」
「あはぁ……この背筋を伝わる冷たい水のゾクゾク感……たまらんっ!」
「うう……また全財産失っちゃったよぅ……また稼がなきゃ……」
『………………』
ワタルが、はぁっとため息をこぼした。
「カズマさん。いくらなんでもひどいと思います」
『正直やりすぎたとは思う。だが後悔も反省もしない!』
「してよ! しなきゃダメだよ!」
『フッ……ワタルよ、いい感じに力が抜けてきたじゃないか』
「え?」
『いつまでも敬語で話してなんかいないで、今の子供らしいお前の方が俺は好きだぞ』
「カズマさん……」
『俺たちはもう仲間だ。だったらそんな遠慮のある敬語なんか使うな。普通に仲間として話してこい』
「仲間として……はい、いや、うん。わかったよ」
『よし!』
僕はカズマさんと一緒ににこっと笑顔で笑ったのだった。
「いや、ここに被害者がいるんですけど……」
泣きわめくアクアさんたちを背に。
短い分、次回がちょっと長めです。