鏡面のシャングリラ~クソゲーストリーマー、神ゲーに挑まんとす~   作:岩木伊吹

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マガシャンに春風が吹き始めたので初投稿です


バイバイゲーム(但しゲームは逃げないものとする)

無二の剣による生活術(ワンソード・ハック)/弾き刀身(parry)

 一本の剣を曲芸のように使いながら生き残る高難易度クソゲー、『ワンソード・ハック』にて使用される小技であり、武器破壊効果を持った敵の技を無効にしながら受ける、二面のボスで必須となるテクニックでもある。掲示板の有志によって現実でも理論上は完全再現が出来ることが発覚したこの技ならば、スキル補正を加えたらシャンフロでも再現が出来るのではないか、そうふと思って試してみたけど……想定以上だったなぁ。

 

 

 

 

 

「キシャアァァァア!?」

 

 頭が跳ね上がり、その蛇腹を晒す貪食の大蛇に一息で近づき、追撃を行う。

 

「『フラッシュカウンター』……からのワンツゥ!」

 

 最初に選ぶスキルはフラッシュカウンター、パリィからのカウンターにダメージ補正が入るスキル。兎狩りの検証中にカウンターの判定は基本的に相手が体制を戻すまでであることがわかった。では今のように大きく弾かれた間はどうなるか?そう、ボーナスタイムというわけだね。

 

 右に揺れ、左に振れ、蛇腹を薙ぐ。前へ突き、剣を引き、鱗を蹴る。距離を取り、一歩を踏み込み、剣先で円を描きながら傷を付ける。

 

「さぁ!人体の神秘の検証です!」

 

 そう叫び左手にアルミラージの角を持ち、貪食の大蛇の方向へ軽く投げる。投げた先にあるのはつい先ほどわたしが付けた傷跡。ゆっくりと修復していくその傷だが、今となってはその回復はあまりにも遅すぎる。

 

 右手に構えた致命の包丁(ヴォーパルチョッパー)を手放す。傷の回復以上に早く落下していくその包丁も、わたし(・・・)にとってはいつもの速度でしかない。

 

「足には腕の三倍の強さがある、では剣を足で振ったらどうなるでしょーか!」

 

 体勢を落とし、両手で大地を踏みしめ、両足を自由にする。確かカポエイラだったかな?

 

「正解は、」

 

 躰を回転させ、アルミラージの角と致命の包丁が一直線に並ぶその瞬間の鵐目に脚を置く。コイントスと同じ要領で全てを揃えた包丁はその力を余すことなくアルミラージの角へと伝える。

 

「ダメージの後ォ!!」

 

 剣先以上に鋭いその角は貪食の大蛇の傷に深く突き刺さり、Criticalのエフェクトを眩く放ちながらポリゴンとなって崩れていった。

 

そして

 

 弾けるように貪食の大蛇の傷口からポリゴンが溢れ、全身へと広がり、その巨体が爆ぜる。

 

 

 

 

 

「うっし!勝利ぃ!見ましたか皆さん!初見でOSH(ワンソードハック)決めながら討伐してやりましたよぉ!」

 

 

『888888888888』『かっけぇ』『スタイリッシュすぎ』『88888』『かっこヨ』『なお最後』『OSHにあんな技は無いゾ……』『すげぇ』『ダメージ倍率どうなってるんだろ』『足で三倍って敵が使ってた理論じゃねぇかw』『88888888』『8888』

 

 

「まぁ足で蹴ったところでダメージが重なってるとは思わないですけどね、気分ですよ気分。それを許したら仲間の足に掴まって魔法を足から放つゲームが始まっちゃいますから……」

 

 環境初期に剣を持った状態で弱キックを打つことで全てを破壊していたゲームの記憶に蓋をしながら、カメラに顔を向ける。

 

「うん、なんにせよエリアボス突破です!ではセカンディルまで向かって素材売り払って装備を買ったら今回は終了ですかね」

 

『お疲れー』『半分以上兎狩りじゃなかった?』『初見プレイなのは間違いないけど初見プレイとしては不正解な気がしてきた』『おつー』『おもしろかった』『おつフロ~』『テンプレの行動一切取らないの面白すぎる』『これが強い奴のニューゲームですか』『ファスティア「どうして」』『おつ』『おつかれ』『今北』

 

 

 

 

 

 ボス戦中にばら撒いたアイテムを回収して、吊り橋を渡りながら今日の感想をまとめ、カメラの向こうに伝える。私の配信では基本的にクソゲーをプレイする関係で少々口が悪く回ることもあるが、最終的には楽しいと思えた部分を抽出して届けるようにしている。私個人としてはクソな部分こそが続ける理由ではあるのだが、配信という他人に伝えるコンテンツである以上一般的な感覚も持ち続けなければならないのだ。

 

「にしても久しぶりにクソゲー以外をプレイすると口直しって感じで良いですね。別のクソゲーに逃げたくなる感覚に襲われずにプレイするのも久々ですよ」

 

「これはまた配信でやっても良いかもしれませんね。遅れてきてる反応見てると初見の人も多くいらっしゃってるみたいですし、このままクソゲー沼に初見さんを集めて沈めちゃいましょうか。有識者はオススメのアーカイブか切り抜きをツブヤイターかコメント欄に投稿しておいてくださいね、あ、もちろん今日のシャンフロ以外でね?」

 

「お、見えてきましたね。あれがセカンディルですか。なんというか、ザ・ナーロッパって感じの街並みですね。私は好きですよあれ」

 

 

 

 

 

 そう言いながら穏やかにセカンディルに到着した私は、早速装備屋の場所を訪ねて相場を聞こうとしたのだが……

 

「嬢ちゃん一旦服着たらどうだ?素材しかないなら物々交換でもいいぜ」

 

「まじですか」

 

 限界を迎えた山賊みたいな状態で入った装備屋にいたおっちゃんの善意で庶民っぽい服一式を兎肉と交換してもらった。もしかしてこのゲームお金いらない?

 

「言っとくがこれは特例で、基本的には金と素材どっちも貰うからな?」

 

あ、はーい。

 

「で、装備だったな?うちで置いてるのはこんなもんだ。どうする?」

 

 そういいながらおっちゃんに渡された板には謎の文字が書かれていたが、近づくと普通に日本語で表示された。きっと翻訳班とかいるんだろうなぁ

 

 

 

・蛇革装備一式(個別購入可):12,000マーニ

 

・ハードチェーン装備一式(装備個別購入可):6,000マーニ

 

・黒道の黒衣装備一式(個別購入不可):9,000マーニ

 

・白道の白衣装備一式(個別購入不可):9,000マーニ

 

・隔て刃の皮服装備一式(個別購入不可):4,000マーニ

 

 

 

「じゃあこれを……」

 

 私は一つの装備を選択して、宿屋に向かってセーブポイントを登録し、一時的な休憩をすることにした。さて、軽くエゴサでもしましょうかね?

 

 




勢いで書いたので多分改稿します(宣言)(多分しない)(時間がない)(ちくわ大明神)


最初は軽く捻ってみました。まぁやってることは全く軽くないんですけど

あなたのシャンフロはどこまで?

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