鏡面のシャングリラ~クソゲーストリーマー、神ゲーに挑まんとす~ 作:岩木伊吹
「といわけでおっちゃん、湖沼の短剣を二本おねがい!」
というわけで戻ってきましたセカンディル!素材もある程度売って金には余裕がある。とっとと作ってもらって狩りに出かけないとストレス値で爆発しそうだ。
「あいよ。それにしてもずいぶんと掘ってきたんだな」
「……(スッと目のハイライトが消える)」
「お、おう、すまねぇ……」
シャンフロノNPCノAIハユウシュウダナー。
「とはいえ、これだけ材料あれば色々装備も作れそうだと思ってな。猫の嬢ちゃん軽い装備が良いんだろ?隔て刃と同じだけの重量で防御が高い防具なんかでも行けるぞ」
「えっほんと?」
これは朗報だ。素材と交換でおっちゃんから貰った隔て刃装備だが、斬撃、刺突には強いが素の防御力が殆ど初期装備と変わらないほど低い。……私はそれすらつけていなかったという指摘は後にしてもらいたい。それが高くなるというのはこれから出会うであろう打撃系の攻撃を仕掛けてくるモンスターとの戦闘で少しでも有利になる可能性があるということだ。濡れたティッシュが画用紙くらいになるだけであってもその僅かな差で勝負が付くこともある。
「じゃあお願いしようかな。どれくらいで出来るの?」
「夜までには作っておくよ。そのころにまた来てくれな!」
「というわけで夜まで時間が空いてしまいました」
『何する?』『戦闘民族の眼をしている……』『対戦か無双系?』『ネフホロから逃げるな』『なにすんのさ』『兎狩る?』『包丁増やしとくか』『別ゲーいっとくか』『目力つよ』『何するの』『作画担当変わった?』『寝るという選択肢無さそう』
今のテンションは寝てなんとかなるテンションではない。不幸にも休憩をちゃんと取ったのでやる気は充分である。
「正直夜までレベル上げも択ではあるんですけど、今は兎に角全員ぶっ倒すタイプのゲームやりたいので枠変えてなんかやります。やるゲームについては枠立てるまで待っててね~」
そういって蓋絵で閉じて、配信を終了し、宿屋でセーブをしてログアウトを行った。
0と1で彩られた世界から浮き上がり、意識が戻っていく。指先に神経が通る感覚と、仮想世界よりも強い気圧が私の体が現実にあるということを再認識させてくれる。
VRゴーグルを外して先ほどまで寝ていたベッドから置き上がる。遅延を入れている関係で
私の部屋の棚にあるゲームカセットを並べるためだけのスペースに立つクソゲーの数々。先日クリアしたフェアクソ、FPS視点で敵が360度から無限リスポーンで襲い掛かってくるコスモ・バスター、普通に良ゲーだった乗馬系格ゲーのキャバクラ……そして目に止まる「サバイバル・ガンマン」。
「ううん、この
少しだけソフトを奥に押し込んで、その隣にあるゲームを手に取った。
「今の気分はこれかな」
そう呟いて手に取ったのは「マグニフィセント・ノートブレイブ」。音ゲーと無双ゲームを組み合わせたリズム破壊TAゲーム。タイミングさえ気にしなければ今私が望む無双ゲームである。
配信するゲームを決めて汎用のサムネで配信枠を遅延を入れて建てておく。未来の配信画面に映る自分と、今フルダイブを行おうとする自分が0と1の世界で重なって溶けていく。
さぁ、配信を始めよう。
私もわたしもあたしもボクも。みんな一人であるのには変わりないから。
次回更新は多分16日です
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