鏡面のシャングリラ~クソゲーストリーマー、神ゲーに挑まんとす~ 作:岩木伊吹
「おっちゃん!こしょたん出来た?」
「こしょ……た……?あぁ、湖沼の短剣か。出来てるぜ、ほら」
「さっすがー!ありがとね!」
こしょうのたんけんなのでこしょたんである。異論は認める。RPG特有の何も持ってない手を動かしてこちらに渡したような描写を挟んでインベントリに直接入ったこしょたんを確認する。
・湖沼の短剣
澱めど輝きの欠片を見せる短剣。
沼荒野の良質な鉱石から作られたそれは戦士の長き友となるであろう。
この剣に輝きを宿せるかは使い手次第。
クリティカル攻撃に成功時、一定時間耐久値の減少が半分になる。
「良い仕事だねぇおっちゃん!」
「喜んでくれたようで何よりだ。またなんかあれば来てくれよな」
これから使い続けるという一点においてこれ以上に有用な武器はこの序盤には無いだろう。つい先ほど師匠からもらった情報にも書かれていたのでわかっていたことではあるが、これは想定以上だ。
師匠からもらった話ではこのゲームに自力で耐久値を回復する手段は無いとのことなのでこれから武器を取り扱って行くにあたっては明確な指標を立てた方が未知のユニークに出会いやすいとのこと。既に不可能だが武器を一つも壊さずにある町に辿り着くことで発生するユニークもあるとか。せっかくシャンフロをするならユニークを発見して新規さんに出会うきっかけになりたい。欲望。
そんなわけでひとまずは「同じ武器を適切な場面で使い続ける」ことを指標としてやっていこうと思う。
さて、新しい武器を手に入れた時にまずするべきことがある。
試し切りだ。
さてやってきました四駆八駆の沼荒野。……の外れ。沼地だと上手く動けないので比較的ぬかるんでいない場所まで移動した。周囲は既に暗くなっており、昼には上空を旋回していた鳥も、夜になり地上に降りている。そして何よりも大きい違いがこいつらだ。
「グギャガギャゴ!」
「ゴブリン、それもレッドキャップゴブリン、ね……」
シャンフロの
「はぁっ!」
「ギャガッ!?」
スキルの動きを再現して動いているだけなのでなんとか対処が出来る。ゲーム的にはスキル頼りのプレイヤーを選別するための敵なのだろうが……
「「「ギャギャグギャギャ!」」」
「群れでその動きをするのはちょーっとズルじゃないですか……?」
こいつら、仲間を呼んで複数体で叩いてくるのだ。そのため回避のためのスキルが使えないまま対応する必要がある。とはいっても攻撃そのものは単調なので対応は出来る。時間がかかりそうだな、そう思った瞬間
夜が落ちてくる香りがした
無意識に体が動く。赤帽子が意識から消える。こいつらじゃない。左手の湖沼の短剣を構え直す。右手は少しだけ前に出す。今迫っている死から生きる為の最適解。コンマ数秒のカウントダウンが始まり、口からは詠唱がこぼれ出す。
3 2 1
「ジャストパリィ…っ!」
現れたそれに向けて武器を押し出す。圧倒的な質量の闇が視界を塞ぎ、相応のダメージが入ろうとしていたが、わたし自身をスキルの補正を含めてその場から
慌てて
改めて正面を見定める。視界の端に映る吹き飛んだ
夜の闇よりも黒い漆黒の毛並みに黒い牙。その体の中で際立つ真っ赤な口腔と黄色い眼がまるで狼の形をした暗闇の中に口と目だけがあるようにも錯覚させられる。
斎賀さんからも、師匠からも聞いた、夜の闇と共に現れるそのモンスターの名前は
『ユニークモンスター「夜襲のリュカオーン」に遭遇しました。』
「いや確かにユニーク発見したいとは言ったけどさぁ……」
3話くらい先の話と12話くらい先の話だけ出来てます。なんで?
あなたのシャンフロはどこまで?
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