鏡面のシャングリラ~クソゲーストリーマー、神ゲーに挑まんとす~   作:岩木伊吹

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卓の予定が埋まり始めたので初投稿です


蝋で溶けた感覚も、こびり付いた純情も

何が起こっているのだろうか

 

 鎧騎士は隣で晴れやかに笑う猫面の少女をなるべく視界に入れないようにしながら複窓視聴で鍛えた並列思考で脳内を転げまわっていた。才能の無駄遣いである。

 元々は中学生の頃の男子生徒の雑談で話題に挙がっていたのが始まりだった。

 

「ゲームで食ってくならもう配信とかしてないといけないのかなぁ」

 

「そりゃそうでしょ!俺小学生の配信者とか知ってるし」

 

「小学生マジ?設定とか無理だろ~親とかにやってもらってんのかな」

 

「あ、でも隣のクラスの陽務とかやってるらしいよ。前誰かに聞いた」

 

「陽務って……え、女子だろ?すごくねぇか流石に嘘だろ」

 

「いやマジだって。確かハンドルネームは……」

 

 それまでは別のクラスで、話す機会も無かった陽務という彼女。ぷろげーまー?げーむはいしん?という職業が人気を得ているということは知識として知っていたが、彼女の友人や知り合いにそれを目指す者がいなかった為深く知る機会は無かった。

 せっかくのタイミングなので見てみようかと思い、検索をかけてしまったのが彼女の沼の淵であった。

 

『なんやこのクソゲー!?!?!?』『これをこうして……こうでしょ!』『決まれよこれで!お互いストックもリソースも尽きたでしょうが!』『味がやばい……感覚全部吸われてる感覚がする……』『あ、でもこれ美味しい気がしてきた』『味リセットぉ!さぁここで決めます最後に苦みと渋みを取って……ぼえ!』『クソゲーなんて二度とやりません。次回は土曜日の夕方を予定しています』

 

 春の日差しのように優しく、夏の太陽のように熱く、秋の斜陽のように鋭く、冬の光のように鋭い彼女(サンラク)の配信に、彼女は推し(好き)という感情を焼きつけられた。

 

 それからのことは詳しく覚えていない。熱に押されるように配信にかぶりつき、似たゲームをプレイし挫折し、姉に誘われてシャンフロを始め、そのシステムを使って配信者となった。光を感じた植物が、少しでも光の元へ近づこうとするかのように。

 

 いつかはコラボをしてみたいと夢想していたし、シャンフロに万が一入ってくれた時の為に資料を作ってはいたのだが……まだ少し、推し(好き)と向き合うには時間がかかりそうだ。

 

 

ฅ^•ω•^ฅ

 

 

 

 食事の後味が長く響かないのはこのゲームの良い点だと思う。前やった食事系パズルゲームは重ねた味が対戦終了まで消えなかったからボス戦とか消す順番まで考えないといけなかったからね……

 

 というわけでクソミドリ(抹茶味エナドリ)を飲み干してれいちゃんとカフェ的な所で雑談をしている。薬よりもデザートの味が薄いの違和感しかないんだけど何なんだろうシャンフロ……

 

「ここからは別の街に移りながらクエスト発生させてけば良い感じ?」

 

「そう……ですね。プレイヤーに依るとは思いますし、それぞれの街のコンテンツも多数ありますが、サンラクさんが『リュカオーンを倒す』ことを目標に一人旅を続けるのであれば移動できる場所を増やすのが一番だと思います。私が所属しているギルド『黒狼(ヴォルフシュバルツ)』もリュカオーンの情報は集めていますが……はっきり言ってサンラクさんには硬すぎてむいていないかと……」

 

「お、硬いお仕事が出来ないというディスかな?」

 

「ち、ちちち違いますよぉ!ただその……ノルマとかどうしてもあるので他のゲーム配信をするのが難しくてですね……」

 

「そりゃトップクランらしいし多少はあるよねぇ……」

 

 机の上に体を預けてお茶の残りを啜る。うーん味の無色透明祭。

 

「ん?ってことは0ちゃんこんな場末の配信にいちゃダメじゃん!」

 

「あ、いえそのための時間は取ってますし、配信をする関係で結構裁量は任されてるのでなんとかなるんですよね。(実力で黙らせればいいだけですし)なのでまずは選択肢の幅を広げるために、セカンディルを超えてサードレマまで向かうのをオススメします。そこからは進む先が複数あるのでクエストと気分によってサンラクさんが決めて自由に進めます。もちろん戻ることも出来ますからね!」

 

「すっごいRPGっぽい……」

 

「あとこれは私としてはどちらでも良いのですが、ボス攻略をお手伝いするにあたって私がいたほうが良いかどうかという問題がありますね。私はもちろん攻略方法は知っているので、サンラクさんが初見をソロ、あるいは別パーティーでやりたいというのであれば一度離れて一人の視聴者に戻りますし、構わないなら是非ご一緒させて欲しい……です」

 

「あー……どうしようかなぁ……」

 

 町案内とシステム紹介をしてもらうのは考えてたけど、そこから先は考えてなかったな……配信で忙しそうだから終わったら解散だと思ってたかも。反省。でもれいちゃんの言う通り初見でなんとかしてみたい気持ちもあるんだよなぁ~

 

「うーん……一回一人で挑んでくるよ!そのあとどうするかは場合によるけど……失敗しても成功してもすぐ連絡するから!なるべく粘る予定だから20分以上かかるようなら今日は解散でまた攻略考えるね!」 

 

「そう、ですか……はい!わかりました!ではコメント欄で皆さんと一緒に応援してますね!」

 

『ようこそ』『悲しいなぁ』『流石にチートか』『最大火力に二番目に近いプレイヤーの補助、初心者には過剰すぎる』『0ちゃんねる:というわけでここからは一緒に観ましょうね』『本人で草』『コメント待ちきれなくて草』『はやい』『草』『草』『草』『遅延を隠せ』『草』『ええ……』『よ う こ そ』

 

そういうわけで一度れいちゃんと別れてボスに挑むことにした。ドロップ率(致命の包丁)以外は今の所問題なく進めているので、このまま調子良く進めるはずでしょう!





限界オタク感情:友人感情=6:3
くらいの感覚

……え?残りの1?ちょっとわからないですね

セカンディル→三番目の街のボスの描写をどうするか迷ってるので一応アンケートで確認取ります。よかったらワンポチ、ご協力ください

あなたのシャンフロはどこまで?

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